WIPO(世界知的所有権機関)

Accessible Books Consortium 、“ABC Global Book Service”の開始を発表

2017年6月1日、Accessible Books Consortium (ABC) が、様々な国の視覚障害者のための図書館が、アクセス可能なフォーマットで書籍を交換できるようにする“ABC Global Book Service”の開始を発表しています。

マラケシュ条約の対象となる人々に国境を越えて「アクセス可能な複製物」を効率良く、同時に著作権を守りつつ提供するためのパイロットプロジェクト“TIGAR”を改称したものです。

マラケシュ条約が国内で発効している国の視覚障害者のための図書館では、著作権者の許諾なしでの交換が可能ですが、マラケシュ条約国内発効前の国では、著作権者の許諾が必要です。

New release of the ABC Global Book Service(ABC,2017/6/1)
http://www.accessiblebooksconsortium.org/news/en/2017/news_0003.html

EIFL、WIPOの著作権・著作隣接権常任委員会での図書館員等からの発言をまとめた小冊子を公開

2016年11月30日、図書館を通じた情報へのアクセス向上に取り組んでいる非営利組織“Electronic Information for Libraries”(EIFL)が、世界知的所有権機関(WIPO)の著作権・著作隣接権常任委員会(SCCR)での、図書館員やアーキビストによる発言をまとめた小冊子“The internet is global - but copyright exceptions stop at the border. Why we need an international treaty for cross-border access to knowledge”作成し、公開しました。

国による著作権法の権利制限の違いなどの証拠を示すことで、図書館と文書館が、世界中の人々に情報を提供する際に直面する問題を解決するWIPOの著作権国際条約への取り組みを支援するために出された意見で、国際図書館連盟(IFLA)、国際公文書館会議(ICA)など15機関の代表の発言が含まれます。

New resource on cross-border access to knowledge(EIFL,2016/11/30)
http://www.eifl.net/news/new-resource-cross-border-access-knowledge

世界知的所有権機構(WIPO)、オープンアクセスポリシーを採択

2016年11月16日、世界知的所有権機構(WIPO)が、オープンアクセスポリシーを採択したと発表しています。

世界の知的財産関連情報の情報源として、WIPOが出版した幅広い分野の資料(調査、報告書、ガイド等)への、政策立案者、研究者、実務家等からのアクセスを促進することを目的としています。

オープンアクセスポリシーの実行のため、クリエイティブコモンズのライセンスを採用しています。

WIPO Adopts Open Access Policy for its Publications(WIPO,2016/11/16)
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2016/article_0016.html

Open access policy(WIPO)
http://www.wipo.int/tools/en/disclaim.html#open_access

韓国国立中央図書館、マラケシュ条約発効に合わせ“Accessible Books Consortium”に参加

2016年9月30日のマラケシュ条約発効に合わせ、韓国国立中央図書館(NLK)は、世界知的所有権機構(WIPO)が運営する、プリントディスアビリティのある人たちがアクセス可能な資料の共有の促進を目指すコンソーシアム“Accessible Books Consortium”(ABC)に参加することを発表しています。

NLKはWIPOと、同コンソーシアムの“ABC Book Service”のために、障害者用資料の目録や原文のデジタルファイルを提供する方法について協議しており、2017年の初めには、韓国語のインターフェイスを提供する予定となっています。

ABCへの参加により、韓国国内の視覚障害者は、16か国19機関が作成した55言語31万5千点の資料を自宅で利用できるほか、ABCに参加している国に住む韓国人の視覚障害者も、韓国の国立障害者図書館が製作した資料2万2千点を利用できるようになります。

내 집 안방에서 해리포터(영어) 녹음자료 즐기고, 시각장애인 해외 교포는 한국어 대체자료 보고(NLK,2016/9/29)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8767&notice_type_code=3&cate_no=0

参考:

国際図書館連盟(IFLA)、マラケシュ条約の発効に向けて声明を発表

2016年9月1日、国際図書館連盟(IFLA)は、9月30日に発効するマラケシュ条約について“One Step Forward, No Steps Back: National Ratification Needs to Respect the Objectives of the Treaty of Marrakesh”と題した声明を発表しました。

声明においてIFLAは世界知的所有権機構(WIPO)加盟国に対し、条約の批准を勧奨しており、アクセスの障壁をなくすというマラケシュ条約の趣旨を強調しています。

プリントディスアビリティの人々などが直面する「書物飢餓」(book famine)を解消すべく、市場でアクセシブルなフォーマットの作品も流通するよう政府は市場をチェックすべきであるといった点や、複製物を作成した際に著作権料の支払いを要求することはマラケシュ条約の精神に悖るものであることなどについて言及しています。

また、各国において、マラケシュ条約を適切に批准するためのステップをまとめたツールキットも公開されています。

マラケシュ条約、2016年9月30日に発効:批准国が20か国に到達

世界知的所有権機構(WIPO)は、2016年6月30日、カナダがマラケシュ条約(盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)を批准したことにより、発効に必要な批准国数20か国に到達したと発表しています。

マラケシュ条約は、2016年9月30日に発効することになります。

批准20か国は、インド、エルサルバドル、アラブ首長国連邦、マリ、ウルグアイ、パラグアイ、シンガポール、アルゼンチン、メキシコ、モンゴル、韓国、オーストラリア、ブラジル、ペルー、北朝鮮、イスラエル、チリ、エクアドル、グアテマラ、カナダです。

関係団体もコメントを発表しています。

Canada’s Accession to Marrakesh Treaty Brings Treaty into Force(WIPO,2016/6/30)
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2016/article_0007.html

WIPO-Administered Treaties
Contracting Parties > Marrakesh VIP Treaty (Treaty not yet in force)

オバマ大統領、米国上院にマラケシュ条約批准についての教書を提出

2016年2月10日、オバマ大統領が、マラケシュ条約(盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)への批准について「助言と同意」を求めるため米国上院に教書(Message)を提出しました。

米国は2013年10月にマラケシュ条約に署名しています。

Message to the Senate -- The Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons Who Are Blind, Visually Impaired, or Otherwise Print Disabled(The White House,2016/2/10)
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/02/10/message-senate-marrakesh-treaty-facilitate-access-published-works

President Obama Sends Marrakesh Treaty to Senate for Ratification(Association of Research Libraries,2016/2/11)

EIFL、マラケシュ条約に関する図書館向けのガイドの改訂版を発表

2015年12月3日、途上国において図書館を通じてデジタル情報へのアクセスを推進しているEIFL(Electronic Information for Libraries)が、「盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約」(Marrakesh Treaty) の図書館向けのガイド“The Marrakesh Treaty: an EIFL Guide for Libraries”の改訂版を発表しました。

これまでの英語版、フランス語版、ロシア語版に加えて、セルビア語版も追加されたとのことです。

改訂に辺り、条約の遂行のためにEIFLの提言が2ページの要約にまとめられており、2部構成の第1部では、条約そのものや主要な概念、条約の目的に貢献するための図書館の役割について簡単に説明されているとのことです。第2部では、知識へのアクセスを可能にするという公共の利益の目標に沿って技術的な条項の実務的な適用方法が提言がされているとのことです。

また、このガイドは、クリエイティブコモンズのAttributionライセンスで公開されており、翻訳・再利用が推奨されています。

EIFL Guide to the Marrakesh Treaty: new design and new translation(EIFL,2015/12/3)

特許庁、日本の登録意匠に関する情報をWIPOが保有する世界的な意匠情報データベース“Global Design Database”に提供することを発表

2015年7月30日、特許庁は、世界知的所有権機関(WIPO)が保有する世界的な意匠情報データベース“Global Design Database”に、日本の登録意匠に関する情報が掲載されている「意匠公報」の提供を8月1日から開始することを発表しました。

“Global Design Database”に日本の意匠公報が掲載されることで、我が国の質の高い審査を経た意匠権の情報が世界に発信されます。また、日本の利用者が“Global Design Database”上で諸外国の公報と一括で検索できるようになり、グローバルなデザイン戦略を策定する上で有効に活用されることが期待されます。

2015年2月に日本は「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」(Hague Agreement Concerning the International Registration of Industrial Designs)に加入し、5月13日から協定締約国での簡便、低廉な意匠権の取得と管理が可能になっていたとのことです。

国際連合で科学と文化に関する権利の観点から著作権について検討した報告が発表され、国際図書館連盟(IFLA)等が支持する声明を発表

2015年3月11日、第28回国際連合人権理事会において、国連の文化的権利に関する特別報告者Farida Shaheed氏による、科学および文化への権利の観点から著作権について検討した報告が発表されました。同日、国際図書館連盟(IFLA)がこの報告を支持するとの声明を発表しました。

声明では、デジタル環境下における国際的な著作権の枠組みが、公益よりも産業的なニーズを優遇し、バランスを欠き、図書館や文書館など非営利の文化的機関に対して、必要な保護を行っていないとする報告の観点について、支持が表明されたようです。また、世界知的所有権機関(WIPO)の加盟国が、図書館及び教育での利用を促進するための著作権の権利制限についての国際的な文書を採択すべきであるという同報告の勧告について強く支持する考えが表明されているようです。

この声明には、米国図書館協会(ALA)、オーストラリア図書館協会(ALIA)、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)、米国アーキビスト協会(SAA)などあわせて14機関が署名を行っています。

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