学術情報流通

SCOAP3、必要経費の3分の2を確保

図書館・研究所・助成機関がこれまで学術雑誌の予約購読費に使っていた資金を転用する形で国単位の分担金を集め、高エネルギー物理学分野の全ての文献をオープンアクセス化することを目指しているSCOAP3に対し、9つの米国の大学が新たに支援を表明しました。これによりSCOAP3は、目的達成に必要な経費の3分の2をカバーする総額6,800万ユーロの資金を確保したことになりました。

02/02/2010, SCOAP3 support crosses the two-thirds mark: U.S. libraries lead the way
http://scoap3.org/news/news73.html

参照:
E812 高エネルギー物理学は再び学術情報流通に革新をもたらすか?
http://current.ndl.go.jp/e812

「学術コミュニケーションの将来」についての研究の報告書(米国)

米国カリフォルニア大学バークレー校の高等教育研究センター(Center for Studies in Higher Education: CSHE)は、同センターが実施してきた“The Future of Scholarly Communication”プロジェクトの最終報告書を公表しています。研究者の研究活動中の学術コミュニケーションについて調査したもので、考古学、宇宙物理学、生物学、経済学、歴史学、音楽、政治科学の7分野の研究者160人への面接調査を実施したとのことです。

Assessing the Future Landscape of Scholarly Communication: An Exploration of Faculty Values and Needs in Seven Disciplines(全部で733ページ)
http://escholarship.org/uc/cshe_fsc

The Future of Scholarly Communication
http://cshe.berkeley.edu/research/scholarlycommunication/index.htm

E1012 - 学術雑誌の将来<文献紹介>

本書は,米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教授のコープ(Bill Cope)と英国オックスフォード国際出版研究センター所長のフィリップス(Angus Phillips)が編集し,2006年に出版された“The Future of the Book in the Digital Age”(『デジタル時代における図書の将来』)に続く,学術雑誌とその将来をテーマとした,分野を代表する研究者と業界専門家による論文集である。...

E1009 - JISC,リポジトリ等開発支援プログラムの最終評価報告書を発表

英国情報システム合同委員会(JISC)が2006年4月から2009年3月にかけて実施してきた“Repositories and Preservation Programme”(RPP)の最終評価報告書が,2009年12月にウェブ公開された。RPPとは,デジタルリポジトリとそれに関連する活動の開発を支援する多様な取組みに,総額1,400万ポンド(約20億円)を援助するプログラムで,RPPのウェブサイトによると,合わせて91のプロジェクトが助成を受けている。...

学術出版とパブリックアクセスのあり方はこれから?(米国)

2009年秋、連邦議会科学技術委員会と大統領府科学技術政策局 (OSTP)は共同で、
学術出版の現状を調査し、学術雑誌論文のパブリックアクセス拡大に向けた提言を検討するラウンドテーブル(Scholarly Publishing Roundtable)を召集しました。ラウンドテーブルには、商業出版社、大学出版、大学図書館などの関係者が参加し、議論を重ねてきました。このほどその最終報告書が完成し、発表されています。学術出版の利益を守りながら、パブリックアクセスを発展させるための方向性が「政府機関はパブリックアクセスポリシーを検討する際、全てのステークホルダーと協議すべきである」「政府機関は刊行とパブリックアクセスの間に特定のエンバーゴ期間を定めるべきである」といった提言としてまとめられています。

Scholarly Publishing Roundtable Report and Recommendations(報告書本文)
http://www.aau.edu/WorkArea/DownloadAsset.aspx?id=10044

プレスリリース
http://www.aau.edu/WorkArea/DownloadAsset.aspx?id=10052

ラウンドテーブルに関する情報が集められた米国大学協会のウェブページ

PubMed Central Canadaがスタート

カナダ国立研究機構国立科学技術情報機関(NRC-CISTI)、カナダ保健研究機構(Canadian Institutes of Health Research;CIHR)、米国国立医学図書館(NLM)の協力により、PubMed Central Canadaが正式にスタートしました。PubMed Central Canadaには、CIHRが助成した研究成果のほか、米国のPubMed Centralのコンテンツの大半が含まれるということです。

Pubmed Central® Canada is Launched
- NLM Technical Bulletin 2010/1/5付けの記事
http://www.nlm.nih.gov/pubs/techbull/jf10/jf10_pmc_canada_uk.html

PubMed Central Canada
http://pubmedcentralcanada.ca/

他の研究者の研究データ再利用に関するガイド(オランダ)

オランダのSURF財団が、他の研究者の研究データの使用に当たって、許諾を必要とする場合、不要な場合などを整理したガイド(英語)を作成し、公開しています。

Research Information 2009/12/11付けの記事
http://www.researchinformation.info/news/news_story.php?news_id=561

『聞かれざる声―機関リポジトリのエンドユーザ』と題するプレプリント、ACRLのウェブサイトで公開

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)のウェブサイトで、新しいプレプリント“Unheard Voices: Institutional Repository End-Users”(『聞かれざる声―機関リポジトリのエンドユーザ』)が公開されています。このプレプリントはミシガン大学の研究者らによるもので、機関リポジトリのエンドユーザ20名に対するインタビュー調査を基に、彼らが機関リポジトリをどう特徴づけているか、彼らはなぜ/どうやって機関リポジトリを使っているか、機関リポジトリに関する信頼性判断を彼らはどうやって行っているか、といったことを分析しています。

ACRL Preprint: Unheard Voices: Institutional Repository End-Users
http://www.acrl.ala.org/acrlinsider/2010/01/05/new-preprint-available-4/

E1004 - 学術コミュニケーションを支えるリポジトリとは<文献紹介>

2009年6月に“Social Science Research Network”(SSRN)で公開された論文『機関リポジトリを超えて』(E953参照)の著者であるINRIA-Gemo及びベルリンフンボルト大学 のロマリー(Laurent Romary)氏と,マックスプランク協会のアームブラスター(Chris Armbruster)氏が,SSRNで新たな論文を発表した。この論文は,『機関リポジトリを超えて』で扱った論点を敷衍し,学術コミュニケーションを 最もよく支援できるリポジトリやリポジトリのサービスとは何かを探ることを目的とする。上記の目的のため著者らは,設置主体やコンテンツの種類,デポジッ トの仕組み等を基に,「主題リポジトリ」「研究リポジトリ」「国営のリポジトリシステム」「機関リポジトリ」という4つの理念型を抽出し,それらの比較を 行っている。...

JISCの電子書籍利用動向調査プロジェクトの最終報告書が公表

英国情報システム合同委員会(JISC)が、2007年から2年間にわたり、学生・教員の電子書籍の利用動向を調査してきた“national e-books observatory project”の最終報告書が公表されています。概要をまとめたKey findings and recommendationsに加え、MyLibraryのログ分析や、フォーカスグループのレポートも公開されています。概要部分には、以下のような記述があります。

・教員と学生の約65%は研究・学習・娯楽目的として電子書籍を使ったことがある。
・図書館の電子書籍を利用することが多い。
・図書館員は、電子版教科書を、需要がピークになった際の予備として考えている。
・電子版教科書の利用は授業などに連動し、月ごとの変動が大きい。
・電子書籍は忙しいライフスタイルにあわせた読書ができる点が評価され利用されている。
・調査には、英国全域から52,000件の回答があった。
・電子書籍は、事実確認などの短期的な利用が多く、教科書というよりは辞書的に使われることが多い。
・ユーザーインターフェースには改善が必要である。
・電子書籍の市場が複雑すぎ、図書館員は、契約の複雑さや価格の高さに不満を感じている。
・電子書籍はビジネス系の学部で人気が高い。

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