学術情報流通

2030年、ピア・レビューはどうなっている?

2017年5月2日、BioMed CentralとDigital Scienceはピア・レビューの将来について論じた報告書、”What might peer review look like in 2030?”を公開しました。

同報告書は2016年11月に開催された、科学政策・アウトリーチ・ツールに関する国際会議SpotOn Londonの中で行われた、ピア・レビューに関するセッションの内容に基づくものです。人工知能の適用、科学者の視点、ピア・レビューの歴史とプレプリント、ピア・レビューの持続可能性、オープン性の増進など、6本の論考が掲載されています。

What might peer review look like in 2030?(figshare、2017/5/2付け)
https://figshare.com/articles/What_might_peer_review_look_like_in_2030_/4884878

国立大学協会、国立大学における学術情報の状況及び課題に関するアンケート結果を公開

2017年5月8日、国立大学協会は国立大学図書館の雑誌及び電子ジャーナル契約状況等に関し、把握・整理するために実施したアンケート調査の結果を公開しました。対象は国立86大学で、全大学が回答しています。

主な調査結果として、2014年と2016年を比較すると、雑誌受け入れタイトル数は91%の大学で減少し、雑誌購入経費も71%で減少していました。電子ジャーナルについては購入費用・利用可能タイトル数とも増加した大学が29大学ある一方、購入費用は増加したものの利用可能タイトルは減少した大学が30大学、購入費用が減少した一方で利用可能タイトル数が増加した大学が5大学、いずれも減少した大学が20大学、変化なし1大学、非回答1大学で、全体として購入費用は増加しているものの、利用可能タイトル数は減少している傾向が見られました。

アンケート結果ではそのほかに学術情報に関する課題意識や電子ジャーナル等の契約状況、電子ジャーナルに関する自由意見等がまとめられています。

Springer Nature社、ORCIDの活動を支援する2つの事業の開始を発表

2017年4月27日、Springer Nature社は、ORCIDの活動を支援するため、Nature Research、Springer、BioMed Centralを含む同社の全46誌においてORCID idを義務化する6か月間のトライアルを開始したと発表しています。

また、あわせて、同社の会議録投稿システム“Online Conference System”を(OCS)、ORCID idの入力・認証に対応させたと発表しています。

Springer Nature announces new ORCID initiatives (Springer Nature,2017/4/27)
http://www.springernature.com/gp/group/media/press-releases/springer-nature-announces-new-orcid-initiatives/12250236

奈良文化財研究所、全国遺跡報告総覧の2016年度の利用実績を公表

2017年4月21日、奈良文化財研究所は、全国遺跡報告総覧の2016年度の利用実績を公表しました。

2016年度のダウンロード数は84万1,770件で、2015年度に比べて60%増加しています。

また、2016年度は2,908件の登録があり、2016年度末の登録件数は1万8,838件となっています。

全国遺跡報告総覧:2016年度の利用実績(奈良文化財研究所, 2017/4/21)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2017/04/jisseki.html

参考:
全国遺跡報告総覧、ディスカバリーサービス“EBSCO Discovery Service”とのデータ連携を開始
Posted 2017年4月13日
http://current.ndl.go.jp/node/33846

米国物理学会、2018年からSCOAP3に参加

2017年4月27日、米国物理学会(APS)が、2018年からSCOAP3に参加することで、欧州原子力研究開発機構(CERN)と合意したと発表しています。

これにより、2018年1月から、APSのジャーナル3誌(Physical Review Letters,Physical Review D,Physical Review C)掲載の高エネルギー物理学分野の論文がオープンアクセス(CC BYライセンス)で公開されます。

この合意により、高エネルギー物理学分野の論文の87%をSCOAP3でカバーできるようになると説明されています。

APS and CERN Sign an Open Access Agreement for SCOAP3(APS,2017/4/27)
https://www.aps.org/newsroom/pressreleases/scoap3.cfm

E1908 - デジタルリポジトリ連合(DRF)の活動を振り返って

日本の機関リポジトリの連合組織,デジタルリポジトリ連合(Digital Repository Federation:DRF)は2017年3月末で解散し,およそ10年に及ぶ歴史の幕を閉じた。DRFの歴史はこの間の日本における機関リポジトリおよびオープンアクセス(OA)運動の歴史とほぼ重なると言っても過言ではない。この機会にDRF設立以来の活動を振り返り,その意義や解散に至る経緯と今後の見通しなどについて整理してみたい。

【イベント】日本学術会議主催学術フォーラム「危機に瀕する学術情報の現状とその将来」(5/18・東京)

2017年5月18日、日本学術会議講堂で、日本学術会議主催学術フォーラム「危機に瀕する学術情報の現状とその将来」が開催されます。

学術情報を取り巻く情勢は電子ジャーナル価格の上昇や国立大学運営費交付金の漸減に伴って変化してきており、アクセスの維持も容易ではなくなってきています。学術情報にまつわる現状と明らかにされた課題および将来を考えるため、今回の学術フォーラムが開催されます。

大学・研究者・出版社等の視点から学術情報に関する8つの講演が行われ、最後に講演者全員による総合討論が行われます。

参加費は無料、定員は約250名です。事前の申込が必要です。

公開講演会・シンポジウム(社会との対話)(日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/event/index.html

文部科学省、第9期学術情報委員会(第1回)の配布資料を公開

文部科学省が、2017年4月12日に開催された、科学技術・学術審議会学術分科会 第8期学術情報委員会(第1回)の配布資料を公開しています。

第9期における審議事項(案)として「電子化の進展を踏まえた学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化等について」が掲げられています。

文部科学省 新着情報
http://www.mext.go.jp/b_menu/news/index.html
※「平成29年04月24日 第9期学術情報委員会(第1回) 配付資料」とあります

第9期学術情報委員会(第1回) 配付資料(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/040/shiryo/1384544.htm

【イベント】第3回CODHセミナー 人文学でのDOI活用 〜研究データや所蔵品など研究資源へのDOI付与〜(5/30・東京)

2017年5月30日、国立情報学研究所(NII)で、第3回CODHセミナー「人文学でのDOI活用 〜研究データや所蔵品など研究資源へのDOI付与〜」が開催されます。

人文学に関連する分野におけるDOI導入の先行事例を集め、現状と今後の課題を議論する場を設けたとのことです。

参加費は無料、定員は約40名です。事前の申込が必要です。

13:00-13:30
DOI概論―研究基盤のオープン化に向けたIDの活用
北本 朝展(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)

13:30-14:00
人文学を検証可能に―DOIへの取り組み・国文研
山本 和明(国文学研究資料館)

14:00-14:30
Re*poNからみたJAIRO Cloudの可能性
林 正治(国立情報学研究所)

14:40-15:10
歴史的モノ資料をどのようにデジタルで認識するか
後藤 真(国立歴史民俗博物館)

15:10-15:40
Japan Link Centerの紹介、質疑応答、ディスカッション

Springerが1つの雑誌に掲載された論文107本について、査読不正を理由に撤回

2017年4月20日、Springer社はがん研究分野の雑誌”Tumor Biology”に掲載された論文107本について、査読の過程において不正が行われたと考えるに足る十分な証拠が得られたとして、撤回することを発表しました。論文撤回監視サイトRetraction Watchが詳細を報じています。

Retraction Watchによれば、Springerは今回撤回された論文について、実在する研究者の名前を騙り、偽のメールアドレスを用いて査読を通過していた確かな証拠を得ているとのことです。また、撤回された論文の中には外部の編集サービスを用いているものもあったとのことです。

なお、”Tumor Biology”誌は2016年でSpringerとの契約を終え、現在はSAGEから刊行されています。SAGEの担当者も査読不正については以前から把握しており、査読体制の見直し等を行っているとのことです。

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