欧州

国際図書館連盟、EIFLが策定したマラケシュ条約に関するガイドの欧州版を公開

国際図書館連盟(IFLA)は、欧州連合(EU)がマラケシュ条約に対応するために採択した規則・指令を公布したことを受け、2017年10月1日付けで、EIFLが策定したマラケシュ条約に関するガイドの欧州版を作成し、公開しました。

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)の支援を受けて作成されたもので、図書館や図書館協会を支援し、政策決定者に情報提供することを目的としており、規則・指令を解説するとともに、国内法整備にあたっての推奨事項を提示しています。

Getting It Right: At Second Marrakesh Assembly, IFLA Launches Guide to Implementing the Treaty in Europe(IFLA,2017/10/5)
https://www.ifla.org/node/11867

E1960 - IFLAによる国立図書館の役割に関する現状調査

2017年8月に開催された世界図書館情報会議(WLIC):第83回国際図書館連盟(IFLA)年次大会では,国立図書館の役割に関する現状調査の結果を概観し,図書館・情報政策に与える影響について議論するラウンドテーブルが行われた。本稿では,調査を担当し,ラウンドテーブルのモデレータも務めたスイス国立図書館のPatrice Landry氏の予稿に基づき,調査結果の概要を紹介する。

ハイブリッドオープンアクセスの成長(文献紹介)

オープンアクセス(OA)雑誌PeerJに、2017年9月29日付けで、2009年から2016年にかけてのハイブリッドOA(有料型雑誌掲載論文について、追加費用を支払うことでOAとするモデル)の成長状況を調査した論文”Growth of hybrid open access, 2009–2016”が掲載されています。著者はフィンランド・Hanken School of EconomicsのBo-Christer Björk氏です。

この論文ではハイブリッドOAモデルを採用している雑誌の数や、実際にハイブリッドOAとして公開されている論文数について調査した結果が報告されています。ハイブリッドOAを採用している雑誌は2009年に2,000誌前後であったのが2016年には約10,000誌に、ハイブリッドOA論文は2009年に8,000本程度であったものが2016年には45,000本程度にと、大きく成長していると見積もられています。特にヨーロッパにおいて、複数の研究助成機関がOAにかかるAPC(論文処理加工料)の集中処理スキーマを開始した、2014年から顕著にハイブリッドOA論文数が増加しているとのことです。

CA1907 - 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子

 欧州では、単行書のオープンアクセス(OA)を推進するさまざまな取り組みが行われている。2010年にOpen Access Publishing in European Networks(OAPEN)が人文・社会科学分野の単行書のOAについて実施した現況調査(E1038参照)によれば(1)、当時すでに世界中で多くの萌芽的な取り組みがなされていた。現在も単行書のOAを目指して多様なビジネスモデルが試されており、その持続可能性や学術書としての質の担保といったさまざまな側面についての議論が深められている。

欧州の20組織、欧州の著作権改革案におけるテキスト・データ・マイニングの例外規定の修正を求める公開書簡を送付

2017年9月26日、“European Alliance for Research Excellence”の調整により、欧州の大学・図書館・研究機関・企業を代表する20の組織が、欧州議会法務委員会委員と28のEU加盟国の次席代表に対して、「欧州デジタル単一市場における著作権に関する指令」案における、テキスト・データ・マイニング(TDM)の例外規定の修正を求める公開書簡を送付しました。

公開書簡では、現在の欧州での著作権改革についての議論が、将来の欧州の研究や革新を脅かす、TDMの例外規定の範囲を狭めるものになることを懸念し、著作権者や創作者のインセンティブを侵害することなくTDMの例外規定を拡大するような適切な例外規定に修正することを求めています。

公開書簡の署名者には、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、欧州研究図書館協会(LIBER)、OpenAIRE、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、SPARC Europe等が含まれます。

欧州連合、マラケシュ条約に対応するために採択された規則・指令を公布

欧州連合(EU)が、2017年9月20日付のEU官報で、マラケシュ条約に対応するために採択された規則(2017/1563)・指令(2017/1564)を公布しました。

規則(REGULATION)は、2018年10月12日から加盟国に適用され、指令(DIRECTIVE)に基づき、加盟国は、2018年10月11日までに国内法を整備する必要があります。

Official Journal of the European Union, L 242, 20 September 2017(EUR-Lex)
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:L:2017:242:TOC

関連:
EU法の立法過程(リサーチ・ナビ)
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/eu-rippou.php

欧州研究図書館協会(LIBER)、研究図書館が出版社とオープンアクセスについて交渉する際の5つの原則を発表

2017年9月7日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、研究図書館が出版社とオープンアクセス(OA)について交渉する際の5つの原則を発表しました。

同原則は、LIBERに参加する図書館の過去2年間の経験に基づいています。また、研究図書館やコンソーシアムが、購読者支払型からAPCに基づいた執筆者支払型のモデルへと移行することを支援するために作られました。同原則は、欧州委員会(EC)の専門家グループOpen Science Policy Platform(OSPP)が発行した“Recommendations on Open Science Publishing”に準じているとしています。

研究図書館が出版社とOAについて交渉する際の5つの原則の概要は以下の通りです。

1. 雑誌購読契約とOAを密接に関連させる。
購読料とAPCの二重支払い(ダブル・ディッピング)を無くし、APCの増加が購読費用の低下に結び付くようにするべきである。

2. OAが認められなければ、購読料の値上げを容認しない。
毎年の購読料の値上げは出版社のサービスの革新に充てられているはずであり、研究コミュニティにとっての革新とは研究成果の自由な利用なので、もしOAが契約に至らない場合は、今後の購読料の値上げに応じるべきでない。

Europeanaのタスクフォース、視聴覚メディアの「編集」「利用状況の改善」「アクセシビリティ」の3分野に関する9つの提案事項をまとめた報告書を公開

2017年8月17日、Europeanaの視聴覚メディアに関するタスクフォースが、報告書“Final Recommendations from the Audiovisual Media in Europeana Task Force”をオンラインで公開しました。

タスクフォースの設置は、視聴覚メディアの「編集」「利用状況の改善」「アクセシビリティ」の3分野に関する提案事項を策定する事を目的としており、今回の報告書では9件の提案事項が提示されています。

Making audiovisual media a first-class citizen in Europeana(Europeana pro,2017/8/17)
http://pro.europeana.eu/blogpost/making-audiovisual-media-a-first-class-citizen-in-europeana

Knowledge Exchange、雑誌論文のオープンアクセス(OA)化にかかる費用についてのレポートを公開

高等教育・研究向けインフラの活用と開発を目的とし、英・JiscやオランダのSURF等5機関で構成されるKnowledge Exchangeが、雑誌論文のオープンアクセス(OA)化にかかる費用についてのレポートを公開しています。

レポートは、調査の概要をまとめた“Paying for Open Access: The Authors perspective”と、調査結果の詳細を掲載した“Financial and administrative issues around article publication costs for Open Access”の2本です。

6の研究機関に所属する著者1,069名が、OAジャーナルやハイブリッドジャーナルに掲載した記事2,015件についてオンライン調査に回答しています。主なトピックは、OAの視点からの掲載誌の選択、OA出版を行う理由、APC助成の効果、APC支払における課題、などです。調査対象の研究機関が所在する6か国(英国、フランス、ドイツ、フィンランド、デンマーク、オランダ)のOAの状況などについてもまとめられています。

タブを開く毎にEuropeana収録の芸術作品を表示させる“Art Up Your Tab”、Firefoxにも対応

Europeanaが、タブを開く毎にEuropeana収録の芸術作品を表示させる“Art Up Your Tab”のFirefox版が公開されたことを発表しています。

Firefox用のプラグインのために選ばれた作品は、狐(Fox)や火(Fire)に関連するもので、火に関する作品の例として、明治時代の版画家・小林清親の「久松町ニ而見る出火」(アムステルダム国立美術館所蔵)が紹介されています。

既に公開済みのChrome拡張機能は、2,000人以上にインストールされ、100万以上のタブが開かれたと紹介されています。

Art Up Your Tab now available for Firefox(europeana pro,2017/8/2)
http://pro.europeana.eu/blogpost/art-up-your-tab-now-available-for-firefox

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