出版

E2084 - 「図書館情報学の研究成果を書籍出版する」<報告>

2018年10月13日に慶應義塾大学を会場とする三田図書館・情報学会2018年度研究大会において,ラウンドテーブル「図書館情報学の研究成果を書籍出版する」が開催された。前半ではモデレーターと3人の話題提供者による論点の提示が行われ,後半ではフロアを交えた意見交換が行われた。

cOAlition S、Plan Sの要件を満たすための手順をまとめた手引きを公表:フィードバックを募集中

2018年11月27日、2020年までの完全・即時オープンアクセス(OA)実現を目指すイニシアチブ“cOAlition S”は、OA推進の10の原則“Plan S”をどのように満たすかについての手引きを公表したと発表しました。

Plan Sの要件を明確化し、それを満たすための手順をまとめたものであり、2019年2月1日17時00分(中央ヨーロッパ標準時)を期限として、手引きへのフィードバックを呼びかけています。

Plan S: From Principles to Implementation. cOAlition S Releases Implementation Guidance on Plan S(cOAlition S, 2018/11/27)
https://www.coalition-s.org/implementation-guidance-on-plan-s-now-open-for-public-feedback/

日本出版販売株式会社・株式会社トーハン、物流協業に関する検討開始を発表

2018年11月19日、日本出版販売株式会社(日販)と株式会社トーハンが、物流協業に関する検討を開始したと発表しています。

2018年4月19日から公正取引委員会への物流協業に関する事前相談を行い、10月12日に公正取引委員会から回答を受けたことから、11月7日に基本合意書を締結したものです。

出版物の売上が「縮小し昨今の輸送コストの上昇と相まって流通効率の悪化が顕著となり、全国津々浦々にわたる出版物流網をいかに維持するかが業界全体の喫緊の課題」となっていることから、同課題の解決のために実施するもので、同時に、「プロダクトアウトからマーケットインを目指した抜本的な流通改革への新たな一歩となる」ことが目的とされています。

両社よりメンバーを選出しプロジェクトチームを発足させ、「制度面・システム面を含めて、厳密な情報遮断措置を講じることを前提として、両社の物流拠点の相互活用ないし統廃合を中心とした出版流通の合理化に向けた物流協業について検討」するとしています。

PeerJシリーズとして新たに化学領域の5誌の創刊が発表される

2018年11月6日、オープンアクセス(OA)誌PeerJのブログにおいて、新たに化学領域のOA誌を5誌、創刊することが発表されました。

PeerJは2012年に創刊された、生涯投稿料を採用したことで話題となったOA誌です(現在は一般的なAPC支払いによる投稿も受け付けています)。PeerJ自体は生命科学領域を対象としており、2015年にはコンピュータ科学領域を対象とする”PeerJ Computer Science”を創刊していました。また、2017年にはPeerJ本誌の対象領域に環境学が追加されています。

PeerJのブログによれば、そのほかにも多くの領域からその領域を対象としたPeerJの創刊を希望する声が寄せられており、中でも多かったのが化学領域であった、とのことです。そこで今回、新たに物理化学を対象とする”PeerJ Physical Chemistry”、有機化学対象の”PeerJ Organic Chemistry”、無機化学対象の”PeerJ Inorganic Chemistry”、分析化学対象の”PeerJ Analytical Chemistry”、そして材料科学対象の”PeerJ Materials Science”の5誌を創刊することとした、とされています。

オルトメトリクス研究の専門誌”Journal of Altmetrics”創刊

オルトメトリクスに関する研究を専門に掲載する雑誌、”Journal of Altmetrics”が創刊されています。出版者はLevy Library Press社で、編集長はイスラエルのバル=イラン大学のJudit Bar-Ilan氏です。

同誌はオルトメトリクスデータの分析や他の指標との比較、新たなオルトメトリクス指標の開発、オルトメトリクスを用いた実際の評価等のトピックを扱った研究を対象とする雑誌で、査読制があり、全論文がオープンアクセス(OA)で公開されます。2018年9月19日付けでBar-Ilan氏による創刊の言が掲載されたほか、同10月30日時点で、1本の展望論文と1本の研究論文が掲載されています。

The Journal of Altmetrics
https://www.journalofaltmetrics.org/

MDPI、刊行するすべての雑誌にオープン・ピア・レビューオプションを適用開始

2018年10月22日、オープンアクセスジャーナルプラットフォームMDPIが、刊行するすべての雑誌でオープン・ピア・レビューオプションを選択可能にすると発表しました。

MDPIのオープン・ピア・レビューは2014年から一部の雑誌で開始され、現在までに14の雑誌で導入されていました。これらの雑誌では著者が査読レポートを論文とあわせて公開することを選べるオープン・レポートオプションと、査読者が自身の氏名を公開できるオープン・アイデンティティオプションが提供されており、特にオープン・レポートオプションについては対象となる雑誌掲載論文全体の41%、一部の雑誌では60%の論文で選択されていたとのことです。オープン・アイデンティティも、23%の論文で、少なくとも一人の査読者が選択していました。

各オプション選択者の割合に大きな変化はなく、MDPIはオープン・ピア・レビューが今も広がり続けているとは言えないが、すでにかなりの著者が、よりオープンであることを好んでいるとしています。この結果を受けて、MDPIは刊行する全雑誌でオープン・ピア・レビューオプションを提供することにしたとのことです。

Springer Nature、オープンデータバッヂに関するパイロットを開始

2018年10月8日、Springer Nature社はデータ共有の習慣を研究者に奨励することを目的に、データ共有についての基準を満たした論文にオープンデータバッヂを付与するパイロットプログラムを開始したと発表しました。

同プログラムでは、データの可用性について論文中に明記されており、どこからデータにアクセスできるかが示されていること、データセットが公開リポジトリに登録されていること、DOI等の恒久的識別子がデータセットに付与されていること等の基準を満たした論文がバッヂ付与の対象となります。パイロットプログラムはBMC Microbiology誌を対象に実施され、最初のバッヂは2018年9月半ばに付与されたとのことです。

国内出版者が刊行した電子書籍が刊行1年以内に電子書籍貸出サービスから利用可能に:出版者と著者等の貸出時の報酬の配分も策定(オランダ)

2018年10月3日、オランダ王立図書館(KB)が、オランダの出版者が刊行した電子書籍が1年以内に電子図書館“online Bibliotheek”で利用できるようになると発表しました。

教育・文化・科学大臣、KB、オランダ公共図書館協会(VOB)や著作者団体・出版社団体・著作権管理団体との合意に基づくもので、合意は2019年1月1日から効力を持ちます。

今回の合意では、電子書籍が貸出された際の報酬について、出版者と著者・翻訳者・イラストレータで折半する事が定められました。また、この合意を実現させるために、2021年に300万ユーロの予算措置が講じられるとしています。

現在利用可能な電子書籍のタイトルは2万1,000件ですが、2019年末までに2万7,000件に増加することが見込まれるとしています。

欧州連合(EU)経済財務相理事会、電子出版物への軽減税率適用を承認

2018年10月2日、欧州連合(EU)経済財務相理事会において、電子出版物への付加価値税(VAT)に軽減税率、超軽減税率、ゼロ税率を適用することを認めました。

これにより、これまで標準税率が課されていた電子出版物と、加盟国が自由に税率を設定できる紙媒体の出版物へのVATの課税基準が一致することになります。

Electronic publications: Council agrees to allow reduced VAT rates(EU,2018/10/2)
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2018/10/02/elect...

武蔵野美術大学美術館・図書館、展覧会「和語表記による和様刊本の源流」を開催:良質な複製図版の作成や類似字形検出システムの開発等も紹介

武蔵野美術大学美術館・図書館が、武蔵野美術大学美術館において、2018年11月1日から12月18日にかけて、展覧会「和語表記による和様刊本の源流」を開催します。

同大学の研究プロジェクト「日本近世における文字印刷文化の総合的研究」の研究成果を紹介するもので、日本の近世における木版印刷による刊本を、造形的視点から再見することにより、「和様刊本」を日本の造本デザイン史に位置づけることを目的としています。

また、漢字・平仮名・片仮名などの字形をはじめ、料紙・印刷・製本等、造本における造形要素の考察を通して、和語表記による「和様刊本」の多様な造本美の世界を紹介するとしています。

展示の「見どころ」として、実物の書物と複製図版との間の落差という課題を解決するために実施した展覧会図録の研究開発に関わっての、同展の図録制作にまつわる様々な資料の公開や、古典籍の撮影から印刷・製本に到る一連のプロセスの解説、高速類似画像検索システム「enra enra」を応用した類似字形が検出できる独自システムの開発などがあげられています。

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