欧州

欧州大学協会(EUA)、よりオープンな学術情報流通システムへの移行に向けた報告書を公開

2017年6月29日、欧州大学協会(EUA)は、よりオープンな学術情報流通システムへの移行に向けて欧州の大学や各国の大学学長会議を支援するため、オープンアクセス(OA)に関する報告書2タイトルを公開しました。

“Towards Full Open Access in 2020: aims and recommendations for university leaders and National Rectors’ Conferences”では、さまざまな分野にわたって、OAに関する提言を行っています。質の高い査読、研究成果に対する著者等の権利の保証、公共機関と出版社の双方が満足できる費用便益比などに基づいたオープンな学術情報流通システムの実現を呼び掛けています。

“Open Access in European universities: results from the 2015/2016 EUA institutional survey”では、OAのポリシーや実践について、各機関の実施状況を2014年の前回調査から追跡しています。調査は2015年10月から2016年1月まで実施され、欧州の33の国の169の機関から回答を得ています。出版物へのOAのほか、今回初めて、研究データへのOAにも焦点を当てています。

欧州委員会(EC)、“European Open Science Cloud”(EOSC)に関する新しい高度専門家グループを立ち上げ

2017年6月21日、欧州委員会(EC)は、既存のデータ管理システムを統合した研究基盤“European Open Science Cloud”(EOSC)に関する、新しい高度専門家グループ(High Level Expert Group)を立ち上げました。

このグループは、EOSCの実現に必要とされる方策をECに助言することを目的としており、EOSCの立ち上げに関するHorizon2020プロジェクトや各国のイニシアチブと協力しながら活動します。2015年から2017年2月まで活動して、2016年に報告書をまとめた、先行の高度専門家グループの後を継ぐものとなります。

このグループは2017年6月から2018年末まで活動する予定で、EOSC実現のための方策について提言する最終報告書を2018年末にまとめるとしています。

欧州の小規模文化遺産機関向けクラウド型電子図書館プラットフォーム“LoCloud”(記事紹介)

2017年8月にポーランドのヴロツワフで開催される第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会の発表資料として、ポーランドのPoznan Supercomputer and Networking CenterのWERLA, Marcin氏による、クラウド型(SaaS)電子図書館プラットフォーム“LoCloud”を紹介する“Cloud technologies as a solution for digital collections management in small libraries”と題する記事が公開されています。

クラウド技術の発展により、所蔵資料のデジタル化公開に必要なサーバを安価に利用することが可能となってきた一方で、小規模な文化遺産機関では、ITに詳しい職員を雇用することは困難であり、また、IT関連企業も、文化遺産機関のシステムやEuropeanaとの相互運用性については関心がないことから、小規模館の地域資料が埋もれてしまうという課題認識のもと、小規模館にクラウド技術を提供することで、その潜在力を活用し、コレクションをオンラインやEuropeanaでも公開できるように、ECの資金援助のもと開発されたものです。

OCLC Researchと欧州研究図書館協会、欧州の研究情報管理基盤での永続的識別子の採用と統合に関する共同調査を開始

2017年6月13日、OCLC Researchと欧州研究図書館協会(LIBER)は、欧州の研究情報管理基盤での永続的識別子(PIDs)の採用と統合に関する共同調査を開始すると発表しています。

欧州の研究情報管理の単館での実装に関する既存の研究を補完し、拡張することで、大学・研究図書館の指導者に、組織・グループ・国家・多国籍規模での研究情報管理の新たな動向や課題に対する有益な洞察を提供する事を目的としています。

永続的識別子の採用と統合や、曖昧さの解消や相互運用性の支援における役割に着目して、フィンランド・ドイツ・オランダ3か国での研究情報管理の実践を調査することで、国家規模での研究情報管理基盤や研究情報管理の実践、永続的識別子統合の具体例の事例研究を行ないます。

OCLC Research and LIBER to launch collaborative information management study(OCLC,2017/6/13)
http://www.oclc.org/en/news/releases/2017/201716dublin.html

THORプロジェクト、同事業の中間報告書を公開

2017年6月5日、THORプロジェクトが、同事業の中間報告書“Interim Business Plan for Sustaining the THOR Federated PID Infrastructure and Services”を公開したと発表しています。

この間の、持続可能性の実現に向けてのアプローチや、永続的識別子の持続可能性やサービスの一般化に影響を与える要因についての議論を概観しています。

また、永続的識別子サービスの長期にわたる持続可能性に関する課題の中心と考えたいくつかの未解決の問題も示されており、今後のプロジェクトの進展のなかで出した解決策については、最終報告書で公開する予定としています。

SPARC Europeと英・Digital Curation Centre、欧州のオープンデータ・オープンサイエンス方針に関する新たな報告書を公開

2017年5月31日、SPARC Europeと英・Digital Curation Centre(DCC)が、欧州(EU28か国及び欧州経済領域・欧州研究領域参加国)におけるオープンデータ・オープンサイエンス方針を分析した新たな報告書、”An Analysis of Open Data and Open Science Policies in Europe, May 2017”を公開しました。

SPARC EuropeとDCCは欧州のオープンデータ・オープンサイエンス方針に関する報告書を2017年3月にも公開しており、今回の報告書は一連の調査結果の第2弾にあたります。今回の報告では、欧州におけるオープンデータ・オープンサイエンス方針のタイプの分析や、作成過程、それぞれの特徴に関する分析等を行っているとのことです。

An Analysis of Open Data and Open Science Policies in Europe, May 2017(SPARC Europe)
http://sparceurope.org/download/1654/

Zenodo、搭載データのDOIによるバージョン管理を開始

2017年5月30日、欧州原子核研究機構(CERN)とOpenAIREが開発した、研究成果共有のためのリポジトリ“Zenodo”が、搭載データのDOIによるバージョン管理の開始を発表しています。

Zenodoに最初にデータを登録した際に、特定のバージョンのDOI(Version DOI)とそのデータの全てのバージョンを示すDOI(Concept DOI)の2つが付与され、その後、新しいバージョンのデータを登録するごとにDOIが付与されます。

これにより、公開した後のデータの編集・更新が可能となるほか、“Version DOI”及び“Concept DOI”を用いた引用が可能となります。

2017年5月30日以前に登録したデータを、バージョン管理に対応させるためには、データの更新が必要ですが、複数の版を個別のレコードとして登録している場合は、Zenodoへのメールでの連絡が必要です。

Europeana、Europeana Photographyのサービス開始を発表

2017年5月20日、Europeanaが、Europeana Photographyのサービス開始を発表しています。

写真遺産国際コンソーシアム(PHOTOCONSORTIUM)との共同作業の成果で、欧州34か国の50機関から提供された、写真の歴史の最初の100年に撮影された200万点を超す歴史的な写真を利用できます。

Europeana Photographyには、ブログ記事やギャラリー、展示会などのコンテンツが含まれており、展示会は今後も継続的に公開される予定です。

Explore a wealth of vintage photographs with Europeana Photography(Europeana blog,2017/5/20)
http://blog.europeana.eu/2017/05/explore-a-wealth-of-vintage-photographs-with-europeana-photography/

国・地域を超えたリポジトリネットワークの連携に関する国際協定発表

2017年5月8日、国・地域を超えたリポジトリネットワークの連携に関する国際協定”Aligning Repository Networks: International Accord”がCOARのウェブサイトで公開されました。

この協定は具体的な行動を起こし、グローバルなサービスの構築につなげていくために共通の原則と強調すべき領域を定め、リポジトリネットワーク間の協力を促進することを目的に、COARの準備の下で作成されたものです。定期的なコミュニケーションの機会を設けること、API、標準、プロトコルの共通化、技術移転と共同開発の実施等について各リポジトリネットワークは協働していくとされています。欧州のOpenAIRE、南米のLA Referencisaをはじめ、カナダ、中国、米国、南アフリカのリポジトリネットワークが参加しています。日本からはJPCOARがこの協定に参加しています。

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