博物館

E1881 - JALプロジェクトから得た3度の「提言」を考える

「JALプロジェクト」(E1643参照)は,2014年度当初の3年計画のとおり,2015年度および2016年度も継続し,3度の公開ワークショップ(以下,WS)を開催して,実質的な幕を下ろした。JALとはJapanese-Art Librarianの略称であり,正式の事業名は「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業」である。公開WSは,「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言」と銘打って,回を重ねた。初年度の2014年度は,英米仏の5都市から日本人のJALが7名参加,2015年度は7か国8都市から9名,2016年度は7か国9都市から9名を招へいした(2015年度および2016年度の招へいの日本人は各1名)。いずれの年もおよそ10日間の日本滞在期間中に東京・京都・奈良および福岡県(2015年度のみ)に所在する日本美術関連機関(東京国立近代美術館,東京国立博物館,東京文化財研究所,奈良国立博物館,九州国立博物館,福岡アジア美術館等)および国立国会図書館,国際日本文化研究センターなどにおいて研修・見学を行った上で,最終日に公開WSを開催している。2016年度は11月27日に招へいし,最終日の12月9日にWSを開催した。2014年度および2015年度の事業およびWSについては,詳細な報告書がすでに刊行され,事業主務館の東京国立近代美術館のウェブサイトに掲載されているので参照されたい。...

大阪市、「博物館施設の地方独立行政法人化に向けた基本プラン(案)」を公表

2017年2月6日、大阪市は、市の博物館施設について、地方独立行政法人による経営を実現するにあたって必要となる制度設計の方針について取りまとめた「博物館施設の地方独立行政法人化に向けた基本プラン(案)」を公表しました。

大阪市では現在、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪市立自然史博物館及び大阪市立科学館の5館について、指定管理者制度により運営しています。

2016年12月、上記の5館及び新たに整備予定の新美術館が、今後おおむね10年でめざす姿とその実現に向けた取組を「大阪市ミュージアムビジョン」として策定しました。あわせて、ビジョンの実現にふさわしい経営形態についても検討し、現行の行政の方針管理のもとでの指定管理者制度による管理代行から、地方独立行政法人による一元的な経営と運営への転換を図ることとしました。

「博物館施設の地方独立行政法人化に向けた基本プラン(案)」を公表します~大阪市ミュージアムビジョン実現に向けた経営形態の見直し~(大阪市経済戦略局文化部文化課博物館担当、2017/02/06)
http://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000389278.html

韓国国立中央図書館、「記録媒体博物館」をオープン

韓国国立中央図書館(NLK)が、2017年2月13日に、「記録媒体博物館」がオープンすると発表しています。

様々な記録媒体の価値を知らせ、科学技術の発展とともに進化する記録媒体の歴史を展示する博物館で、広さは920㎡、国立デジタル図書館の地下3階に設けられます。

展示は、先史時代から記録媒体が登場し発展してきた状況を概観する第1部、文字と絵による記録方式を経て、写真・映画・録音など技術が発展し誕生した記録媒体を紹介する第2部、コンピュータの発展と保存メディアの変遷を紹介する第3部から構成され、約200点が展示されています。

また、活版印刷(木版・金属活字・鉛活字)、タイプライター、レコード・テープ類の媒体変換の体験ができるコーナーも設けられています。

국립중앙도서관의 또 다른 공간“기록매체박물관” (NLK,2017/2/7)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8948&notice_type_code=3&cate_no=4

参考:
韓国国立中央図書館、展示室をリニューアルオープン Larchiveum(Library + Archive + Museum)化
Posted 2016年3月24日

はま・なか・あいづ 文化連携プロジェクト、現地視察ツアー「福島・文化・文化財~被災地のミュージアムと文化財のこれから~」を実施(2/17-19・福島)

2017年2月17日、2月18日、2月19日の3日間、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会が、現地視察ツアー「福島・文化・文化財~被災地のミュージアムと文化財のこれから~」を実施します。

人、土地、文化の結びつきが絶たれたまま時が過ぎゆくなかで、文化財はこの地域の歴史を、どのように次世代に語り得るかを、映像作家である藤井光氏と福島各地の文化財の常用を視察しながら、このような問題についての対話を重ねてゆくための3日間のツアーとなっています。

参加費は3日間いずれも無料で、定員は、1日目・50名(申込不要)、2日目・20名(要申込、先着順)、3日目・20名(要申込、先着順、16歳以上)です。

視察先は、1日目・福島県立博物館、2日目・南相馬市博物館~南相馬市立福浦小学校~朝日座、3日目・アートスペース盛高屋~双葉町歴史民俗資料館、図書館~ヘルスケアーふたば~復興記念公園・アーカイブ拠点施設予定地、です。

現地視察ツアー「福島・文化・文化財~被災地のミュージアムと文化財のこれから~」(はま・なか・あいづ 文化連携プロジェクト)

米・ネットワーク情報連合、報告書“Library and IT Partnerships with Campus Museums and Archives”を公開

2017年1月30日、米・ネットワーク情報連合(CNI)が、2016年12月に開催された総会で行われたExecutives Roundtableの報告書“Library and IT Partnerships with Campus Museums and Archives”を公開しました。

ラウンドテーブルでは、大学キャンパス内のMLA機関が所蔵する資料の、記述、管理、キュレーション、アクセス強化、保存、普及のためのスローガン、ボーンデジタル資料に関する組織全体での戦略策定に関する幅広いトピックや、それらの資料が大学での教育や研究において効果的に使われるための方法が議論されています。

“Library/IT Partnerships with Campus Museums & Archives” Executive Roundtable Report Available(CNI,2017/1/30)
https://www.cni.org/news/libraryit-partnerships-with-campus-museums-archives-executive-roundtable-report-available

Library and IT Partnerships with Campus Museums and Archives(CNI)

MLA分野での専門能力養成への需要に関する調査報告書が公開(米国)

MLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteが、2016年12月付けで、MLA分野における専門能力養成への需要に関する調査報告書“Self-Identified Library, Archives and Museum Professional Development Needs”の2016版を公開しています。

報告書では、これら機関における継続的な研修や専門能力の養成への強い要望・関心が明らかになったとし、(1)中級から高度な技術的な研修が必要とされるなど分野間では相違点より類似点が多いこと、(2)community engagement分野でのニーズはあらゆる部門で示されたこと、(3)保存修復に関する物理的な保存の指針や技能に関するニーズが約3分の1の回答者からあったこと、などが紹介されています。

また、災害管理計画や関連する技能養成へのニーズは、図書館員では29%、文書館では17%、ミュージアムでは15%であったとのことです。

Self-Identified Library, Archives and Museum Professional Development Needs 2016 Edition(Educopia Institute)

国立民族学博物館で、企画展「津波を越えて生きる―大槌町の奮闘の記録」が開催中

大阪府吹田市にある国立民族学博物館で、2017年1月19日から4月11日まで、企画展「津波を越えて生きる―大槌町の奮闘の記録」が開催中です。

岩手県大槌町の復興の過程に着目し、現地の人びとが大規模災害をいかに乗り越えてきたか、いかに乗り越えようとしているかを学ぶことを目的としており、日常の生活やその背景にある文化や伝統が、災害で一時は途切れたものの、前進しようとする人びとの熱意によって再び未来へとつながる流れが動き始めており、この動きには、災害を生き延びた人びとの知恵と力の源を認めることができるとし、大槌町の被災前の文化を紹介すると同時に、被災直後の人びとの行動や復旧の試みを展示の形でたどることで、将来起こりうる大規模災害に対する備えの必要性を示し、災害を乗り越えて過去から未来へと文化や伝統をつなぐことの意義を考えるものとなっています。

企画展「津波を越えて生きる―大槌町の奮闘の記録」(国立民族学博物館)
http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/tsunami20170119/index

参考:
東北3県(岩手、宮城、福島)の民俗芸能・祭礼行事に関わる写真・映像などの記録を収録した「無形文化遺産アーカイブス」が公開
Posted 2016年4月8日

【イベント】デジタルアーカイブ in 岐阜(2/11・岐阜)

2017年2月11日、岐阜女子大学において、「デジタルアーカイブ in 岐阜」が開催されます。

内容は以下の通りです。

〇基調講演「図書館とデジタルアーカイブの未来」
講師:柳与志夫氏(氏東京大学大学院情報学環教授)

〇ICT教育 セッション
テーマ1:次期学習指導要領とアクティブラーニング
講師:下村昌弘氏(文部科学省生涯学習政策局情報教育課専門職)

テーマ2:アクティブラーニングとICT教育
講師:小柳和喜雄氏(奈良教育大学教授) 

〇観光とデジタルアーカイブ セッション
テーマ1:観光とデジタルアーカイブ -高山市の事例-
講師:藤原一也氏(高山市商工観光部観光課誘客・宣伝係係長)

テーマ2:地域の活性化につながるデジタルアーカイブ
講師:下仲隆浩氏(福井県小浜市小浜市産業部商工観光課下仲グループリーダー)

〇図書館・博物館とデジタルアーカイブ セッション
テーマ1:鳥類音声データベース:生態情報デジタルアーカイブの試み
講師:濱尾章二氏(国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ長)

テーマ2:地図情報の魅力 ~広く活用を図るために~
講師:松家隆弘氏(岐阜県図書館サービス課郷土・地図情報係課長補佐)

〇デジタルアーカイブ セッション

韓国の教育部と文化体育観光部、「人文学及び人文精神文化振興基本計画」を発表:図書館・博物館や読書活動に関する事業も

2017年1月12日、韓国の教育部と文化体育観光部が「人文学及び人文精神文化振興基本計画」を発表しています。

2016年8月4日に施行された「人文学及び人文精神文化振興に関する法律」に基づく2017年から2021年までの5か年計画で、社会が直面する複雑な問題の解決策は、洞察力・知恵・調和のとれた感性といった人文的価値のなかにあるとし、この計画により、国民の精神と知恵を豊かにすることで、国民生活の質の向上を目指すものとのことです。

聯合ニュースが報じるところによれば、

・小中学校の国語の時間における読書活動(毎学期1冊本を読む)や演劇等の体験学習の実施
・大学生の人文学系単位の必修化
・人文系のポスドクの就職支援(大学や国公立研究機関での研修機会の提供)
・文学、歴史学、哲学における基礎研究の支援や、アラビア語・ギリシア語等の少数言語分野の研究支援、中長期研究(最大7年)への支援拡大
・韓国全体の人文学資料を参照できる総合ポータルの構築
・EUによる欧州文化首都制度にならった「人文都市事業」の実施
・市民によるサークル活動を増やすとともに、図書館や博物館でプログラムを運営することができる退職者の養成
・人文的な環境構築を目的とした、カフェや書店の併設などといった図書館、博物館の改装の支援
・高齢者支援を目的とした図書館での読書療法プログラムの実施

ふくしま震災遺産保全プロジェクト アウトリーチ事業「震災遺産を考えるⅢ」明治大学セッション 震災遺産展「我暦(が)→ガレキ(れ)→我歴(き)」が開催中

2017年1月8日から2月5日まで、ふくしま震災遺産保全プロジェクト アウトリーチ事業「震災遺産を考えるⅢ」明治大学セッション 震災遺産展「我暦(が)→ガレキ(れ)→我歴(き)」が、明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン地階の明治大学博物館特別展示室で開催されています。

2014年から同プロジェクトで調査・保全を開始した、震災が産み出したモノやバショからなる「震災遺産」を展示するものです。

期間中には、多様な「震災遺産」を、最新技術MRによる3次元バーチャル映像で体験し、震災遺構が持つ意味やバショの記憶を考える機会とする「3Dデジタル震災遺構アーカイブ体験展示」(1月21日、22日、28日、29日、2月4日、5日)や、1月22日には、語り・アーカイブ・震災遺産等それぞれの立場で「ふくしまの経験」の継承に取り組む方を迎えて、活動や実践の意味や課題について検討するシンポジウム「ふくしまの経験を語る・伝える」が開催されます。

震災遺産展「「我暦(が)→ガレキ(れ)→我歴(き)」を開催(明治大学博物館)
https://www.meiji.ac.jp/museum/news/2016/6t5h7p00000mj0e3.html

震災遺産展にて「3Dデジタル震災遺構アーカイブ体験」展示を実施します(明治大学博物館)

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