出版

Elsevier社とドイツとの全国ライセンス契約交渉、再び不調

2017年3月24日、ドイツ大学長会議(HRK)は、2017年3月23日に行われたElsevier社との契約交渉が不調に終わったことを発表しています。

HRKは学術出版社の出版物に関し、ドイツ全国規模でのライセンス契約を目的とするDEALプロジェクトを主導しています。そのDEALプロジェクトとElsevier社との交渉が決裂したために、ドイツの研究機関は一時同社の電子ジャーナルにアクセスできなくなっていました。2017年2月に電子ジャーナルへのアクセス権は回復されましたが、交渉は引き続き継続されていました。

HRKの会長であるHorst Hippler教授は「5回にわたる交渉を終えて、Elsevier社が(プロジェクトDEALが目指す)ゴールドオープンアクセスに基づく契約を結ぶ気が真剣にあるのか、疑わざるを得ない」とコメントしています。それでもElsevier社が交渉に値する提案を出してくるのであれば、協議は継続していくつもりであるとのことです。

一方、Elsevier社も3月24日に見解を発表しました。HRKが事前の要求とは異なる要求をしてきて、それが満たされない限りは交渉できないと言って同社に提案の機会を与えずに議論を拒否したとして、HRKに交渉に戻るよう求めています。

英IOP Publishing、物理関係のあらゆる論文を対象とするオープンアクセス雑誌”Journal of Physics Communications”を創刊

2017年3月23日、英国物理学会のIOP Publishingは物理に関係する論文であれば分野を問わずに出版対象とするオープンアクセス雑誌、”Journal of Physics Communications”を創刊しました。APCは1,000ポンド(1,495ドル/1,200ユーロ)とのことですが、創刊にあたって最初に受理した150本目までの論文についてはAPCを無料とするとされています。

IOP Publishing launches Journal of Physics Communications(IOP Publishing、2017/3/23付け)
http://ioppublishing.org/news/iop-publishing-launches-journal-of-physics-communications/

英ウェルカム・トラスト、オープンアクセス助成基金COAFの助成状況に関する報告を発表

2017年3月21日、英ウェルカム・トラストは同財団を含む英国の医療関係助成機関6機関からなるオープンアクセス(OA)助成基金、COAF(The Charity Open Access Fund)の2015-2016年度の助成状況に関する報告を発表しました。報告の対象期間は2015年10月から2016年9月までで、同期間中にCOAFの助成を受けてOAで出版された論文は3,552本でした。

2015-2016年度のCOAFによる助成状況の概要は以下の通りです。

・3,552本のCOAF助成論文に費やされた費用は約730万ポンドであった。これは前年度(2014-2015年度)の約160万ポンドから大きく増加している。

・91%の助成論文はCOAFのOA要件(Euro PMCでも公開すること、CC-BYライセンスを付与すること)を満たしている。前年度の74%から顕著に改善している。

・OA出版にかかるコストは増加し続けている。ハイブリッドOA誌は完全OA誌よりも割高である。

OpenAIRE、“FP7 Post-Grant Open Access Pilot”の第9次進捗報告書を公開

2017年3月13日、オープンアクセスリポジトリに関する欧州の地域ネットワークである“OpenAIRE”が、第7次研究開発枠組み計画(FP7)による助成期間終了後のOA支援プロジェクト“FP7 Post-Grant Open Access Pilot”の第9次進捗報告書を公開しています。

3月1日時点の数値に基づいています。

同プロジェクトは2017年4月30日に終了しますが、5月の第1週に最終報告書の公開が予定されています。

9th progress report for the FP7 Post-Grant Open Access Pilot(OpenAIRE,2017/3/13)
https://blogs.openaire.eu/?p=1801

オープンアクセスメガジャーナル:学術コミュニケーションの未来か、それとも学問のごみ捨て場か(文献紹介)

Journal of Documentation誌の73巻2号に、オープンアクセスメガジャーナル(OAMJ)に関する文献レビュー”Open-access mega-journals: The future of scholarly communication or academic dumping ground? A review”が掲載されています。著者はラフバラ大学のValerie Spezi氏らです。同誌は有料ですが、当該論文はオープンアクセス(OA)で公開されています。

この論文ではPLOS ONEに代表される、科学的な妥当性の確認等の最低限の査読のみを行い、大量の論文を出版し、主に論文処理加工料(APC)で運営される、いわゆるOAMJに関する言説等の文献レビューが行われています。OAMJを巡る言説や学術出版において占める位置を検証し、学術界のOAMJに対する態度を考察することが目的であるとのことです。

「ゴールド中心」のオープンアクセス実践(文献紹介)

Journal of the Association for Information Science and Technology誌に掲載予定の論文、”A “Gold-centric” implementation of open access: Hybrid journals, the “Total cost of publication,” and policy development in the UK and beyond”の早期公開版が2017年2月27日から公開されています。著者はシェフィールド大学のStephen Pinfield氏らです。同誌は有料ですが、当該論文はオープンアクセス(OA)で公開されています。

この論文はOA雑誌に論文を掲載する、いわゆるゴールドOAを推奨する政策が取られている英国において、高等教育機関がOA出版に関しどのような状況に直面しているかを報告したものです。24機関から得たデータを分析しています。

株式会社メディアドゥ、出版デジタル機構の株式取得、子会社化

2017年2月28日、電子書籍取次を扱う株式会社メディアドゥは、同じく電子書籍の取次事業を行う株式会社出版デジタル機構の株式の70.52%を取得し、子会社化することを取締役会で決議したと発表しました。公正取引委員会による企業結合審査により、排除措置命令を受けなければ子会社化が実行されるとのことです。

メディアドゥのリリースでは、この子会社化により、事業規模の拡大等による電子出版コンテンツ流通プロセスの合理化実現等が想定されるとしています。

株式会社出版デジタル機構の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(メディアドゥ、2017/2/28付け)
http://www.mediado.jp/corporate/1429/

参考:
出版デジタル機構、ビットウェイとの統合を発表
Posted 2013年8月30日
http://current.ndl.go.jp/node/24276

ラテンアメリカのOAジャーナルプラットフォームSciELO、プレプリントサーバ“SciELO Preprints”の開発を計画

2017年2月22日、 ラテンアメリカにおけるオープンアクセスの電子ジャーナルプラットフォームSciELOは、プレプリントサーバ“SciELO Preprints”の開発を計画していることを発表しました。

SciELOに収録されている電子ジャーナルの掲載記事の編集・公開プロセスを効率化することを目的としています。2018年半ばまでに本格運用を開始する予定とのことで、それまでに効果が期待できそうな、プレプリントの普及、サーバの運用体制の明確化、サーバの実験的な運用、の3つの活動を計画しています。

SciELO Preprints on the way(SciELO, 2017/2/22)
http://blog.scielo.org/en/2017/02/22/scielo-preprints-on-the-way/

Hindawi社、新規の投稿論文についてはデータの可用性に関する言及を含めるよう要求する方針を発表

2017年2月16日、オープンアクセス(OA)出版を手掛けるHindawi社は、今後新たに同社の雑誌に投稿される論文については、用いた研究データの可用性に関する言及(Data Availability Statement)を含めるよう求める方針を発表しました。今後、より包括的なオープンデータ方針を構築していくための第一段階であるとのことです。

Data Availability at Hindawi(Hindawi、2017/2/16付け)
http://about.hindawi.com/opinion/data-availability-at-hindawi/

Hindawi、論文投稿時にData Availability Statementを要求(STI Updates、2017/2/21付け)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=9444

Center for Open Science、農学分野のプレプリントサービスAgriXivを立ち上げ

2017年2月14日、非営利団体Center for Open Science(COS)は新たに農学分野を対象とするプレプリントサービス、AgriXivを立ち上げたことを発表しました。COSの提供するオープンソースプレプリントサービス、OSF Preprintsを利用しているとのことです。

The Center for Open Science Releases Another Branded Preprint Service With AgriXiv(Center for Open Science、2017/2/14付け)
https://cos.io/about/news/center-open-science-releases-preprint-service-agrixiv/

AgriXiv
https://osf.io/preprints/agrixiv

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