米国

JSTOR、アラビア語資料のデジタル化に関するホワイトペーパーを公開

2019年8月15日、JSTORはアラビア語資料のデジタル化に関するホワイトペーパー“Digitizing Printed Arabic Journals: Is a Scalable Solution Possible?”の公開を発表しました。

JSTORは、2017年に全米人文科学基金(NEH)の助成を受けて、アラビア語の学術コンテンツをデジタル化するプロセスの研究を行いました。同研究はコスト効率がよく、大規模に実装可能で、高品質の画像、メタデータ、完全に検索可能なテキストを制作可能なアラビア語雑誌をスキャンするワークフローの開発を目標に、2年間のプロジェクトとして実施されています。

公開されたホワイトペーパーでは、JSTORの研究をアラビア語のデジタル化された学術雑誌文献全体の概況の中へ位置づけながら、プロジェクトの取り組みと得られた知見等が記述されています。ホワイトペーパーの結論の中では、アラビア語ジャーナルを高精度でデジタル化することが可能であること、OCRソフトウェア・OCRエンジンへの継続的な投資を行うことでコスト低減が可能であること、などが確証されています。

OCLC Research、Wikibaseのプラットフォーム上でLinked data化された情報資源記述を行う試験プロジェクト“Project Passage”の最終報告書を公開

2019年8月5日、OCLC ResearchはWikibaseのプラットフォーム上でLinked data化された情報資源記述を行う試験プロジェクトとして実施していた“Project Passage”の最終報告書として“Creating Library Linked Data with Wikibase: Lessons Learned from Project Passage”を公開しました。

連邦機関デジタルガイドラインイニシアチブ(FADGI)、デジタル動画における重要プロパティのリスト“Significant Properties for Digital Video”のドラフト版を公開:フィードバックを募集中

2019年8月7日、連邦機関デジタルガイドラインイニシアチブ(Federal Agencies Digital Guidelines Initiative:FADGI)は、デジタル動画における重要プロパティのリスト“Significant Properties for Digital Video”の最初のドラフト版を公開しました。2019年8月31日までのフィードバックを募集しています。

FADGIは、米国連邦政府機関が2007年から共同で結成しているイニシアチブで、デジタル化資料やボーンデジタル資料のための実務手法やガイドラインの策定に取り組んでおり、静止画ワーキンググループ(Still Image Working Group)と視聴覚ワーキンググループ(Audio-Visual Working Group)を設けています。

SPARC、米国司法省へMcGraw-Hill社とCengage社の合併計画阻止を求める文書を提出

2019年8月14日、SPARCは大学教科書出版大手のMcGraw-Hill社とCengage社の合併計画の阻止を求めた文書を米国司法省に提出しました。

両社の合併が実現すると、米国最大の大学向け教材出版社、かつ世界第2位の教育出版社が誕生することになります。SPARCは提出文書の中で、この合併は反トラスト法であるクレイトン法違反であり、合併を許せば大学教科書市場の45%を独占する企業が誕生してしまうこと、現在約40%のシェアを占めるPearson社とともに大学教科書市場がわずか2社による複占状態となる恐れがあることを指摘しています。

米国の大学教科書市場は、学生が価格に関わらず割り当てられた本の購入を求められる典型的な専属市場(captive market)とされています。過去20年間、教科書価格は住宅価格、医療費、賃金を上回るインフレーションが進んでおり、消費者物価指数によると、大学教科書の消費者物価は1998年以降184%上昇しています。これは物価上昇率の3倍にあたります。

【イベント】東京大学主催「データ活用社会創成シンポジウム」(9/2・東京)

2019年9月2日、東京大学浅野キャンパスにおいて、東京大学未来社会協創推進本部データプラットフォーム推進タスクフォースの主催により「データ活用社会創成シンポジウム」が開催されます。

あらゆる分野と地域で誰もがデータを最大限に利活用できる「データ活用社会」の創成には、大学・研究機関をハブとした基盤環境の整備と人的環境の形成を全国レベルで促進することが重要であるという認識の下、米国ミシガン大学での取り組みや国内の最先端基盤環境、様々な地域や分野でのデータ利活用の取り組みの講演とパネルディスカッション等が行われます。参加費は無料ですが、参加には事前参加登録が必要で定員は250人です。また、データ活用事例に関するポスター発表も募集されています。

当日の主なプログラムは次のとおりです。

○基調講演“The Role of Data Science in a University and in Society”
Professor H.V.Jagadish(Michigan Institute of Data Science Director)

○講演「データ活用社会創成プラットフォームについて」
中村宏氏(東京大学総長特任補佐)

米・カリフォルニア大学の教員が連名書簡により大学とElsevier社の新契約締結までCell Press社刊行誌の編集委員としての活動を停止する可能性に言及

米・カリフォルニア大学に所属し、Cell Press社刊行誌の編集委員(editorial board)を務める31人の教員が、カリフォルニア大学とElsevier社が新たに契約を締結するまで、編集委員としての活動を停止する可能性に言及した連名の書簡を2019年8月7日付で公開しました。

Cell Press社はElsevier社を親会社とする学術出版社で、“Cell”をはじめとする生物学分野の著名な学術雑誌を刊行しています。カリフォルニア大学バークレー校が発行するBerkeley Newsの記事によると、この書簡にはゲノム編集技術「CRISPR-cas9」の共同開発者であるジェニファー・ダウドナ(Jennifer Doudna)教授をはじめ、Cell Press社刊行誌の編集委員を務めるバークレー校の研究者の約3分の1が署名しており、教員らの編集委員活動の停止が実施されれば、Cell Press社刊行誌はこれまで無償で得てきた編集委員らの名声と質の高い査読を失うことになる、としています。

ニューヨーク公共図書館(NYPL)、同館のシンボルとして知られるライオン像を修繕することを発表:2019年9月2日週から開始

2019年8月12日、ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、同館のスティーブン・A・シュワルツマン・ビルディングの前に設置されており、同館のシンボルとして知られる2体のライオン像を修繕することを発表しました。修繕期間は2019年9月2日週から9週間であり、修繕費用の25万ドルはニューヨーク生命財団(New York Life Foundation)による助成金及び個人からの寄付金で賄われます。

2体のライオン像は1911年に設置され、ニューヨークが世界恐慌の影響下にあった1930年代に、ニューヨーカーが厳しい状況を耐え抜くためには忍耐と不屈の精神が必要だと考えた当時のニューヨーク市長フィオレロ・ラガーディア(Fiorello LaGuardia)により、それぞれPatience(忍耐)、Fortitude(不屈の精神)と名付けられました。

多孔質のピンク大理石で造られており、雪、雨、風、排気ガス等によるダメージを受けるため、定期的な修繕が行われています。修繕は7年から10年に1度の頻度で行われており、前回は2011年、前々回は2004年に行われました。今回の修繕では、ひび割れへのグラウトの充填、レーザーによる洗浄、以前の修繕箇所の補強等が実施され、作業の間、ライオン像は合板で覆われるとあります。

米・Center for Democracy&Technology、K-12教育におけるアルゴリズムシステムの利用に関する手引きを公表

2019年8月12日、米国の非営利団体Center for Democracy&Technology(CDT)は、K-12(幼稚園から高校まで)の教育におけるアルゴリズムシステムの利用に関する手引き“Algorithmic Systems in Education: Incorporating Equity and Fairness When Using Student Data”を公開しました。K-12教育において、生徒のデータを分析するアルゴリズムシステムを意思決定支援に利用する学校が出現していることを背景として作成されたものです。

アルゴリズムシステムの利用ケースとして、生徒が通学する学校の割り当て、中退する可能性がある生徒の特定、(生徒のSNS投稿を分析しテロリズムの兆候を事前把握する等の手段による)学校の安全確保を紹介するとともに、利用に際し考慮すべき事項として、アルゴリズムや入力データに含まれるバイアスの可能性や、プライバシーをはじめとした生徒の権利侵害につながりうること等を挙げています。

その上で、学校・学区がアルゴリズムシステムの実装・調達を行う際の推奨事項として、入力データに含まれるバイアスの検証等4点を、システム実装後の推奨事項として、意思決定プロセスにおいて人間を関与させ続けること等7点を挙げています。

米・バージニア州の図書館コンソーシアムVIVA、Wiley社とオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結

2019年8月7日、米・バージニア州の学術図書館コンソーシアムThe Virtual Library of Virginia (VIVA)とWiley社は、オープンアクセス(OA)出版に関する基金とジャーナル購読を組み合わせた包括的契約の締結を発表しました。

この契約は2020年に開始する2年間の試験的な契約で、Wiley社はプレスリリースで北米では初めての種類の契約である、としています。この契約によりVIVA参加機関に所属する全ての研究者は、 Wiley Open Access AccountのサービスをAPC支払のための中央基金として利用し、Wiley社のゴールドOA誌上で論文を公開可能になります。また、コンソーシアムの購読する同社のジャーナル全範囲へのアクセスも維持されます。

さらにVIVAは管理用のダッシュボードを利用することが可能になり、ダッシュボード上で著者からのAPC支払リクエストへの対応やレポート機能による出版状況の確認を行うことができます。

米国議会図書館(LC)による作家トニ・モリスン氏への追悼記事(記事紹介)

2019年8月6日、米国議会図書館(LC)は、8月5日に死去した作家トニ・モリスン氏への追悼記事“Remembering Toni Morrison”を同館のブログ上で公開しました。

同記事では、ピューリッツァー賞受賞(1988年)、アフリカ系アメリカ人女性として初めてのノーベル文学賞受賞(1993年)など同氏の代表的な業績と文学的な貢献が称えられています。

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