英国

デジタル包摂社会実現のための“Mi Wifi”プロジェクト(英国)(記事紹介)

2017年2月28日付けの、英・Libraries Taskforceのブログで、大ロンドン庁(Greater London Authority:GLA)の職員が、社会的統合政策の一環として、デジタル包摂社会を実現するためにロンドンで試行的に行なおうとしている“Mi Wifi”プロジェクトを紹介しています

デジタル環境から除外されているグループを対象に、基礎的なデジタススキルの訓練とあわせて、公共図書館やコミュニティセンターを通じて、Wi-Fi対応のデバイスを貸出し、その効果や価値を調査するものです。

デジタル環境から除外される理由としては、インターネットへの関心の欠如、難しくて使えないという思い込み、機器の価格等が考えられるが、“Vodafone Mobile Devices project”による最近の調査で、モバイルWi-Fiがデジタル包摂のための最も効果的な方法とされたことから、実施されるようです。

「ゴールド中心」のオープンアクセス実践(文献紹介)

Journal of the Association for Information Science and Technology誌に掲載予定の論文、”A “Gold-centric” implementation of open access: Hybrid journals, the “Total cost of publication,” and policy development in the UK and beyond”の早期公開版が2017年2月27日から公開されています。著者はシェフィールド大学のStephen Pinfield氏らです。同誌は有料ですが、当該論文はオープンアクセス(OA)で公開されています。

この論文はOA雑誌に論文を掲載する、いわゆるゴールドOAを推奨する政策が取られている英国において、高等教育機関がOA出版に関しどのような状況に直面しているかを報告したものです。24機関から得たデータを分析しています。

Digital Science社と米・カーネギーメロン大学図書館、研究のライフサイクル全体を支えるエコシステムの開発で連携

2017年2月14日、英国のDigital Science社と米・カーネギーメロン大学図書館が連携し、研究のアイデアから普及までを研究のライフサイクル全体を支えるエコシステムの開発を行なうと発表しています。

カーネギーメロン大学図書館が、Elements、Figshare、Altmetricなどの同社の製品を導入することで、出版・引用情報・altmetrics・助成金・研究に関するデータを取得し、同大学の研究の状況を把握・分析し、教員・助成機関・政策決定者に提供する事を目的としています。

Carnegie Mellon University Partners with Digital Science to Create a C21st Library(Digital Science,2017/2/14)
https://www.digital-science.com/press-releases/carnegie-mellon-university-partners-digital-science-create-c21st-library/

Digital Science Partnership(カーネギーメロン大学図書館,2017/2/14)

E1884 - 第27回保存フォーラム「デジタル時代の資料保存」<報告>

2016年12月7日,国立国会図書館(NDL)は,東京本館において第27回保存フォーラム「デジタル時代の資料保存」を開催した。保存フォーラムは資料保存の実務者による知識の共有,情報交換を意図した場である(E1642E1761参照)。...

英・Jisc、コレクション管理や発見可能性の改善を目的とした“National Bibliographic Knowledgebase”の開発を開始

2017年2月2日、英・Jiscは“National Bibliographic Knowledgebase” (NBK)の開発に関する契約を、OCLCと締結したと発表しています。

NBKは、Jiscの“National monograph strategy”の提案に基づくもので、学術分野の書誌データを大規模に集約し、図書館のコレクション管理と学生・研究者による資料の発見を改善する事を目的としており、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)の総合目録であるCOPACの機能の拡張を目指しています。

開発は、RLUK、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国図書館(BL)や、その他個々の研究図書館、出版社、著作権管理団体、サービスプロバイダーと緊密に協力して行われることとなっており、2018年1月にはβ版でのサービスが開始される予定です。

New UK-wide service will transform library collaboration: The National Bibliographic Knowledgebase(Jisc,2017/2/2)

英国王ジョージ3世の直筆文書を含む約3万3千点のデジタル化資料がオンラインで公開

英国の王室図書館(Royal Library)・王室文書館(Royal Archives)・キングス・カレッジ・ロンドンが取組んでいるプロジェクト“Georgian Papers Programme”が、第1弾として、英国王ジョージ3世の直筆文書を含む約3万3千点のデジタル化資料を2017年1月28日に公開したと、同プロジェクトの米国の主要メンバーであるウィリアム・アンド・メアリー大学が発表しています。

同プログラムは、王室文書館所蔵のジョージ王朝時代の文書35万点をデジタル化してオンラインで公開することを目的とした5年間のプロジェクトです。

First batch of royal Georgian papers released(ウィリアム・アンド・メアリー大学,2017/1/27)
http://www.wm.edu/news/stories/2017/first-batch-of-royal-georgian-papers-released.php

Georgian Papers Online(ロイヤル・コレクション・トラスト)
http://gpp.royalcollection.org.uk/

参考:

電子情報保存連合(DPC)、メンバーとソリューション・プロバイダーの協力を推進するイニシアチブを立ち上げ

2017年1月25日、英国の電子情報保存連合(DPC)は、DPCのメンバーとソリューション・プロバイダーの密接な協力関係を推進する新しいイニシアチブを立ち上げました。

お互いが中立的な立場でコミュニケーションをとり、電子情報保存の意識を向上させることを目的としているようです。

同時に、英国のPreservica社が、このイニシアチブに参加することも発表されています。

Digital Preservation Coalition launches New Commercial Supporter Programme(DPC, 2017/1/25)
http://www.dpconline.org/news/commercial-supporter-launch

データ・ライブラリアンのためのハンドブック(文献紹介)

2016年12月付けで、英国図書館・情報専門家協会(CILIP)の出版部門facet publishingから、データ・ライブラリアンのためのハンドブック”The Data Librarian's Handbook”が出版されています。著者はエディンバラ大学に拠点を置くEDINA and Data LibraryのRobin Rice氏と、オクスフォード大学ボドリアン図書館のデータ・ライブラリアンJohn Southall氏です。

同書はデータの扱いについて学習中の図書館情報学専門家のために、多くの実践例やアドバイスを交えてまとめられたガイドとなっているとのことです。主な目次は以下の通りです。

1. データ・ライブラリアンシップ:研究イノベーションへの対応
2. 様々なデータ
3. データリテラシーの支援
4. データ収集の構築
5. 研究データマネジメントサービスとポリシー
6. 名刺代わりとしてのデータマネジメント計画
7. データリポジトリの要点
8. 機密データを扱う
9. 各分野におけるデータ共有
10. オープンスカラシップ・オープンサイエンスの支援

The Data Librarian's Handbook
http://www.facetpublishing.co.uk/title.php?id=300471

参考:

英国図書館長協会会長による2016年の振り返り:他機関との連携とその意義

英国図書館長協会(SCL)の会長Neil MacInnes氏が、2016年に実施した以下の事業を取り上げ、公共図書館による他機関との連携事業とその意義について振り返っています。

・シェイクスピアバースプレイストラスト(Shakespeare Birthplace Trust) 、イングランド芸術評議会(ACE)との連携によるシェイクスピア没後400年記念イベントの開催
・英国放送協会(BBC)との連携による“LovetoRead”事業の成功
・英国読書協会(Reading Agency)との連携による「夏休み読書チャレンジ」(Summer Reading Challenge)の推進
・政府等の支援による若者のメンタルヘルスのための“Reading Well for young people”事業の開始
・Libraries Taskforceとの連携による、公共図書館のデジタル化支援事業の継続
・専門家との連携による図書館員を対象としたプログラミング等に関するワークショップの開催

2016: The Year of Partnerships and Purpose(SCL)
http://goscl.com/2016-the-year-of-partnerships-and-purpose/

参考:

CA1890 - 動向レビュー:英米のオーラルヒストリー・アーカイブから何を学ぶか / 梅崎 修

オーラルヒストリーという研究手法は、ここ20年、多くの学問分野の中に取り入れられてきた。オーラルヒストリーとは、人生経験の記憶をインタビューによって収集したオーラル(口述)の記録、もしくは、そのような記録を使った研究を意味する。

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