シリア

政府軍の包囲下にあるシリア・ダーライヤー市の秘密の図書館(記事紹介)

反体制派が籠城し、政府軍の包囲下にあるシリア・ダーライヤー市にある、有志によって作られた「秘密の図書館」が英BBCに紹介されています。

ダマスカス郊外県にあるダーライヤー市ではシリア内戦の初期から激しい戦闘が行われており、現在も反体制派の支配域を政府軍が包囲しています。その包囲の中で、学生らによるボランティアが砲撃・爆撃を受けて破壊された建物の中等から命がけで本を集めた「図書館」を作っているとのことです。収集した図書は14,000冊以上にのぼり、分野も多岐にわたるとされています。

収集した図書は医療従事者や教員によって活用されているほか、戦時下にあっても読書を愛する人々によって読まれているとのことです。

BBCによればダーライヤー市近郊に政府軍・ヒズボラが迫っており、包囲戦を終結させるつもりなのではないかという予測が述べられています。そのような状況にあっても、自由を望み、読書によってそれが実現できると述べるある図書館利用者のコメントによって記事は締めくくられています。

Syria's secret library(BBC NEWS、2016/7/28付け)
http://www.bbc.com/news/magazine-36893303

参考:
ユネスコ、シリアの6つの世界遺産を危機遺産リストに登録
Posted 2013年6月20日

デジタル化技術を開発するスタートアップ"Iconem"(フランス)、シリアの文化遺産のデータベースを公開

2012年に創設された文化遺産のデジタル化及び3Dモデル化技術を開発しているフランスのスタートアップ"Iconem"が、シリア危機(シリア内戦)で破壊されている文化遺産について、3Dでデジタル化し、画像や動画を掲載するデータベース"Syrian Heritage"(REVIVAL(الإحياء))を公開しています。シリア政府文化財博物館総局(DGAM)との協力により、デジタル化がすすめられたもので、AFPの報じるところによると、データベースは2016年3月15日に公開されたとのことです。

現在、古代都市ダマスカスの一部を構成するウマイヤド・モスクや、古代都市国家・ウガリットなどに関しデータが収録されています。

Syrian Heritage(Iconem)
http://iconem.com/syria/

Facebook(Iconem, 2016/3/17)
https://www.facebook.com/Iconem.corp/posts/953689438013407/

Virtual tour for the Theatre of Jableh(DGAM, 2016/3/13)
http://www.dgam.gov.sy/?d=314&id=1937

イスラム過激派組織「イスラミックステート(IS/ダーイシュ)」から奪回した歴史的遺物・発掘品がイラク政府に返還される

2015年7月15日、在イラク米国大使館は、イスラム過激派組織「イスラミックステート(IS/ダーイシュ)」から奪回した歴史的遺物・発掘品700点をイラク政府に返還したことを発表しました。

今回返還されたのはイラク等の遺跡や博物館から強奪されたと見られる歴史的遺物や発掘品、近現代の展示品等で、半数以上を金貨・銀貨・銅貨が占めるほか、古文書も含まれていました。これらは2015年5月15日に米軍特殊部隊がシリア東部で実施した、イスラミックステート(IS/ダーイシュ)の幹部Abu Sayyaf氏捕獲作戦の中で奪回されたものです。

The United States Repatriates Cultural Heritage Objects and Fragments to the Government of Iraq(Embassy of the United States Baghdad, Iraq、2015/7/15付け)
http://iraq.usembassy.gov/pr071515.html

ISIL Leader’s Loot(Bureau of Educational and Cultural Affairs)

【イベント】国立民族学博物館、国際フォーラム「紛争地の文化遺産と博物館」開催(2/7・大阪)

2015年2月7日、国立民族学博物館(大阪)にて、国際フォーラム「紛争地の文化遺産と博物館」が開催されます。

フォーラムでは、長引く内戦のために文化遺産の継承がきわめて困難な状況に陥っているシリアと、紛争のただなかにあり、ナショナリズム鼓舞のために文化遺産保護に高い関心が注がれているものの、博物館がいまだ方向性を暗中模索しているパレスチナ自治区の事例が紹介されるとのことです。これらの事例から、紛争下にある地域で文化遺産を保護するために何が重要なのか、第三者がこれを援助する場合、何に留意すべきなのか、あらたな視点の提供を目的とするとのことです。

参加費は無料ですが、事前の申し込みが必要とのことです。

≪機関研究成果発表≫国際フォーラム「紛争地の文化遺産と博物館」(国立民族学博物館)
http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/news/corp/20150207

ユネスコ、シリアの6つの世界遺産を危機遺産リストに登録

2013年6月20日、ユネスコの世界遺産委員会は、シリアにある6つの世界遺産について、「危機にさらされている世界遺産(危機遺産リスト)」へ登録したと発表しました。登録された6つの遺産とは、「古代都市ダマスカス」「パルミラ」「古代都市ボスラ」「古代都市アレッポ」「クラック・デ・シュヴァリエ」「シリア北部の古代集落群」です。

Syria’s Six World Heritage sites placed on List of World Heritage in Danger (UNESCO 2013/6/20付けの記事)
http://whc.unesco.org/en/news/1038/

国際博物館会議(ICOM)、シリアの危機的状況にある文化財リストを作成へ

2012年10月18日、国際博物館会議(ICOM)がシリアの危機的状況にある文化財リスト“Emergency Red List of Syrian Cultural Objects at Risk”の作成を開始したと発表しています。ICOMはこれまで同様のレッドリストを11点作成しており、2013年には、このシリア版に加え、現在作成中の西アフリカ版、ドミニカ共和国版が公開されるとのことです。ICOM代表のJulien Anfruns氏は、このレッドリストがシリアの文化遺産保護活動のレファレンスツールとなるだろうとしています。

ICOM to launch a Red List for Syria (ICOM 2012/10/18付けの記事)
http://icom.museum/press-releases/press-release/article/icom-to-launch-a-red-list-for-syria/

ブルーシールド、シリアの文化財保護に関して2度目の声明

IFLA(国際図書館連盟)のアナウンスメントによると、ブルーシールドが、混乱の続くシリアにおける文化財の保護について、2度目の声明を公表したとのことです。

(※現時点でブルーシールドのウェブサイトでは原文未掲載)

Ref.
Blue Shield - 2nd Statement on Syria (IFLA 2012/4/16付けのアナウンスメント)
http://www.ifla.org/en/news/blue-shield-2nd-statement-on-syria

参考:
E688 - ブルーシールド―危険に瀕する文化遺産の保護のために<文献紹介>No.112 2007.08.29
http://current.ndl.go.jp/e688