韓国

韓国の教育部と文化体育観光部、「人文学及び人文精神文化振興基本計画」を発表:図書館・博物館や読書活動に関する事業も

2017年1月12日、韓国の教育部と文化体育観光部が「人文学及び人文精神文化振興基本計画」を発表しています。

2016年8月4日に施行された「人文学及び人文精神文化振興に関する法律」に基づく2017年から2021年までの5か年計画で、社会が直面する複雑な問題の解決策は、洞察力・知恵・調和のとれた感性といった人文的価値のなかにあるとし、この計画により、国民の精神と知恵を豊かにすることで、国民生活の質の向上を目指すものとのことです。

聯合ニュースが報じるところによれば、

・小中学校の国語の時間における読書活動(毎学期1冊本を読む)や演劇等の体験学習の実施
・大学生の人文学系単位の必修化
・人文系のポスドクの就職支援(大学や国公立研究機関での研修機会の提供)
・文学、歴史学、哲学における基礎研究の支援や、アラビア語・ギリシア語等の少数言語分野の研究支援、中長期研究(最大7年)への支援拡大
・韓国全体の人文学資料を参照できる総合ポータルの構築
・EUによる欧州文化首都制度にならった「人文都市事業」の実施
・市民によるサークル活動を増やすとともに、図書館や博物館でプログラムを運営することができる退職者の養成
・人文的な環境構築を目的とした、カフェや書店の併設などといった図書館、博物館の改装の支援
・高齢者支援を目的とした図書館での読書療法プログラムの実施

韓国国立中央図書館、視覚障害者100名を対象に、視覚障害者等向けのオンライン図書館Bookshareの年間利用料と利用方法の支援を行なうと発表

2017年1月12日、韓国国立中央図書館(NLK)は、視覚障害者100名を対象に、米国のBenetech社が運営する視覚障害者等向けのオンライン図書館Bookshareの年間利用料と利用方法の支援を行なうと発表しています。

応募期間は1月16日から2月20日までとなっています。

NLKでは、2012年から、毎年100名の視覚障害者を対象に、英語資料へのアクセスを支援するために、この支援事業を行なっています。

시각장애인 영어권 자료 이용 무료 지원(NLK,2017/1/12)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8915&notice_type_code=3&cate_no=4

参考:
Bookshare、ダウンロード数が1,000万件に到達
Posted 2016年9月21日
http://current.ndl.go.jp/node/32581

視覚障害者等のためのオンライン図書館“Bookshare”の現状
Posted 2009年10月15日
http://current.ndl.go.jp/node/14912

CA1881 - 動向レビュー:韓国の国立障害者図書館と図書館での障害者サービスの現状 / 孫 誌衒

韓国・ソウル特別市、業界2位の出版取次の不渡りを受け、図書館での書籍購入等を通じた中小出版社の支援策を発表

韓国において業界2位の出版取次、松仁書籍(송인서적)が不渡りを出したことを受け、同社と取引している500社以上の中小出版社への影響を抑えるため、2017年1月11日、ソウル特別市が、同市・自治区・図書館での書籍購入予算のうち13億ウォンを在庫本(40億ウォン)の購入に充てるなどして支援することを発表しています。

市と自治区が連携して、職員が業務に必要な書籍6億ウォン分を購入するほか、ソウル図書館や自治区の図書館の図書購入予算の10%の範囲内で、影響を受ける出版社の在庫本を優先的に購入できるよう7億ウォン支出し、2月までに迅速に予算を執行するとのことです。

また、中小出版社を対象に緊急融資を行うほか、市の全職員に、1人1冊の本を購入することを呼びかけるなども行なうとしています。

재고도서 구매 등 송인서적 부도 피해 지원(ソウル特別市,2017/1/11)
http://mediahub.seoul.go.kr/archives/1056045

2016年韓国図書館界の10大ニュース(記事紹介)

韓国図書館協会が発行する『図書館文化』の2017年1月号に、「2016年図書館界10大ニュース」という記事が掲載されています。

2016年12月14日から12月20日にかけて、同協会が選定した25項目のニュースを対象に、オンライン調査を行なった結果で、以下の10件が選ばれています。

・「学校図書館振興法」改正、司書処遇改善に関する議論
・Googleの電子図書館、合法化判決
・2016司書就業実態調査結果発表
・2016年図書館道の上の人文学事業
・地方公共団体による公共図書館委託に対する反対活動
・公共図書館1,000館 蔵書1億冊を突破
・「図書館法」改正によるオンライン納本の実施
・国会図書館資料保存館の釜山への建設及び「国会図書館法」改正
・図書館と地域書店の協力と共生
・韓国大学図書館連合会を中心とした大学図書館電子ジャーナルコンソーシアムの推進

『図書館文化』2017年1月号
http://www.kla.kr/jsp/fileboard/cultureboard.do?procType=view&f_board_seq=52558
http://www.kla.kr/culturepaper/2017/01/EBook.htm

韓国国立中央図書館のウェブアーカイブ“OASIS”の2017年の計画

2017年1月5日、韓国国立中央図書館(NLK)が、同館が実施しているウェブアーカイブ“OASIS”の2017年の計画を発表しています。

2004年に試験収集を行ない、2005年から本格的に選択収集を開始したOASISでは、2016年までに韓国のドメイン約100万件のうち、22万5,470件を収集しています。

2016年には、OASISのウェブサイトの更新、“co.kr”を対象とした包括収集の試験、“.com”、“.net”、“.org”への収集拡大のための分析作業が実施されています。

2017年には包括収集を30万件に拡大するとともに、収集したウェブサイトの活用のため視覚化サービスを開発する計画であると発表されています。

사라진 웹사이트, 타임머신 타고 Go Go~(NLK,2017/1/5)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8911&notice_type_code=3&cate_no=4

参考:
E1836 - オンライン資料の納本制度の現在(4)韓国
カレントアウェアネス-E No.310 2016.09.01
http://current.ndl.go.jp/e1836

韓国・文化体育観光部、文化分野のオープンデータを活用して創業した新しいビジネスの事例集を公開

2016年12月28日、韓国・文化体育観光部が、文化分野のオープンデータを活用して新しいビジネスを創出した221の事例を集めた事例集を、韓国文化情報院と共同で公開したと発表しています。

文化分野のデータを保有する公共機関によるデータの開放と民間活用政策の策定を支援するために制作されたもので、文化データ開放及び活用の現状、文化データ優秀活用事例、文化データ活用サービス事例、の3部で構成されています。

문체부, ‘문화데이터 활용 사례집’발간(韓国・文化体育観光部,2016/12/28)
https://www.mcst.go.kr/web/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=15812

2016文化データ活用事例集
http://www.culture.go.kr/data/ebook/2016culturebook.pdf

韓国・釜山広域市立市民図書館、朝鮮総督府発行資料や京城帝国大学教授の著作を含む所蔵図書の解題を発刊

2016年12月27日、韓国の釜山広域市立市民図書館が、所蔵図書の解題の第14集を発刊したと発表しています。

第14集には、朝鮮総督府による土地・地理調査や鉱山・古墳発掘調査に関する資料や、京城帝国大学の教授が朝鮮半島の各地方の文化を調査した内容の著作など70点の解題が含まれています。

同館では、古文献室が所蔵する、韓国関連で史料価値の高い日本の図書などを対象に、毎年解題を発行しています。

부산시민도서관, 고문헌 도서해제 발간(釜山広域市教育庁,2016/12/27)
http://news.pen.go.kr/04/01_report.php?m=view&p=b008&uid=81577&page_num=1&keyfield=&key=

韓国国立中央図書館、古書10点16冊を新たに貴重本に指定:日本語語彙集「倭語類解」や朝鮮通信使の使行録「溟槎録」など

2016年12月27日、韓国国立中央図書館(NLK)が、所蔵する古書のなかから、10点16冊を新たに貴重本に指定したと発表しています。

今回指定された貴重本のなかには、18世紀の訳官・洪舜明が編纂し司訳院で使用された日本語語彙集「倭語類解」や、朝鮮通信使の使行録「溟槎録」が含まれています。

18c초 군사지도‘영고탑도’등 10종 16책 고서 귀중본 신규 지정(NLK,2016/12/27)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8893&site_code=nl&notice_type_code=3&currentPage=0&srch=&searchWord=&cate_no=0

韓国国立中央図書館、大量脱酸処理室を開室

韓国国立中央図書館(NLK)が、2016年12月26日に、資料保存館内に、大量脱酸処理室を開室すると発表しています。

ブックキーパー法により、年間8万冊から10万冊の処理が可能で、国内の国立、公共、大学、専門図書館で所蔵する貴重資料に関する第一次調査の結果、ソウル大学図書館など11の図書館から脱酸処理の申請が行われたとのことで、今後も、調査対象を拡大し、段階的に対象資料を選定し、脱酸処理を行なっていく予定とのことです。

국립중앙도서관, 국내 최초 대량 탈산처리실 개실 (NLK,2016/12/23)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8888&notice_type_code=3&cate_no=0

韓国・文化体育観光部、24時間貸出・返却が可能な「U-図書館サービス」事業を推進

2016年12月22日、韓国・文化体育観光部は、全国9つの地方公共団体(仁川広域市西区、光州広域市光山区、世宗特別自治市、京畿道広山市・東豆川市、全羅北道清州市、全羅南道麗水市、慶尚北道浦項市、済州特別自治道済州市)において、2017年から、24時間貸出・返却が可能な「U-図書館サービス」事業を推進すると発表しています。

国民の読書振興や情報へのアクセス強化のため、生活に密着した図書館サービスを実施することが目的で、地下鉄の駅など、人がたくさん集まる公共の場所に、無人の貸出し・返却機器が設置されます。

2010年に開始し、2012年に予算の問題で中断した同種のサービスでは、本を借りるために事前の予約が必要でしたが、今回は、予約なしで借りることが出来るとのことです。

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