出版

北欧におけるオープンアクセス(OA)誌の状況(文献紹介)

2019年3月19日付けで、フィンランド・Hanken School of EconomicsのBo-Christer Björk氏による“Open access journal publishing in the Nordic countries”と題したLearned Publishing誌の記事が公開されています。記事では、北欧5か国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)におけるオープンアクセス(OA)誌の状況についての調査結果が紹介されています。

要点として下記の点が挙げられています。

・調査で存在が判明した北欧のOA誌は437誌あり、これは北欧の学術誌全体の約3分の1である。
・上記OA誌のうち、OA誌のディレクトリであるDOAJに収録されているのは42%のみであり、また、現地語で刊行されたものは少ない。
・上記OA誌の39%はボーンデジタルであり、残りはある時点でOAに移行したものである。
・非営利のポータルの提供や、政府からの経済的支援、OAの認知度の向上が、北欧におけるOA誌増加を促進している。

Altmetric社、大学出版局でのオルトメトリクスの活用に関するプロジェクトの報告書を発表

2019年3月4日、Altmetric社は、大学出版局でのオルトメトリクス(altmetrics)活用に関するパイロットプロジェクトの報告書である“Altmetrics for university presses: Results from the Association of University Presses and Altmetric joint pilot”を発表しました。

パイロットプロジェクトは、2017年に同社とAssociation of University Presses(AUPresses)が共同実施したもので、オルトメトリクスが大学出版局の機能をどのように支援できるかを把握することを目的としていました。

プロジェクトから得られた知見として、Altmetricsは既刊書への関心度を把握するのに役立ち、プロモーション戦略を考える参考になることなど4点を挙げています。

査読登録サービスPublonsがHindawi社とのパートナーシップ締結を発表:査読プロセスの改善・高速化のため

2019年3月13日、査読登録サービスPublonsが、オープンアクセス(OA)出版を手掛けるHindawi社と、査読プロセスの改善・高速化のためパートナーシップを締結したことを発表しました。

Publonsの査読者検索サービスであるPublons Reviewer ConnectをHindawi社の査読管理システムに組み込むこと、2019年3月中に、編集者による査読者選定の支援のためReviewer ConnectをHindawi社の231の査読誌に実装することが紹介されています。

また、Hindawi社は、査読のスピード向上と査読者の負荷軽減のために、PublonsのReviewer Availability機能を組み込み、研究者への査読依頼時に、査読を引き受けられる状況にあるかを参照できるようにすること等も計画しているとあります。

日本出版取次協会、「中国地方・九州地方の輸送スケジュール変更について」を発表 書籍の発売日は従来より1日遅れに

一般社団法人日本出版取次協会は、2019年3月5日、ニュースリリースとして「中国地方・九州地方の輸送スケジュール変更について」を発表しました。

リリースによれば、東京から該当地域へのトラック幹線輸送は運行管理・労務管理上、法令違反の状態にあり、該当地域の輸送会社からの要請を受け、発売日を含む輸送スケジュールを変更せざるを得ないと判断した、ということです。

具体的には2019年4月1日以降、中国地方では雑誌・書籍とも発売日が従来より1日遅くなります。九州地方(沖縄県を除く)については一部の週刊誌の発売日が変更されるとともに、書籍は中国地方同様、発売日が1日遅くなるとのことです。

中国地方・九州地方の輸送スケジュール変更について(日本出版取次協会、2019/3/5付け)
http://www.torikyo.jp/topics/news-release/20190305/file.php

日本医学会、「悪徳雑誌への注意喚起について」を発表

2019年3月8日、日本医学会は、会長と日本医学雑誌編集者組織委員会委員長の連名で、同学会分科会理事長・会長あてに「悪徳雑誌への注意喚起について」を発表しました。

同学会ではいわゆるハゲタカ出版(predatory journal)を「悪徳雑誌」と呼称しています。発表された文書では悪徳雑誌の特徴・悪影響について説明した後、投稿誌選定のチェック項目等をまとめています。

悪徳雑誌への注意喚起について(日本医学会、2019/3/8付け)
http://jams.med.or.jp/jamje/attention_vicejournal.pdf

参考:
京都大学図書館機構、ハゲタカ出版に注意を促すリーフレットを日英2バージョンで公開
Posted 2019年2月4日
http://current.ndl.go.jp/node/37519

文学通信、「文学通信リポジトリ」を公開

人文学書の出版社で人文学情報のニュースサイトも手掛ける文学通信が、自社出版物の索引や販促物を公開する「文学通信リポジトリ」を公開しました。

同リポジトリは国立情報学研究所(NII)が開発したリポジトリツールWEKOを用いて構築されています。同社の発表によれば、「将来的にはさまざまな事情でアーカイブされていない研究者の論文等を公開していける場所にもしていきたい」とのことです。

「文学通信リポジトリ」を公開しました(文学通信、2019/3/11付け)
http://bungaku-report.com/blog/2019/03/post-444.html

文学通信リポジトリ
http://repository.bungaku-report.com/htdocs/index.php

欧州物理学会、Plan Sの実現にかかる手引きへのフィードバックを発表

2019年2月12日、欧州物理学会(EPS)がPlan Sの実現にかかる手引きへのフィードバックを発表しました。

EPSによるフィードバックでは、Plan Sを歓迎・支持するとしつつ、完全OAへの急激な移行は多くの雑誌に経済的困難をもたらし、編集・査読者のネットワークを破壊してしまうのではないか、また、小規模な学会・雑誌はとりわけ急激な移行に耐えられず、出版の多様性が失われるのではないか、といった懸念を示しています。また、APC助成が存在しないような、欧州以外の国々への対応も懸念点としてあげられています。

Plan S: Accelerating the transition to full and immediate Open Access to scientific publication(EPS、2019/2/12付け)
https://www.eps.org/news/437914/

PLOS、Plan Sの実現にかかる手引きへのフィードバックを発表

2019年2月10日、PLOSはブログ上でPlan Sの実現にかかる手引きに関するフィードバック(2019年1月31日付け)を発表しました。

Plan SがPLOSの目標に完全に合致するものであるとして指示しつつ、以下の点等についてコメントしています。

・研究評価について、DORAへの署名以外にどのような変革促進の構想があるのか

・購読型契約からオープンアクセス(OA)モデルまでの「移行契約」は購読雑誌を出版している大規模出版社に有利である。移行の終期を明文化することが要件であるべきである

・OAリポジトリへの登録について、少数のよく知られたリポジトリに対象を限定したほうがコスト増・煩雑さを防げるのではないか

・APC上限を設けると、上限までAPCを値上げする雑誌が増える可能性を考えるべき。英国の大学の学費で実際にそうした現象が起こった

「埼玉県の高校司書が選んだイチオシ本2018」の発表は2019年2月15日、YouTubeで

「埼玉県の高校司書が選んだイチオシ本2018」が、2019年2月15日19時からYouTubeで発表されると、埼玉県高校図書館フェスティバル実行委員会から告知されています。

動画には、第1位作品に関係する3人のゲストが出演するほか、発表動画を視聴したなかから抽選で2人に第1位作品のサイン本がプレゼントされる企画もあります。

また2月16日からは、埼玉県内の書店・公共図書館において、イチオシ本フェアが開催されます。

イチオシ本2018の発表は2月15日19時(埼玉県高校図書館フェスティバル,2019/2/6)
http://shelf2011.net/index.php?active_action=journal_view_main_detail&post_id=105&block_id=450&comment_flag=1#_450

台湾国家図書館、台湾における2018年の図書出版動向に関する報告書を公表

2019年2月1日、台湾国家図書館は、台湾における2018年の図書出版動向に関する報告書「107年臺灣圖書出版現況及其趨勢分析報告」を公表しました。

同館のISBNセンターへの申請及びCIP(Cataloging in Publication)データの集計結果を基に、同館が毎年発表しているものです。

同館による報告書の概要紹介によると、2018年に図書を出版した出版者数は4,940、出版点数は39,114点で、いずれも前年に比べて減少しており、また、電子書籍のISBNを申請した図書は4,340タイトルで、全体の11.10%を占めています。

翻訳書は9,524タイトルで、全体の24.35%を占めており、そのうち日本からの翻訳が5,280タイトル(翻訳全体の55.44%)で最も多く、次いで米国の2,102タイトル(翻訳全体の22.07%)となっています。なお、翻訳書のテーマ分類のうち最多となっているのは「マンガ」の2,259タイトル(翻訳全体の23.72%)とあります。

それ以外にも、カテゴリー別出版図書数で例年1位であった「小説」類が3位となったこと、電子書籍の利用者人口が増加傾向にあること、電子書籍においてEPUBフォーマットが主流となっていること等が紹介されています。

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