学術雑誌

英国王立協会、同協会が1665年から1996年に発行した学術雑誌のデジタルコレクションを期間限定で無料公開

2017年11月28日、英国王立協会は、同協会が発行した学術雑誌のバックナンバーのデジタルコレクション“Royal Society Journal Collection: Science in the making”を2018年1月24日まで無料で公開すると発表しています。

1665年創刊の『フィロソフィカル・トランザクションズ』から、同協会が学術雑誌の電子出版を開始する直前の1996年までに発行した雑誌の74万ページ分をフルカラーでデジタル化したものです。

『フィロソフィカル・トランザクションズ』に掲載された影響力のある論文のリスト“a list of some influential papers”も併せて公開されています。

同デジタルコレクションへの恒久的なアクセスやリポジトリへの投入、データマイニングが可能な拡張版の購入も可能となっています。

米国国立医学図書館とウェルカム・トラストによる150年分の生物医学分野の雑誌のデジタル化事業、50万ページに到達

2017年9月27日、米国国立医学図書館(NLM)が、ウェルカム・トラストと共同で実施している、150年分の生物・医学分野の雑誌のデジタル化事業が、4万5,000記事・50万ページのデジタル化を達成したと発表しています。

デジタル化された雑誌は、PubMed Central及びEurope PMCから無料で公開されています。また、公開されているタイトルは、テキストマイニング・再利用が可能です。

Wellcome Trust and NLM Partnership to Provide Free Access to 150 Years of Medical Research Reaches Half-Million Page Milestone(NLM,2017/9/27)
https://www.nlm.nih.gov/news/nlm-wellcome-trust-milestone.html

日本の学協会誌掲載論文のうち、ソーシャルメディアから言及されているものは約1~2%(文献紹介)

情報知識学会誌の第27巻1号に、日本の学協会誌に掲載された論文を対象にオルトメトリクス付与状況を分析した論文、「日本の学協会誌掲載論文のオルトメトリクス付与状況」が掲載されています。著者は同志社大学の佐藤翔氏と豊橋技術科学大学の吉田光男氏です。

同論文では2006~2015年に日本の学協会誌に掲載された論文約100万本を対象に、オルトメトリクスの付与状況を分析しています。その結果、日本の学協会誌掲載論文のうち、ソーシャルメディアから言及されているものは約1~2%とわずかにとどまっていることがわかったとのことです。分野としては人文社会系の論文でソーシャルメディアからの言及が多いとされています。

佐藤翔, 吉田光男. 日本の学協会誌掲載論文のオルトメトリクス付与状況. 情報知識学会誌. 2017, 27(1), p.23-42. http://doi.org/10.2964/jsik_2017_009

国立大学協会、国立大学における学術情報の状況及び課題に関するアンケート結果を公開

2017年5月8日、国立大学協会は国立大学図書館の雑誌及び電子ジャーナル契約状況等に関し、把握・整理するために実施したアンケート調査の結果を公開しました。対象は国立86大学で、全大学が回答しています。

主な調査結果として、2014年と2016年を比較すると、雑誌受け入れタイトル数は91%の大学で減少し、雑誌購入経費も71%で減少していました。電子ジャーナルについては購入費用・利用可能タイトル数とも増加した大学が29大学ある一方、購入費用は増加したものの利用可能タイトルは減少した大学が30大学、購入費用が減少した一方で利用可能タイトル数が増加した大学が5大学、いずれも減少した大学が20大学、変化なし1大学、非回答1大学で、全体として購入費用は増加しているものの、利用可能タイトル数は減少している傾向が見られました。

アンケート結果ではそのほかに学術情報に関する課題意識や電子ジャーナル等の契約状況、電子ジャーナルに関する自由意見等がまとめられています。

Elsevier社、同社のオンラインでのピアレビュー方式について米国の特許を取得:EFFなどが否定的なコメント(記事紹介)

2016年8月30日、Elsevier社は、オンラインのピアレビューのシステム及び方式(Online peer review system and method)について、米国の特許(No. 9430468)を取得しました。2012年6月28日に申請していたものです。

これに対し、8月31日、米国・電子フロンティア財団(EFF)は、この特許は実際問題として効力を発揮することは無いであろうとし、「ばかげた特許」(Stupid Patent)としてブログで取りあげてコメントしています。

EFFは、なぜElsevierがピアレビューの方法について政府から特許を得ようと考えたかということについて、

(1)大学は、高いパッケージ購読料と論文を執筆する研究者、ピアレビューのレフェリーを行う研究者に給料を支払う必要があり、Elsevierのビジネスモデルは、さながら客が材料を持ちこんで自分で料理をしてお金を請求するレストランのようであった

(2)米国において、研究を助成する連邦機関に対してパブリックアクセス方針の制定を義務付けるFASTR法(Fair Access to Science and Technology Research Act)や、各大学でのオープンアクセス(OA)方針の策定

オランダ大学協会(VSNU)、Taylor&Francisグループとのオープンアクセスに関する合意締結を発表

2016年7月5日、オランダ大学協会(VSNU)は、Taylor&Francisグループとオープンアクセス(OA)に関する合意を締結したことを発表しています。2016年1月1日に遡及して発効するものです。

2016年と2017年のパッケージ契約では、オランダ国内の大学とユトレヒトの大学医療センター(Universitair Medisch Centrum:UMC)の研究者は、Taylor&Francis社、Routledge社の全てのハイブリッド型OA誌(両社が“Open Select”としているもの)について、研究者自身が費用を負担することなくOAで出版できるようになります。

Open access agreement between Taylor & Francis and VSNU(VSNU, 2016/7/5)
http://www.vsnu.nl/en_GB/news-items/nieuwsbericht/259-open-access-agreement-between-taylor-francis-and-vsnu.html

Open access akkoord tussen Taylor & Francis en VSNU(VSNU, 2016/7/5)

DOAJ収録の雑誌を対象にゴールドOAのジャーナルを調査した報告書“Gold Open Access Journals 2011-2015”が刊行

2016年5月31日、クロフォード(Walt Crawford)氏が、自身のブログで“Gold Open Access Journals 2011-2015”の刊行について発表しています。

2015年12月31日時点でオープンアクセス(OA)ジャーナルのディレクトリであるDOAJ(Directory of Open Access Journals)に収録されている約1万1,000タイトルを対象とし、特にゴールドOA(OAジャーナルの刊行)のジャーナルについて調査した報告書で、SPARCの支援を受けたものです。PDFが、同氏のウェブサイト等で無料で公開されています。

クロフォード(Walt Crawford)氏は、米国で図書館システムに関する業務に携わってきた人物で、2015年にも“The Gold OA Landscape 2011-2014”を刊行しています。

Gold Open Access Journals 2011-2015
http://waltcrawford.name/goaj1115.pdf

Cites & Insights Books (Walt Crawford) (Lulu)
http://www.lulu.com/spotlight/waltcrawford

Publishers Communication Groupが2016年の学術・専門図書館の予算に関するホワイトペーパーを発表 世界全体では1.4%の増加と予想

2016年5月31日、Ingenta社の出版コンサルタント部門Publishers Communication Group(PCG)が、2016年の学術・専門図書館の予算に関するホワイトペーパー”Library Budget Predictions for 2016”を公開しました。

このホワイトペーパーは大学・研究機関や企業、政府、病院等の図書館の、予算に関する権限・知識を持つ図書館員を対象とする電話調査の結果に基づくもので、調査には世界中の686機関が回答したとされています。調査結果の実数そのものではなく、世界全体における各国の図書館予算の割合に基づき重みづけした結果が報告されています。

結果の概要によれば、既にマーケットが成熟した国では予算の増加は少なく、北米では前年比1%程度の増加、ヨーロッパでは0.1%程度の減少が見込まれるとのことです。特に北米では図書向け予算は1.9%の増加が見込まれるものの、雑誌予算は0.2%の増加にとどまるとされており、多くの雑誌の購読中止が発生すると見込まれています。一方、南アメリカや中東、アフリカ、アジアでは数%程度の予算増が見込まれていますが(アジアについては中国・インド等の影響)、一昨年から昨年の増加に比べると、増加の幅が小さくなった地域が多いとのことです。世界全体では前年比1.4%程度の増加になるだろうとしています。

DOAJ、約3,300タイトルの削除について発表

2016年5月9日、オープンアクセス(OA)ジャーナルのディレクトリであるDOAJ(Directory of Open Access Journals)は、2014年3月以前にDOAJに収録されたジャーナルのうちほぼ全て(99%)について、引き続き収録するには、再申請が必要であるとし、期限を延長しながら周知してきましたが、2016年3月31日をもって再申請をしめきり、3,300タイトルを削除する予定であること発表しています。

2016年5月11日現在、(1)2014年3月以降に追加された2,827タイトル、(2)2014年1月以降に削除された978タイトルとその削除理由(現在OAではない/2015年に刊行されなかった、または十分な記事数が刊行されなかった/廃刊・休刊、ウェブサイトのURLが無効なタイトル、不正行為があった疑いがあるなど)、(3)出版者から連絡がなかったため、2016年5月9日をもって削除した2,861タイトル、のリストも掲載されました。

なお、削除されたタイトルについても、申請は随時受け付けると発表されています。また、一旦削除されたジャーナルのメタデータは利用不可となるとされています。

DOAJ to remove approximately 3300 journals(News Service, 2016/5/9)

Taylor&Francis社、中国の研究者等向けに中国語で情報発信を行なうウェブサイト“TandFChina.com”を開設

2016年5月4日、Taylor&Francis社は、中国語(北京語)で中国における学術コミュニティに関するリソースを提供し、Taylor&Francis社のコンテンツへの「玄関口」となるウェブサイトとして、“TandFChina.com”を立ち上げたことを発表しました。

発表によると、7万人を超える中国を基盤とする研究者が、2015年におけるTaylor & Francis社の雑誌に論文を掲載し、この数は2010年の5倍に及ぶとのことです。

Taylor & Francis Group launch TandFChina.com: its online hub for Chinese customers and partners(Taylor & Francis Group)
http://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/news/press-release/taylor-francis-group-launch-tandfchina.com-its-online-hub-for-chinese-custo#.Vyt1w4SyOko

Twitter(tandfnewsroom, 2016/5/4)
https://twitter.com/tandfnewsroom/status/727769920373673984

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