学術情報流通

E1129 - 学術雑誌を電子媒体のみとするための課題と提言(英国)

 2010年11月,英国研究情報ネットワーク(RIN)は,「電子媒体のみの学術雑誌:課題を乗り越えて」(E-only scholarly journals: overcoming the barriers)と題するレポートを公開した。これは,RINや情報システム合同委員会(JISC),出版社協会等,英国の学術情報流通に関わる13を超える機関・団体が合同で行っている「学術コミュニケーションにおける変化」(Transitions in scholarly communications)をテーマとした研究プロジェクトの成果の一つである。このプロジェクトは,学術コミュニケーションにおける様々な技術的変化の本質とその意味,そしてそれぞれの変化の間の関係について明らかにすることを目的に掲げている。...

投稿料が学術雑誌のオープンアクセス化で果たす役割について調査した報告書が公開される(英国)

2010年12月3日付けの英国情報システム合同委員会(JISC)のニュースによると、JISCがKnowledge Exchangeに委託して実施した研究の報告書“Submission fees -- A tool in the transition to Open Access?”が公開されているようです。これは、学術雑誌への投稿料(Submission fees)がオープンアクセスジャーナルのビジネスモデルにとって果たす役割について調査したもので、その結果、特に論文がリジェクトされる比率の高い雑誌にとっては、投稿料の制度は出版社に利益をもたらすこと等が明らかになったようです。

Submission Fees - A tool in the transition to open access? Summary of report to Knowledge Exchange
http://knowledge-exchange.info/Admin/Public/DWSDownload.aspx?File=%2fFiles%2fFiler%2fdownloads%2fOpen+Access%2fKE_Submission_fees_Short_Report_2010-11-25.pdf

Report on Submission fees

研究者にとって重要な情報のタイプとは? 英国出版研究コンソーシアムがレポートを公表

2010年12月7日付けのKnowledge Speakの記事によると、英国の出版研究コンソーシアム(Publishing Research Consortium:PRC)が、研究者にとって重要な情報のタイプは何かについてまとめたレポートを公開したようです。これは、世界3,800人以上の研究者からの回答を基に作成されたもので、それによると、すべての研究分野において最も重要と考えられているのが学術雑誌であったとのことです。また、回答者の93%が、それら学術雑誌へのアクセスが「大変容易である」「やや容易である」と回答したのに対して、データセット等は、重要な情報のタイプとみなされながらも、アクセスが難しいと考えられていることが明らかになったようです。

Access to Journal Articles - Global Results Published (2010/12付け PRCのプレスリリース)
http://www.publishingresearch.net/documents/PRCPressReleaseAccessImportanceDec2010.doc

EUが助成した研究成果をオープンアクセスで提供するリポジトリ連携“OpenAIRE”

2010年12月2日、欧州委員会(EC)のプレスリリースによると、EUが助成した研究成果をオープンアクセスで提供するリポジトリを連携させる“OpenAIRE”(Open Access Infrastructure for Research in Europe)が公開されたようです。OpenAIREを通じて提供される研究分野は、保健、エネルギー、環境、ICT及び研究インフラに関するものの一部、社会科学、人文科学、「社会における科学」等のようです。

OpenAIRE
http://www.openaire.eu/

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、学術雑誌の価格抑制を求める声明を発表

英国の大学図書館や研究図書館で構成される英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が、2010年11月25日付けで、学術雑誌の価格抑制を求める声明を発表しています。現在の厳しい予算状況下では出版社が価格を下げない限り図書館側は多くの出版物の購読をキャンセルせざるを得ず、それは英国の研究能力を損なうことになる、としています。この件を扱った同日付のWall Street Journal紙の記事には出版社側のコメントも掲載されており、Elsevierの広報担当者の、図書館に対し費用削減のため(紙版と電子版の両方から)電子版のみの購読に移行するための働きかけをしている、などのコメントも紹介されています。

RLUK Calls for Journal Pricing Restraint(2010/11/25付けRLUKのプレスリリース。全文(wordファイル)へのリンクあり)
http://www.rluk.ac.uk/content/rluk-calls-journal-pricing-restraint

Price Increases Put U.K. Libraries in a Bind(2010/11/25付けWall Street Journalの記事)

学術雑誌を電子版のみとするための課題と提言をまとめたレポート(英国)

英国の研究情報ネットワーク(RIN)は、英国において学術雑誌を電子版のみとするための課題と提言をまとめたレポート“E-only scholarly journals: overcoming the barriers”を公開しています。学術雑誌が電子版と紙版の両方で発行されていることにより、出版から利用までの各段階で余分なコストを発生させているとし、電子版のみに移行するための課題と、出版社・図書館等の関係者への提言をまとめたものです。最大の課題は、出版社の価格設定方針と電子ジャーナルへの付加価値税(VAT)に関連するものであるとしています。なお、この調査は、“Transitions in scholarly communications”と名付けられた、英国の様々な研究機関による学術情報に関する調査プロジェクトの一つとして行われたものです。

E-only scholarly journals: overcoming the barriers - report
http://www.rin.ac.uk/system/files/attachments/E-only_report_for_screen.pdf

“Academia.edu”、研究分野の雑誌の「フォロー」が可能に

2010年11月25日付けのTechCrunchに、研究者のためのソーシャルネットワーク“Academia.edu”に関する記事が掲載されています。それによると、Academia.eduには、12,500種の専門誌について、例えば「生物学」といった研究分野別のディレクトリが構築されており、利用者はその分野の雑誌を「フォロー」することができるとのことです。

Academia.edu
http://www.academia.edu/

12500種の学術専門誌のソーシャルな目録を作ったAcademia.edu, ユーザは愛読誌を’フォロー’できる (2010/11/25付け TechCrunchの記事)
http://jp.techcrunch.com/archives/20101124academia-edu-launches-a-directory-of-12500-academic-journals/

“DART-Europe”への登録大学数が300を突破

2010年11月22日、欧州研究図書館連盟(LIBER)の発表によると、欧州の電子学位論文統合ポータルサイト“DART-Europe”への登録大学数が300を超えたようです。その300番目の登録大学は、イタリアのボローニャ大学“Università di Bologna”とのことです。現在、DART-Europeのポータルサイトには、184,438件の学位論文が登録されているとのことです。

The DART-Europe E-theses Portal
http://www.dart-europe.eu/basic-search.php

DART-Europe registers its 300th University (2010/11/22付け LIBERのニュース)
http://www.libereurope.eu/node/582

シンポジウム「大学からの研究成果オープンアクセス化方針を考える」

2010年12月10日に、東京大学の鉄門記念講堂で、国立情報学研究所(NII)と国立大学図書館協会の共催シンポジウム 「大学からの研究成果オープンアクセス化方針を考える―ハーバード大学、レディング大学、北海道大学を事例に―」が開催されるようです。

シンポジウム 「大学からの研究成果オープンアクセス化方針を考える」 - 国際学術情報流通基盤整備事業 イベント情報
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2010/20101210.html

英国情報システム合同委員会(JISC)、デジタル化の価値に関するレポートを公開

2010年10月27日、英国情報システム合同委員会(JISC)が、“Inspiring Research, Inspiring Scholarship”と題したレポートを公開しました。これは、資料のデジタル化が重要な意義を持つ4つの領域をそれぞれ論じることで、デジタル化の価値について解説したものとなっているようです。論じられている4つの領域とは、研究(Inspiring Research, Inspiring Scholarship)、経済(Bestowing Economic Benefits)、コミュニティ(Connecting People and Communities)、そしてデジタル・ブリテン(Digital Britain)です。

Inspiring Research, Inspiring Scholarship
http://www.jisc.ac.uk/media/documents/programmes/digitisation/12pagefinaldocumentbenefitssynthesis.pdf

Inspiring Research, Inspiring Scholarship (2010/10/27付け JISC Digitisation Programmeのブログ記事)

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