出版

法学分野のプレプリントサービスLawArXiv公開

2017年5月8日、非営利団体Center for Open Science(COS)は新たに法学分野を対象とするプレプリントサービス、LawArXivを公開しました。COSの提供するオープンソースプレプリントサービス、OSF Preprintsを利用しているとのことです。

同サービスはLegal Information Preservation Alliance等の3つの非営利団体とコーネル大学の法学図書館が協力して立ち上げたもので、COSは技術パートナーとして協力するとともに、LawArXivをホストする役割を担っているとのことです。

日本の学協会誌掲載論文のうち、ソーシャルメディアから言及されているものは約1~2%(文献紹介)

情報知識学会誌の第27巻1号に、日本の学協会誌に掲載された論文を対象にオルトメトリクス付与状況を分析した論文、「日本の学協会誌掲載論文のオルトメトリクス付与状況」が掲載されています。著者は同志社大学の佐藤翔氏と豊橋技術科学大学の吉田光男氏です。

同論文では2006~2015年に日本の学協会誌に掲載された論文約100万本を対象に、オルトメトリクスの付与状況を分析しています。その結果、日本の学協会誌掲載論文のうち、ソーシャルメディアから言及されているものは約1~2%とわずかにとどまっていることがわかったとのことです。分野としては人文社会系の論文でソーシャルメディアからの言及が多いとされています。

佐藤翔, 吉田光男. 日本の学協会誌掲載論文のオルトメトリクス付与状況. 情報知識学会誌. 2017, 27(1), p.23-42. http://doi.org/10.2964/jsik_2017_009

オープン・ピア・レビューは主流になりつつある?

2017年5月2日、OpenAIREは2016年9月から10月にかけて実施したオープン・ピア・レビューに関するオンライン調査の結果をまとめた報告書、”OpenAIRE Survey on Open Peer Review”を公開しました。また、報告書の公開にあわせ、OpenAIREブログに同報告書の内容を紹介する記事も掲載されています。

概要(Abstract)の記述によれば、同調査には3,062人から回答が寄せられ、回答者の多くはオープン・ピア・レビューが主流となることを支持していたとのことです。さらに、回答者の約4分の3はなんらかの形でオープン・ピア・レビューに関わったことがあったとしています。オープン・ピア・レビューに関する試みの中でも、オープンなやり取りの実施、査読報告や最終版へのコメント等のオープン化を支持する意見が多かったとのことです。

2030年、ピア・レビューはどうなっている?

2017年5月2日、BioMed CentralとDigital Scienceはピア・レビューの将来について論じた報告書、”What might peer review look like in 2030?”を公開しました。

同報告書は2016年11月に開催された、科学政策・アウトリーチ・ツールに関する国際会議SpotOn Londonの中で行われた、ピア・レビューに関するセッションの内容に基づくものです。人工知能の適用、科学者の視点、ピア・レビューの歴史とプレプリント、ピア・レビューの持続可能性、オープン性の増進など、6本の論考が掲載されています。

What might peer review look like in 2030?(figshare、2017/5/2付け)
https://figshare.com/articles/What_might_peer_review_look_like_in_2030_/4884878

Springerが1つの雑誌に掲載された論文107本について、査読不正を理由に撤回

2017年4月20日、Springer社はがん研究分野の雑誌”Tumor Biology”に掲載された論文107本について、査読の過程において不正が行われたと考えるに足る十分な証拠が得られたとして、撤回することを発表しました。論文撤回監視サイトRetraction Watchが詳細を報じています。

Retraction Watchによれば、Springerは今回撤回された論文について、実在する研究者の名前を騙り、偽のメールアドレスを用いて査読を通過していた確かな証拠を得ているとのことです。また、撤回された論文の中には外部の編集サービスを用いているものもあったとのことです。

なお、”Tumor Biology”誌は2016年でSpringerとの契約を終え、現在はSAGEから刊行されています。SAGEの担当者も査読不正については以前から把握しており、査読体制の見直し等を行っているとのことです。

トップ出版者はAPCをどれくらいに設定しているのか?(記事紹介)

オープンアクセス出版者De Gruyter OpenのブログOpen Scienceに、2017年4月20日付けで主要な出版者の発行するOA雑誌において、APC(論文処理加工料)がどのくらいに設定されているかをまとめた記事”How Much Do Top Publishers Charge for Open Access?”が掲載されています。

同記事によれば、主要出版者でOA雑誌におけるAPCの平均が最も高いのはPLOSで、次いでWiley、BioMed Central(Springerとは分けて集計)、Elsevierといった順になっているとのことですが、平均ではなく雑誌ごとのAPCの分布を見ると出版者ごとにそれぞれ異なる傾向があるとのことです。

How Much Do Top Publishers Charge for Open Access?(Open Science、2017/4/20付け)
http://openscience.com/how-much-do-top-publishers-charge-for-open-access/

【イベント】2017年度日本出版学会 総会・春季研究発表会(5/13・東京)

2017年5月13日に、日本大学法学部三崎町キャンパスにて、2017年度日本出版学会総会・春季研究発表会が開催されます。

午前中の研究発表では第2分科会において、「大規模図書選定事業の比較」(発表:伊藤民雄氏)、「学校図書館における電子書籍利用に関する一考察」(発表:植村八潮氏、野口武悟氏)、「図書館というアーカイブ機関とアーカイブ化の対象の行方」(発表:宮下義樹氏)など、図書館に関する発表が集中して行われます。

参加は有料で、事前申込みが必要とのことです。

■2017年度 日本出版学会 総会・春季研究発表会のご案内(日本出版学会、2017/4/18付け)
http://www.shuppan.jp/yotei/894-2017-2017513.html

京都大学、「京大新刊情報ポータル」を公開

2017年4月17日、 京都大学学術研究支援室(KURA)が、京都大学に所属する研究者の新刊書籍を紹介するウェブサイト「京大新刊情報ポータル」を公開したと発表しています。

京都大学に所属する研究者の研究成果(書籍)を可視化することが目的で、京都大学図書館機構・京都大学学術出版会・京都大学生活協同組合ショップルネ・協力出版社と連携し、企画・運営されています。

京都大学研究者の新刊書籍を紹介するWebサイト「京大新刊情報ポータル」を公開 (KURA,2017/4/17)
https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/support/217

京大新刊情報ポータル
http://pubs.research.kyoto-u.ac.jp/

Scientific Reports誌が出版論文数でPLOS ONEを逆転(記事紹介)

学術出版系ブログ“The Scholarly Kitchen”の2017年4月6日付けの記事で、2017年最初の四半期において、オープンアクセス(OA)雑誌Scientific Reports誌が出版論文数でPLOS ONEを逆転し、PLOS ONEが長く保ち続けてきた出版論文数世界一位から陥落したと報じられています。著者はPhil Davis氏です。

同記事によれば、2017年第一四半期のPLOS ONEの出版論文数は5,541本であったのに対し、Scientific Reports誌は6,214本でした。PLOS ONEは非営利団体PLOSが2006年位創刊した、いわゆるOAメガジャーナルの走りと言える雑誌でしたが、近年出版論文数が減少していました。その理由としては採択率の低下(却下割合の増加)の他に投稿論文数自体の減少もあり、さらに投稿論文数減少の理由としては、Scientific Reportsのような他のOAメガジャーナルが増えたことがあるとDavis氏は述べています。

【イベント】日仏図書館情報学会主催講演会「画家プッサンとフランス17世紀の出版史」(5/27・東京)

2017年5月27日、東京都渋谷区の日仏会館にて、日仏図書館情報学会主催、日仏美術学会後援の講演会「画家プッサンとフランス17世紀の出版史」が開催されます。講師は日本大学芸術学部教授の木村三郎氏です。

参加費は無料で、要予約、定員50名(先着順)とのことです。

チラシ
http://www.sfjbd.sakura.ne.jp/03_main/sub/pdf/kimura.pdf

参考:
【イベント】講演会「アルド・マヌーツィオとフランス」(5/21・東京)
Posted 2016年4月7日
http://current.ndl.go.jp/node/31284

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