オーストリア

Springer Compact(オフセット契約)によるオープンアクセス(OA)の状況

2018年3月22日、オープンアクセス(OA)におけるAPC(論文処理加工料)の透明性が高く、効率的な管理体制の構築を目的とするドイツの団体INTACTが、Springer Nature社のオフセット契約モデルSpringer CompactによるOAの実現状況に関する調査結果をブログで公開しました。

オフセット契約とは電子ジャーナルのビッグディール費用とAPCを一括して機関が支払うモデルです。INTACTの調査では、オーストリアの大学図書館協会、ドイツのマックス・プランク・デジタル・ライブラリ(MPDL)、オランダのVSNU、スウェーデンのBibsamコンソーシアム、そしてイギリスのJISCのデータを用い、2016~2017年のSpringer Compact対象雑誌について、OA論文の割合や、そのうちオフセット契約の結果OAになったものの割合等を調査しています。

オーストリア科学財団(FWF)とオーストリア学術コンソーシアム、Wiley社と論文のOA化に関する3年間の契約を締結

2018年2月12日、オーストリア科学財団(Austrian Science Fund: FWF)、オーストリア学術コンソーシアム(Austrian Academic Consortium: Kooperation E-Medien Österreich)とWiley社は、FWFが出資した、同コンソーシアムに所属する著者の論文をオープンアクセス(OA)で出版することと、同社のコンテンツ購読を組み合わせた3年間の契約を結びました。

契約では、同コンソーシアムに参加する22機関に所属する著者がFWFの出資を受けて、同社のハイブリッドOAの雑誌に投稿した論文を、著者の費用負担なしにOAにすることができます。契約は2018年1月1日以降、同社のハイブリッドOAの雑誌で受理された論文に適用されます。受理された論文の著者が条件を満たしている場合、OAで出版可能であることが本人に自動的に通知されます。

欧州4カ国において、ゴールドOAで論文を発表する責任著者の割合が70%以上に Springer Natureが発表

2017年10月23日、Springer Nature社は同社の雑誌で論文を発表する責任著者(corresponding author)のうち、オープンアクセス(OA)での発表を選択する者の割合が70%を超えている国が4カ国存在する、と発表しました。具体的には以下の4カ国に所在する責任著者が該当するとのことです。

・英国:77%超
・スウェーデン:90%超
・オランダ:84%超
・オーストリア:73%超

上記の割合はOA雑誌、もしくはハイブリッドOAで論文を発表した、いわゆるゴールドOAの割合で、機関リポジトリ等のいわゆるグリーンOAの場合は含んでいません。

これらの4カ国では政府や機関によるOAの推進、助成機関による論文処理加工料(APC)の補助等の環境が整っていることが、ゴールドOA選択者の多さにつながっているものとSpringer Nature社の発表では述べられています。世界全体では、ゴールドOAでの論文発表の割合は27%にとどまるとのことです。

Europeana、IIIFに関するタスクフォースを立ち上げ

2017年2月7日付のEuropeanaのブログで、Europeanaの研究開発部門の専門家・開発者・研究者のコミュニティであるEuropeanaTechが、International Image Interoperability Framework(IIIF)に関するタスクフォースを立ち上げたことが紹介されています。

同タスクフォースは、単に参加機関に対してIIIFの採用を推奨するのではなく、多様なコンテンツを持つEuropeanaの参加機関が一緒になってこの技術に対応するために、オーストリア国立図書館が中心となり、欧州のコンテンツプロバイダーによるIIIF技術の採用に関しての検討を行なうとともに、逆に、IIIFコミュニティに寄与するための勧告を行なうことも目的としています。

また、Europeanaは、IIIFのコンソーシアムから、執行委員会(executive committee)への参加を呼びかけられたとのことです。

IIIF adoption by Europeana: future perspectives for the Network (Europeana pro,2017/2/7)

デジタル資源リポジトリの基盤構築プロジェクト“e-infrastructures Austria”が研究データ管理等の知識の共有を目的に開催したセミナーの報告書を公開(オーストリア)

オーストリアのデジタル資源リポジトリの基盤構築プロジェクト“e-infrastructures Austria”が2016年7月6日から7月9日まで開催したセミナー“Training seminar for research data stewardship and e-infrastructures”の報告書がウィーン大学の機関リポジトリで公開されています。

同セミナーは、リポジトリの構築や研究支援を行なっている図書館やITサービス企業等の職員を対象としたもので、研究データ管理やアーカイブのワークフロー等についての知識の共有を目的に開催されました。

Report Training seminar for research data stewardship and e-infrastructures(phaidra,2016/7/8)
https://phaidra.univie.ac.at/view/o:441753
https://fedora.phaidra.univie.ac.at/fedora/get/o:441753/bdef:Content/get

国際図書館連盟の事務局長にライトナー氏が就任

2008年から国際図書館連盟(IFLA)の事務局長を務めていたニコルソン(Jennefer Nicholson)氏(オーストラリア)が退任し、2016年6月1日、ライトナー(Gerald Leitner)氏(オーストリア)が事務局長に就任しました。

ライトナー氏は、オーストリア図書館協会の事務局長や欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)の会長等を歴任しています。

Gerald Leitner starts as new IFLA Secretary General(IFLA,2016/6/1)
http://www.ifla.org/node/10507

IFLA appoints Mr Gerald Leitner as new IFLA Secretary General(IFLA,2015/12/22)
http://www.ifla.org/node/10073

研究者の研究データの取扱い方について調査したレポートが公開される(オーストリア)

2015年12月16日、オーストリア全土の、研究と科学のデジタル資源のリポジトリの基盤構築を調整するために、科学研究経済省の財政支援のもと、3年間の連携プロジェクトとして発足した“e-infrastructures Austria project”が調査報告書“Researchers and Their Data Results of an Austrian Survey Report2015”を発表しています。

24の大学や研究機関の研究者を対象に2015年の年初からオーストリア全土の調査が行われたもので、オーストリアの研究者が専門分野のレベルだけでなく、組織内のデータを如何に扱っているかについての情報を集めることが目的とのことです。

学者が如何にデータを扱うか、機関と学問領域がデータの利用や処理に影響を与えるかを調査するためのオーストリアでは初めての試みとのことです。

調査結果は、必要な基盤を提供することを通じて、研究者のデータへの要望を手助けする方法についての情報を組織に提供すること、また、リポジトリの運営者が、研究データストレージだけでなく再利用性のためのツールを設置する事を可能とするとのことの手助けとなるとのことです。

主な調査結果としては、

・オーストリアの研究者の大多数は非構造のテキストファイル、画像、表を研究データとして作成する

2025年までにすべての研究成果をオープンアクセスにするために(オーストリア)

2015年11月30日、Open Access Network Austria(OANA)の”National Strategy”ワーキンググループが”Recommendations for the Transition to Open Access in Austria”と題した文書を発表しました。

OANAはオーストリアの政府系基礎研究助成機関、Fonds zur Förderung der wissenschaftlichen Forschung(FWF)と21の公立大学が所属する大学団体、unikoの協働の下で、2012年に設立されたネットワークです。オーストリアにおけるオープンアクセス(OA)実現のための提言活動を行うこと等を目的としています。

今回公開された文書では、2025年までにオーストリアのすべての研究成果をOAにするために必要なこととして、16の提言を挙げるとともに、それぞれの実現に関するタイムスケジュールも策定しています。

オーストリアの図書館ネットワークOBVが、Ex LibrisのAlmaを導入へ

2015年10月27日、Ex Librisは、オーストリアの図書館ネットワーク(OBV)がEx LibrisのAlmaを採用することを決定したと発表しています。
実装の初期段階には、オーストリア国立図書館やグラーツ大学、ウィーン工科大学など14の図書館が参加しています。このプロジェクトは、2016年初頭に開始され完成は2018年を予定しており、他の57機関は、今後数年間Almaを実装する選択肢を持つとのことです。オーストラリアの集中目録は15年間Alephを使用し、OBVは2009年にPrimoを採用していたとのことです。

Austrian Library Network Selects Ex Libris Alma(Ex Libris、2015/10/27)
http://www.exlibrisgroup.com/default.asp?catid=%7B916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD2ADADEB88%7D&details_type=1&itemid=%7B5E235136-0950-438C-BE5B-29D797A98D57%7D

E1729 - 非英語圏の国のOAの専門書の利用状況<文献紹介>

Ronald Snijder. Evaluating the Impact of the FWF-E-Book-Library Collection in the OAPEN Library: An Analysis of the 2014 Download Data. D-Lib Magazine. 2015, 21(7/8).

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