学術情報流通

米・バージニア州の図書館コンソーシアムVIVA、Wiley社とオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結

2019年8月7日、米・バージニア州の学術図書館コンソーシアムThe Virtual Library of Virginia (VIVA)とWiley社は、オープンアクセス(OA)出版に関する基金とジャーナル購読を組み合わせた包括的契約の締結を発表しました。

この契約は2020年に開始する2年間の試験的な契約で、Wiley社はプレスリリースで北米では初めての種類の契約である、としています。この契約によりVIVA参加機関に所属する全ての研究者は、 Wiley Open Access AccountのサービスをAPC支払のための中央基金として利用し、Wiley社のゴールドOA誌上で論文を公開可能になります。また、コンソーシアムの購読する同社のジャーナル全範囲へのアクセスも維持されます。

さらにVIVAは管理用のダッシュボードを利用することが可能になり、ダッシュボード上で著者からのAPC支払リクエストへの対応やレポート機能による出版状況の確認を行うことができます。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、「科学技術指標2019」及び「科学研究のベンチマーキング2019」を公表

2019年8月9日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、日本及び主要国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析した基礎資料として「科学技術指標2019」を取りまとめ、公表しています。

「科学技術指標2019」では、日本の状況について、研究開発費、研究者数は主要国中第3位、論文数は世界第4位、注目度の高い論文数は世界第9位、パテントファミリー(2か国以上への特許出願)数は世界第1位であることなどが示されています。その他、研究者に占める博士号保持者の割合(高度研究人材の活用度)が産業分類によって異なり、米国と比較すると高度研究人材の活用度が低い傾向にあり、人口100万人当たりの博士号取得者数が、主要国と比べて少なく、日本のみ減少傾向が続いていることも示されています。

日本及び主要国の科学技術活動を、論文という指標から把握するための基礎資料として「科学研究のベンチマーキング2019」も同時に取りまとめられ公表されています。

英・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のオープンアクセスメガジャーナル“UCL Open”で最初の論文が公開

2019年8月2日、英・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)は、同大学のオープンアクセスメガジャーナル“UCL Open”において、最初の論文を公開したことを発表しました。

UCLは、2019年1月、UCL出版局による“UCL Open”の立ち上げと投稿受付の開始、“UCL Open”のうち環境関連の研究に焦点を当てた“UCL Open:Environment”から試験運用を行っていることを発表していました。

今回の発表では、“UCL Open”が最初の大学メガジャーナルであることや、最初の論文が“UCL Open:Environment”で公開され、そのタイトルが“Global evolution and palaeographic distribution of mid-Cretaceous orbitolinids”であったこと等が紹介されています。

Center for Open Science(COS)、Case Medical Researchが展開する臨床医・研究者向けの無料動画公開サービスへの支援を表明

2019年8月7日、Center for Open Science (COS)は、Case Medical Researchが展開する臨床医・研究者向けの無料動画公開サービスを支援することを表明しました。

Case Medical Researchは、フリーのソフトウェアとして提供している“Case app”により、臨床医・研究者向けに最新の研究成果やベストプラクティスへの検索サービス等を展開しています。また、取り組みの一環として、投稿された動画に翻訳・音質補正・表示と非表示を切り替え可能な字幕等の編集作業を施し、“Case app”を通して無料で動画を公開するサービスも行っています。公開される動画はDOIを含む完全に引用可能な形式となり、“Case app”で研究者や医療従事者・学生が検索可能になります。

COSはCase Medical Researchの無料動画公開サービスを紹介しながら、Case Medical Researchと協調して、生命科学分野の研究者・臨床医による、アクセス可能でオープンな研究の発見とそのような研究への貢献に向けての努力を積極的に支援する、としています。

オープンソースのリポジトリソフトウェアHykuを用いた機関リポジトリサービス開発プロジェクトが米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)の研究助成を獲得

2019年7月26日、米・ペンシルバニア大学図書館コンソーシアム(PALCI)は、米・インディアナ州の研究図書館ネットワーク(PALNI)と連携して進めている機関リポジトリサービス開発プロジェクト“Scaling Up a Collaborative Consortial Institutional Repository”が米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)から研究助成を獲得したことを発表しました。同プロジェクトへはIMLSから17万2,172ドル(2019年度)の助成が行われます。

この研究プロジェクトは、基盤となるインフラストラクチャー・ホスティング・管理コストを機関間で共有するために必要な機能等を構築しつつ、各館が独自に利用・カスタマイズ・ブランディングできるようなコンソーシアム規模での機関リポジトリサービスの実現を目指すものです。プロジェクト参加館は一元的な共同リポジトリインフラストラクチャーの実現に必要な機能と構成オプションを開発するため、オープンソースのリポジトリソフトウェアHykuを調整する作業を行います。開発当初はオープン教育資源(OER)と電子学位論文(ETD)への支援に重点が置かれる予定です。

PeerJ Computer Science、Web of Scienceに採録される

2019年7月24日、オープンアクセス出版社PeerJは、同社の雑誌PeerJ Computer Scienceがクラリベイト・アナリティクス社のWeb of Scienceに採録されたことを発表しました。

同誌はWeb of Scienceの中でもScience Citation Index Expanded(SCIE)の採録タイトルとなった、とのことです。SCIE採録誌はインパクトファクター付与の対象となるため、2020年には同誌初のインパクトファクターも発表されると見込まれます。

PeerJの発行タイトルの中ではその他に主力誌PeerJが、2014年からWeb of Scienceに採録されています。

Elsevierの電子ジャーナルからもSci-Hubへのリンクが存在することが指摘される

英ロンドン大学教授Martin Paul Eve氏のブログで、Elsevier社の電子ジャーナルプラットフォーム、ScienceDirectからも、Sci-Hubへのリンクが存在している、という指摘がなされています。

この指摘は2019年8月3日付けの記事でなされたもので、Elsevier社がSci-Hubにリンクしているサービスに対し、法的手段を取るとする通知を送った、という話題を契機としています。

これに対しEve氏は、そもそもElsevier社のScienceDirect中にも、参考文献記述の中でリンク先としてSci-Hubがあがっている例が複数あることを示しています(現在は指摘された論文のリンク先は修正されたようです)。Eve氏はElsevierが自身のサイト上の著作権侵害を真剣にはチェックしていないことの証左であるとし、他者を訴えるよりまず自身のことから手を付けるべきではないかとしています。

奈良先端科学技術大学院大学、オープンアクセス方針を施行

2019年8月1日、 奈良先端科学技術大学院大学附属図書館が、7月16日に同大学が策定したオープンアクセス(OA)方針が施行されたことを発表しています。

学術リポジトリnaistarへの研究成果の登録のほか、著者が希望する場合は、共著者の所属する機関のリポジトリでの公開や、OA誌への投稿による公開等を選択することも可能です。

施行に伴い、2019年度中に業績管理システムを改修し、機関リポジトリへの登録の可否を選択必須とする予定としています。

奈良先端科学技術大学院大学オープンアクセス方針の施行について(奈良先端科学技術大学院大学附属図書館,2019/8/1)
https://library.naist.jp/library/news/201908oa_policy.html

PubMed Central(PMC)、“PubMed Central Tagging Guidelines”を更新し査読レポート等へのXMLによるタグ付けルールを追加

2019年7月31日、米国国立医学図書館(NLM)の運営するPubMed Central(PMC)は、PMCへのジャーナル記事投稿時のXMLによるタグ付けの推奨スタイルを示した“PubMed Central Tagging Guidelines”の更新を行い、査読レポート等の査読に関わる文書へのタグ付けルールを追加したことを発表しました。

査読レポートや編集者のDecision Letterなど査読に関わる文書が論文とともに公表される動きが高まっていることを受けて、こうした動きを支援する目的で、査読に関わる文書へのタグ付けルールを含めて“PubMed Central Tagging Guidelines”を更新した、としています。NLMはPMCに参加する出版社・ジャーナル・データ提供者に対して“PubMed Central Tagging Guidelines”の見直しを推奨しています。

カナダ研究図書館協会(CARL)・カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)、Dataciteのナショナルコンソーシアム創設に関し調査を行っていると発表

2019年7月31日、カナダ研究図書館協会(CARL)とカナダ研究知識ネットワーク(CRKN)は、Dataciteのナショナルコンソーシアム創設に関し、調査を行っていると発表しました。

カナダ国家研究会議(National Research Council of Canada)の支援を受け、DataciteによりDOIが付与されたカナダの研究成果は40万以上あり、2018年だけでも5万7,000を超しますが、この取組が2020年1月1日をもって終了することを受けてのものです。

CARLとCRKNではコミュニティを支援するため、CRKNがライセンスと支払いに関する支援を行ない、研究データ管理に関するプロジェクトCARL・Portageの“Network of Expertise”(研究データ管理のためのリソース開発やアドバイスを実施する事業)を活用する、その基盤にDataciteを組み込んだ持続可能なモデルを研究するとしています。

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