学術情報流通

Microsoft、Google、百度の各社と米国のAllen Institute for Artificial Intelligence(AI2)、学術文献検索サービスの発展のためOpen Academic Search(OAS)ワーキンググループを立ち上げ

2017年6月20日、Microsoft、Google、百度(Baidu)の各社と米国のAllen Institute for Artificial Intelligence(AI2)がOpen Academic Search(OAS)ワーキンググループを立ち上げたことが報道されています。

AI2のSemantic Scholar、Microsoft社の Microsoft Academic、Google社のGoogle Scholar、百度社の百度学术(Baidu Scholar)などをはじめとする学術文献検索サービスの開発者の参加を想定しています。各社が競合して各サービスを差別化するのではなく、ツールやデータの共有など協調的なプロセスを通じて学術文献検索サービスを発展させ、研究者が急速かつ大量に生産される学術文献やデータを発見して利用できるように支援することを目標としています。

具体的には、関係各社や関係機関が自社、自機関のAIや分析ツールをオープンソースとして公開して自由に利用可能とすることを目指すということです。また、プロジェクトの一環として、百度社が2017年中に百度学术のメタデータや利用者行動のデータの一部を公開するとのことです。

国立国会図書館(NDL)、国立情報学研究所(NII)の電子図書館事業(NII-ELS)により提供されていた論文データの一部を収集・保存・公開

2017年6月22日、国立国会図書館(NDL)は、国立情報学研究所(NII)の電子図書館事業(NII-ELS)により提供されていた論文データの一部を収集・保存・公開することを発表しました。

これは、NII-ELSにより提供されていた論文データの長期保存と公開を目的としており、対象は、

・学協会がNDLによる収集・保存・公開を希望する論文
・発行終了あるいは編集元の解散等の理由により、学協会等から公開が行われない論文

で、約380誌、100万件の論文が該当します。

第一弾として、6月22日、29誌、5,149件の論文データを国立国会図書館デジタルコレクションから公開しました。CiNii Articlesの検索結果のリンクからも利用可能です。その他の論文データについても、順次、収集・保存・公開していきます。

E1925 - オープンサイエンス基盤研究センターの新設について

国立情報学研究所(NII)は,2017年4月1日付で,「オープンサイエンス基盤研究センター」を新設した。センターのミッションは,大学や研究機関におけるオープンサイエンス活動を支えるためのICT基盤の構築と運用を実施することにある。構築するICT基盤は,日本学術会議が「オープンイノベーションに資するオープンサイエンスのあり方に関する提言」の中で取りまとめた,「オープンサイエンス推進のための研究データ基盤」を実際のサービスへと具体化するものである。

E1927 - 研究用ソフトウェアの適切な引用<文献紹介>

論文や研究データなどの研究成果とは異なり,研究用ソフトウェアの開発は適切に評価されているとは言いがたいという指摘がある。それは,ソフトウェアを引用する文化がないことや引用方法が確立していないことなどが大きい。そこで本文献は,ソフトウェア引用のための標準,ツール,研究コミュニティの取組を紹介する。これらを通じて,ソフトウェアを正しく識別すること,ソフトウェアへのアクセスを容易にすること,ソフトウェアの開発者等を正しく認知することを,本文献は推奨する。

米HighWire Pressが査読の透明性向上へ向け、Peer Review Evaluationとパートナーシップを締結

2017年6月12日、米HighWire Pressは米国科学技術振興協会(AAAS)が運営する査読の透明性向上サービス、Peer Review Evaluation(PRE)とパートナーシップを締結したことを発表しました。

PREは投稿・査読システムから査読に関わるメタデータを収集し、APIにより当該文献の査読プロセスの詳細を確認できるようにするサービスです。HighWireに含まれる雑誌のうち、最初にPREの導入を決定した5誌については、サービス開発コストをPREが負担するとされています。

なぜ人文学領域ではオープンアクセスが進まないのか、どうしたらよいのか(記事紹介)

米国哲学会(APA)のブログで、オープンアクセス(OA)運動の中心人物の一人であるPeter Suber氏が、人文学領域におけるOAに関する連載記事を公開しています。2017年6月1日公開の第1回ではOAとは何かを説明し、6月8日公開の第2回ではなぜ人文学領域ではSTM領域に比べてOAが進まないのか(”Why Is Open Access Moving So Slowly In The Humanities?”)、6月15日公開の第3回ではOA推進のためにはどんな方法がありうるのか(”Recommendations: How Can We Advance Open Access In The Humanities?”)を論じています。

米国心理学会(APA)、同学会誌掲載論文の無断転載を監視するパイロットプログラムを開始 研究者の反発を受けて研究者個人のウェブサイト等は対象ではないとする声明を発表

米国心理学会(APA)が2017年6月より、同学会が発行する雑誌に掲載された論文の無断転載を監視し、発見した場合には削除を求めるパイロットプログラムを開始しています。

このパイロットプログラムは2017年2月に、APAの5雑誌掲載論文を対象に開始されたもので、6月から同学会が発行する全ての雑誌(29誌)に対象が拡大されました。APAの著作権を侵害し、論文をオンライン公開している海賊版ウェブサイト等に削除要請が行われているとのことですが、要請を送られた中にはAPAの掲載ガイドラインに違反している大学のウェブサイトも含まれているとのことです。

このAPAのパイロットプログラムに対し、研究者らから自身のウェブサイトで公開している論文も削除しなければいけないのか、という反発も起こっています。反発を受け、APAは監視プログラムの対象は海賊版等を公開するウェブサイトであり、個人のウェブサイト等は対象ではないこと、APAのガイドラインに則った著者最終版の個人のウェブサイト、機関リポジトリ等での公開は問題ないこと等を述べる声明を発表しています。

Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports(JCR)の2017年版をリリース

2017年6月14日、Clarivate Analytics社が、学術誌評価分析データベース“Journal Citation Reports”(JCR)の2017年版をリリースしました。

2017年版では、自然科学と社会科学の論文の2016年の引用データを含んでおり、81か国、236分野における11,459タイトルの学術雑誌の情報が収録されています。今回は132の学術雑誌に初めてインパクトファクターが付与されました。66%の学術雑誌では昨年からインパクトファクターの増加がみられ、33%では減少がみられるとのことです。

また、気候変動に関する研究について、5件の研究分野から、インパクトファクターの高い学術誌10誌を紹介しています。

学術書の将来をテーマとした調査プロジェクト“The Academic Book of the Future”、最終成果報告書2点を公開(英国)

英国の“The Academic Book of the Future”プロジェクトが、最終成果報告書2点を公開しました。

同プロジェクトは、英国図書館(BL)と英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)が、オープンアクセス(OA)やデジタル革命時代における学術書の将来をテーマに、2016年9月まで調査を行なっていた事業です。

End of Project Reports(Academic Book of the Future)
https://academicbookfuture.org/end-of-project-reports-2/

Google Scholar、10年前の論文で各分野で最も引用されているものからなる“Classic Papers”コレクションを公開

2017年6月14日、Google Scholarが、“Classic Papers”コレクションを公開したと発表しています。

同コレクションは、10年前の2006年に出版された論文で、2017年5月のインデックスで、よく引用されているものを各学問分野ごとに10件選んだものです。

分野は

・Life Sciences & Earth Sciences
・Business, Economics & Management
・Chemical & Material Sciences
・Engineering & Computer Science
・Humanities, Literature & Arts
・Health & Medical Sciences
・Physics & Mathematics
・Social Sciences

に分かれており、各々さらに細かく分類されています。

レビュー論文、入門記事、論説、ガイドライン、解説記事等は除外されており、今のところ英語で書かれたもののみとなっています。

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