大学出版

大学出版局と大学図書館の連携をテーマに開催された会議のホワイトペーパーが公開される

2016年5月9日から10日にかけて、経営上の連携をテーマに、北米研究図書館協会(ARL)、米国大学出版協会(AAUP)、ネットワーク情報連合(CNI)が主催し、23の大学図書館、大学出版局関係者が参加して行われた、P2L Summitのホワイトペーパー“Across the Great Divide: Findings and Possibilities for Action from the 2016 Summit Meeting of Academic Libraries and University Presses with Administrative Relationships (P2L).”が公開されました。

ホワイトペーパーには、サミットで議論された、図書館と出版局のさらなる相互理解が必要な分野、大学での出版局の役割、といった主要な論点のほか、サミットで出された予備的勧告、これら論点に関する欧州での現状に関する報告、基調講演、参加者名簿、連携の運営方法について図書館と出版局に対して事前に行った調査の結果などが含まれます。

オープンアクセスの書籍からの収益は2020年にかけて年30%で成長:Simba Informationによる調査

2016年11月11日、市場調査会社であるSimba Informationが、オープンアクセス(OA)の書籍の市場の2020年にかけての展望をまとめた報告書“Open Access Book Publishing 2016-2020”を発行しました。本文は有料ですが、プレスリリースで内容の一部が紹介されています。

プレスリリースによると、報告書では、2020年にかけて、書籍の収益は年率1%で減少すると見込まれる一方、OAの書籍からの収益は年30%で増加することが想定されるとしています。

また、雑誌論文より手数料がかかるため、特に研究費が限られている人文・社会科学分野において、ゴールドOAの手法は容易ではなく、多くの人がその将来性に疑問を抱いていることや、大学出版局が、この数十年間に渡り、様々な資金調達方法を開発してきたこと、2015年の学術分野の書籍収益やタイトルに占めるOAの書籍の割合はわずかであるが、不振の書籍市場の中での明るい材料であることが指摘されています。

JSTOR、4つの大学出版局の学術書63タイトルをオープンアクセスで公開

2016年10月26日、JSTORが、カリフォルニア大学出版局、ミシガン大学出版局、ロンドン大学出版局、コーネル大学出版局が出版した学術書63タイトルをオープンアクセスでJSTORのプラットフォームから公開したと発表しています。来年にかけて数百点のタイトルを追加する予定とのことです。

各タイトルは、出版社がクリエイティブコモンズの6種類のライセンスの内の1つを採用しており、DRMフリーで、章単位でのPDFでのダウンロードや印刷も可能です。また、利用にあたっては登録やログインは必要ありません。

メタデータと全文テキストがディスカバリーサービスに提供されるほか、提供される学術書は、電子学術情報アーカイブのPorticoで長期保存されます。

Twitter(@JSTOR,2016/10/26)
https://twitter.com/JSTOR/status/791287909609537536

Open Access eBooks Now Available on JSTOR(JSTOR)
http://about.jstor.org/news/open-access-ebooks-now-available-jstor

Open Access eBooks on JSTOR(JSTOR)

米国大学出版協会、高品質なピアレビューの基準を概説したハンドブックを公開

2016年6月8日、米国大学出版協会(AAUP)が、高品質なピアレビューの基準を概説したハンドブック“Best Practices in Peer Review”を公開しました。

Twitter(@aaupresses,2016/6/8)
https://twitter.com/aaupresses/status/740543213610631168

Handbook of Best Practices in Peer Review Published Outlines High Standards in Peer Review for Scholarly Monographs(AAUP,2016/6/8)
http://www.aaupnet.org/news-a-publications/news/1459-handbook-of-best-practices-in-peer-review-published

Best Practices in Peer Review
http://www.aaupnet.org/resources/for-members/handbooks-and-toolkits/peer-review-best-practices

Ithaka S+R、大学出版局において単行書出版にかかるコストを分析したレポートを公開

2016年2月5日、Ithaka S+Rが大学出版局における単行書出版のコストに関するレポート、“The Costs of Publishing Monographs Toward a Transparent Methodology”を公開しました。

・高品質な電子版の単行書を出版するために必要な作業の包括的なリストを提示する
・単行書の出版にあたって大学出版局にかかるコストについて実例データを収集する
・大学出版局に、オープンアクセス(OA)の電子版の単行書において著者が支払う費用の価格帯を定める際のガイドとなる一般則を提言する

などの点が目的とされ、米国内の20の大学で、2014会計年度に出版された単行書382タイトルについて、労働時間、直接経費(コピーエディターにかかる経費など)、間接経費(法的支援に関するもの、賃料など)の推定値をもとに、分析が行われています。

・大学出版局にとって一番のコストはスタッフの労働時間である
・(図書部門の収入の多寡で調査対象を4グループにわけたところ)小規模な大学出版局のグループで、もっとも低いコストで単行書が出版できている

などといった結果のほか、OAの影響についてさらなる調査等が必要であることが指摘されています。

大学図書館による出版のための能力開発(文献紹介)

“Education and Training for 21st Century Publishers”の2014年春号(第17巻第2号)に、Katherine Skinner氏らによる“Library-as-Publisher: Capacity Building for the Library Publishing Subfield”と題した記事が公開されています。

この記事では、大学における電子ジャーナルや会議録等のための電子出版のプラットフォームへの要望をうけ、大学図書館が担う出版の役割が強くなってきているとしています。主に北米の大学図書館を対象に、図書館による出版のための能力開発について紹介していいるとのことです。大学出版局や図書館出版社などの関係者11名にインタビューを行い、図書館における出版でトレーニングが必要とされる主要分野の提案などを行っているようです。

米国大学出版協会が大学出版局と図書館の協力に関する調査結果を発表

2014年1月14日、米国大学出版協会(Association of American University Presses:AAUP)が、大学出版局と図書館の協力に関する調査結果"Press and Library Collaboration Survey"を公表しました。この調査は2012年5月に、AAUPと北米研究図書館協会(ARL)のメンバー機関である42の図書館及び41の大学出版局に対して行われたアンケート調査と、2013年5月に18のアンケート回答機関に対して行われた電話によるフォローアップインタビューの結果とのことです。

サマリーによると、主な調査結果は以下の通りです。

1.65%の回答機関が図書館の出版プログラムは重要なサービスになりつつあると回答している。
2.69%の回答機関が、図書館出版の取り組みは、査読学術専門誌へのサービスを新たに考案するよりも出版局の出版活動を補完すべきと考えている。
3.95%の回答機関が、出版局と図書館は学術出版が直面する問題について話し合う必要があると考えている。
4.回答機関は学内にある多くの出版事業のうちのいくらかは知っていたが、大部分の回答機関はその数や規模を知らなかった。

図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”、初のフォーラム開催へ

北米研究図書館協会(ARL)の加盟館など50以上の大学図書館が参加している、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”が、初のフォーラム“Library Publishing Forum ”を開催することをアナウンスしていました。2014年3月5日、6日にカンザスシティで開催するとのことです。

Library Publishing Forum 2014 Location: Intercontinental Hotel, Kansas City Dates: March 5-6, 2014
http://www.librarypublishing.org/events/annual-forum

Call for Posters
http://www.librarypublishing.org/events/annual-forum/cfp

参考:
図書館による出版活動に関する中心的団体“Library Publishing Coalition”の立ち上げが進行中(米国)Posted 2013年1月18日
http://current.ndl.go.jp/node/22738

【イベント】京大附属図書館と京大学術出版会の共催講演会「知っておくとためになる論文執筆術『インパクトある研究成果公開のために』」

2013年11月1日、京都大学附属図書館は、京都大学学術出版会と共催で、講演会「知っておくとためになる論文執筆術『インパクトある研究成果公開のために』」を開催します。

講演会では、博士論文をもとに刊行した著作『認知と指示 定冠詞の意味論』で第29回渋沢・クローデル賞を受賞した小田涼准教授(関西学院大学)と京都大学学術出版会編集長が、それぞれ実例に沿って、研究成果を理想的な公表・出版に繋げていくことをテーマに講演を行うとのことです。また、併せて、論文の執筆力を磨くワークショップも開催されます。

会場は京都大学附属図書館ライブラリーホールで、一般参加可能、無料で、定員100名とのことです。参加にあたっては事前に参加申込が必要とされています。

社会科学・人文学分野で学位論文をオープンアクセスにすると、その内容を雑誌論文やモノグラフとして出版する機会は失われるのか?(文献紹介)

College & Research Libraries誌の2013年7月号に、”Do Open Access Electronic Theses and Dissertations Diminish Publishing Opportunities in the Social Sciences and Humanities? Findings from a 2011 Survey of Academic Publishers”と題した論文が掲載されています。著者はCalifornia Polytechnic State Universityのデジタルリポジトリ担当図書館員、Marisa L. Ramirez氏らです。

この論文は社会科学・人文学分野において、学位論文をオープンアクセスにするとその内容を雑誌論文やモノグラフとして出版する機会は減るのかを明らかにすることを目的に、2011年に行われたオンライン調査の結果に基づくものです。調査対象は人文学・社会科学分野の学術雑誌編集委員615人、モノグラフを出版する大学出版局のディレクター131人で、75の雑誌(回答率12%)と53の出版局(40%)から回答がありました。

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