学術情報流通

ITHAKA、教職員の情報行動に関する定期調査の結果を発表

PorticoやJSTORを運営する非営利団体ITHAKAは2000年から、学術図書館、出版者、学会等に影響を及ぼす教職員の情報行動の変化について、3年ごとに調査を実施してきました。このほど、最新の2009年の調査結果が報告書にまとめられ、公表されました。主な結果として下記のようなことが挙げられています。

・ここ数年で、基本的な学術情報の利用実践が変化した。
・教職員が学術資料のデジタル版に依存するようになり、図書館には新しいチャンス、出版者には新たなビジネスモデル、情報の保存には新たな課題がもたらされた。
・出版者、学会、図書館、教職員等はこれまで、学術コミュニケーションを改革しようと取り組んできたが、根本的に保守的な教職員の姿勢が、体系的な変化を妨げ続けている。

Faculty Survey 2009
http://www.ithaka.org/ithaka-s-r/research/faculty-surveys-2000-2009/faculty-survey-2009

Faculty Survey 2009: Key Strategic Insights for Libraries, Publishers, and Societies(報告書本文)

人文・社会科学分野の電子書籍におけるオープンアクセスモデルの現況調査

人文・社会科学の学術図書のオープンアクセスを推進する欧州のコンソーシアム“Open Access Publishing in European Networks(OAPEN)”が、人文・社会科学分野の電子書籍におけるオープンアクセスモデルの現況を調査し、その結果をまとめた報告書(“Overview of Open Access Models for eBooks in the Humanities and Social Sciences”)を発表しています。これは、各国の出版社のウェブサイトやプレスリリース、学術論文などを調査し、オープンアクセスのビジネスモデルや出版モデルのスナップショットを抽出することを目的としています。この報告書はあくまでスナップショットに過ぎず、今後も内容をアップデートしていくため、間もなくWikiを立ち上げ、報告書の内容を更新していくということです。

Overview of Open Access Models for eBooks in the Humanities and Social Sciences
http://www.oapen.org/images/OpenAccessModels.pdf

About Open Access Book Publishing(このページがWikiとして再整備される予定)

キャンパス内でオープンアクセス基金を立ち上げるためのガイド

米国のSPARCが、キャンパス内にオープンアクセスのための基金を立ち上げるために役立つ知識や実践例を集約したウェブページを開設しています。

Campus-based Open-access Publishing Funds
http://www.arl.org/sparc/openaccess/funds/index.shtml

New SPARC release: Guide to exloring campus-based OA funds
- OA Librarian 2010/3/4付けの記事
http://oalibrarian.blogspot.com/2010/03/new-sparc-release-guide-to-exloring.html

ケンブリッジ大近辺のパブで案が練られた、「科学におけるオープンデータの原則」

2009年に英国のケンブリッジ大学の近辺にあるパブ“Panton Arms”で、同大学の関係者らによって初稿が練られ、その後、非営利団体Open Knowledge Foundationのオープンデータ・ワーキンググループも参加して内容を修正してきた、科学におけるオープンデータの原則が発表されました。この原則は、“Panton Principles for Open Data in Science”(科学におけるオープンデータのためのPanton原則)と名付けられ、現在支持者を募集中です。

この原則は、科学的データの法的地位は明確にされるべきであること、コンテンツ・ライセンスは科学的データには適切でないこと、といった立場に立っています。

Panton Principles
http://pantonprinciples.org/

Launch of the Panton Principles for Open Data in Science and ‘Is It Open Data?
- Open Knowledge Foundation Blog 2010/2/19付けの記事
http://blog.okfn.org/2010/02/19/launch-of-the-panton-principles-for-open-data-in-science/

Science Commons、オフィシャルTシャツコンテストの結果発表

クリエイティブ・コモンズによる研究成果の可視性を高めるためのプロジェクト“Science Commons”は公式Tシャツのデザインコンテストを実施し、その結果がこのほど発表されました。受賞作は、ロボットとクリエイティブ・コモンズを参照できるQRコードから成るデザインとなっています。

Science Commons T-shirt Contest
- Common Knowledge 2010/2/21付けの記事
http://scienceblogs.com/commonknowledge/2010/02/science_commons_t-shirt_contes.php

Design a new t-shirt for Science Commons and win a trip to Seattle to attend Science Commons Symposium – Pacific Northwest!
- Science Commons Blog 2010/1/27付けの記事

E1020 - 分野やキャリアによる学術コミュニケーション手法の違い

米国カリフォルニア大学バークレー校の高等教育研究センターは,2010年1月に,学術コミュニケーションの将来についての調査“Assessing the Future Landscape of Scholarly Communication”の最終報告書を公表した。考古学,宇宙物理学,生物学,経済学,歴史学,音楽,政治科学の7分野について,45機関の研究者 160人にインタビュー調査をした結果に基づくもので,研究者の学術コミュニケーションの手法等を,キャリア形成も絡めて分析している。報告書の内容は多 岐にわたるが,その一部を紹介する。・・・

オープンアクセス誌出版のためのオンラインガイド

スウェーデンのCo-Action Publishingとルンド大学図書館が、オープンアクセス誌出版のためのオンラインガイド(英語)を作成し公開しています。独自のオープンアクセス誌を発行しようとする人たちのために実務的な情報とツールを提供することを目的としており、計画(Plan)、準備(Set Up)、発刊(Launch)、発行(Publish)、管理(Manage)の各段階についてのガイドが掲載されています。

Welcome to the Online Guide to Open Access Journals Publishing
http://www.doaj.org/bpguide/

論文の収集とウェブ提供の無料サービス“Open Thesis. org”がスタート(米国)

研究者や大学から収集した論文をウェブ上でアクセス、共有可能にする新しいサービス“Open Thesis. org”が米国でスタートしました。研究者が自分で論文を登録することができるほか、大学が“Open Thesis. org”内に大学のマイクロサイトを作って、PRに役立たてること等ができるということです。研究者に対して、紙の論文のスキャニングガイダンスも行う予定です。集めた論文のデータは、消失防止のためのデータの複製と、データフォーマットのマイグレーションという2つのやり方で、将来の利用に備えて保存されます。なお、このサービスは無料で利用可能です。

プレスリリース
http://www.prweb.com/releases/2010/01/prweb3523094.htm

Open Thesis. org
http://www.openthesis.org/

SCOAP3、必要経費の3分の2を確保

図書館・研究所・助成機関がこれまで学術雑誌の予約購読費に使っていた資金を転用する形で国単位の分担金を集め、高エネルギー物理学分野の全ての文献をオープンアクセス化することを目指しているSCOAP3に対し、9つの米国の大学が新たに支援を表明しました。これによりSCOAP3は、目的達成に必要な経費の3分の2をカバーする総額6,800万ユーロの資金を確保したことになりました。

02/02/2010, SCOAP3 support crosses the two-thirds mark: U.S. libraries lead the way
http://scoap3.org/news/news73.html

参照:
E812 高エネルギー物理学は再び学術情報流通に革新をもたらすか?
http://current.ndl.go.jp/e812

「学術コミュニケーションの将来」についての研究の報告書(米国)

米国カリフォルニア大学バークレー校の高等教育研究センター(Center for Studies in Higher Education: CSHE)は、同センターが実施してきた“The Future of Scholarly Communication”プロジェクトの最終報告書を公表しています。研究者の研究活動中の学術コミュニケーションについて調査したもので、考古学、宇宙物理学、生物学、経済学、歴史学、音楽、政治科学の7分野の研究者160人への面接調査を実施したとのことです。

Assessing the Future Landscape of Scholarly Communication: An Exploration of Faculty Values and Needs in Seven Disciplines(全部で733ページ)
http://escholarship.org/uc/cshe_fsc

The Future of Scholarly Communication
http://cshe.berkeley.edu/research/scholarlycommunication/index.htm

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