ドイツ

E2073 - 第29回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告>

2018年9月12日から15日まで,リトアニアの第2の都市カウナスに所在するヴィータウタス・マグヌス大学にて,第29回日本資料専門家欧州協会(EAJRS;E1969ほか参照)年次大会が開催された。欧州で活動する日本資料専門家グループにより毎年のこの時期に開催される集会で,本年度は「(グ)ローカル化する日本資料 (G)localizing Japanese Studies Resources」をテーマとして,14のセッションで構成され,31の発表(英語22,日本語9)をメインに,リソース・プロバイダー・ワークショップ,EAJRS和古書保存ワーキンググループの活動報告やEAJRS事務会議,エクスカーションが実施された。参加者は82人にのぼり,その内訳は欧州から44人,アジアから34人(日本33人),北米から4人であった。発表は大別すると概ね以下に分類される。(1)在外日本資料の研究・施設紹介,(2)欧州における日本学研究に関する活動やデータベースの紹介,(3)欧州での日本語教育の状況,その分析,(4)日本機関による日本資料に関する国外向けの活動やサービスの紹介,である。また本大会の大きな特徴としては開催の地リトアニア,とりわけ第二次世界大戦中にこの国で外交官として多くのユダヤ難民を救った杉原千畝に関する発表が複数あったことが挙げられるだろう。以下,筆者の発表および,関心を持った発表について紹介する。

ドイツの女性運動に関するデジタルアーカイブが公開される

ドイツの女性運動に関するデジタルアーカイブ“Digitale Deutsche Frauenarchiv”(DDF)が公開されています。同データベースには、ドイツの女性運動に関する図書や雑誌、書簡類、写真、音声資料、フェミニストの先駆者の遺贈資料等をデジタル化したものが登録されています。

同データベースでは、レズビアンや女性に関する資料を所蔵する、ドイツ、オーストリア、スイス、ルクセンブルク、イタリアのアーカイブや図書館、文書館など約40機関が連携し資料のデジタル化を進めています。ドイツの連邦家族・高齢者・女性・青少年省の助成により同データベースは整備・拡充されました。

プレスリリースによると、フェミニストに関する資料を所蔵する機関が共同して、ドイツの女性運動に関するポータルサイトを公開するのは今回が初めてであるとしています。

ドイツの“Library of the Year 2018”が授与される

2018年10月24日に、ドイツ図書館協会(Deutschen Bibliotheksverbandes:DBV)とドイツテレコム財団(Deutsche Telekom Stiftung)は、フランクフルト市立図書館(Stadtbücherei Frankfurt am Main)に第19回目となる“Bibliothek des Jahres(Library of the Year)”を授与しました。

同館のフランクフルト市内の学校図書館へのメディア教育等に関する支援の取組みが評価されたとのことです。

国立国会図書館、『調査と情報-ISSUE BRIEF-』で米・英・独・仏における公文書管理の監視・統制についてのレポートを公開

国立国会図書館の調査及び立法考査局は、2018年10月16日、『調査と情報-ISSUE BRIEF-』シリーズのNo.1017として、「公文書管理の監視・統制―米英独仏における制度―」を公開しました。

米・英・独・仏における公文書管理制度、公文書管理に対する監視体制、公文書管理に関する罰則等について概要がまとめられています。

公文書管理の監視・統制―米英独仏における制度―(PDF: 451KB)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11168210_po_IB1017.pdf?contentNo=1

参考:
国立国会図書館、『調査と情報-ISSUE BRIEF-』で行政機関における文書管理についてのレポートを公開
Posted 2018年2月27日
http://current.ndl.go.jp/node/35560

独・OA2020-DEとKnowledge Unlatched(KU)、購読型学術ジャーナルをオープンアクセス(OA)に転換する作業を実施中と発表

2018年10月9日、学術雑誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”のドイツにおける連絡窓口“OA2020-DE”とKnowledge Unlatched(KU)が共同で、購読型学術ジャーナルをOAに大規模に転換させる作業を実施していると発表しました。

国際コンソーシアムからの3年を超す期間の資金援助により、10の出版者の50のジャーナルを2019年からOAで提供する計画で、DEALプロジェクトの交渉による購読費用の節約で得た資金がこの計画のために充てられます。

参加出版者として、米国物理学協会、Berghahn社、Brill社、De Gruyter社 Emerald社、John Benjamins社等があげられています。

OA2020-DE and Knowledge Unlatched planning large-scale conversion of journals to Open Access(KU,2018/10/9)
http://knowledgeunlatched.org/2018/10/open-funding-2/

ドイツのアジア学に関するポータルサイト“CrossAsia”、ベルリン国立図書館所蔵「大塚文庫」を紹介するページを公開

2018年9月3日、ドイツのアジア学に関するポータルサイト“CrossAsia”が、ベルリン国立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)が所蔵する一橋大学名誉教授・大塚金之助氏の旧蔵書「大塚文庫」を紹介するページを公開しました。

「大塚文庫」は、和書約4,600タイトル、洋書約140タイトル、雑誌約150種からなるコレクションで、1962年から1986年にかけて、大塚氏自身及びその夫人により、ドイツ民主共和国国立図書館(当時。現・ベルリン国立図書館。)に寄贈された、和書を中心とした同氏の蔵書から構成されます。

“CrossAsia”は、ベルリン国立図書館が作成し、独・ハイデルベルク大学南アジア研究所及びハイデルベルグ大学図書館と共同で運営されています。

Neues Themenportal zur “Bibliothek Otsuka”(CrossAsia,2018/9/3)
https://blog.crossasia.org/neues-themenportal-zur-bibliothek-otsuka/

独・De Gruyter社、同社の創業以来の全ての出版物のデジタル化事業に関してベルリン国立図書館と協定を締結

2018年8月28日、独・De Gruyter社が、同社の270年間を超す出版活動での出版物推計5万冊の完全なデジタル化を実施する“De Gruyter Book Archive” (DGBA)事業に関して、ベルリン国立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)と協定を締結したと発表しました。

古くて希少な同社の出版物のデジタル化が完了するよう、同館が、同社の出版物を特別に貸出すものです。

調印式において、同館館長は、多様な研究資料を集めることは、同館の重要な目的であり、コレクションの欠落部を埋めることは、科学史の研究にプラスの効果をもたらすと述べています。

同社では、この協定により、2020年までにすべてのデジタル化作業が完了できるとしています。

E2055 - 納本制度70周年記念国際シンポジウム<報告>

2018年7月11日,国立国会図書館(NDL)は,日本の納本制度が70周年を迎えたことを記念し,東京本館において,国際シンポジウム「納本制度の過去・現在・未来-デジタル化時代における納本制度の在り方について-」を開催した。

独・マックスプランク協会、英国王立協会とオープンアクセス出版について合意

2018年8月22日、独・マックスプランク協会は、英国王立協会(Royal Society)とオープンアクセス(OA)出版について合意したと発表しました。

英国王立協会のOAジャーナルである“Open Biology”と“Royal Society Open Science”のAPC(論文処理加工料)が一括して支払われます。

New open access agreement with Royal Society(Max Planck Digital Library,2018/8/22)
https://www.mpdl.mpg.de/en/about-us/news/481-new-open-access-agreement-with-royal-society.html

国際図書館連盟(IFLA)、拡大集中許諾制度に関する報告書を公開

2018年8月7日、国際図書館連盟(IFLA)が、拡大集中許諾制度 (Extended Collective License)に関する報告書(background paper)を公開しました。

同制度による解決策が評価を得ていることから、その良い面と限界を認識し、現在の経験を活用するとともに将来の議論のための情報を提供する事を目的に作成されたものです。

報告書では、カナダ・中国・フランス・ドイツ・英国・米国・ノルウェー・スウェーデンを事例に、拡大集中許諾制度が効果的な解決策となるために必要と考えられる環境を概観しています。また、現実的な選択肢となるために必要な条件に関する推奨事項を明らかにしています。

Licensing as a solution to rights management? IFLA publishes extended collective licensing background paper(IFLA,2018/8/7)
https://www.ifla.org/node/62331

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