デジタルアーカイブ

米インディアナ大学、HathiTrustのコンテンツを利用した非消費的研究のためのプロジェクトを開始

2011年8月9日、米国インディアナ大学のData To Insight(D2I)センターが、米国等の大学による共同デジタルリポジトリ“HathiTrust”のコンテンツを利用した非消費的研究(non-consumptive research)に関する研究プロジェクトを開始するそうです。同プロジェクトはアルフレッド・スローン財団から60万ドルの助成を得ており、パートナーとして、HathiTrust Research Centerとミシガン大学電気工学・計算機科学部が加わっています。

非消費的研究とは、人間がデジタルコンテンツを読んだり(消費)するのではなく、コンピュータプログラムによってテキストマイニングや画像分析などを行うといった研究のことを意味しているそうです。こういった非消費的研究を安全に行うことができる計算機環境を構築することが同プロジェクトの目的のようです。

なお、現在HathiTrustに収録されている860万点のデジタルコンテンツのうち、220万点(26%)がパブリックドメインになっており、非消費的研究に利用することが可能だそうです。

過去の「今日」に何があった? 古写真を1日1枚Flickrにアップロードする試み(アイルランド)

2011年6月にFlickr Commonsに参加したアイルランド国立図書館が、“A year in the life”と題した、過去の「今日」に撮影された古写真を1日1枚ずつアップロードしたアルバムを作成しているようです。例えば8月のアルバムには「1915年8月1日」「1933年8月2日」「1912年8月3日」……といった写真がアップロードされています。この試みは2012年4月末まで続けられるようです。Flickr Commonsは、米国議会図書館(LC)と写真共有サイト“Flickr”が開始した歴史的写真の共有・情報収集プロジェクトです。

Collection: A year in the life (Flickr)
http://www.flickr.com/photos/nlireland/collections/72157626612128423/

Flickr Commons (National Library of Ireland)
http://www.nli.ie/en/flickr-commons.aspx

参考:
ニューヨーク公共図書館、Flickr Commonsで明治期の日本関係彩色写真を公開
http://current.ndl.go.jp/node/9817

JISCの助成を受けた高等教育機関による11件のデジタル化プロジェクトの報告書(英国)

英国情報システム合同委員会(JISC)が“Content Clustering and Sustaining Digital Resources”と題したレポートを刊行し、同委員会の“e-Content programme 2009-11”で助成した電子化プロジェクトの報告をまとめています。収録されているのは、英国の高等教育機関による以下のプロジェクト11件です。

・ロンドン大学東洋アフリカ学院:Centre for Digital Asia, Africa & the Middle East
・リーズ大学・シェフィールド大学・ヨーク大学:LIFE-SHARE
・ビジュアルアーツデータサービス・UCA芸術大学:Look-Here!
・マンチェスター大学:CHICC
・オックスフォード大学:RunCoCo
・キングズ・カレッジ・ロンドン:OCRopodium
・シェフィールド大学:Connected Histories: Sources for Building British History, 1500–1900
・オックスフォード大学:Mapping Crime beyond the John Johnson Collection
・ブリストル大学:Visualising China
・東ロンドン大学:CEDAR

“Europeana”が利用調査の結果を公表

2011年7月26日に、デジタル化した欧州の文化遺産をオンラインで提供する“Europeana”が、2011年5月に実施した、同ウェブサイトの利用状況の調査結果を公表しています。調査の結果、アンケート調査の回答者の約3/4は、“Europeana”を利用する理由について「個人的な研究」と答えていること、“Europeana”をどこで知ったかについては、回答者の1/3が新聞や雑誌からと答えているが、その割合は2009年の調査と比較して減少していること、ほぼすべての利用者が“Europeana”を複数回利用しており、83.5%の回答者が5回以上利用していること等が明らかになったようです。

Europeana - Online Visitor Survey (PDF) (Full Report)
https://version1.europeana.eu/c/document_library/get_file?uuid=334beac7-7fc2-4a4e-ba23-4dcc1450382d&groupId=10602

Europeana - Online Visitor Survey (PPT) (Summary)

欧州のフィルム・ポスター等のオンラインポータル“European Film Gateway”(ベータ版)公開

2008年9月に始まった、欧州各国の国立フィルムアーカイブ、映画博物館等による、フィルム、写真、録音資料、テキスト等のデジタルデータの提供環境を構築するプロジェクト“European Film Gateway”が、2011年7月26日に同名のポータルサイト(ベータ版)を公開したようです。“European Film Gateway”では現在のところ約40万点の資料を公開しており、今後、16のフィルムアーカイブから資料が追加されることで、2011年9月までに公開資料は約60万点に達する見込みのようです。

European Film Gateway
http://www.europeanfilmgateway.eu/

Film archives showcase their collections: The European Film Gateway is online (PDF) (European Film Gateway 2011/7/26付けのプレスリリース)
http://www.europeanfilmgateway.eu/sites/default/files/PR_EFG_Launch_en.pdf

デジタルコレクションを知ってもらうためのSNSの活用と5つの原則(文献紹介)

D-Lib Magazine誌の2011年7-8月号に“Digital Librarianship & Social Media: the Digital Library as Conversation Facilitator”という論文が掲載されています。著者は米国シラキュース大学のシュリアー(Robert A. Schrier)氏です。

同論文では、デジタルコレクションのマーケティングは重要だが忘れられがちとし、デジタルコレクションを広く使ってもらうためにソーシャルネットワーキング(SNS)を活用してユーザと会話をすることを提案しています。そして、具体的なSNS戦略を立てるために、「ユーザの声を聞く」「ユーザとの交流に参加する」「透明性の高い対応をする」「ソーシャルメディアポリシーを作る」「計画を立てる」という5つの原則について紹介しています。

写真・映像を通じて震災からの復興を支援する「CIPAフォトエイド」

2011年7月15日、一般社団法人カメラ機器映像機器工業会(CIPA)と公益財団法人日本財団が東日本大震災の復興支援を目的とした「CIPAフォトエイド」基金の設立を発表しました。CIPAは会員企業からの寄付によって同基金を設立し、非営利団体、ボランティア団体、学校、地方公共団体等による以下の活動に対して助成を行うとしています。

・写真や映像記録のメディアアーカイブ作成に係る支援
・記録者の育成に係る支援
・記録媒体、記録用機材や環境整備に係る支援
・被災した写真の洗浄・整理や、卒業アルバムの再制作に対する支援
・写真や映像を媒介とした写真展・映像展等のイベント開催に対する支援

基金設立の目的として、震災による被害の実態や、復興への取り組みを記録として残すことに加えて、写真・映像という手段を通じて、被災者の精神的なケアを支援することも挙げられています。

CIPAフォトエイド
http://www.cipa.jp/photo-aid/index.html

長野県諏訪郡富士見町の有志による、同町の文化遺産デジタルアーカイブ「富士見町探検隊」が公開

長野県の新聞各紙によると、同県諏訪郡富士見町の自然や文化財等の文化遺産を画像や動画として保存するデジタルアーカイブ「富士見町探検隊」が公開されているようです。この「富士見探検隊」は、富士見町の有志によって作成されたもので、同町の中学校の生徒もデータ入力に協力しているとのことです。

富士見町探検隊
http://fujiminotakara.com/index.html

富士見の文化遺産をネットで発信 デジタルアーカイブ構築 (長野日報 2011/7/4付けの記事)
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=21915

Google Earthを活用して広島原爆の実態を伝えるデジタルアーカイブ“Hiroshima Archive”が公開

Google Earthを使って広島原爆の実態を伝えるデジタルアーカイブ“Hiroshima Archive”が公開されたそうです。同アーカイブでは、Google Earthに広島市の立体的な地図を構築し、その上に当時の街並みの写真、被爆者の顔写真、手記、証言の動画などをマッピングしているとのことです。2010年7月に“Nagasaki Archive”を公開した首都大学東京の渡邉英徳准教授が製作の中心だそうです。

Hiroshima Archive|ヒロシマ・アーカイブ
http://hiroshima.mapping.jp/

ヒロシマ・アーカイブを公開しました(株式会社フォトン 2011/7/9付け記事)
http://web.photon01.co.jp/2011/07/blog-post.html

学術情報流通やオンライン出版などをテーマにした、査読付きオープンアクセス雑誌“The Journal of Librarianship and Scholarly Communication”(米国)

2011年7月8日、米国のパシフィック大学図書館とカリフォルニア州立理工大学図書館が共同で、新しい査読付きオープンアクセス雑誌“The Journal of Librarianship and Scholarly Communication”を刊行すると発表しました。この雑誌は学術情報流通、機関リポジトリ、オンライン出版、デジタルプロジェクトをテーマとし、それらに携わる図書館実務担当者がアイディアや戦略などを共有する場を提供していくとのことです。第1号は2012年初頭に出版され、その後は季刊になる予定だそうです。各論文はクリエイティブコモンズライセンスで公開されるようです。

Pacific University Library and Cal Poly San Luis Obispo Library form partnership (Pacific University 2011/7/8付けプレスリリース)
http://www.pacificu.edu/news/detail.cfm?NEWS_ID=10010&CATEGORY_ID=2

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