大学図書館

北米研究図書館協会(ARL)と米・バージニア大学(UVA)図書館、公民権法と著作権法の調和の下でのアクセシブルなテキスト提供方法を検討したホワイトペーパーを公開

2019年7月22日、北米研究図書館協会(ARL)と米・バージニア大学(UVA)図書館はホワイトペーパー“The Law and Accessible Texts: Reconciling Civil Rights and Copyrights”の公開を発表しました。

このホワイトペーパーはアンドリュー・W・メロン財団から助成を受けたプロジェクトの一環として作成されたものです。障害者の公民権保護のために、研究・学習教材へのアクセスを確保することが不可欠であるという背景から、高等教育研究機関が現在の法的枠組みの中でいかに全ての学生に情報への公平なアクセス機会を提供するという使命を果たしているかが分析されています。

特に高等教育研究機関によるアクセシブルなテキスト制作と配布を求める公民権法としばしば公平なアクセス提供の障壁とみなされる著作権法に焦点が当てられており、著作権法の制限と例外を利用して、アクセシブルなテキストを制作・配布して障害者の権利に関する法律を順守し、研究・学習教材への公平なアクセスを提供するという組織の使命を支援する方法に関する議論が展開されています。

東京大学工学・情報理工学図書館、2019年3月から公開中の「工学史料キュレーションデータベース」のコレクションとして新たに「蔵書印・蔵書票」を追加

2019年7月17日、東京大学工学・情報理工学図書館は2019年3月から公開中の「工学史料キュレーションデータベース」のコレクションとして、新たに「蔵書印・蔵書票」が追加されたことを発表しました。

東京大学工学・情報理工学図書館は、工学の学術資産を収集・保存する「工学史料キュレーション事業」の成果を公開するプラットフォームとして、2019年3月から「工学史料キュレーションデータベース」を公開しています。3月の公開後も国文学研究資料館「歴史的典籍NW事業」による電子化資料等を含む「和古書」のコレクションが追加されるなど、順次コンテンツを拡充しています。

今回追加されたコレクション「蔵書印・蔵書票」では、東京大学工学部の前身である「工学寮」「工部大学校」「帝国大学工科大学」の蔵書印・蔵書票画像が公開されており、今後も工学部各学科図書室の蔵書印や、印影が他のデータベースに未登録のものなどを随時追加する予定である、としています。

早稲田大学、米国物理学協会の出版部門(AIP Publishing)と試験的な“Read and Publish”契約を締結

米国物理学協会の出版部門(AIP Publishing)の2019年7月22日付のお知らせで、早稲田大学とAIP Publishingの試験的な“Read and Publish”契約締結が発表されています。早稲田大学はAIP Publishingの試験契約に参加するアジアで最初の学術機関となります。この試験契約は2019年中の出版物が対象となります。

試験契約に基づき、早稲田大学が現在購読するAIP Publishingのハイブリッドジャーナルにアクセプトされた論文について、同大学に所属する全ての著者は論文投稿料(APC)が免除されます。

E2160 - オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開<報告>

2019年5月20日,京都大学図書館機構は,2019年度京都大学図書館機構講演会「オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開」を開催した。71人の大学図書館職員,研究者,リサーチ・アドミニストレーター(URA)等が参加した。講演会の目的は2点ある。1点目は,学術出版物のオープン・サイテーション(引用データのオープン化)を推進する国際的なイニシアティブとして,2017年4月に設立されたI4OC(Initiative for Open Citations)の取り組みを紹介することで,オープン・サイテーションの概念を日本に導入することである。2点目は,日本でのオープン・サイテーションの実現について検討することである。本稿では講演の内容を紹介する。なお,講演資料は京都大学学術情報リポジトリで公開されている。

北米研究図書館協会(ARL)、加盟館・法律図書館・医学図書館の2017-2018年度版統計を刊行

2019年7月12日、北米研究図書館協会(ARL)が、2017-2018年度の3種類の統計を刊行しました。

コレクション、スタッフ、支出、サービス等に関する統計がまとめられており、それぞれ、米国とカナダのARL加盟館124機関(うち116館は大学図書館)、法律図書館72機関、医学図書館58機関が調査対象となっています。

ARL Statistics 2017–2018 Publications Describe Resources, Services of Member Libraries(ARL, 2019/7/12)
https://www.arl.org/news/arl-statistics-2017-2018-publications-describe-resources-services-of-member-libraries/

【イベント】図書館総合展2019 フォーラム in 大阪(9/28・大阪)

2019年9月28日、YMCA国際文化センター(大阪市)において、「図書館総合展2019 フォーラム in 大阪」が開催されます。

関西の図書館・博物館・公文書館に関する最新動向を、〈Open〉をキーワードにして通観し、図書館関係を超えて各パートの相互理解と、文化施設をめぐる最前線の情報を社会に広く届けることを目的としたフォーラムです。

フォーラムは3部構成で、以下のようになっています。

・[第1部]「リレートーク 関西の図書館・博物館・公文書館等の最前線」
登壇:井上昌彦氏(関西学院大学職員)、伊達深雪氏(京都府学校司書、edit Tango)、山崎竜洋氏(五條市教育委員会文化財課)、砂川佳子氏(和歌山県立文書館)、きたむらきよこ氏(ししょまろはん)、大月英雄氏(滋賀県県政史料室)、天野絵里子氏(京都大学学術研究支援室)、大久保ゆう氏(青空文庫/京都橘大学)
司会:福島幸宏氏(東京大学大学院情報学環)

・[第2部]「協賛企業プレゼンテーション」

・[第3部]「OpenGLAMの可能性を再度考える」
登壇:古賀崇氏(天理大学)、外丸須美乃氏(大阪市立中央図書館)、原田隆史氏(同志社大学)
司会:江上敏哲氏(国際日本文化研究センター)

市民参加型翻刻プラットフォーム「みんなで翻刻」がリニューアル公開:AIによる「くずし字」自動認識機能を搭載

2019年7月22日、国立歴史民俗博物館、京都大学、東京大学が連名で、古文書史料の市民参加型翻刻プラットフォーム「みんなで翻刻」を同日にリニューアル公開することを発表しました。

「みんなで翻刻」は、国立歴史民俗博物館・京都大学古地震研究会・東京大学地震研究所のメンバーを中心に開発が進められています。今回のリニューアルの概要として、以下の点が挙げられています。

・IIIFに対応したことにより、国立国会図書館や国文学研究資料館など、さまざまな機関が公開するデジタル史料を「みんなで翻刻」で扱うことが可能となったこと

・「東寺百合文書」や、東京大学附属図書館が所蔵する地震史料のコレクション「石本コレクション」を公開し、市民と協働で翻刻を進めるとともに、翻刻されたテキストはオープンデータとして公開すること

・AI による「くずし字」の自動認識機能を搭載し、「くずし字」に慣れない初心者でも、AI の支援を受けながら翻刻作業に参加できるようにしたこと

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、「学術図書館の動向と統計」の2018年版を刊行

2019年7月17日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が、2018年版「学術図書館の動向と統計」(Academic Library Trends and Statistics)を刊行したと発表しています。

1,726の学術図書館のコレクション(冊子体・電子書籍)、職員数や職員配置の傾向、支出額(資料費、人件費)、図書館サービスに関するデータがまとめられています。

本文は有料ですが、プレスリリースでデータの一部が紹介されています。

2018 Academic Library Trends and Statistics(ACRL insider,2019/7/17)
https://www.acrl.ala.org/acrlinsider/archives/17996

米・Educopia Institute等による図書館出版の学術雑誌の出版ワークフロー調査プロジェクトが米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)から研究助成を獲得

2019年7月2日、米国のMLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)、及び提携12大学図書館と実施を予定している、図書館出版の学術雑誌の出版ワークフロー調査プロジェクトが米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)から研究助成を獲得したと発表しています。

IMLSのウェブサイトで公開されたプロジェクトの概要によると、図書館出版による学術雑誌はワークフローが多様で、アグリゲータへのメタデータ提供等の重要事項の省略が頻繁に発生していることを背景に、様々な図書館出版の学術雑誌の出版ワークフローの調査等を行うことで、他の図書館でも適用可能なワークフローのモデル化を企図している、とされています。

プロジェクトは2019年8月1日に正式に開始し、LPCのウェブサイト上で定期的なブログの更新が行われるなどの形で情報提供される予定です。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、JAIRO Cloudメタデータ自動入力機能検証プロジェクトの報告書を公開

2019年7月17日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2018年度に行ったJAIRO Cloudメタデータ自動入力機能検証プロジェクトの報告書の公開を発表しました。

同プロジェクトは、外部データベースから論文メタデータを自動的に機関リポジトリに取り込む仕組みについて、コンテンツ登録の負担軽減など、リポジトリ業務ワークフローの一部としての有効性を検証する目的で行われたものです。JPCOARの研究者情報連携タスクフォース、及びClarivate Analytics社のデータベースWeb of Science(WoS)を契約し機関リポジトリにJAIRO Cloudを使用する国内9大学が同プロジェクトを構成しています。2018年9月から、国立情報学研究所(NII)とClarivate Analytics社の協力の下、WoSのメタデータを機関リポジトリに自動登録の形で取り込み、各機関は登録されたメタデータを基に研究者へ学術論文の登録を促す、という形で実証実験が実施されました。

公開された報告書では、実証実験の仕組み、参加機関による実証実験の評価、システム・ワークフローに関する各参加機関の評価のまとめ等が示されています。

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