Web 2.0

CA1889 - 動向レビュー:Web2.0の現在 / 川瀬直人

いまさらWeb2.0と訝しがる向きは多いかもしれない。オライリー(Tim O'Reilly)が“What is Web2.0”でWeb2.0の考え方を示したのは2005年であり、日本で梅田の『Web進化論』が話題となったのは2006年と、いずれも10年以上前のことである。Googleトレンドを見てもWeb2.0の登場のピークは2006年8月であり、最近言及する人は少ないのが見て取れる。First Monday誌では2016年にWeb2.0の10年と題する特集を組み、Web2.0全般に関する現時点での論考を集めている。本稿では図書館や学術情報流通といった観点から、昨今ではあまり言及されなくなったWeb2.0が、現在ではどのように様変わりをしたのかを概観する。

米サンタクララ郡図書館 新OPACシステムが利用者に不評だったため、旧システムに戻すことを決定

米カリフォルニア州サンタクララ郡図書館が、2015年6月から新たに導入したOPACシステムについて利用者の評判が悪く、旧システムを望む意見が多いことから、旧システムに戻すことを発表しました。

不評だった新システムはInnovative社のEncore Discovery Solutionで、旧システムはBiblioCommons社の同名のシステムです。郡で実施した図書館調査で新システムに多くの不満が寄せられたため、旧システムに戻すことが決定されました。BiblioCommonsでは行えた読書リストの作成や利用者同士のつながりを作る機能がEncore Discovery Solutionには存在しなかったこと等に多くのクレームが寄せられたとのことです。

旧システムへの移行は2015年8月17日に実行されます。新システムへの移行前に作成していた読書リスト等も再び閲覧できるようになるとのことです。

Library users reject new online catalog – old one returning(Los Altos Town Crier、2015/8/12付け)

【イベント】第23回大図研オープンカレッジ「大学図書館員のためのWeb API入門」(6/6・東京)

2015年6月6日、明治大学和泉図書館ホールにて大学図書館問題研究会(大図研)主催のイベント、第23回大図研オープンカレッジ「大学図書館員のためのWeb API入門」が開催されます。

同イベントでは筑波大学の高久雅生准教授、アジア経済研究所の常川真央氏が講師となり、Web APIの基本的な仕組みについて、図書館サービス企画に役立つ等の具体的な話も織り交ぜつつ紹介するとのことです。

なお、参加には会員もしくは学生500円、非会員1,000円の参加費が必要となります。

今度のDOCは「大学図書館員のためのWeb API入門」です。(大図研オープンカレッジ(DOC)、2015/4/8付け)
http://d.hatena.ne.jp/dtk-doc/20150408/1428464462

米国の大学トップ100の図書館におけるWeb2.0ツールの利用状況

Library Hi Tech誌のEarlyCite Articleとして、“Web 2.0 applications’ usage and trends in top U. S. academic libraries”と題する記事が採録されています(2014, Volume 32, Issue 1)。

アブストラクトによると、U.S. News & Wold Report 2013のリストに示されたトップ100の大学の図書館を対象にして、Web2.0ツールの利用状況を調査したとのことです。調査結果のうち、それぞれの利用率については、SNS(100%)、ブログ(99%)、RSS(97%)、Wiki(91%)、vodcast(47%)、podcast(46%)、ソーシャルブックマーク(39%)となっていたとのことです。

記事本文によると、データの収集は2013年4月23日から5月8日に行われたとのことです。

EarlyCite Article
Web 2.0 applications’ usage and trends in top U. S. academic libraries(Emerald)

シカゴ公共図書館の新しいウェブサイトは「まるでAmazon」 ベータ版公開中

2013年1月にBiblioCommons社と提携し、ウェブサイトをリニューアルするとしていた米国シカゴ公共図書館が、11月から新ウェブサイトのベータ版を公開していました。新サイトではトップページのデザインが一新されているほか、利用者が図書のレビューを書いたり、ブックリストを作成したりコンテンツを友人と共有できる機能等が実装されています。2013年11月20日付けのAmerican Libraries誌オンライン版記事では、まるでAmazon.comのようであると評されています。

American Libraries誌の記事によれば、シカゴ公共図書館のウェブサイトで作成した図書のレビュー等は、同図書館だけではなくBiblioCommonsのプラットフォームを利用している他の図書館利用者との間でも共有できるようになるとのことです。シカゴ公共図書館理事のBrian Bannon氏は、Amazonの強みの一つはコンスタントにレビューを書くなどして同社のプロダクトに貢献する人々のグローバルなネットワークを持っていることであるとした上で、BiblioCommonsによって利用者はAmazonを利用するのと同様の利益を得ることができると述べています。

シカゴ公共図書館の新ウェブサイトは2014年の早期に正式公開予定とのことです。

PLOS Oneとaltmetrics.org、Altmetricsに関する論文まとめページ“Altmetrics Collection”を開設

2012年11月1日、PLOS Oneとaltmetrics.orgが共同で、“Altmetrics Collection”のページを公開しました。これまでとは異なる研究評価指標を研究する“Altmetrics”について、PLOS Oneで刊行された論文等をまとめたものとなっています。

また、“Altmetrics Collection”とは別に、11月7日から9日にかけて開催された第32回Charleston Conferenceにおいて、PLOSのIT部門の責任者Richard Cave氏がAltmetricsの動向をまとめた報告を行っており、その報告資料がSlideShareで公開されています。

Altmetrics Collection (PLOS Collections)
http://www.ploscollections.org/article/browseIssue.action?issue=info:doi/10.1371/issue.pcol.v02.i19

Announcing the Altmetrics Collection (EveryONE 2012/11/1付けの記事)

人文系若手研究者に図書館等のソーシャルメディア実践の知識を提供する“Social Media Knowledge Exchange”

英国芸術・人文研究協議会(AHRC)の助成を受け、ケンブリッジ大学やユニバーシティ・カレッジ・ロンドン等が進めているプロジェクト“Social Media Knowledge Exchange”のウェブサイトが公開されました。

これは、人文・芸術系の大学院生や若手研究者に対して、アカデミズムや図書館や博物館等のソーシャルメディア担当者から、その実践に関する知識を提供するというプロジェクトです。カンファレンス等を通じて、院生や若手研究者に、人的ネットワークや研究者としての評価を築くためのスキル習得を支援し、専門分野や所属研究機関の外部で、そしてアカデミズムを超えて様々な機関で、ソーシャルメディアの実践について学ぶ機会を提供する目的で実施されています。現在、文書館や図書館、歴史研究者が個人あるいは組織レベルで開設しているブログの利用状況を調査し、歴史研究者と文書館等の間でその活用と有効性についての情報交換を行うプロジェクト等が実施されています。

Social Media Knowledge Exchange
http://www.smke.org/

CRASSH News & Press
http://www.crassh.cam.ac.uk/page/1138/news--press.htm

9.11デジタルアーカイブの開設から10年を迎えて(記事紹介)

米国のジョージメイソン大学ロイ・ローゼンツヴァイク歴史とニューメディアセンター(RRCHNM)が運営している“September 11 Digital Archive”が、2012年9月11日に開設から10年を迎え、これまでを振り返る記事をウェブサイトに掲載しています。

記事では、まだインターネットが「見る」ためのプラットフォームであった10年前に、9.11デジタルアーカイブは、利用者から9.11に関するボーンデジタル資料の投稿を受け付ける、いわばWeb2.0の“走り”だったとあります。そして、この成功を受けてRRCHNMは、スタンドアローンで動作する、デジタルコレクションの収集と保存を行うソフトウェア“Omeka”の開発や、その成果を利用したハリケーン「カトリーナ」等のデジタルアーカイブ“Hurricane Digital Memory Bank”等の作成を行ったとのことです。現在、RRCHNMは、9.11デジタルアーカイブに登録された15万点のデジタル資料について、より安定したOmekaのプラットフォームへ移す作業を実施しているとのことです。

ソーシャルネットワークの世界地図:世界各国で使われているソーシャルネットワークは?

「ソーシャルネットワークの世界地図」の2012年6月版が公開されています。この地図は、国別に最も人気のあるソーシャルネットワークを示したものであり、今回の版では、137カ国が調査されています。国別に最も人気のあるSNSは、126カ国でFacebookとなっており、また少数のSNSへの集中が進んでいるとのことです。

なお、この地図は、AlexaとGoogle Trends for Websitesのトラフィックデータを分析し作成されたものです。

Ref.
World Map of Social Networks
http://vincos.it/world-map-of-social-networks/

eポートフォリオを使って公共図書館と学校との連携を模索するプロジェクト“Digifolio”(ルーマニア)

ルーマニアのブラショフ郡図書館が、公共図書館と学校との連携を模索するモデルプログラムとして“Digifolio”というプロジェクトを実施していたようです。このプロジェクトを紹介している、欧州の公共図書館政策担当局による国際NGO組織National Authorities for Public Libraries in Europe(NAPLE)のブログによると、Digifolioでは、62人の生徒に対して3か月間、eポートフォリオ(学習者の学習経験およびその結果身に付けた能力などの証拠となる、学習者が作成した一連のデジタル形態の学習成果物を指す)の作成方法や、それを通じたマルチメディアでのコミュニケーションスキル、YouTube等のWeb2.0のツールや、デジタルレコーダーやスキャナ等の関連機器の使用方法について教えたようです。Digifolioのウェブサイトでは、プロジェクトの成果物等が公開されています。

DIGIFOLIO
http://digifolioen.weebly.com/index.html

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