カレントアウェアネス-E

E2012 - 学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性

2017年11月,Digital Science社は,学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性に関するレポート“Blockchain for Research - Perspectives on a New Paradigm for Scholarly Communication”を公開した。ブロックチェーンは,仮想通貨ビットコインの中核技術として発案された。すべての取引記録が,サーバのような機能を有するビットコイン使用者のPCに分散して同期・保存されるので,その改ざんは極めて難しく,また中央集権的なシステムとは違いシステムダウンの心配がなく堅牢性が高い。すべての取引記録は暗号化されて保存されるため,公開されてはいるが匿名性はほぼ保持される。また契約を自動的に執行するスマートコントラクトをブロックチェーン上で利用すれば,あらかじめ定めたとおりに自動的に取引を執行することもできる。ブロックチェーンは最近,教育・医療などの分野でその適用が模索されており,また出版業,小売業・製造業などの業界にも大きな影響を与えている。このレポートでは,学術コミュニケーションや研究一般を変容させうるブロックチェーンの可能性に焦点を当て,学術コミュニケーションの課題,それへのブロックチェーン適用の可能性,適用に際しての注意点などを,ブロックチェーンの最近の活用事例を交えながらまとめている。これらのうち,本稿では,ブロックチェーン適用の可能性を中心に紹介する。

E2008 - 北見市立中央図書館でのプラモデル製作講座について

北見市立中央図書館(北海道)は,2018年1月27日プラモデル製作講座「本のあるくらし講座・ガンプラをつくってみよう」を開催した。対象は初心者の大人で,小学3年生から受講可能,参加費1,200円,定員10名とした。

E2011 - 次世代リポジトリの機能要件および技術勧告

2017年11月28日,オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の次世代リポジトリワーキンググループは,「次世代リポジトリの機能要件および技術勧告(Next Generation Repositories Behaviours and Technical Recommendations of the COAR Next Generation Repositories Working Group)」を発表した。同報告書には,次世代リポジトリとしての11の機能要件とその機能要件に関係する技術勧告が示されている。同ワーキンググループは,次世代リポジトリのビジョンを「リポジトリを,分散型でグローバルにネットワーク化された学術コミュニケーションのインフラストラクチャの基礎として位置付け,その上に付加価値サービスを積み重ね,それにより(商業出版社に支配された)既存のシステムを,より研究中心的で革新的な,学術コミュニティによって共同管理されたシステムに,変えていくこと。」と定義している。次世代リポジトリは,従来の人間によるアクセスだけでなく機械的な処理が可能であることを重視しており,11の機能要件は付加価値サービスおよび機械アクセスを強く意識した内容である。以下,11の機能要件と,関係する技術勧告を挙げる。

E2010 - 漢字文献情報処理研究会第20回大会<報告>

2018年1月20日,花園大学(京都市)で漢字文献情報処理研究会第20回大会が行われた。漢字文献情報処理研究会は,東洋学の研究・教育におけるICT活用の促進を目的とする研究組織である。本稿では,この大会で行われた特別セッション「デジタルデータの利活用と長期保存:大学図書館および人文・社会系研究者の役割」について報告する。本セッションでは,趣旨説明及び4つの報告の後,討論・質疑応答が行われた。

E2009 - 図書館への寄付と地域との新たな「絆」の構築:太宰府の事例

太宰府天満宮には,古典籍等が収蔵された「御文庫」が存在する。その歴史は古く,300有余年前に遡る。菅原道真の大宰府西下に従った味酒安行の四十六世の直孫にあたり,太宰府天満宮の祠職を世襲する社家(しゃけ)出身の検校坊快鎮(けんぎょうぼうかいちん)という好学の僧侶によって開設が発起され,1676年(延宝四年)に創設されたものである。

E2007 - 国立図書館におけるジャンル・形式用語の実務に関する調査

ジャンル・形式用語とは,その資料が「何であるか」を表す統制語彙である(CA1869参照)。2017年2月,国際図書館連盟(IFLA)の主題分析及びアクセス分科会が管轄するジャンル・形式用語ワーキンググループ(以下「ワーキンググループ」)は,各国の国立図書館のジャンル・形式用語の実務に関する調査“IFLA Survey on Genre Form Practices in National Libraries”を実施し,国立国会図書館(NDL)もこれに回答した。本稿では,2017年11月に公開された調査結果報告書の概要を紹介する。

E2004 - 京都大学附属図書館における貴重資料画像の二次利用自由化

京都大学では,2017年9月7日に「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」を試験公開し,12月1日には公開画像を追加して正式公開するとともに,附属図書館所蔵資料の電子化画像を自由利用可能とした。本稿では,画像の自由な二次利用を認めるにあたって,関連規則の整備をどのように行ったかを紹介する。

E2006 - 米国学校図書館員協会による新学校図書館基準<文献紹介>

2017年11月,米国学校図書館員協会(AASL)は,新学校図書館基準,『学習者,学校図書館員,学校図書館のための全国学校図書館基準』(National School Library Standards for Learners, School Librarians and School Libraries)を刊行した。全341頁と大部であり,そのすべてをここで紹介することはかなわないが,概要を簡単に報告したい。

E2005 - フランスと日本の目録動向:書誌調整連絡会議<報告>

2018年1月18日,国立国会図書館(NDL)収集書誌部は,「新しい目録規則は何をもたらすか:フランスと日本の書誌データ」をテーマに,平成29年度書誌調整連絡会議を開催した。この会議は,国内外の書誌調整に関する最新情報を関係者・関係機関等と共有することを目的とし,毎年行われているものである。今年度は,新しい目録規則の策定等に取り組んでいるフランスと日本における共通の課題や相違点を共有することで,日本の目録規則のよりよい改訂と運用を図ることを目的に,フランス国立図書館(BnF)からブレ(Vincent Boulet‏)氏を招へいし,広く一般に公開した。当日は,約90名の参加があった。

E2003 - 学校図書館でのリブライズの活用と地域住民への開放の取組

岐阜県山県市(以下「当市」)では,2016年度に公立小中学校として全国で初めてコミュニティ型図書館ウェブサービス「リブライズ」を学校図書館の蔵書管理システムとして導入し,蔵書のデータベース化,ネットワーク化を進めている。2017年11月,他の学校に先駆けて約6,500冊の蔵書のデータベース化が完了した桜尾小学校では,リブライズの導入を機に将来的な地域住民への学校図書館の開放を目指し,2017年12月1日に一部地域住民への学校図書館の開放を始めた。ここでは,当市におけるリブライズの導入までの道のりと新たに始まった取組について紹介したい。

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