学術情報流通

大学は、サイバー空間上のリスクをどのように管理するか? (米国)

リスク・コンサルティング会社のAON社が、高等教育機関が抱えているサイバー空間でのリスクとその対策について分析した報告書“Cyber Liability & Higher Education”を公表しました。
大学などの教育研究機関では、情報を自由に交換するという価値観と、慎重に扱うべき、もしくは個人に関する情報を、保護・隠匿するという要請との間で、根源的な対立が発生するとしており、その上で、法的規制、これまでに大学で発生した事案、リスク管理戦略と解決策について、分析を加えています。

スイスで国立図書館と大学図書館のメタデータ・ハブを構築の動き

スイスで、国内の大学図書館と国立図書館のメタデータ・ハブ“SwissBib”を構築するプロジェクトが立ち上がっています。SwissBibにより、スイスの科学情報へのアクセスを容易にし、また包括的なものにすることが目的で、2008年から2011年にかけて取り組まれます。このプロジェクトは、スイスの全国規模の大学の協同プログラム“E-lib-ch”の枠組みのなかで実施され、スイス大学会議(Swiss University Conference)から資金援助を受けています。
また先日、このプロジェクトのソフトウェアの展開とホスティングをOCLCが行うことが発表されました。

SwissBib
http://www.swissbib.org/wiki/Main_Page

OCLCとの契約に関するプレスリリース

英国RIN、英国における研究助成の仕組みに関するブリーフィング・ペーパーを刊行

英国の研究情報ネットワーク(RIN)が、英国における研究助成の仕組みをわかりやすく解説したブリーフィング・ペーパーを刊行しています。HEFCEなど高等教育助成団体からのものと、RCUKなど学術研究審議会からのものが大きな2本柱となっていること、その他にも慈善団体やEUなどからのものがあること、研究成果の評価の仕組みの変更(RAEからREFへ)、といった点について説明がなされています。

Making sense of research funding in UK higher education | RIN
http://www.rin.ac.uk/making-sense-funding

参考:
英国の高等教育機関向け研究助成における新しい研究評価フレームワークの影響は?-JISCが調査を計画
http://current.ndl.go.jp/node/9249

情報科学分野の学術文献収集・引用解析・検索エンジン“CiteSeerX”のベータ版、OSS版

コンピュータ・情報科学分野の学術文献を収集し全文検索を実現すると同時に、メタデータ・引用関係を抽出・解析して文献の相互リンクも実現している文献データベース兼検索エンジン“CiteSeerX”のベータ版が公開されています。また、Javaベースのオープンソース版“SeerSuite”も公開されており、これを用いて化学分野の学術文献検索エンジン“ChemxSeer”を開発するプロジェクトが立ち上がっています。

CiteSeerX
http://citeseerx.ist.psu.edu/

SourceForge.net: SeerSuite
http://sourceforge.net/projects/citeseerx

CiteSeerX and SeerSuite—Adding to the Semantic Web - NewsBreaks

欧州で生産された学術分野の灰色文献のデータベース“OpenSIGLE”

フランス科学技術情報研究所(INIST)が、欧州各国で生産された学術分野の灰色文献(テクニカルレポート、研究レポート、学位論文、会議録、その他公的な刊行物)の書誌情報と、一部のものについてはその本文も提供するデータベース“OpenSIGLE(System for Information on Grey Literature in Europe)”を立ち上げています。

このOpenSIGLEには、自然科学だけでなく、人文科学の灰色文献も含まれています。システムはリポジトリ用ソフト“DSpace”で構築されており、オープンアクセスを謳っています。また本文が添付されていない文献については、INISTに複写を依頼することができるようになっています。なお現時点では、2005年までのものが収録されているとのことです。

OpenSIGLE

18世紀の文学・歴史等に関するデジタル研究基盤を確立するプロジェクト“18thConnect”(米国)

18世紀(実際には少し長めで1660~1800年)の文学、歴史、絵画、哲学等を研究している研究者のための包括的デジタル研究基盤となる強固なインフラを構築するという、イリノイ大学、オハイオ州マイアミ大学、ヴァージニア大学の研究者が主導するプロジェクト“18thConnect”が立ち上がっています。コンテンツのデジタル化の際にテキスト化も可能にするためのオープンソースのOCR、購読契約が必要なもの・必要のないものを問わず研究者がコンテンツを「マイページ」で管理できる仕組み、そのような形で研究者が付与したタグ等を共有できる仕組み、の開発が目的とされています。

なおこのプロジェクトの説明資料では、研究者、編集者、ライブラリアンが、従来の伝統的な学問方法でどのように関わっていたのか、それがデジタル環境でどのように変わるのか、が図示されています。

18thConnect

機関リポジトリと一体化したオーサリングツールの開発に向けて-次世代の研究者たちの学術コミュニケーション観・実態の調査報告(米国)

米国ロチェスター大学リバーキャンパス図書館は、博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成を受けて、「次世代の研究者のためのリポジトリ改良」(Enhancing Repositories for the Next Generation of Academics)というプロジェクトを2006年から実施しています。このプロジェクトにおいて、機関リポジトリと一体化したオーサリングツールの開発に資するべく、次世代の研究者である大学院生25名を対象に、学術コミュニケーションに関する意識・実態をインタビューした調査が行われました。その結果が、同館のスタッフによる研究成果を収録したリポジトリで公開されています。

コロンビア大学図書館、学術コミュニケーションに関する講演・シンポジウムの動画3点を配信

米国コロンビア大学図書館・情報サービスが実施している学術コミュニケーションに関するプログラム(講演、シンポジウム)の動画が、同館のウェブサイトで公開されています。現在公開されているのは、(1)ハーバード大学のオープンアクセスイニシアチブ、(2)インパクトファクターおよびその他の学術雑誌の影響評価指標、(3)単行の学術書の将来、の3点です。なお、パネリストのコメント等は、Twitterでフィードされています。

Multimedia | Scholarly Communication Program
http://scholcomm.columbia.edu/?q=content/multimedia

Fostering Innovation in Scholarly Communication | Scholarly Communication Program

NII、図書館総合展でのプレゼンテーション資料を公開-NetCommons2上で動作するリポジトリモジュール“WEKO”も

国立情報学研究所(NII)が、2008年11月26日に開催された図書館総合展でのプレゼンテーション資料を公開しています。あわせて、同プレゼンテーションで発表された、同研究所が開発しているコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)“NetCommons 2”上で動作するリポジトリモジュール“WEKO”の提供も開始しています。ちなみにWEKOとはスワヒリ語で「リポジトリ」を意味する言葉とのことです。

第10回図書館総合展 - EVENT | 国立情報学研究所
http://www.nii.ac.jp/library_fair/2008/index-j.shtml

WEKO
http://weko.at.nii.ac.jp/
NetCommons2公式サイト
http://www.netcommons.org/

E860 - 電子出版のインパクト<文献紹介>

Brown, David J.; Boulderstone, Richard. The Impact of Electronic Publishing: The Future for Publishers and Librarians. K.G. Saur, 2008, 355p. 本書は,1996年にBowker-Saur社から出版されたDavid J. Brownの“Electronic Publishing and Libraries: Planning for the Impact and  Growth to 2003”の改訂新版に当る。…

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