学術情報流通

査読登録サービスPublonsがTaylor & Francis社とのパートナーシップ締結を発表

2018年3月20日、研究者の査読レポート等を登録できるサービスPublonsが、Taylor & Francis社とパートナーシップを結んだことを発表しました。最大250のTaylor & Francis社発行誌でPublonsのサービスが利用できるようになります。

PublonsとTaylor & Francis社は2017年4月から、30誌を対象にパイロットを行っていました。その結果、研究コミュニティにおいてPublonsへの需要が高いことが確認され、対象誌を拡大してのパートナーシップ締結に至ったとのことです。

文化庁、『埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入について2』(報告)を公開

文化庁が、埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会が2017年9月25日付けでまとめた『埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入について2』(報告)を公開しています。

この報告書では、2017年3月31日付けの『埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入について 1』(報告)で示された、埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入全般に関する考え方に則り、発掘調査報告書のデジタル化について検討しています。発掘調査報告書の本来的なあり方を確認するとともに、デジタル技術の効果的な利用について提言しており、発掘調査報告書の形態や配布・保管・管理、利活用などに言及しています。

全国遺跡報告総覧:文化庁が『埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入について2』(報告) を公開(なぶんけんブログ, 2018/3/26)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2018/03/bunkadigital.html

東北大学、オープンアクセス方針を公開

東北大学が「東北大学オープンアクセス方針」および「東北大学オープンアクセス実施要領」を公開しています。前者は2018年3月13日運営企画会議承認、後者は2018年2月21日附属図書館商議会承認とのことです。

オープンアクセス(OA)方針および実施要領によれば、対象は教員(常勤の教授、准教授、講師、助教、助手。特定有期も含む)を著者とする、学術雑誌に掲載された論文で、学外研究者との共同研究成果も含むとされており、特に資金の限定はありません。また、公開手段としては東北大学機関リポジトリを用いるとしています。

また、OA方針では「本学は、本学のオープンアクセスがその趣旨に照らし有効に機能しているか、絶えず検証する」と、OAに関するモニタリングを行う旨が明記されています。実施要領によれば、東北大学附属図書館オープンアクセス委員会が、機関リポジトリへの登録状況と大学情報DBへの登録状況を照らし合わせることで実施状況を確認するとされています。

Springer Compact(オフセット契約)によるオープンアクセス(OA)の状況

2018年3月22日、オープンアクセス(OA)におけるAPC(論文処理加工料)の透明性が高く、効率的な管理体制の構築を目的とするドイツの団体INTACTが、Springer Nature社のオフセット契約モデルSpringer CompactによるOAの実現状況に関する調査結果をブログで公開しました。

オフセット契約とは電子ジャーナルのビッグディール費用とAPCを一括して機関が支払うモデルです。INTACTの調査では、オーストリアの大学図書館協会、ドイツのマックス・プランク・デジタル・ライブラリ(MPDL)、オランダのVSNU、スウェーデンのBibsamコンソーシアム、そしてイギリスのJISCのデータを用い、2016~2017年のSpringer Compact対象雑誌について、OA論文の割合や、そのうちオフセット契約の結果OAになったものの割合等を調査しています。

匿名の研究者により続けられる「ハゲタカ出版」の監視(記事紹介)

2018年3月16日付けでオンライン公開されたNature誌記事”The undercover academic keeping tabs on ‘predatory’ publishing”において、単なる“金もうけ”の疑いのある、いわゆる「ハゲタカ出版」のリストを更新し続けている研究者に取材した様子や、研究者らの間でのリストへの需要の高さが紹介されています。

「ハゲタカ出版」のリストは元々、米国コロラド大学デンバー校図書館のJeffrey Beall氏が自身のブログで公開・更新していましたが、2017年1月に突如、削除されてしまいました。雇用主である大学からなんらかの圧力があったことが理由とBeall氏は述べています(大学当局は否定)。

Beall氏のリストの公開停止直後から、リストのコピーはインターネット上に複数、公開されていますが、1年以上が経った現在において、そのうち少なくとも1件は元のままではなく、新たな出版者・雑誌を加える等、更新されています。更新されているリストを公開しているサイトの運営者は明かされていませんが、Nature誌はこの匿名の運営者に取材を申し込み、運営者はハラスメントへの懸念から名前を明かさないとしつつも、取材に応じました。

米国化学会(ACS)、化学分野のプレプリントサーバーChemRxivを支援するため、英国王立化学会(RSC)、ドイツ化学会(GDCh)と提携

2018年3月20日、米国化学会(ACS)は、化学分野のプレプリントサーバーChemRxivの財政的・戦略的発展を支援するため、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry:RSC)、ドイツ化学会(Gesellschaft Deutscher Chemiker:GDCh)と提携することを発表しました。

剽窃のチェックなどの新しい機能も実装されるようです。

この提携により、ChemRxivは化学分野の研究コミュニティによるプレプリントサーバーとなり、引き続きChemRxivが維持され、化学コミュニティのニーズを満たすことができるだろうとしています。

E2012 - 学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性

2017年11月,Digital Science社は,学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性に関するレポート“Blockchain for Research - Perspectives on a New Paradigm for Scholarly Communication”を公開した。ブロックチェーンは,仮想通貨ビットコインの中核技術として発案された。すべての取引記録が,サーバのような機能を有するビットコイン使用者のPCに分散して同期・保存されるので,その改ざんは極めて難しく,また中央集権的なシステムとは違いシステムダウンの心配がなく堅牢性が高い。すべての取引記録は暗号化されて保存されるため,公開されてはいるが匿名性はほぼ保持される。また契約を自動的に執行するスマートコントラクトをブロックチェーン上で利用すれば,あらかじめ定めたとおりに自動的に取引を執行することもできる。ブロックチェーンは最近,教育・医療などの分野でその適用が模索されており,また出版業,小売業・製造業などの業界にも大きな影響を与えている。このレポートでは,学術コミュニケーションや研究一般を変容させうるブロックチェーンの可能性に焦点を当て,学術コミュニケーションの課題,それへのブロックチェーン適用の可能性,適用に際しての注意点などを,ブロックチェーンの最近の活用事例を交えながらまとめている。これらのうち,本稿では,ブロックチェーン適用の可能性を中心に紹介する。

E2011 - 次世代リポジトリの機能要件および技術勧告

2017年11月28日,オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の次世代リポジトリワーキンググループは,「次世代リポジトリの機能要件および技術勧告(Next Generation Repositories Behaviours and Technical Recommendations of the COAR Next Generation Repositories Working Group)」を発表した。同報告書には,次世代リポジトリとしての11の機能要件とその機能要件に関係する技術勧告が示されている。同ワーキンググループは,次世代リポジトリのビジョンを「リポジトリを,分散型でグローバルにネットワーク化された学術コミュニケーションのインフラストラクチャの基礎として位置付け,その上に付加価値サービスを積み重ね,それにより(商業出版社に支配された)既存のシステムを,より研究中心的で革新的な,学術コミュニティによって共同管理されたシステムに,変えていくこと。」と定義している。次世代リポジトリは,従来の人間によるアクセスだけでなく機械的な処理が可能であることを重視しており,11の機能要件は付加価値サービスおよび機械アクセスを強く意識した内容である。以下,11の機能要件と,関係する技術勧告を挙げる。

学術情報XML推進協議会、雑誌記事をXML形式で記述する“Journal Article Tag Suite(JATS)”バージョン1.1の「要素(Elements)」部分の日本語版を公開

2018年3月14日、学術情報XML推進協議会(XML Scholarly Publishing Association:XSPA)は、学術論文などの雑誌記事をXML形式で記述するための共通規格“Journal Article Tag Suite(JATS)”のバージョン1.1(ANSI/NISO Z39.96-2015)のうち、タグライブラリの「要素(Elements)」部分の日本語版を公開しました。

引き続き、「属性(Attributes)」部分の日本語訳を進める予定とのことです。

Public Knowledge Project(PKP)、最初の20年間の活動を振り返る報告書を公開

オープンソースの電子ジャーナル出版システム“Open Journal Systems(OJS)”等を開発・提供しているPublic Knowledge Project(PKP)が、活動開始から20年を過ぎたことを受け、最初の20年間を振り返る報告書”Understanding the Audience of the Public Knowledge Project’s Open Source Software”を公開しています。

同報告書は開始から20年を経たPKPが、今後どのような方向を目指して活動していくかを考えるために、外部団体の助成を受け実施した、利用者コミュニティ等へのヒアリングを中心とするコンサルテーションの結果をまとめたものです。報告書では専門家パネルや50人の個人に対するインタビュー、カンファレンスの開催等を通じて、PKPが開発・提供するOJSは広く活用され、価値あるものとなっていることが確認されたとしています。一方で、PKPの問題点として、OJSの更新速度の遅さに対する利用者のフラストレーション、OJSに関連するサービスや、OJS以外に提供しているソフトウェアの認知度の低さ、オープンソースソフトウェアでありながら「閉鎖的な」プロジェクトと思われていること、等が指摘されています。

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