学術情報流通

科学技術振興機構、J-STAGEの画面リニューアルを発表

2017年11月25日、科学技術振興機構(JST)が、J-STAGEの画面リニューアルを発表しています。

次期システムへの意見を募集するためにモデル誌3誌のみで試験公開していたJ-STAGE評価版を、J-STAGE搭載全誌に適用させたものです。

新画面には、ランキング表示、メタデータダウンロード、SNS・文献管理ツール等との連携、著者関連情報の表示、引用文献のマウスオーバー表示、モバイル対応、インパクトファクターの表示等といった機能があります。

J-STAGE画面をリニューアルしました。(J-STAGE,2017/11/25)
https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/News/TAB1/Current/Page1/-char/ja

約400回引用されているのに実は存在しない幻の論文”The art of writing a scientific article” 正体はElsevierの執筆ガイドラインのコピー(記事紹介)

2017年11月14日付けのRetraction Watch記事で、英国・ミドルセックス大学のAnne-Wil Harzing教授がブログで取り上げた「幻の論文への引用」が紹介されています。

Harzing教授はオランダ・ライデン大学のPieter Kroonenberg教授から「幻の論文への引用」の話を聞き、実態を調査しました。Kroonenberg教授が発見した「幻の論文」とは、”Journal of Science Communications”という雑誌に掲載された、”The art of writing a scientific article”という論文です。この論文は多くの他の論文から引用されており、被引用数の合計は約400回にものぼりましたが、Kroonenberg教授が調べたところ、そんな論文はどうも実在せず、それどころか”Journal of Science Communications”という雑誌自体、存在しなかったということです。

文部科学省、第9期研究費部会(第4回)の配布資料を公開 日本のオープンアクセス誌掲載論文数は増加、うち多くは科研費が関わる

文部科学省が、2017年10月31日に開催された、科学技術・学術審議会学術分科会 第9期研究費部会(第4回)の配布資料を公開しています。

公開された資料のうち、科学技術・学術政策研究所の科学技術・学術基盤調査研究室による報告「科学研究費補助金事業データベース(KAKEN)からみる研究活動の状況」の中で、科学研究費補助金(科研費)が関わる論文の推移等が扱われています。同報告によれば、日本の論文の多くに科研費が関与しており、2011~2013年の3年平均で論文全体の50%以上、被引用数トップ10%論文の60%以上に科研費が関わっていたとのことです。ただし、科研費が関与している論文の伸び率は近年、減少しています。

また、近年ではオープンアクセス(OA)雑誌に発表される論文が日本においても急増しており、2013年には10,000本を超えていました。そのうち過半数に、科研費が関与していたとのことです。

第9期研究費部会(第4回)ではそのほかに自然科学研究機構の小泉周特任教授による、大学の研究力評価にh-indexの考えを導入する案に関する発表も行われており、資料が公開されています。

E1971 - 第1回SPARC Japanセミナー2017<報告>

2017年9月13日,国立情報学研究所(NII)において第1回SPARC Japanセミナー2017「図書館員と研究者の新たな関係:研究データの管理と流通から考える」が開催された。

ORCID,Inc、ORCIDコンソーシアムのORCIDに対する意識調査の報告書を公開

2017年11月14日、ORCID,Incが、ORCIDコンソーシアムのORCIDに対する意識調査の報告書“ORCID Consortia Survey Report 2017”を公開しました。

国・地域レベルでのORCID導入拡大を目指して開始されたORCIDコンソーシアムの制度が、2014年後半の開始から3年経過したことから、各コンソーシアムのORCIDへの認識や期待について理解するために実施したものです。

調査は2017年5月10日から6月28日まで行われ、ORCIDコンソーシアムを主催する12の機関の16人から回答を得ました。

得られた主な知見として、

・「年会費の割引」「スケールメリット」「研究者等のORCIDの認識拡大」がコンソーシアム結成理由である
・多くのコンソーシアムで具体的な目標があるものの、正式の方針を示した文書や、目標達成のための進捗を管理する組織を持っていない
・研究情報管理(RIM)システムや機関リポジトリに導入している所が多い
・研究者の関与・IT資源へのアクセス・システムベンダーによる支援といった社会的・技術的課題の複合的な要因がORCID採用の障壁となっている
・ORCIDコンソーシアムの中核的な機能はアウトリーチ活動

Springer Nature、学術書のOA化が利用に与える影響に関するホワイトペーパーを公開 被引用数は1.5倍、ダウンロード数は7倍、被言及数は10倍

2017年11月7日、Springer Nature社は学術書のオープンアクセス(OA)化が利用に与える影響についてまとめたホワイトペーパー“The OA effect: How does open access affect the usage of scholarly books?“を公開しました。

このホワイトペーパーは同社が刊行するOAの学術書と非OAの学術書について、ダウンロード数、被引用数、Web上での被言及数の推移を比較した第一部と、OAで学術書を出版した著者や助成機関関係者に対するインタビューに基づく第二部から構成されます。

このうち第一部の量的比較では、出版後の年月や分野をそろえた上で、OAの学術書と非OAの場合を比べています。全体の平均としては、OAの学術書は非OAの学術書に比べ、被引用数が1.5倍、ダウンロード数は7倍、Web上での被言及数は10倍に至っていたとのことです。

国立情報学研究所、次世代リポジトリソフトウェア開発に着手したことを発表 欧州原子核研究機構、物質・材料研究機構と連携

2017年11月7日、国立情報学研究所(NII)が欧州原子核研究機構(CERN)、物質・材料研究機構(NIMS)と連携し、次世代リポジトリソフトウェア「WEKO3」の開発に着手したことが発表されました。

NIIはWEKOを文献のみならず、研究データを含む幅広い学術成果公開のプラットフォームとするべく、CERNが開発した汎用リポジトリソフトウェア「Invenio」をもとに、WEKO3を開発するとのことです。機能の拡張性・運用性能の向上に加え、大規模データにも対応可能なシステムとなるとされています。

オープンサイエンス時代の次世代リポジトリソフト開発に着手 国立情報学研究所が欧州原子核研究機構と共同で/物質・材料研究機構も連携(NIMS、2017/11/7付け)
http://www.nims.go.jp/news/press/2017/11/201711070.html

AIがあなたの論文の草稿を書いてくれるソフトウェアがリリースされる 何がまずいのか?(記事紹介)

2017年11月9日付けのRetraction Watch記事で、フリーの電子研究ノートサービス”sciNote”に導入された、”Manuscript Writer”機能に関して取り上げられています。

”Manuscript Writer”は研究データ・結果等を登録すれば、AIが論文の「はじめに」部分等の草稿を作成してくれるという機能です。ただし、「考察」等のオリジナリティの高い部分は研究者自身が書かねばならず、作成できるのはデータや研究ノートから機械的に生成できる「手法」や「研究材料」等についてと、先行研究等を関連ワードから特定し、そのうちオープンアクセス文献等の内容をまとめることで生成される「はじめに」の部分のみになります。

Retraction Watchの記事ではsciNote社の広報のほか、ニューヨーク大学でジャーナリズムを研究しているCharles Seife教授など、このトピックに詳しいと考えられる研究者へのインタビューを掲載しています。Seife教授は一部で”paper mills”(製紙工場)と呼ばれる、論文をほとんど同じフォーマットで、用語のみ変更して機械的に生産する集団について調査していた経験を持ちます。

Open Scholarship Initiative、2017年会合のレポートを公開

Open Scholarship Initiativeが2017年4月に米ワシントンで開催した会合、OSI2017の詳細なレポートが、2017年11月上旬から公開されています。

OSIは学術情報流通の改善のために、関係者間の国や組織等の垣根を超えたコミュニケーションを実現するために、2016年初頭にUNESCO等が立ち上げた活動です。2017年の会合では「助成モデル」、「機関リポジトリ」、「査読」、「OA推進のための昇進・テニュア獲得の在り方」等のトピックごとに分かれたワーキンググループの会合と、「雑誌編集者」、「出版者」等の各ステークホルダーごとの会合のレポートの2種類が行われました。今回公開されたレポートでは、それぞれの会合の詳細について個別にまとめられています。

Open Scholarship Initiative Proceedings Vol 2 (2017)
https://journals.gmu.edu/osi/issue/view/201

スウェーデンの助成機関クヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団が研究助成機関が運用するオープンアクセス誌eLifeに参加

2017年11月9日、オープンアクセス(OA)誌eLifeは新たなにスウェーデンの助成機関、クヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団がeLifeの取り組みに参加することを発表しました。

eLifeは英国のウェルカムトラスト、米国のハワードヒューズ医学研究所、ドイツのマックスプランク協会が創刊した、研究成果公開体制の改革を目指すOA誌です。近年ではオープンソースの出版システム・モジュール開発にも注力しています。

クヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団はスウェーデンの資産家、ヴァレンベリ家が設立した財団の一つで、教育・研究分野に対し年間240億スウェーデン・クローナ(約3,250億円)を助成する、ヨーロッパで最も大きい民間助成団体のうちの一つでもあります。同財団は2018年からeLifeに参加し、4年間で2,900万スウェーデンクローナ(約3億9千万円)を拠出するとしています。

ページ