出版

Springer Nature、学術書のOA化が利用に与える影響に関するホワイトペーパーを公開 被引用数は1.5倍、ダウンロード数は7倍、被言及数は10倍

2017年11月7日、Springer Nature社は学術書のオープンアクセス(OA)化が利用に与える影響についてまとめたホワイトペーパー“The OA effect: How does open access affect the usage of scholarly books?“を公開しました。

このホワイトペーパーは同社が刊行するOAの学術書と非OAの学術書について、ダウンロード数、被引用数、Web上での被言及数の推移を比較した第一部と、OAで学術書を出版した著者や助成機関関係者に対するインタビューに基づく第二部から構成されます。

このうち第一部の量的比較では、出版後の年月や分野をそろえた上で、OAの学術書と非OAの場合を比べています。全体の平均としては、OAの学術書は非OAの学術書に比べ、被引用数が1.5倍、ダウンロード数は7倍、Web上での被言及数は10倍に至っていたとのことです。

AIがあなたの論文の草稿を書いてくれるソフトウェアがリリースされる 何がまずいのか?(記事紹介)

2017年11月9日付けのRetraction Watch記事で、フリーの電子研究ノートサービス”sciNote”に導入された、”Manuscript Writer”機能に関して取り上げられています。

”Manuscript Writer”は研究データ・結果等を登録すれば、AIが論文の「はじめに」部分等の草稿を作成してくれるという機能です。ただし、「考察」等のオリジナリティの高い部分は研究者自身が書かねばならず、作成できるのはデータや研究ノートから機械的に生成できる「手法」や「研究材料」等についてと、先行研究等を関連ワードから特定し、そのうちオープンアクセス文献等の内容をまとめることで生成される「はじめに」の部分のみになります。

Retraction Watchの記事ではsciNote社の広報のほか、ニューヨーク大学でジャーナリズムを研究しているCharles Seife教授など、このトピックに詳しいと考えられる研究者へのインタビューを掲載しています。Seife教授は一部で”paper mills”(製紙工場)と呼ばれる、論文をほとんど同じフォーマットで、用語のみ変更して機械的に生産する集団について調査していた経験を持ちます。

山陽小野田市立図書館(山口県)、市民がつくる地域情報誌「とっとこ山陽小野田」 を発行

山口県の山陽小野田市立図書館が、市民がつくる地域情報誌「とっとこ山陽小野田」 のWeb版を2017年10月13日に公開しています。

同市の「現在」を深堀りし、後世に伝えていくため、図書館という「場」と「機能」を活用して新たな企画や行事を実施していく「図書館創発会議」のメンバーが地域に出かけ取材したものを中心に編集したもので、紙媒体も11月発行予定となっています。

山陽小野田市立図書館 トピックス
http://library.city.sanyo-onoda.lg.jp/
※「図書館創発会議では、市民がつくる地域情報誌「とっとこ山陽小野田」 Web版の公開をはじめました(2017.10.13)。紙媒体は11月発行の予定です!」とあります。

山陽小野田市立中央図書館が地域情報誌「とっとこ山陽小野田」発行へ(山口宇部経済新聞,2017/11/13)
https://yamaguchi.keizai.biz/headline/2937/

「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」の投票受付が開始

子どもの本総選挙事務局が主催する「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」の投票の受付が2017年11月1日から開始されています。

ポプラ社の70周年企画で、書店、小学校、公共図書館や小学生新聞などで、日本全国の小学生に幅広く投票を呼びかけ、投票結果を集計し、「こどもたちが選んだ本ベスト10」を決定するものです。

2017年10月1日時点での小学生に投票資格があり、投票期間は2018年2月16日まで、投票結果は2018年に開催予定のイベントで発表されます。

『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』開催のお知らせ(ポプラ社)
https://www.poplar.co.jp/topics/43170.html

ポプラ社、小学生による「子どもの本総選挙」開催(文化通信,2017/11/2)
http://www.bunkanews.jp/news/news.php?id=18014

Wiley社、新製品”Wiley Digital Archives”を発表 ニューヨーク科学アカデミー、英国王立人類学協会などのアーカイブコンテンツを提供

2017年10月25日、Wiley社は新製品”Wiley Digital Archives”に関するプレスリリースを発表しました。

Wiley Digital Archivesはデジタル化した科学・医学分野の貴重資料・アーカイブコンテンツに対するアクセスを提供するものです。2018年中のサービス開始を予定しており、現段階でニューヨーク科学アカデミーや英国王立人類学協会のアーカイブコンテンツがWiley Digital Archivesで提供されることが決まっているとのことです。貴重書や地図、手稿類、写真、イラストなど、多様なコンテンツが含まれる予定であるとされています。

地球科学分野のプレプリントサービス“EarthArXiv”が公開

2017年10月25日、非営利団体Center for Open Science(COS)は、地球科学分野のプレプリントサービス“EarthArXiv”の公開を発表しました。

COSの提供するオープンソースプレプリントサービス、OSF Preprintsを利用する15番目のプレプリントサービスで、すでに200万件以上のプレプリントが検索・アクセスできます。

The Center for Open Science and EarthArXiv Launch Branded Preprint Service(COS, 2017/10/25)
https://cos.io/about/news/center-open-science-and-eartharxiv-launch-branded-preprint-service/

アフリカで出版される健康・医学分野の学術雑誌におけるオープンアクセス化のインパクト(文献紹介)

The Electronic Library誌の35巻5号に、アフリカで出版される健康・医学分野の学術雑誌におけるオープンアクセス(OA)化のインパクトについて論じた論文”Citation impact of health and medical journals in Africa: does open accessibility matter?”が掲載されています。著者はナイジェリア大学のIfeanyi Jonas Ezema氏と南アフリカ大学のOmwoyo Bosire Onyancha氏です。

同論文ではアフリカで発行されている健康・医学分野の学術雑誌134誌(うちOA雑誌が65誌、非OA雑誌が69誌)を対象に、Google Scholarにおける被引用数や論文数、雑誌単位のh-indexを調査した結果が報告されています。分析の結果、非OA雑誌はOA雑誌に比べて、わずかな被引用数しか得られていなかった等とされています。

なお、当該論文はOAで公開されています。

欧州4カ国において、ゴールドOAで論文を発表する責任著者の割合が70%以上に Springer Natureが発表

2017年10月23日、Springer Nature社は同社の雑誌で論文を発表する責任著者(corresponding author)のうち、オープンアクセス(OA)での発表を選択する者の割合が70%を超えている国が4カ国存在する、と発表しました。具体的には以下の4カ国に所在する責任著者が該当するとのことです。

・英国:77%超
・スウェーデン:90%超
・オランダ:84%超
・オーストリア:73%超

上記の割合はOA雑誌、もしくはハイブリッドOAで論文を発表した、いわゆるゴールドOAの割合で、機関リポジトリ等のいわゆるグリーンOAの場合は含んでいません。

これらの4カ国では政府や機関によるOAの推進、助成機関による論文処理加工料(APC)の補助等の環境が整っていることが、ゴールドOA選択者の多さにつながっているものとSpringer Nature社の発表では述べられています。世界全体では、ゴールドOAでの論文発表の割合は27%にとどまるとのことです。

Bowker社、米国の自費出版の動向を発表:昨年比8%増

2017年10月11日、米国の書誌情報サービス企業で、ProQuest社の関連企業であるBowker社が、米国における自費出版について、2011年から2016年までのデータをまとめたレポートを発表しています。

レポートでは、昨年と比較して自費出版が8%増加したことや、2016年にISBNが割り当てられた自費出版物の数(78万6,935点)が、2011年(24万7,210点)と比較して218.33%増加したことが報告されています。

また、2015年と比較して、紙媒体での自費出版は11%の増加で昨年の34%増より減速していること、電子書籍については3%減少しているが昨年の11%減より減少幅が少ないこと、昨年出版された自費出版物の84%超が3つのサービスプロバイダによる出版で占められていることなどが指摘されています。

Knowledge Exchange、欧州8か国の単行書のオープンアクセスの現状に関するレポートを公開

2017年10月6日、高等教育・研究向けインフラの活用と開発を目的に、英・JiscやオランダのSURF等6か国の研究機関によって共同で運営されているKnowledge Exchangeが、単行書のオープンアクセス(OA)について概観したレポート“A landscape study on open access and monographs”を公開しました。

同レポートは、単行書のOAポリシー、研究助成の傾向と出版のモデルについて、Knowledge Exchangeに研究機関が参加している、英国、フランス、ドイツ、オランダ、デンマーク、フィンランドに加え、オーストリアとノルウェーを加えた欧州8か国を対象に行った調査です。

同レポートは、出版者と助成機関、図書館の三者の進行の違いを把握するため、対象となる国々で行った合計73回のインタビューに基づいてまとめられたものです。インタビューを通じて、単行書のOAに対する著者の姿勢や、OA化に対する学術的なインセンティブの付与とその仕組みの重要性について問題提起されたとしています。

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