出版

Springer Compact(オフセット契約)によるオープンアクセス(OA)の状況

2018年3月22日、オープンアクセス(OA)におけるAPC(論文処理加工料)の透明性が高く、効率的な管理体制の構築を目的とするドイツの団体INTACTが、Springer Nature社のオフセット契約モデルSpringer CompactによるOAの実現状況に関する調査結果をブログで公開しました。

オフセット契約とは電子ジャーナルのビッグディール費用とAPCを一括して機関が支払うモデルです。INTACTの調査では、オーストリアの大学図書館協会、ドイツのマックス・プランク・デジタル・ライブラリ(MPDL)、オランダのVSNU、スウェーデンのBibsamコンソーシアム、そしてイギリスのJISCのデータを用い、2016~2017年のSpringer Compact対象雑誌について、OA論文の割合や、そのうちオフセット契約の結果OAになったものの割合等を調査しています。

匿名の研究者により続けられる「ハゲタカ出版」の監視(記事紹介)

2018年3月16日付けでオンライン公開されたNature誌記事”The undercover academic keeping tabs on ‘predatory’ publishing”において、単なる“金もうけ”の疑いのある、いわゆる「ハゲタカ出版」のリストを更新し続けている研究者に取材した様子や、研究者らの間でのリストへの需要の高さが紹介されています。

「ハゲタカ出版」のリストは元々、米国コロラド大学デンバー校図書館のJeffrey Beall氏が自身のブログで公開・更新していましたが、2017年1月に突如、削除されてしまいました。雇用主である大学からなんらかの圧力があったことが理由とBeall氏は述べています(大学当局は否定)。

Beall氏のリストの公開停止直後から、リストのコピーはインターネット上に複数、公開されていますが、1年以上が経った現在において、そのうち少なくとも1件は元のままではなく、新たな出版者・雑誌を加える等、更新されています。更新されているリストを公開しているサイトの運営者は明かされていませんが、Nature誌はこの匿名の運営者に取材を申し込み、運営者はハラスメントへの懸念から名前を明かさないとしつつも、取材に応じました。

米国化学会(ACS)、化学分野のプレプリントサーバーChemRxivを支援するため、英国王立化学会(RSC)、ドイツ化学会(GDCh)と提携

2018年3月20日、米国化学会(ACS)は、化学分野のプレプリントサーバーChemRxivの財政的・戦略的発展を支援するため、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry:RSC)、ドイツ化学会(Gesellschaft Deutscher Chemiker:GDCh)と提携することを発表しました。

剽窃のチェックなどの新しい機能も実装されるようです。

この提携により、ChemRxivは化学分野の研究コミュニティによるプレプリントサーバーとなり、引き続きChemRxivが維持され、化学コミュニティのニーズを満たすことができるだろうとしています。

国際図書館連盟(IFLA)、国際出版連合(IPA)、国際STM出版社協会(STM)が共同で、アイデアの創造や情報へのアクセスに関するプレスリリースを発表

2018年3月15日、国際図書館連盟(IFLA)、国際出版連合(IPA)、国際STM出版社協会(STM)が共同で、アイデアの創造や情報へのアクセスに関するプレスリリースを発表しました。

プレスリリースでは、世界知的所有権機構(WIPO)における著作権関連の議論を前進させるべきこと、研究者を故意に欺くような学術雑誌に関する課題に共同で取り組むこと、文字資料は重要な遺産として適切に保存されるべきこと、情報の量が増えても質も維持されるべきであること、などが述べられています。

Supporting Quality Information: IFLA, Publishers' Organisations Issue Joint Press Release(IFLA, 2018/3/15)
https://www.ifla.org/node/34290

独マックス・プランク協会、英IOP Publishingとオープンアクセスパイロット契約を締結 ハイブリッドOAのAPCを一括管理

2018年3月7日、英IOP Publishingは独マックス・プランク協会(Max-Planck-Gesellschaft)とオープンアクセス(OA)を推進する新たなパイロット・ライセンス契約を結んだことを発表しました。

このパイロット・ライセンス契約においては、いわゆるハイブリッドOAのためのAPC(論文処理加工料)を雑誌購読料とまとめて処理することになります。マックス・プランク協会の研究者がIOPの雑誌(有料の雑誌)で論文を発表する場合、追加の手続き等は一切なく、当該論文はハイブリッドOA化されます。

Max-Planck-Gesellschaft to grow open access publishing with IOP(IOP Publishing、2018/3/7付け)
http://ioppublishing.org/news/max-planck-gesellschaft-to-grow-open-access-publishing-with-iop/

コロコロコミック3月号販売中止 チンギス・ハーンの肖像画に落書きをした漫画掲載に対する抗議を受け

2018年3月6日、小学館は同社の発行する漫画雑誌「月刊コロコロコミック」の3月号の販売を中止することを、同社Webサイトのトップページで発表しました。

コロコロコミック3月号については、同誌3月号掲載の漫画「やりすぎ!!! イタズラくん」の中でチンギス・ハーンの肖像画に男性器を模した落書きが描かれたシーンがあったことについて、在日モンゴル大使館から外務省に抗議が申し入れられ、小学館が同国駐日臨時大使に謝罪する事態になっていました。

小学館によれば、同誌3月号について書店に対しすみやかな返品を依頼するとともに、購入者でも返品を希望する場合には、定価相当額を返金するとしています。

小学館(2018年3月6日現在、コロコロコミック販売中止に関するお知らせを掲載)
https://www.shogakukan.co.jp/

コロコロコミック(2018年3月6日現在、トップページに同問題に関するお詫び等を掲載)
http://corocoro.tv/

オープンアクセス学術出版協会(OASPA)に新たに19機関が加盟

2018年2月19日、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)は、2017年の秋以降、新たに19機関が加盟したことを発表しました。

内訳は、学術出版者が10機関、大規模専門出版者が2機関、中規模専門出版者が1機関、小規模専門出版者が4機関、その他の営利団体が1機関、その他の非営利団体が1機関となっています。

OASPA welcomes diverse new set of members(OASPA, 2018/2/19)
https://oaspa.org/oaspa-welcomes-diverse-new-set-members/

参考:
オープンアクセス学術出版協会の加盟機関が100機関に
Posted 2016年9月8日
http://current.ndl.go.jp/node/32497

オープンアクセス(OA)の現状:世界の論文の約28%、利用者が探している論文の約47%はOA

オープンアクセス(OA)雑誌PeerJに2018年2月13日付けで、世界の論文のOA化の状況について、大規模調査に基づき検討した論文”The state of OA: a large-scale analysis of the prevalence and impact of Open Access articles”が掲載されています。著者はaltmetricsサービス“Impactstory”のHeather Piwowar氏、Jason Priem氏らをはじめ、米国・カナダの企業や研究機関、大学に属する9人です。

この論文では1. CrossRefのDOIを持つすべての論文、2. 2009~2015に出版されたWeb of Sicence(WOS)収録論文でDOIを持つもの、3. Unpaywall(無料公開の研究論文に誘導するChrome拡張機能)を使って2017年のある1週間の間にアクセスされた論文、という3つの母集団から抽出したサンプル(それぞれ10万本)を対象に、ImpactstoryのoaDOI(APIを通じて論文のOA版への情報を提供するサービス)を用いて、OA化の状況を調べた、というものです。

オープンアクセス雑誌はどの領域でうまくいくのか?:5年間の継続調査(文献紹介)

Journal of the Association for Information Science and Technology誌のオンライン版で、オープンアクセス(OA)雑誌と非OA雑誌について、2011年~2015年の被引用数に基づくインパクトの変化を論じた論文”Which domains do open-access journals do best in? A 5-year longitudinal study”が公開されています。著者は米ドレクセル大学のErjia Yan氏とKai Li氏です。

この論文はElsevier社のScopusの被引用データに基づく指標、CiteScoreについて、OA雑誌と非OA雑誌の5年間の変化を見ています。分析の結果、CiteScore上位の雑誌の間では非OA雑誌の方がより高いインパクトを獲得してきている一方で、下位の雑誌ではOA雑誌の方がインパクトが伸びていること、社会科学分野では非OA雑誌の方がインパクトを伸ばしている一方、生物化学や医学分野ではOA雑誌の方がインパクトを伸ばしていること等が報告されています。

オープンアクセス誌”eLife”、神経科学分野の出版者を超えた査読コンソーシアムNPRCに参加

2018年2月9日、オープンアクセス誌eLifeはNeuroscience Peer Review Consortium (NPRC)へ参加することを発表しました。

NPRCは神経科学分野における出版者を超えた査読コンソーシアムです。査読の効率化を図るもので、NPRC参加雑誌間では、ある雑誌で却下された論文について、査読コメント等を別の雑誌の査読に引き継ぐことができます。現在50以上の雑誌がNPRCに参加しているとのことです。

Announcement: eLife joins the Neuroscience Peer Review Consortium(eLife、2018/2/9付け)
https://elifesciences.org/inside-elife/c5844470/announcement-elife-joins-the-neuroscience-peer-review-consortium

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