スイス

スイス科学財団、2018年4月から単行書のオープンアクセス化費用BPCも助成の対象にすることを発表 10月からは図書の一部の章に範囲を拡大

2017年12月13日、スイス科学財団(SNSF)は同機関の助成を受けた研究の成果に関するオープンアクセス(OA)方針の一部を改訂し、新たに単行書のオープンアクセス化にかかる費用BPC(Book Processing Charge)も費用支払いの対象とすることを発表しました。

SNSFのOA方針では雑誌論文の処理加工料(APC)は従来から費用支払いの対象となっていました。2018年4月1日からは単行書のBPCを、さらに2018年10月1日からは一部の章のOA化費用BCPC(Book Chapter Processing Charge)も費用支払いの対象に加えるとのことです。一方で、図書をセルフアーカイブ(Green road)で公開する場合、従来は24カ月としていたエンバーゴ期間を12カ月に短縮するとされています。

なお、OA方針の対象となる成果に例外は設けられていませんが、図書については、図書の中で使用している図版の使用料が非常に高額である場合は例外を認めるとされています。

スイス国立図書館による州立図書館と連携したウェブアーカイブ事業“Web Archive Switzerland”(文献紹介)

2017年8月19日から8月25日までポーランドのヴロツワフで開催される第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、スイス国立図書館のバーバラ(SIGNORI, Barbara)氏による“Preserving cultural heritage: Better together!”と題する文献が公開されています。

単独ではスイス全体のウェブサイトをアーカイブすることは不可能との判断のもと、地域の文化遺産を収集・保存する義務を負っている各州(カントン)立図書館と連携することとし、2013年から11の州立図書館とのパイロットプロジェクトを開始した、スイス国立図書館によるウェブアーカイブ事業“Web Archive Switzerland”を紹介するものです。

同プロジェクトでは、各州立図書館が収集するウェブ情報の選定とメタデータの作成を、スイス国立図書館が権利関係の処理や収集・保存・利用提供を担当しており、2017年時点では30の機関が参加し、7,800点のウェブサイトの27,300件のスナップショットが保存されていることが紹介されています。

IFLA Journal、2017年3月号が刊行:研究データサービス(RDS)を特集

国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の43巻1号(2017年3月)が公開されました。

研究データサービス(Research Data Services:RDS)を特集しています。

Out Now: March 2017 issue of IFLA Journal(IFLA,2017/3/16)
https://www.ifla.org/node/11277

IFLA Journal Volume 43 Number 1 March 2017
https://www.ifla.org/files/assets/hq/publications/ifla-journal/ifla-journal-43-1_2017.pdf

スイス科学財団、2017年10月以降の助成申請に際し、データ管理計画の提出を申請要件に

2017年3月6日、スイス科学財団(SNSF)が、同財団への助成申請をする研究者は、2017年10月以降、データ管理計画(DMP)を提供する必要があると発表しています。

SNSFでは全ての科学分野で適用可能なDMPのガイドラインを完成させており、2017年春には財団のウェブサイトで公開される予定とのことです。

Open Research Data: data management plans will be introduced in project funding(SNSF,2017/3/7)
http://www.snf.ch/en/researchinFocus/newsroom/Pages/news-170306-towards-open-research-data.aspx

スイス高等教育機関長会議、オープンアクセスに関する国家戦略を採択

2017年2月1日、スイス高等教育機関長会議(Rectors' Conference of Swiss Higher Education Institutions)は、1月31日に開催された総会において、オープンアクセス(OA)に関する国家戦略を採択したと発表しました。

同戦略は2024年までに、スイスで出版される研究成果のすべてをOAにすべきであり、公的資金による助成を受けた論文についてはすべてOAとしなくてはならない、というビジョンを定めたものです。OAの実現方法については複数のモデルを組み合わせるとしています。また、このビジョンを実現するためにとるべき行動として、各機関等によるOA方針の策定、相互の調整、出版者との交渉等の7つを挙げています。

同戦略については2017年2月中に開催されるスイス高等教育機関会議(Swiss Conference of Higher Education Institutions)に提出されるとのことです。その承認後、アクションプランの策定等のプロセスに回ります。

A National Open Access Strategy: Toward the Unrestricted Publication of Research Output(swissuniversities、2017/2/1付け)

スイス科学財団、学術出版をオープンアクセスに転換する方法を比較調査した報告書を公開

2016年11月18日、スイス科学財団(SNSF)は、SNSFとスイスの大学団体であるswissuniversitiesの科学情報プログラムSUC P-2によって行なわれた、学術出版をオープンアクセスに転換する方法を比較調査した報告書を公開しています。

この報告書では、グリーンOAをプレプリントアーカイブ('Yellow')とポストプリントアーカイブ('Blue')に分けて考察しており、スイスにおいてはGold OAとBlue OAを組み合わせたアプローチを取ることを薦めています。

Transitioning the publication system towards Open Access: Study proposes pragmatic scenario(SNSF、2016/11/18)
http://www.snf.ch/en/researchinFocus/newsroom/Pages/news-161118-press-release-transitioning-towards-open-access-study-proposes-pragmatic-scenario.aspx

Financial Flows in Swiss Scientific Publishing(Zenodo、2016/11/18)

IFLA Journal、2016年6月号が刊行

国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の42巻2号(2016年6 月)が公開されました。

米国の図書館の現況・傾向と課題を述べたもの、南アフリカの図書館員の知的自由の危機への対応状況を調査したもの、社会・経済の発展計画に図書館等の情報センターを位置付けるための基準を提示したもの、国連2030年アジェンダと図書館について説明したもの、トルコの英語学・英文学の学生の図書館利用状況を調査したもの、スイス連邦工科大学図書館のトーマスマン・アーカイブのプロジェクト報告、カナダ国立図書館・文書館(LAC)創設からの10年間を概観したもの、といった論考が掲載されています。

Out Now: June 2016 issue of IFLA Journal(IFLA,2016/5/25)
http://www.ifla.org/node/10499

IFLA Journal Volume 42 Number 2 June 2016
http://www.ifla.org/files/assets/hq/publications/ifla-journal/ifla-journal-42-2_2016.pdf

参考:
E1763 - 国連2030アジェンダと図書館:IFLAのツールキット

スイス科学財団、同機関のオープンアクセス方針の履行状況に関するモニタリングレポートを公開

2016年5月10日、スイス科学財団(SNSF)が、2013年10月から2015年8月までの期間における同機関が制定したオープンアクセス方針の履行状況に関するモニタリングレポートを公開しています。

同報告書では、SNSFのOA促進のための活動について列挙し評価しているだけでなく、SNSFのガイドラインの研究者の遵守状況についても評価しています。

同報告書によると、SNSFの助成を得て発表された刊行物の40%がOAで公開されているとのことです。

Twitter(@snsf_ch,2016/5/10)
https://twitter.com/snsf_ch/status/729932757732757505

Sharing knowledge: Open Access for all is the goal(SNSF,2016/5/10)
http://www.snf.ch/en/researchinFocus/newsroom/Pages/news-160510-press-release-sharing-knowledge-open-access-for-all-is-the-goal.aspx

Open Access to Publications:SNSF monitoring report 2013 -2015(SNSF)

人文学における研究評価に関する図書(文献紹介)

人文学における研究評価に関する論考を集めた図書”Research Assessment in the Humanities”がオープンアクセスで刊行されています。編者はスイス・ローザンヌ大学の Michael Ochsner氏、チューリッヒ大学のSven E. Hug氏、同じくチューリッヒ大学のHans-Dieter Daniel氏です。

同書はスイス大学会議(Swiss University Conference)が行ってきた、人文学・社会科学分野における研究成果の透明化と国際比較を実現するプロジェクトを受けて刊行されたものです。序章のほか、同書が刊行されるに至った背景をまとめた第1部、人文学分野におけるビブリオメトリクスを扱った第3部など、全5部によって構成されています。

Michael Ochsner; Sven E. Hug; Hans-Dieter Daniel eds. Research Assessment in the Humanities. 2016, Springer, doi: 10.1007/978-3-319-29016-4.
http://link.springer.com/book/10.1007%2F978-3-319-29016-4

参考:
E1733 - 「学術情報のあり方:人社系の研究評価を中心に」<報告>

OCLC Research、公共図書館の価値を訴える国民運動“Geek the library”の活動成果報告書を公開

OCLC Researchが、OCLCのサポートにより2009年から2015年にかけて行われた、公共図書館の価値を訴えて地域社会からの支援を得るための国民運動“Geek the library”における学びや成果を要約した報告書“Local Action and National Impact: A Summary of Project Outcomes and Learning from Geek the Library”を公開しました。

活動の成果として、図書館職員の能力向上や図書館アドボカシーの改善、地域社会によって支えられる図書館やその予算であるとの認識の向上があげられているほか、変革の意思がある館長や職員がいる図書館は、図書館の自己認識と地域社会からのイメージを新たにさせるという点で、より強力な成果を実現することが多かったことなどが指摘されています。

また、スイスにおいても、2015年4月から、“Geek the library”に似た活動として“BiblioFreak”と呼ばれるものが始まったとのことです。

Local Action and National Impact: A Summary of Project Outcomes and Learning from Geek the Library(OCLC Research)

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