オープンアクセス

引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OC立ち上げ

2017年4月6日、学術出版物の引用データのオープン化を推進するイニシアティブ、Initiative for Open Citations(I4OC)の立ち上げが発表されました。

このイニシアティブはOpenCitations、Wikimedia財団、PLOS等の6団体が創設したものです。学術文献間の引用は文献間のつながりを示したり、科学的貢献の認定や研究評価等に関わる重要なデータですが、一般に自由にアクセスできるデータとはなっておらず、複雑なライセンスにより保護され、また機械可読な形式にもなっていませんでした。I4OCの目的は構造化された、分離可能な(引用文献リストの掲載された雑誌記事等にアクセスせず、直接分析可能な)、オープンな形での引用データの利用可能性を高めることにあります。

立ち上げ段階で既にSpringer Nature、Taylor & Francis、Wileyをはじめとする多数の出版者がI4OCへの参加を表明しており、CrossRefのAPIを通じてこれらの出版者の引用データは自由に利用できるようになるとのことです。I4OC開始以前に同様の形で公開されていた引用データはCrossRef中の1%程度に過ぎなかったのに対し、開始後は40%に急増するとされています。

科学技術振興機構(JST)、「オープンサイエンス促進に向けた研究成果の取扱いに関するJSTの基本方針」とその運用ガイドラインを公表

科学技術振興機構(JST)は、2017年4月1日付けの、JSTの研究開発実施事業の研究成果の取扱いに関する基本方針である「オープンサイエンス促進に向けた研究成果の取扱いに関するJSTの基本方針」とその運用ガイドラインを公表しました。

この基本方針は、オープンサイエンスを促進する観点から、研究成果論文のオープンアクセス化や研究データの保存・管理及び公開について、基本的な考え方を定めたものです。研究プロジェクトの成果に基づく研究成果論文はオープンアクセス化することを原則とすること、研究プロジェクトによって生産された研究データは適切に保存・管理することとし、研究データのうち研究成果論文のエビデンスとなるものは公開することを推奨すること、などが述べられています。

なお、この基本方針の策定に伴い、2013年4月に公表された「オープンアクセスに関するJSTの方針」は廃止されます。

オランダの科学技術情報ゲートウェイ“NARCIS”、50万点の出版物をオープンアクセスで公開

オランダの科学技術情報ゲートウェイ“NARCIS”を通じて、50万点のオープンアクセスの出版物を含む、130万点以上の学術出版物の提供が開始されました。

500,000 open access scholarly publications in NARCIS(open access.nl,2017/3/16)
http://www.openaccess.nl/en/events/500000-open-access-scholarly-publications-in-narcis

NACRIS
http://www.narcis.nl/

欧州委員会、世界のオープンサイエンスをモニタリングするウェブサイト“Open Science Monitor”を公開

2017年3月20日、欧州委員会(EC)が、世界のオープンサイエンスをモニタリングするウェブサイト“Open Science Monitor”を公開しています。

新しいウェブサイトには、RAND Europe、Deloitte、Digital Science、Altmetric、figshareが開発したモニターが提供されており、研究者・政策決定者・助成団体・図書館・出版社といった利害関係者が、オープンサイエンス(オープンアクセス、研究データのオープン化、オープンな学術コミュニケーション、シチズンサイエンス)に関するデータやトレンド情報にアクセスできます。

Open Science Monitor(EC)
http://ec.europa.eu/research/openscience/index.cfm?pg=home&section=monitor

arXiv、2018-2022年のビジネスプランを発表 会費の値上げへ

2017年3月28日、プレプリントサーバarXivは2018-2022年のビジネスプランを発表しました。新プランでは会費について、利用の多い機関を対象に値上げすることが発表されています。

arXivは利用の多い大学等の上位200機関を対象に、費用負担を求めるビジネスモデルを取っており、トップ50位の機関は年間3,000ドル、51-100位は2,500ドル、と利用の多寡に応じて負担額を変えています。この価格は2012年に設定されたものですが、その後の物価変動や、開発・運用コストの負担増に伴って、2018-2022年については会費の値上げを行うとのことです。

トップ25位は4,400ドル、26-50位は3,800ドル等と負担増を求める一方で、任意加入のarXivの利用状況が上位200位を下回る機関については、会費を1,500ドルから1,000ドルに下げることで、より多くの貢献を募るとされています。

大阪府立大学、オープンアクセス方針を策定

2017年4月3日、大阪府立大学は2016年11月15日に「公立大学法人大阪府立大学オープンアクセス方針」を策定していたことを発表しました。

2017年4月1日以降に発表される、同大学教職員が公的研究資金(競争的研究資金、公募型研究資金に加え、運営費交付金等も含むとのこと)を用いて行った研究の成果が対象となります。オープンアクセス(OA)化の方法としては機関リポジトリでの公開のほか、APC(論文処理加工料)を伴うOA雑誌等による公開等も含むとのことです。

本法人のオープンアクセス方針を策定(大阪府立大学、2017/4/3付け)
http://www.osakafu-u.ac.jp/news/nws20170403_3/

デジタルリポジトリ連合(DRF)、月刊DRF特別号(通号87号)で「さよならDRF」を特集

2017年3月31日をもって活動終了となるデジタルリポジトリ連合(DRF)が、月刊DRF特別号(通号87号)を発行しています。

24ページで、DRFとOA関連年表、歴代運営委員・WGメンバー・アドバイザ等名簿、委員等からのメッセージが掲載されています。

Elsevier社とドイツとの全国ライセンス契約交渉、再び不調

2017年3月24日、ドイツ大学長会議(HRK)は、2017年3月23日に行われたElsevier社との契約交渉が不調に終わったことを発表しています。

HRKは学術出版社の出版物に関し、ドイツ全国規模でのライセンス契約を目的とするDEALプロジェクトを主導しています。そのDEALプロジェクトとElsevier社との交渉が決裂したために、ドイツの研究機関は一時同社の電子ジャーナルにアクセスできなくなっていました。2017年2月に電子ジャーナルへのアクセス権は回復されましたが、交渉は引き続き継続されていました。

HRKの会長であるHorst Hippler教授は「5回にわたる交渉を終えて、Elsevier社が(プロジェクトDEALが目指す)ゴールドオープンアクセスに基づく契約を結ぶ気が真剣にあるのか、疑わざるを得ない」とコメントしています。それでもElsevier社が交渉に値する提案を出してくるのであれば、協議は継続していくつもりであるとのことです。

一方、Elsevier社も3月24日に見解を発表しました。HRKが事前の要求とは異なる要求をしてきて、それが満たされない限りは交渉できないと言って同社に提案の機会を与えずに議論を拒否したとして、HRKに交渉に戻るよう求めています。

英IOP Publishing、物理関係のあらゆる論文を対象とするオープンアクセス雑誌”Journal of Physics Communications”を創刊

2017年3月23日、英国物理学会のIOP Publishingは物理に関係する論文であれば分野を問わずに出版対象とするオープンアクセス雑誌、”Journal of Physics Communications”を創刊しました。APCは1,000ポンド(1,495ドル/1,200ユーロ)とのことですが、創刊にあたって最初に受理した150本目までの論文についてはAPCを無料とするとされています。

IOP Publishing launches Journal of Physics Communications(IOP Publishing、2017/3/23付け)
http://ioppublishing.org/news/iop-publishing-launches-journal-of-physics-communications/

F1000とビル&メリンダ・ゲイツ財団、オープンアクセス出版のためのプラットフォーム“Gates Open Research”を2017年の第3四半期に開始

2017年3月23日、F1000とビル&メリンダ・ゲイツ財団は、F1000Researchが4年にわたって遂行し、英ウェルカム・トラストが2016年11月に公開した“Wellcome Open Research”で採用された出版モデルを用いた、学術成果のオープンアクセス(OA)での公開のためのプラットフォーム“Gates Open Research”を、2017年の第3四半期に開始すると発表しています。

財団が支援している、公衆衛生、干ばつなど緊急事態の際に迅速に研究成果を広げることを目的としており、同財団から助成を受けた研究者は、財団のOAポリシーに基づき、同プラットフォームを用いて迅速に研究成果を公表できるほか、研究成果の再分析や研究データの再利用も可能となります。

また、否定的な結果、確認的な内容の研究論文や研究データも公開することができます。

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