韓国

E1931 - 韓国の国立図書館におけるデジタル化資料の送信サービス

韓国では,図書館が,自館でデジタル化した資料の他館への送信を可能とする規定が著作権法に設けられ,この規定に基づき,韓国の国立中央図書館(NLK)と国会図書館(NAL)が他の図書館等に対して送信サービスを行っている。韓国の場合,すべての図書館等に対して送信することを認めていたり,海外の機関が送信先に含まれていたり,資料のデジタル化や他の図書館等への送信にあたり補償金の支払いが必要であったりといった,日本における国立国会図書館(NDL)によるデジタル化資料送信サービスとは異なる特徴がみられる。

韓国の公共図書館での地域の記憶を収集・保存する活動(記事紹介)

2017年8月にポーランドのヴロツワフで開催される第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、韓国国立中央図書館(NLK)のイ・ジェスン(LEE Jaesun)氏による“Where should the culture of our lives and memory be preserved?- Rethinking the role of the library”と題する記事が公開されています。

高齢者向けの自伝作成講座(ソウル特別市広津区公共図書館)、シニアセンターを訪問しての聞き取り調査や都市化前の様子を撮影した写真のアーカイブ事業(釜山広域市のMaenbal Dongmu Library)、地域資料収集プロジェクト“Review the Old and Learn the New”(仁川広域市永宗図書館)、地域資料の収集及び教育や参考図書の出版への活用(仁川広域市花島鎮図書館)、地域資料のデジタルアーカイブ(京畿道サイバーライブラリー)といった、韓国国内の公共図書館で実施されている地域の記憶を収集し、保存する活動が紹介されています。

韓国・ソウル図書館、学習障害・発達障害者向けコンテンツ作成団体と業務協約を締結

2017年6月19日、韓国・ソウル図書館は、学習障害者や発達障害者向けのコンテンツを作成する団体peachmarketと、発達障害者の情報格差解消を目的とした業務協約を締結したと発表しています。

今回の協約に基づき、peachmarketは、作成した発達障害者向けの図書をソウル図書館に寄贈し、ソウル図書館では、専用の書架(桃の書架)を設けて、それらの図書を提供します。

同館では今回の協約を手始めに、発達障害者への情報サービス支援を行ない、発達障害者の読書環境づくりを推進する計画です。

韓国・文化体育観光部、地域の事情に合わせて専門に特化した図書館を育成する「特化図書館育成支援モデル事業」の対象となる10館を選定

2017年6月2日、韓国・文化体育観光部は、韓国図書館協会と共同で、多様化・専門化する時代や、地域の事情(文化、人口、所蔵資料、自治体の政策)にあった図書館を育成するための「特化図書館育成支援モデル事業」の対象となる10館を選定したと発表しています。

5月12日から5月25日にかけて全国の公共図書館を対象に行われた公募を基に、以下の10館が選定されました(括弧内が各館の専門分野)。

●特化図書館指定
・坡州市カラム図書館(音楽)
・順天市立照礼湖水図書館(生態環境)

●予備特化図書館指定 *年末の評価を経て指定
・ソウル特別市
 ソウル図書館(ソウル市政及び世界の資料)
 麻浦生涯学習館(美術・デザイン)
・釜山広域市
 釜山市立市民図書館(日本の植民地時代)
・光州広域市
 이야기꽃図書館(絵本) 
・京畿道
 高陽花井図書館(花)
 高陽アラムヌリ図書館(芸術)
・忠清南道
 牙山市松谷図書館(健康・読書治療)
 牙山湯井オンセム図書館(ウェブ漫画)

韓国・国立世宗図書館、政策情報ポータルサイト“POINT”(POlicy INformaTion)をリニューアル

2017年5月31日、韓国・国立世宗図書館が、政策情報ポータルサイト“POINT”(POlicy INformaTion)をリニューアルしたと発表しています。

同サイトは、国内外の最新の政策情報を国民に提供するとともに、公務員や研究者に対して、政策活動に必要な支援を行なうことを目的としており、オンラインの政策報告書・学術誌や協力機関の所蔵資料の統合検索機能、重要テーマのキュレーションサービス、相互貸借機能、48時間以内に資料を提供する政策情報支援サービスが実施されています。

相互貸借サービス、政策情報支援サービス、学術誌目次配信サービス、海外学術電子書籍サービスなどは公務員用のみが対象です。

世界17か国のインターネットユーザーの読書状況調査

2017年3月23日、ドイツの市場調査会社GfKが、インターネットユーザーに対して行った読書調査の結果を発表していました。

17か国(英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・ベルギー・オランダ・ロシア・カナダ・米国・メキシコ・ブラジル・アルゼンチン・中国・日本・韓国・オーストラリア)を対象に実施されたもので、調査結果の概要によると、インターネットユーザーの多数(59%)が、毎日もしくは少なくとも週1回は読書をしているという結果が得られたとのことです。

国別では、中国70%、ロシア59%、スペイン57%の順で読書をすると回答した割合が多く、また、低所得世帯(24%)より高所得世帯(35%)が、男性(27%)より女性(32%)が読書をする傾向が高いという結果が紹介されています。

また、読書をしないと回答したインターネットユーザーの割合が最も高かった国はオランダと韓国(16%)で、ベルギー(14%)、カナダ・フランス・日本(11%)と続きます。

報告書の閲覧には、名前とメールアドレスの入力が必要です。

韓国、「第2次図書館発展総合計画(2014-2018)」の2017年度実施計画を発表

2017年4月25日付けで、韓国の大統領所属図書館情報政策委員会と文化体育観光部が、「第2次図書館発展総合計画(2014-2018)」の2017年度の実施計画を発表しています。

・公共図書館の地域間不均衡是正を目的に「公共図書館建設事前評価制」を導入
・「U-図書館サービス」事業の推進
・17の広域自治体(市・道)の公共図書館で司書256人を採用/学校図書館の司書教諭を55人増員
・自由学期制全面実施への対応や創意的な人材育成を目的に、学校図書館における教科連携授業の強化や読書活動を推進
・大学図書館での海外学術データベース28件の契約にあたってのショナル・サイト・ライセンスの導入
・兵営図書館の拡充
・矯正施設における読書環境の整備

などが計画されています。

韓国図書館協会、次期大統領選挙にあわせ、「図書館政策提案書」を作成・配布

2017年4月3日、韓国図書館協会は、5月9日に実施される大統領選挙にあわせ、主要政党と候補者が、図書館に関する内容を選挙公約に盛り込むことを促すことを目的に、「図書館政策提案書」を作成したと発表しています。

提案書には、候補者が公約として採用すべき、社会的問題の解決や社会の進展に資する図書館の具体的役割(生涯学習による国民の質の向上、民主主義の養成、社会統合、第4次産業革命への対応、私教育の負担減・就職支援・高齢者支援等)や方針(司書の図書館への配置、第4次産業革命の備えた図書館施設の整備、図書館資料拡充による出版産業の活性化等)が提案されています。

作成された提案書は、大統領候補者のほか、主要政党、選挙事務所、広域自治体、市・道の教育庁、全国の図書館など約3,000ヵ所に配布されます。

E1905 - 韓国国会図書館の取組:国立国会図書館との業務交流から

国立国会図書館(NDL)は,韓国国会図書館(NAL)及び韓国国会立法調査処(NARS)と,それぞれの立法支援サービスについて相互理解を深めることを目的として業務交流を行っている。1年ごとに日韓が交互に職員を派遣して意見交換や互いの経験を共有することとしており,直近では2017年1月11日と12日に日本で開催し,日韓両国から各2名が報告を行った。韓国の2機関の報告のうち,本稿では,「国会発生情報への国民のアクセスの整備」をテーマに行われたNALとの報告から,NALの取組の一端を紹介する。

韓国、社会の変化に対応した図書館の機能・役割の確立を目的に、「図書館政策企画フォーラム」を創設

2017年3月30日、韓国・文化体育観光部と、大統領所属図書館情報政策委員会が、「図書館政策企画フォーラム」の創設を発表しています。

第4次産業革命等といった社会の変化に対応した図書館の機能・役割の確立のために設けられたもので、図書館専門家以外にも建築家、社会学者、経営者などの専門家も参加して発足しました。

今後、「空間」「人(コーディネーター・住民)」「コンテンツ・サービス」の3つの分科に分かれて、図書館が進めるべき望ましい変革や、実行するための政策課題を検討するため、年内に14回会合を行なう計画となっています。

具体的には、国民にやさしい建築文化空間、多様な階層へのコンテンツ・サービスの開発、それらサービスを仲介する司書の役割強化が課題となっており、図書館に第4次産業革命時代の新しい技術を導入したり、人間性を基盤とした、人文・文化・福祉に関する機能の拡張が課題となっていると指摘されています。

文化体育観光部の担当者は、図書館は国民に身近な文化施設であるため、国民が望む図書館政策を理解し、実施することで、専門職としての司書を増やすことができることや、高齢化社会のなかで、図書館も、高齢者やベビーブーマー世代への理解を深める必要があることを指摘しています。

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