学術情報流通

E2018 - 「学術出版における透明性の原則と優良事例」第3版が公開

2018年1月,オープンアクセス学術出版協会(OASPA),Directory of Open Access Journals(DOAJ),出版倫理委員会(COPE),世界医学雑誌編集者協会(WAME)の出版関連4団体が「学術出版における透明性の原則と優良事例」(Principles of Transparency and Best Practice in Scholarly Publishing)の第3版を公開した。初版は2013年12月に公開されている。同原則は16の項目からなり,出版者が4団体に加盟する際の評価基準と位置付けられている。また,加盟後に原則を満たしていないことが判明した場合,4団体は当該出版者と連携してその事項に対処することとなっている。もし,当該出版者が対応不可能,あるいは,対応することを望まない場合,会員資格の停止や取り消しといった措置が取られる。本稿では,今回発表された第3版の概要を紹介するとともに, 2015年6月に公開された第2版との主な違いについてもあわせて触れておく。なお,第3版と第2版には項番にも大きな変更があることから,第3版の項目名の後に,丸括弧と算用数字を記載し,第2版における項番を示した。

E2017 - 永続的識別子に関する会議PIDapalooza 2018<報告>

2018年1月23日から24日にかけて,スペインのジローナにおいて,Crossref(CA1481参照),DataCite(E1537参照),ORCID(CA1740参照),米・カリフォルニア電子図書館(CDL)の主催する永続的識別子に関する会議であるPIDapalooza 2018が開催された。今回が2回目の開催で出版社,図書館関係者,学会,研究助成機関,永続的識別子(Persistent Identifier:PID)運営機関などから150名程度の参加があった。これは2016年開催の1回目よりも大幅に増加したということである。基調講演が2つ,3会場で並行してのセッションが48,その他10枚程度のポスター発表という構成で,PIDに関する取り組み事例の紹介や分野・業種の枠を超えての意見交換が行われた。日本からは,科学技術振興機構(JST)および国立情報学研究所(NII)から計4人が参加した。

スイス科学財団(SNSF)、オープンアクセス出版のための手続きの簡素化や対象の拡大を発表

スイス科学財団(SNSF)が、2018年4月1日からの論文や単行書のオープンアクセス(OA)出版のための手続きの簡素化や対象の拡大を発表しています。

APCs(論文処理加工料)のための助成の拡大、オンラインを通じたAPC助成のための申請の簡素化のほか、プロジェクト終了後の遡っての申請も認められ、助成額の上限も撤廃されます。

また、単行書のOA出版のための費用BPCs(Book Processing Charge)及び単行書の章単位のOA出版のための費用BCPCs(book chapter processing charges)への助成申請も開始されます。

SNSF simplifies Open Access publishing(SNSF,2018/3/28)
http://www.snf.ch/en/researchinFocus/newsroom/Pages/news-180328-snsf-simplifies-publishing-open-access.aspx

ジャパンリンクセンター(JaLC)、「ジャパンリンクセンター ストラテジー 2017-2022を実現するためのロードマップ」を公開

2018年4月18日、ジャパンリンクセンター(JaLC)が、「ジャパンリンクセンター ストラテジー 2017-2022を実現するためのロードマップ」をウェブサイトで公開しました。

同ロードマップは、「ジャパンリンクセンター ストラテジー 2017-2022」に記載された各項目を実現するための道筋で、2018年3月に決定されたものです。

お知らせ(JaLC)
https://japanlinkcenter.org/top/news/index.html
※「2018年04月18日 運営委員会 ストラテジー に、「『ジャパンリンクセンター ストラテジー 2017-2022』を実現するためのロードマップ」を掲載いたしました。」とあります。

奈良文化財研究所、都道府県別の発掘調査報告書総目録の第一弾として兵庫県編を公開

2018年4月17日、奈良文化財研究所は、都道府県別の発掘調査報告書総目録の第一弾として、兵庫県編を公開しました。

発掘調査報告書から遺跡地図などに至るまで、史跡や埋蔵文化財に関わる調査成果を記載した冊子体を収録しており、収録件数は3,241件です。PDF形式とExcel形式で公開されています。

CiNii Booksと国立国会図書館サーチの書誌情報を同定して、CiNii Booksの国立情報学研究所書誌番号(NCID)、国立国会図書館の全国書誌番号(JP番号)、奈良文化財研究所の書誌ID、全国遺跡報告総覧のIDをそれぞれ掲載し、また発掘調査報告書総目録の管理番号を付与しています。

報告書の総数が明らかになり、地域の発掘調査報告書を網羅的に把握できること、各機関の書誌が同定され、各機関の所蔵状況を確認できること、などの効果が期待されるとしています。

保全・生態学分野におけるAltmetricスコアと被引用数の関係 相関はあるも近年は減少?(論文紹介)

保全・生態学(Ecology and Conservation)分野におけるAltmetricスコアと被引用数の関係を分析した論文” Tweet success? Scientific communication correlates with increased citations in Ecology and Conservation”が、PeerJ誌に2018年4月12日付けで掲載されています。著者はカナダ・アルバータ大学のClayton T. Lamb氏らです。

同論文ではAltmetricスコアを科学コミュニケーションの指標とみなし、その被引用数(Scopusから取得)との関係を分析しています。結果から、保全・生態学分野において、Altmetricスコアと被引用数の間には正の相関関係があったとしています。一方で、2005~2009年に比べて、2010~2015年のAltmetricスコアから被引用数への影響度は下がっているともされています。

インド大学助成委員会、剽窃に関し文章の類似度に応じた罰則規定を導入(記事紹介)

2018年4月9日付けのサイエンス誌オンライン版で、インドの大学助成委員会(UGC India)が新たに導入した、学術著者における剽窃の罰則規定と、研究者らの反応が紹介されています。

UGC Indiaは高等教育・すべての大学を監督する機関です。新たな罰則規定によれば、学生の学位論文や教員の論文について、他の論文等との類似度が10%以下の場合は、剽窃とはみなされず、なんらの処罰もありません。類似度が10~40%の場合は、当該著作は剽窃とみなされ、学位論文の場合は再提出が、教員の場合は剽窃論文の撤回が要求されます。類似度が40~60%の場合は上記に加え、学生であれば1年の追加での在籍が要求され、教員の場合は1年間昇給が停止され、2年間学生の指導が禁止されます。類似度が60%以上の場合は学生は学位プログラムから排除され、教員は2年間の昇給停止・3年間の学生指導禁止を要求される、とのことです。

SCOAP3、オープンアクセス論文が20,000件に達したことを発表

2018年4月12日、高エネルギー物理学分野のオープンアクセス(OA)プロジェクト“SCOAP3”が、公開したOA論文が20,000件になったと発表しています。

OA論文は全てCC BYで公開されており、出版社のウェブサイトとSCOAP3のリポジトリの両方からアクセスすることができます。最近では米国物理学会(APS)が発行するジャーナル3誌が追加され、これによりSCOAP3のリポジトリは高エネルギー物理学分野の雑誌出版の約90%を網羅したとしています。

SCOAP3 celebrates the publication of its 20,000th Open Access article(SCOAP3,2018/4/12)
https://scoap3.org/20000_scoap3_articles/

SCOAP3 Repository
http://repo.scoap3.org/

Budapest Open Access Initiative発表15周年を記念して実施されたオープンアクセスに関するオンライン意見調査の報告書が公開

2018年4月12日、2017年にBudapest Open Access Initiative(BOAI)発表15周年を迎えるにあたって実施されたオープンアクセス(OA)に関するオンライン意見調査の報告書が公開されました。

OAの進捗状況やOA普及の妨げを把握することを目的に実施された調査で、報告書では、宣言発表時点でのOAへの誤解や理解不足は後退し、OAは広く受け入れられているものの、現在では、どのようにOAを実現させるかが懸念事項となっており、調査から浮かび上がった主要な課題として、OA化に対する研究者へのインセンティブ・便益の欠如、論文処理加工料(APC)等のOA化のための資金不足の2点を指摘し、今後の戦略的課題として、この2点の課題解消への努力の必要性を述べています。

BOAI 15 Survey Report(2018/4/12)
https://doi.org/10.17605/OSF.IO/ZNF2W

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