出版

OCLC、WorldCat収録の出版物から見たカナダの影響力についての調査報告書を公開

2019年5月21日、OCLCが、WorldCatに収録されているカナダ関係の出版物から見たカナダの影響力についての調査報告書“Maple Leaves: Discovering Canada through the Published Record”を公開しました。

調査は、WorldCatとWikidataの情報を用いて、カナダにおける出版物、カナダ人による出版物、及びカナダに関する出版物を特定することにより行われました。これらのカナダ関係出版物は、WorldCatにおいて1,090万件確認されたとあります。

報告書では、カナダ関係の出版物が世界の図書館で広く所蔵されており、所蔵数が最多の作品はルーシー・モード・モンゴメリ作『赤毛のアン(Anne of Green Gables)』であることや、カナダの先住民族やイヌイット、混血民族の言語による出版物も多く見られること、コミックやグラフィックノベルの出版においてもカナダの存在が顕著であること等が紹介されています。

【イベント】公開フォーラム「図書館と書店が支える山梨の読書」(6/23・甲府)

2019年6月23日、山梨県立図書館において、公開フォーラム「図書館と書店が支える山梨の読書」が開催されます。

NPO・本の学校が開催する「本の学校 春講座2019 in やまなし」の一環として開催するものであり、図書館と地域書店が連携して山梨の読書を支える取り組みである「やま読」の活動や本の楽しみについて、山梨県立図書館長の金田一秀穂氏、朗月堂書店代表の須藤令子氏、山梨県立都留高等学校司書の山崎誠也氏によるパネルディスカッションが行われます。

参加無料、定員200名(事前申込制、2019年6月1日から受付開始)とあります。

【イベント】Wiley Research Seminar Japan 2019:パートナーシップ、イノベーションとこれからの研究・出版(7/28・東京)

2019年7月28日、東京コンベンションホール(東京都中央区)において、「Wiley Research Seminar Japan 2019:パートナーシップ、イノベーションとこれからの研究・出版」が開催されます。

「パートナーシップとイノベーション」を中心テーマに、それらが研究と出版にもたらす新しい展開について、各界の有識者による講演が行われます。また、講演の一部は英語で行われます(同時通訳あり)。

参加費無料(事前申込み要、定員あり)です。なお、午後のプログラムの一部が「学会誌出版・企業」と「大学 研究推進」の2つの分科会に分かれており、申込み時に参加を希望する分科会の選択が必要とあります。

当日の主なプログラム(予定)は次のとおりです。

【第1部: テクノロジー、イノベーションと出版の未来】
・基調講演: AIと人間
中島秀之氏(札幌市立大学・学長)

・人工知能とコラボレーションを通じた学術コミュニケーションの変革
高野泰朋氏(Paper Digest共同創業者/ 東京大学未来ビジョン研究センター特任研究員)
宮入暢子氏(学術コミュニケーションコンサルタント)

Hindawi社がCharlesworthグループと提携:中国の研究者との連携強化のため

2019年5月28日、オープンアクセス(OA)出版を手掛けるHindawi社は、中国の研究者との連携強化のため、学術・専門分野に特化した出版サービスを提供し、中国市場でのコンサルティングやマーケティングサービス等も行っているCharlesworthグループとの提携を発表しました。

Hindawi社は中国を拠点とした研究者、編集者、査読者とのコミュニケーション改善及び拡大に取り組んでおり、今後Charlesworthグループのマーケティングチームとの協力を進めることや、中国のソーシャルメディアであるWeChat等を用いて研究者への情報発信を強化することが紹介されています。

PLOS、刊行する全雑誌で査読内容の公開オプションを提供開始

2019年5月22日、PLOSは刊行する全ての雑誌において、査読内容を公開するオプションの提供を開始すると発表しました。同日以降に投稿されたすべての論文がオプションの対象となります。

PLOSの雑誌には従来から、査読者が署名できる(査読者名を公表できる)オプションがありましたが、今回追加されたオプションでは、著者が自身の論文の公開時に、論文本体とあわせて査読内容(査読中のコメント等のやり取り)も公開できるようになります。査読者が署名していた場合には査読者名も表示した状態で、署名をしていなかった場合には査読者は匿名のままで公開されます。査読内容には論文本体とは別のDOIが付与され、独自に引用等も行えるとのことです。

全国学校図書館協議会(全国SLA)、第21回学校図書館出版賞の受賞者を発表

2019年5月16日、全国学校図書館協議会(全国SLA)は第21回学校図書館出版賞の受賞者を発表しました。出版賞大賞に1社(株式会社ポプラ社)、出版賞に2社(株式会社ほるぷ出版、株式会社ゆまに書房)が受賞しています。同賞は、学校図書館向け図書の優良な出版企画を顕彰し、学校図書館向きの優良な図書の出版を充実させることを目的としているものです。

学校図書館出版賞大賞は第10回(2008年)以来該当作がありませんでしたが、今回11年ぶりに『ポプラディア プラス 世界の国々』(全5巻)の刊行を事由に株式会社ポプラ社が受賞しました。

コンクール・募集のニュース(全国SLA)
http://www.j-sla.or.jp/news/cn/
※2019年05月16日欄に「第21回学校図書館出版賞が決まりました」とあります。

第21回学校図書館出版賞が決まりました(全国SLA)
http://www.j-sla.or.jp/news/cn/ln/19-1.html

図書印刷株式会社、2019年8月1日付で凸版印刷株式会社の完全子会社となる

2019年5月13日、図書印刷株式会社は、株式交換締結により2019年8月1日付で凸版印刷株式会社の完全子会社となり、2019年7月30日付で上場廃止予定であることを発表しました。

両社は1970年に業務提携契約を締結し、2007年10月に図書印刷は凸版印刷の連結子会社となっていました。今回の完全子会社化は、図書印刷の顧客の課題解決に凸版印刷のデジタル化支援能力等のサービスやソリューションを活用することなどによる事業領域の拡大や製造体制の効率化、リソース配分の最適化実現による、両社の顧客基盤・事業基盤・財務基盤などの経営資源の相互活用・高付加価値化・効率化を目的としています。

凸版印刷株式会社による図書印刷株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ(図書印刷株式会社,2019/5/13)
https://www.tosho.co.jp/news20190513-03/

日本出版インフラセンター(JPO)、2018年10月に実施した「ドイツ出版産業視察調査」の報告書を公開

2019年5月14日、日本出版インフラセンター(JPO)は文化通信社と共催で実施した「ドイツ出版産業視察調査」について報告書を公開しました。

この調査は、フランクフルト・ブックフェアの会期に合わせて2018年10月8日から10月14日に実施され、業界統一の書籍データベースの運用をはじめとするドイツの出版産業の現状やそれに基づく書籍の取引・流通の状況の調査することを目的としています。

調査では、独立系書店大手のオジアンダー(OSIANDER)、最大手書店のタリア(Thalia)、業界団体のドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)、取次最大手のリブリ(Libri)、ドイツ図書流通連盟の子会社として書籍データベースVLB(Verzeichnis Lieferbarer Bücher)を運用するMVB(MVB GmbH)等を対象に視察とヒアリングが行われ、VLBと大手取次が独自作成する書籍データベースの競争状況や各書店のサービス・取り組みなどが調査結果として報告されています。

100年超分の論文引用データを機械的に抽出・整形 BMJとScholarcyの取り組み

論文閲読補助サービスScholarcyが、BMJ社の依頼を受け同社の発行する雑誌に掲載された100年超分の論文の引用データを機械的に抽出・整形したプロジェクトの概要を紹介しています。

BMJ社はI4OCに提供・公開する引用データを作成するために、Scholarcyにデータの抽出・整形を依頼したとのことです。I4OCで引用データを公開するにはCrossRefのXML形式で引用データを持つ必要がありますが、BMJ社が刊行する雑誌の過去分については、PDFデータしか存在しないものが多数ありました。そこでBMJ創刊当時の1840年代から1998年までの約20万件の論文について、Scholarcyに対しPDFからの引用データの自動抽出と、XML形式への整形が依頼されたとのことです。

「眠れる森の美女」の比喩の妥当性をめぐって科学計量学者と情報科学技術協会(ASIS&T)が論戦

長期間引用されていなかったにもかかわらず、ある時期から急に被引用数が増加する論文は、計量書誌学分野においてしばしば”sleeping beauty”(「眠れる森の美女」)論文と呼ばれてきましたが、この比喩の妥当性についてオランダ・ライデン大学の科学計量学者Ton van Raan氏と、米国の情報科学技術協会(ASIS&T)の雑誌編集部との間で論戦が起こっていることが、英The Guardian紙等で報じられています。

議論の契機はvan Raan氏がASIS&Tの雑誌JASISTに投稿した、医学分野における「眠れる森の美女」論文に関する研究論文が、「眠れる森の美女」という比喩が受け入れられない、という理由で却下されたことにある、とのことです。同誌の編集者はvan Raan氏に対し、この比喩の使用は特に説明を助けるものではなく、また「眠れる森の美女」という比喩が国や文化によって通じない可能性も問題であると述べました。さらに、「眠れる森の美女」という比喩の存在が、論文の引用に女性の純潔性を結びつけるニュアンスをもたらしたことが、他の研究者にも影響し、例えば出版後即座に引用されるもののその後、急激に被引用数が落ちる論文に”smart girl”というラベルを付けた例などが出てきていることも問題である、とされています。

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