欧州連合

E1737 - 日欧のオープンサイエンスに関する国際シンポジウム<報告>

 2015年10月13日と14日,神戸大学百年記念館にて,EUに関する教育・学術研究,情報発信を行う関西の大学コンソーシアムであるEUインスティテュート関西(EUIJ関西)主催の国際シンポジウム「HORIZON2020によるオープンアクセス政策とオープンサイエンスの国際的課題―学術研究における日欧の共通課題と大学図書館の役割―」が開催された。

ギリシャにおける電子ジャーナルアクセスの現状(記事紹介)

2015年7月2日付けのNature誌オンライン版記事で、財政破綻の危機に瀕したギリシャにおいて、大学・研究機関から電子ジャーナルにアクセスできない状態が生じていることが報じられています。

ギリシャの大学図書館等が参加するコンソーシアムHEAL-Link(Hellenic Academic Libraries Link)は政府の資金によって運営されており、その一部はEUからの支援によって賄われています。ギリシャ政府に今後の支払い能力がないことが見込まれるために、2015年7月1日以降、多くの出版社がサービスの提供を停止しているとのことです。

Greek scientists lose access to digital journals(Nature、2015/7/2付け)
http://www.nature.com/news/greek-scientists-lose-access-to-digital-journals-1.17908

欧州研究図書館協会(LIBER)の2014年第43回年次大会の発表資料等が公開

2014年7月2日から5日まで、ラトビアのリガで開催された欧州研究図書館協会(LIBER)の第43回年次大会の発表資料等が公開されています。今回は、“Research Libraries in the 2020 Information Landscape”をテーマとして開催されたとのことです。「クラウドソーシングとオープンソース」、「Linked Open Data」など10のセッションのペーパーとその発表者のプロフィール、「Europeana Sounds」や「Europeana Cloud」など20のポスター(一部は概要のみ)等が公開されています。

LIBERとSPARC Europeが共同で開催したワークショップでは、EU加盟国のオープンアクセスおよびオープンデータ政策を推進するプロジェクト“Open Access Policy Alignment Strategies for European Union Research(PASTEUR4OA)”や研修等を通じて若手研究者等のオープンサイエンスの実践を支援するプロジェクト“Foster Open Science Training for European Research(FOSTER)”が紹介されたようです。

欧州委員会、EUの著作権法等の権利制限による経済的影響についてのレポートを公開

2014年6月23日、 欧州委員会が、EUの著作権法等の権利制限による経済的影響について評価したレポート“Assessing the economic impacts of adapting certain limitations and exceptions to copyright and related rights in the EU – Analysis of specific policy options” を公開しました。

このレポートは、EUの著作権改革の対象を評価するための研究の2部目にあたるもので、1部目が2013年10月1日付で公開されています。

第1部では、著作権の権利制限を評価するための方法論を確定し、今回公開されたレポートでは、1部目のレポートで用いられた方法論により、以下の論点に焦点を当て、その経済的影響を評価しているとのことです。
・文化遺産機関や教育機関によるデジタル保存
・文化遺産機関や教育機関のコレクションへの遠隔アクセスの提供
・公的にアクセス可能な図書館における“E-lending”
・研究目的のテキスト・データ・マイニング
・私的利用のための複製

英国政府が孤児著作物の利用に関する制度について募集した意見への回答を公開

2014年1月10日から2014年2月28日までの期間で、英国国内における孤児著作物の利用許諾の枠組みについて、また、欧州連合の指令に基づく孤児著作物の利用についての意見募集が行われていました。2014年5月30日、英国政府からの回答として、寄せられた意見の概要と、それらに基づく利用許諾の枠組み案が示されています。

権利者不明著作物のデジタル化と国境を越えた流通を促進するため、2012年10月にEUは孤児著作物指令を成立・発効させました。指令第9条では、加盟国に対し、2014年10月29日までに同指令に従うために必要となる法律、規則、行政規定を施行することを義務付けており、英国における孤児著作物の利用についての検討の背景となっているようです。

Copyright: UK orphan works licensing scheme(gov.uk, 2014/5/30更新)
https://www.gov.uk/government/consultations/copyright-uk-orphan-works-licensing-scheme

Government response to the technical consultation on orphan works

EUに対し、図書館とアーカイブ等が共同書簡:WIPOでの例外規定に関する議論に前向きに取り組むよう要望

2014年5月16日、EU諸国を中心とした図書館やアーカイブ等60以上の組織が、EUに対して、WIPOでの図書館とアーカイブの例外規定に関する議論に前向きに取り組むよう求める書簡に共同でサインしたと国際図書館連盟(IFLA)が伝えています。

書簡では、WIPOでの図書館とアーカイブの例外規定に関する議論に前向きに取り組むよう強く要望し、
1.最先端の、オープンな国際的な研究文化の育成
2.将来の研究者によるデジタル化された、あるいはボーンデジタルの文化遺産へのアクセスの保証
3.欧州の文化遺産へのグローバルなアクセスの提供
における、上記の議論の重要性を指摘しているとのことです。

Libraries and Archives write letter to the European Union(ILFA, 2014/5/16付のニュース)
http://www.ifla.org/node/8622

Fulfill the promise of the Innovation Union: European research institutions, libraries and archives need balanced copyright laws(IFLA)

Europeana、欧州委員会の著作権制度改革に関して意見を表明

2014年1月28日、Europeanaが欧州委員会の著作権制度改革に関する意見招請に対して、意見を表明しました。

この意見表明にあたって、Europeanaでは、著作権制度改革ワーキンググループを組織し、検討を行い、Europeanaのネットワークの全ての参加館に意見を回覧し、支持もしくは異議の提示を求めたとのことです。

欧州委員会の提示した80の論点のうち、Europeanaとそのネットワークに直接関わる28の論点について議論し、意見がまとめられたとのことです。Europeanaが、欧州全土で文化遺産機関が同一の著作権の規則に基づいて対応できる統一された法的環境を重視するという主張などが含まれているようです。

Copyright Public Consultation: Europeana responds, have you?(Europeana, 2014/1/28付け)
http://pro.europeana.eu/c/blogs/find_entry?entryId=2028756

Europeana Foundation
http://pro.europeana.eu/documents/900548/f633a395-4d4e-4951-a0f1-cdddbee32598

欧州委員会共同研究センターが所属研究者のオープンアクセス方針を発表

2014年1月6日、欧州委員会(EC)の共同研究センター(Joint Research Centre)は、所属する研究者が筆頭あるいは責任著者となっている査読論文について、2014年からはすべてオープンアクセスとする方針を発表しました。

共同研究センターはECに対し科学技術に関するサポートを提供し、欧州連合(EU)の政策立案に幅広く寄与することを目的とする研究機関です。ECは2014年から2020年に実施される助成プログラム“Horizon 2020”による助成を受けた研究成果について、OA化を義務付ける方針を発表していますが、ECの一部門である共同研究センターの所属研究者に対しても、“Horizon 2020”に従ったOA方針を課すとのことです。

今後、共同研究センターの研究者らは論文をOA雑誌で発表するか、出版後6-12カ月以内のセルフアーカイブを認めている雑誌で発表することが求められます。

The JRC adopts open access policy for scientific articles from January 2014(News & events - JRC - European Commission、2014/1/6付け)

Europeana、欧州の服飾アーカイブコレクションを提供する“Europeana Fashion portal”を公開

2013年12月19日、Europeanaが欧州の服飾アーカイブコレクションを提供する“Europeana Fashion portal”の公開を発表しました。欧州のファッションや服飾に関わる19機関から提供された、スケッチや服飾、アクセサリー等のデジタル化資料が、提携機関の専門家によって書かれた情報とともに閲覧できるとのことです。このポータルサイトはまだ開発途中で、2014年7月にセカンドバージョンが、2015年2月には700,000点のアイテムが登録されたファイナルバージョンが公開予定とされています。

Europeana Fashion portal now live! (europeana, 2013/12/19)
http://pro.europeana.eu/web/guest/pro-blog/-/blogs/europeana-fashion-portal-now-live!

Europeana Fashion portal beta
http://www.europeanafashion.eu/portal/home.html

Europeana Fashion (facebook)
https://www.facebook.com/EuropeanaFashion?fref=ts

欧州委員会(EC)がオープンリサーチデータについての公開協議の結果を公表

2013年10月21日、欧州委員会(EC)が2013年7月2日にブリュッセルで開催したオープンリサーチデータに関する公開協議の結果を公開したとのことです。

公開協議には、研究コミュニティや出版界、図書館、大学、産業界などの関係者の代表が参加しており、今回の報告には、オープンリサーチデータの定義、データの再利用、公開制限、保存やアクセス、データの認知度や共有文化の向上というECが提示した5つの課題について、参加者からの回答がまとめられているとのことです。

Results of the consultation on Open Research Data(European Comission)
http://ec.europa.eu/digital-agenda/node/67533

EC Report From Public Consultation on Open Research Data(LIBER 2013/10/21付け)
http://www.libereurope.eu/news/ec-report-from-public-consultation-on-open-research-data

参照:
欧州研究大学連合(LERU)、オープンアクセスおよびオープンデータに関する声明を発表
Posted 2012年12月14日

ページ