オープンアクセス

学術雑誌論文の利用半減期とエンバーゴの長さを巡る議論

2013年12月18日に公開された学術雑誌論文の利用傾向に関するレポートについて、出版者と大学図書館の関係者にインタビューを行った記事が2014年1月6日付けでLibrary Journalオンライン版に掲載されています。

同レポートは米国出版社協会(Association of American Publishers:AAP)の資金提供を受け、Philip Davis氏が行った調査に基づくもので、2,812の学術雑誌について、掲載論文の利用データに基づき利用半減期(当該雑誌に掲載された論文の累積ダウンロード数が総ダウンロード数の半分に達するまでの期間の平均値)を算出し、分野ごとの状況等を示しています。調査結果によると、利用半減期が12カ月以下の雑誌は全体の3%程度で、最も利用半減期の短い医学分野でも利用半減期の中央値は25-36カ月、最も長い人文学、物理学、数学分野では利用半減期の中央値は49-60カ月であったとしています。なおDavis氏は学術情報流通分野で研究活動も行っていた元大学図書館員で、現在は独立してコンサルティング会社を立ち上げています。

米国情報標準化機構(NISO)、論文のライセンスをメタデータで示すための“Open Access Metadata and Indicators”のドラフト版を公表しパブリックコメントを募集

米国情報標準化機構(NISO)のOpen Access Metadata and Indicators ワーキンググループが、2014年1月6日、論文のライセンスについての情報をメタデータで示すための“Open Access Metadata and Indicators”のドラフト版を公表しました。また、このドラフト版についてのパブリックコメントを募集しており、期間は1月6日から2月4日までとなっています

ドラフトでは、論文が特定の期間オープンアクセスであることを示すタグ、ライセンス条項へのURIを記述するためのタグの2つが提案されており、論文のライセンスに関する情報を流通させるためのプロトコルの開発が目指されているとのことです。

NISO RP-22-201x Open Access Metadata and Indicators(NISO 2014/1/6付け)
http://www.niso.org/apps/group_public/download.php/12047/rp-22-201x_OA_indicators__draft_for_comments.pdf

Open Access Metadata and Indicators(NISO)

高インパクト商業誌への苦言と代替案 ノーベル医学生理学賞受賞者Randy Schekman氏へのインタビュー(記事紹介)

2013年12月24日、Library Journal誌オンライン版に2013年のノーベル医学生理学賞受賞者、Randy Schekman氏へのインタビュー記事が掲載されました。Schekman氏は米国カリフォルニア大学バークレー校教授で、2012年に創刊された生命科学・生物医学分野のオープンアクセス誌“eLife”の初代編集主幹でもあります。同氏は2013年12月9日付けの英国The Guardian紙上でNature、Cell、Scienceといった高インパクトな商業雑誌に対する批判を展開し、自身の研究室は今後それらの雑誌に投稿しないことを表明したことで注目を集めていました。

Library Journal誌のインタビューではあらためてThe Guardian紙掲載記事や投稿ボイコットの意図について尋ねるとともに、若手研究者にとってそれら高インパクト商業誌の代替として何が考えられるのか等を尋ねています。Schekman氏は高インパクト商業誌への掲載論文数を研究者が競い合っている現状への疑問を述べた上で、代替手段としてはeLifeのようなオープンアクセス誌への投稿を提案するとともに、大学等が高インパクト商業誌への掲載数ではなく、論文そのものの内容を評価するようにならねばならないと答えています。

Springer社がオープンアクセス誌にCC-BY 4.0ライセンスを適用へ

2013年12月18日、Springer社は、BioMed Central、Chemistry Central、SpringerOpenに投稿された論文に、2014年2月3日以降、CC-BY 4.0ライセンスを適用すると発表しました。

BioMed Central、Chemistry Centralにおいては、表や補足資料など、CC0でライセンスを放棄したものとCCライセンスを組み合わせた形態で出版されるということです。SpringerOpenとSpringer社のオープンアクセスのオプションで出版されるコンテンツについては、すべてCC-BY 4.0ライセンスが適用されるとのことです。

Springer’s open access titles move to new CC-BY 4.0 license
http://www.springer.com/about+springer/media/pressreleases?SGWID=0-11002-6-1449441-0

参考:
E1516 - CCライセンスが6年振りに改定,4.0版に カレントアウェアネス-E No.251 2013.12.26
http://current.ndl.go.jp/e1516

アメリカ歴史家協会が博士論文のエンバーゴについて声明

2013年12月16日、アメリカ歴史家協会(the Organization of American Historians: OAH)が、博士論文のエンバーゴに関して声明を発表しています。ジョージア州アトランタで開催されていた会議での議論を踏まえたもので、同協会の理事会(Exective Board)は、著作者が自身の博士論文の刊行や流通の方法を決定する権利について、強くサポートする、との内容になっています。

OAH Executive Board Statement on Dissertation Embargoes(OAH, 2013/12/16付け)
http://www.oah.org/about/governance/oah-executive-board/oah-executive-board-statement-on-dissertation-embargoes/

Another Push for Embargoes(INSIDE HIGHER ED, 2013/12/18付け)
http://www.insidehighered.com/news/2013/12/18/second-history-group-backs-idea-embargoes-dissertations

参考:

アルゼンチンでオープンアクセスの文献のポータルサイト“SNRD”が開設:併せて科学技術文献の新しい検索サイトも開設

アルゼンチンで、オープンアクセスの文献(書籍や論文)のポータルサイト“Sistema Nacional de Repositorios Digitales”(National System of Digital Repositories:SNRD)が開設されました。約30,000件の文献が掲載されているとのことです。

また併せて、科学技術文献の新しい検索サイト“Biblioteca Electrónica de Ciencia y Tecnología”(Electronic Library of Science and Technology)も開設されています。

Sistema Nacional de Repositorios Digitales
http://repositorios.mincyt.gob.ar/
http://repositoriosdigitales.mincyt.gob.ar:8380/dnet-web-generic/

Biblioteca Electrónica de Ciencia y Tecnología
http://www.biblioteca.mincyt.gob.ar/

UNESCOがオープンアクセスでの刊行物の公開を開始

2013年12月10日、UNESCOが、“Open Access Repository”を開始したことをアナウンスしています。発表によると、開始時において、UNESCOの主要なレポートや研究報告書など300件ほどが掲載されているとのことです。

UNESCO publications now freely available through a new Open Access Repository(UNESCO, 2013/12/10付け)
http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/unesco_makes_its_publications_available_free_of_charge_through_a_new_open_access_repository/#.UrFZFnmRmSq

Search OA publications(検索画面)
http://en.unesco.org/open-access/search_unesdoc

Publications in Open Access(UNESCOの“Resources”のページ)
http://www.unesco.org/new/unesdoc-open-access
※検索ボックスあり

DOAJ収録のオープンアクセスジャーナルが10,000タイトルを突破

オープンアクセスジャーナルのディレクトリであるDOAJ(Directory of Open Access Journals)に収録されているオープンアクセスジャーナルが10,000タイトルを超えたとのことです。

DOAJ Directory of Open Access Journals
http://www.doaj.org/doaj?uiLanguage=en

DOAJ offers 10,000 open access journals from 124 countries in 51 languages(Marie Lebert氏のブログ, 2013/12/11付け)
http://marielebert.wordpress.com/2013/12/11/doaj/

E1513 - OAが人文系学術書に与える影響 オランダからの報告

 オープンアクセス(OA)は人文系の学術書にどのような影響を与えるのか。この問いは,人文学にとってのOAの是非をめぐる議論の中心に位置するものである(CA1801参照)...

オープンアクセスプロジェクトSCOAP3が2014年1月から運用開始

2013年12月5日、欧州原子力研究開発機構(CERN)が、高エネルギー物理学分野のOAプロジェクト“SCOAP3”の2014年1月からの運用開始を発表しました。SCOAP3は、世界24か国のパートナーの支援を受け、著者の費用負担がなく、著作権は著者が保持したままで、二次利用が可能なライセンスのオープンアクセスを予定しているとのことです。

Open Access publishing initiative to start in 2014(CERN,2013/12/5)
http://home.web.cern.ch/about/updates/2013/12/open-access-publishing-initiative-start-2014

Current partners(SCOAP3)
http://scoap3.org/participating-countries

SCOAP3 Journals(SCOAP3)
http://scoap3.org/scoap3journals

参考:
米国物理学会がSCOAP3から離脱、Physical Reviewシリーズの2誌がSCOAP3対象外に
Posted 2013年6月25日
http://current.ndl.go.jp/node/23787

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