学術情報流通

Europe PMC、プレプリントの索引付を開始

2018年7月11日、Europe PMCが、7月からプレプリントの索引付を開始したと発表しています。

Crossrefに送られてから24時間以内にEurope PMCで検索できるようになり、含まれているDOIを通じて原文にアクセスすることができます。

また、査読論文とプレプリントを区別するために、プレプリントにはPPR IDが付与され、プレプリントがその後査読論文として公開され、Europe PMCに搭載された場合には、相互リンクをします。

Europe PMCでは、プレプリントの拡大や懸念事項、出版のエコシステムにおける影響について深く理解することの必要性を認識し、同サービスを開始したとしています。

Preprints in Europe PMC: reducing friction for discoverability(Europe PMC,2018/7/11)
http://blog.europepmc.org/2018/07/preprints.html

国立大学図書館協会学術情報システム委員会、「これからの学術情報システムに向けて―現状・課題・当面の方向性に関するレポート―」を公開

2018年7月4日、国立大学図書館協会(JANUL)学術情報システム委員会が、「これからの学術情報システムに向けて―現状・課題・当面の方向性に関するレポート―」を公開しました。

同レポートは、学術情報流通に関わる7つのテーマ(統合的検索システム、印刷体コレクションとメタデータ、ILLサービス、電子リソースとメタデータ、オープンアクセス、オープンデータ、デジタルアーカイブ)を設定し、諸委員会等における検討状況や提言、国内外の事例について文献等を中心に調査を行って、現状と課題を整理したものです。

その上で、今後5年間程度を視野に入れた当面の方向性が述べられています。

同委員会では、本レポートを学術情報システム全体を俯瞰する「見取り図」として位置づけて、今後の方向性および具体的なアクションプランの策定を進めるとしています。

お知らせ(JANUL)
https://www.janul.jp/ja/news
※2018.07.04欄に「「これからの学術情報システムに向けて―現状・課題・当面の方向性に関するレポート―」(学術情報システム委員会)(2018年6月)を公表しました」とあります。

英国図書館(BL)、他の文化機関と連携し、オープンソースのプラットフォームを用いたリポジトリの構築事業を開始を発表

2018年7月2日、英国図書館(BL)は、他の文化機関と連携しての、オープンソースのプラットフォームを用いたリポジトリ構築事業の開始を発表しました。

文化機関が生み出した研究成果の可視性や影響度を高め、調査や活用を容易化することを目的としています。

オープンアクセス(OA)出版社のUbiquity Pressがリポジトリの構築を担当し、BLに加えて、大英博物館、テート、スコットランド国立博物館、ロンドン考古学博物館の研究成果が公開される予定となっており、同事業では、IROコンソーシアムやその他参加を希望する団体のための同サービスのワークフローと技術の開発も行われます。

リポジトリは、オープンソースのリポジトリソフトウェア“Samvera Hyku”を用いて構築され、2018年の後半には立ち上げられる予定です。

カナダ・オンタリオ州大学図書館コンソーシアム(OCUL)、“Scholars Portal Books”を正式公開

2018年7月3日、カナダ・オンタリオ州大学図書館コンソーシアム(OCUL)は、5月にBeta版として公開していた、OCULが運営するデジタルリポジトリ“Scholars Portal”の書籍版“Scholars Portal Books”の正式版の公開を発表しています。

New Scholars Portal Books Platform Now Live(OCUL,2018/7/3)
https://ocul.on.ca/books-platform-now-live

Scholars Portal Books
https://books.scholarsportal.info/

Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports(JCR)の2018年版をリリース

2018年6月26日、Clarivate Analytics社が、学術誌評価分析データベース“Journal Citation Reports”(JCR)の2018年版をリリースしました。

2018年版では、自然科学と社会科学の論文の2017年の引用データを含んでおり、80か国、234分野における11,655タイトルの学術雑誌の情報が収録されています。今回は276の学術雑誌に初めてインパクトファクターが付与されました。JCR全体の平均で、各誌のインパクトファクターが10%増加したと発表しています。2018年度版から新たにBook Citation Indexが引用データに追加されています。

Simba Informationがオープンアクセス市場に関するレポートを公表 OA市場の売上は予想を大きく上回る

2018年6月21日、メディア・出版業界に関する市場調査会社Simba Informationは、オープンアクセス(OA)に関する市場の現況と直近の展望をまとめたレポート”Open Access Journal Publishing 2018-2022”を公表しました。本文は有料ですが、プレスリリース等で内容の一部が紹介されています。

リリースによれば、2015年から2017年にかけて、学術雑誌市場全体の売上の増加率は年1%を超える程度であったのに対し、OA雑誌については年利二桁%の伸びを見せていたとのことです。Simba Informationは2014年からOAに関する市場レポートを作成していますが、当時はOA市場の伸びに必ずしも楽観的ではなかったのに対し、実際にはその後、予想を裏切る拡大を見せているとのことです。特にElsevierやSpringer Nature等、購読型雑誌出版を担ってきた従来から存在する出版者における、ハイブリッドOAが拡大していることが指摘されています。ハイブリッドOA論文は購読型雑誌論文のうちの数%を占めるにすぎませんが、大手出版者は2,000誌以上の雑誌を有することもあり、ハイブリッドOA論文の割合が1~5%増えるだけでも数億ドルの増収につながるとされています。

内閣府、「国立研究開発法人におけるデータポリシー策定のためのガイドライン」を公表

2018年6月29日、内閣府の「国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会」が、「国立研究開発法人におけるデータポリシー策定のためのガイドライン」を公表しました。

このガイドラインは2018年6月15日に閣議決定された「統合イノベーション戦略」の中で、国立研究開発法人において2020年度末までにデータポリシーを策定すること、この策定を促進するためのガイドラインを内閣府が策定することなどが挙げられていたことを受け、とりまとめられたものです。国立研究開発法人におけるデータポリシー策定の参考となるよう、研究データの管理と利活用についてのポイントや、データポリシーで定めるべき項目、および基本的な記述内容がまとめられています。このうちデータポリシーで定めるべき項目としては、以下の6点が挙げられています。

(1) 機関におけるポリシー策定の目的について
(2) 管理する研究データの定義、制限事項について
(3) 研究データの保存・管理・運用・セキュリティについて
(4) 研究データに対するメタデータ、識別子の付与、フォーマットについて
(5) 研究データの帰属、知的財産の取り扱いについて
(6) 研究データの公開、非公開及び猶予期間並びに引用について

アフリカ諸国の多様な学術成果の共有を目的としたプレプリントサービス“AfricArXiv”が公開

2018年6月25日、アフリカ諸国の多様な科学分野の学術成果の共有を目的としたプレプリントサービスとしてAfricArXiv(African Science Archive)が公開されました。

非営利団体Center for Open Science(COS)と共同で開設されたもので、ガーナで開催されたAfrican Open Science Hardware Summitにおいて、アフリカにおけるオープンサイエンスのためのリポジトリの必要性が浮上したことに対して、COSのエグゼクティブディレクターがアフリカのためのプレプリントリポジトリを提案したことにより実現したものです。

米・Ithaka S+R、アジア学研究者の研究活動支援へのニーズを調査したレポートを公開

2018年6月21日、米・Ithaka S+Rが、同国のアジア学研究者の研究活動や支援ニーズに関する調査報告書“Supporting the Changing Research Practices of Asian Studies Scholars”を公開しました。

Ithaka S+Rによる研究者の分野別の研究活動調査プログラムの一環で、アジア学研究者の研究支援に資するためのサービスを明らかにするため、米国の11つの研究図書館と協力し、169人の研究者を対象に実施されました。

報告書では、得られた重要な知見として、異なる出版慣行・分類システムがアジア研究に必要な情報を見つけることの課題となっていること、アジア各国でデジタル化の進展が異なっている事、地政学的・歴史的緊張関係や言語能力が情報アクセスへの障壁となっていること、非ローマ字で作成された情報の管理やエフェメラ類・入手困難なデータの保存の困難さ、アジアの大学での助成のための出版要件・手続きの違いがアジアや米国の学者が共同研究や学際研究において大きな成果をもたらすことを制限していること、等といった点が挙げられています。

NCBIのPubMed Labsが開発した試験的サービス“PubMed Journals”が終了:将来的にNCBIの製品への組み込みを検討

2018年6月15日付の米国国立衛生研究所(NIH)の国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のブログで、 PubMed Labsが開発した試験的なサービス“PubMed Journals”の終了が発表されています。

“PubMed Journals”は、関心がある生物医学分野の雑誌を簡単に探して論文を閲覧できたり、NCBIのアカウント等でログインをすれば、興味のある雑誌を「フォロー」することで、雑誌の新着記事や論文の取り下げ情報などの最新情報をニュースフィードで受け取ることができるサービスです。

記事では、これまでの実績として、同サービスを約2万人が利用し、1万453点の雑誌がフォローされ、利用者は平均3誌をフォローしていたことが紹介されています。

同サービスは独立のサービスとしては終了するものの、将来的にはNCBIの製品への組み込みを考えているとしています。

ページ