RIN(研究情報ネットワーク)

CA1903 - 動向レビュー:研究助成機関によるオープンアクセス義務化への大学の対応―英国の事例― / 花﨑佳代子

 英国では近年、RCUK(英国研究会議)やHEFCE(イングランド高等教育助成会議)などの主な研究助成機関により、オープンアクセス(OA)義務化ポリシーが発表されている。本稿では、英国において、これらの研究助成機関のOAポリシーを背景にOAが進展する中で発生している新たな課題と、その課題への大学およびその関連機関による対応について紹介する。

OAの進展状況をチェックする指標の提案(英国)

2014年4月7日、英国の研究情報ネットワーク(RIN)が、オープンアクセス(OA)の進展状況をチェックするための指標策定に関するワーキンググループがまとめた提案”Monitoring Progress in the Transition to Open Access”を公開しました。

この提案では英国におけるOAの進展状況について、アクセシビリティ、OAオプション、文献の利用、財政面での持続可能性、著者・読者に対するサービスの質の6項目に分けて、毎年同一の指標で調査することを提案しています。さらに例えばアクセシビリティについてであれば、完全なOA誌、ハイブリッド誌、エンバーゴ期間の後に雑誌プラットフォーム上で無料公開される雑誌、リポジトリや他のウェブサイトに掲載された論文の数やすべての論文に対する割合を調べること、調査時にはプレプリントと著者最終稿、出版者版を分けて集計することなど、調査対象や手順の詳細についても踏み込んで提案しています。

Monitoring Progress in the Transition to Open Access(RIN)
http://www.researchinfonet.org/wp-content/uploads/2013/02/Report-final.pdf

Finchレポート 1年目のレビュー

2012年6月に英国の研究情報ネットワーク(RIN)がいわゆる「Finchレポート」(正式名称:Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications)を公開してから1年が過ぎたことを受け、同レポートをまとめたグループ自身によるFinchレポートのレビュー"A Review of Progress in Implementing the Recommendations of the Finch Report"が公開されています。

このレビューはFinchレポート中での提案事項の、公開後1年間での実現状況を振り返るものです。また、レビュー内容に基づき、14の更なる提案事項が示されています。

なお、同レビューは2013年11月18日にRINのサイトで公表されたものですが、同日中には既にハーナッド(Stevan Harnad)氏による反論がハーナッド氏のブログである”Open Access Archivangelism”上で公開されています。

E1495 - ゴールドOAに偏重した英国のOA方針に対する批判と提言

 2013年9月,英国下院の産業・技術革新・職業技能委員会(Business, Innovation and Skills Committee: BIS committee)が,政府に対しオープンアクセス(OA)方針の見直しを求める報告書を公表した。BIS committeeは行政監視を主務とする英国下院省別特別委員会の一つで,産業・技術革新・職業技能省が扱うべき社会問題や,同省が関連する政策の妥当性等について,証言や文書記録の収集等を通じて調査する権限を持つ。その成果は報告書としてまとめられ,政府はそれに対し回答することが求められる。...

E1381 - 効率的なAPCの管理のために“仲介者”の果たしうる役割は?

E1381 - 効率的なAPCの管理のために“仲介者”の果たしうる役割は?

英国のオープンアクセス実行グループ(OAIG)が,2012年10月付けで,“The Potential Role for Intermediaries in Managing the Payment of Open Access Article Processing Charges (APCs)”と題したレポートを公表した。OAIGのメンバーであるWellcome TrustおよびJISCの委任を受け,研究情報ネットワーク(RIN)が作成したものである。...

OAジャーナル投稿料の支払における“仲介者”の役割は? 英国OAIGがレポートを公表

2012年10月付けで“The Potential Role for Intermediaries in Managing the Payment of Open Access Article Processing Charges (APCs)”という調査レポートが公表されました。これは、英国オープンアクセス実行グループ(OAIG)を代表したウェルカム・トラスト及びJISCから委任を受けて、研究情報ネットワーク(RIN)が作成したものです。レポートでは、オープンアクセス誌の投稿料(APC)がテーマとなっており、大学や助成機関から出版社へのAPCの支払における“仲介者(intermediary)”の役割や、APCの効率的な管理などについてまとめられています。

The Potential Role for Intermediaries in Managing the Payment of Open Access Article Processing Charges (APCs)(JISC Repository)
http://repository.jisc.ac.uk/4949/

参考:
E1241 - ハイブリッドOAを巡る高等教育機関・出版社・助成機関の問題
http://current.ndl.go.jp/e1241

英国政府が「Finchレポート」に対する公式見解を、英国研究会議と欧州委員会がオープンアクセス方針を発表

2012年6月17日に英国の研究情報ネットワーク(RIN)が公表したいわゆる「Finchレポート」(正式名称:Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications)は公的助成を受けた研究成果のオープンアクセス(OA)化をテーマとしており、OA誌(ゴールドOA)を推奨するその内容に対して、学術情報流通のステークホルダーからその内容について様々な反応が出ていました。

Finchレポートを受けて、7月16日には、英国政府がレポートの内容を基本的に受け入れる旨の公式見解を発表しました。

さらに、同日、英国研究会議(RCUK)が2013年4月1日から適用する新しいOA方針を公表し、RCUKの助成を受けた研究成果は方針中で示す条件に適合するジャーナルで出版することなどを義務付けると発表しました。ジャーナル自体がOAでなくても、著者原稿(査読による変更を含めて)をリポジトリで公開することが許可されていれば条件に適合すると見なされるようです。また、出版社に投稿料(APC)を支払う必要があるケースには、クリエイティブコモンズライセンスのCC-BYを使用することを義務付けるとしています。

研究成果へのアクセス拡大に向けて必要な活動は何か? 英国研究情報ネットワーク(RIN)がレポートを公表

2012年6月17日に、英国の研究情報ネットワーク(RIN)が、研究成果へのアクセス拡大に関するワーキンググループがまとめた“Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications”というレポートを公表しました。レポートでは、研究成果へのより広範囲からの、より早いアクセスを促進するための活動について、提言を示しているとのことです。

Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications (PDF)(全文バージョン)
http://www.researchinfonet.org/wp-content/uploads/2012/06/Finch-Group-report-FINAL-VERSION.pdf

Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications (PDF)(サマリーのみ)

E1245 - 博士課程の学生の情報リテラシーに関する指導教員の役割とは

E1245 - 博士課程の学生の情報リテラシーに関する指導教員の役割とは

2011年10月に,英国の研究情報ネットワーク(RIN)が,博士課程の学生に研究者として求められる情報リテラシーに関して指導教員が果たす役割等を調査したレポートを公表した。調査は2011年1月から6月にかけて実施され,指導教員と学生を対象にしたオンライン調査,ケーススタディ,インタビュー等の手法が用いられた。オンライン調査には,指導教員382名,学生907名の返答があった。以下に,結果の一部を紹介する。...

英国研究情報ネットワーク(RIN)、企業などとの共同研究における研究者の情報利用行動を調査した報告書を公開

2011年11月18日、英国の研究情報ネットワーク(RIN)が、英国図書館(BL)と共に行った研究の報告書“Information handling in collaborative research: an exploration of five case studies”を公表しました。これは、高等教育機関と企業・公的セクターなどとの共同研究プロジェクトにおいて、研究者がどのように情報を利用しているかを調査したもので、Intelligent Care、UK Reactics、PRISMA、Structural Genomics Consortium、Locating Communications Heritageの5プロジェクトのケーススタディが行われているようです。報告書には、研究パートナーのタイプが情報行動やニーズにもたらす違いの比較や、より効率的な情報利用を妨げるものの特定とそれへの対処法なども盛り込まれているそうです。

Information handling in collaborative research:
an exploration of five case studies (PDF文書:60ページ)

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