計量書誌学

Make Data Count(MDC)プロジェクト、研究データの評価指標に関する実務指針第1版のプレプリント版を公開

2018年2月12日、カリフォルニア電子図書館(CDL)、DataCite、DataONEからなる研究データの評価指標に関するMake Data Count(MDC)プロジェクトが研究データの評価指標に関する実務指針“Code of Practice for Research Data Usage Metrics Release 1”のプレプリント版を公開したと発表しています。

リポジトリ全体で比較可能な研究データの利用評価指標の枠組みを提供することを目的としたもので、COUNTERプロジェクトと共同で、データと論文の異なる点や、データを対象とした実務指針が「COUNTER実務指針第5版」と異なる必要がある点について考慮しつつ策定されました。

同プロジェクトでは、プレプリント版への意見を求めています。

オープンアクセス雑誌はどの領域でうまくいくのか?:5年間の継続調査(文献紹介)

Journal of the Association for Information Science and Technology誌のオンライン版で、オープンアクセス(OA)雑誌と非OA雑誌について、2011年~2015年の被引用数に基づくインパクトの変化を論じた論文”Which domains do open-access journals do best in? A 5-year longitudinal study”が公開されています。著者は米ドレクセル大学のErjia Yan氏とKai Li氏です。

この論文はElsevier社のScopusの被引用データに基づく指標、CiteScoreについて、OA雑誌と非OA雑誌の5年間の変化を見ています。分析の結果、CitrScore上位の雑誌の間では非OA雑誌の方がより高いインパクトを獲得してきている一方で、下位の雑誌ではOA雑誌の方がインパクトが伸びていること、社会科学分野では非OA雑誌の方がインパクトを伸ばしている一方、生物化学や医学分野ではOA雑誌の方がインパクトを伸ばしていること等が報告されています。

ISIがClarivate Analyticsの一部門として「復活」

2018年2月7日、Clarivate Analyticsは同社の一部門としてISI(Institute for Scientific Information)を「復活」(re-establish)させる、と発表しました。

元々ISIはユージン・ガーフィールド氏が設立したもので、Science Citation Indexやインパクトファクターの編集等で知られていました。1992年にトムソン社(後のトムソン・ロイター社)に買収された後、同社の知的財産・科学事業部門となり、ブランド名等にその名を残していました。その後、2016年にトムソン・ロイター社が知的財産・科学事業部門を売却し、同部門はClarivate Analyticsという独立した企業となっていました。

新ISIはClarivate Analytics社の中で、計量書誌学手法の開発や学術コミュニティのパートナー・顧客との協働促進等に従事するとのことです。

研究評価指標に関する証拠に基づいた情報を提供する“Metrics Toolkit ”が公開

2018年1月30日、様々な分野の、研究評価指標に関する証拠に基づいた情報を提供する“Metrics Toolkit”が公開されました。

米・オレゴン健康科学大学(OHSU)図書館のRobin Champieux氏、米・インディアナ大学・パデュー大学インディアナポリス校(IUPUI)図書館のHeather Coates氏、Altmetric社のStacy Konkiel氏によって作成されました。

研究評価指標に関する詳細な情報を知るための“Explore Metrics”という機能と、分野や研究成果、影響の種類などでフィルタリングすることで利用者にとって最適な研究評価指標を選択することができる“Choose Metrics”の機能があります。

@Metrics_Toolkit(Twitter,2018/1/30)
https://twitter.com/Metrics_Toolkit/status/958330708438781952

Digital Science社、新たな研究ディスカバリープラットフォーム“Dimensions”の提供を開始

2018年1月14日、Digital Science社が新たな研究ディスカバリープラットフォーム“Dimensions”のサービス提供を開始しました。

DimensionsはDigital Science社傘下の6つの部門(Altmetric、Digital Science Consultancy、Figshare、Readcube、Symplectic、ÜberResearch)及び100以上の大学・研究助成機関の協働によって生まれたサービスで、約8,600万件の学術論文・図書の書誌情報に加え、8億6,000万件以上の引用情報、約1兆2,000億ドル相当の研究助成情報、3,400万件の特許情報を含み、さらにそれら相互の関係に関する37億件のリンクや、研究評価指標、オルトメトリクス等の情報も含んでいるとのことです。

2018年中は文献・引用等の単純な検索等は無料で行えるとのことです。その他に有料サービスとして、研究機関向けに研究助成情報、臨床試験情報、特許情報等の多様なコンテンツを含んだDimensions Plusや、研究助成機関等向けにDimensions内の情報の分析・可視化ツールDimensions Analyticsを提供するとしています。

米・Ithaka S+R、公衆衛生学研究者の研究活動支援へのニーズを調査したレポートを公開

2017年12月14日、米・Ithaka S+Rが、同国の公衆衛生学研究者の研究支援ニーズに関する調査報告書を公開しました。

Ithaka S+Rによる研究者の分野別の研究活動調査プログラムの一環で、公衆衛生学研究者の研究支援に資するためのサービスを明らかにするため、7つの研究図書館と協力して実施されました。

報告書では、公衆衛生学分野の研究者のニーズとして、同分野で取組まれることの多い機関・国際間連携による研究を支援するためのツールや基盤、灰色文献や国外の査読誌掲載論文の入手、研究データ管理のための新しい技術の活用、研究データの共有とプライバシーの保護の調整、研究のインパクトを明瞭に示しオンラインで公開するための支援、があげられています。

Altmetricスコアの“2017年トップ100”論文発表

2017年12月12日、Altmetric社が、2017年版の”Altmetric Top 100”を公開しました。

2017年の第1位は、2017年8月に『ランセット』誌に掲載された論文“Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort studys”でした。

Which papers got the most attention online this year?(Altmetric Blog,2017/12/12)
https://www.altmetric.com/blog/top1002017/

I4OC、出版者に参考文献データの公開を求めるオープンレターを発表 Elsevier社等を名指し

2017年12月5日、引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OCが、複数の出版者に対し名指しで参考文献データの公開を求めるオープンレターを発表しました。

I4OCが進める参考文献データのオープン化には既に多くの出版者が協力しており、CrossRefに登録された参考文献データの半数以上が既にオープンになっています。しかし一部の出版者がまだ協力しておらず、具体的には米国化学会、Elsevier社、IEEE、Wolters Kluwer Health等が参加していないと名指しされています。特にElsevier社の雑誌には未公開参考文献データの65%が含まれていると見込まれるとのことです。I4OCはすべての出版者に、強く協力を要請するとしています。

Open citations: A letter from the scientometric community to scholarly publishers(ISSI、2017/12/5付け)
http://issi-society.org/open-citations-letter

引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OC、Crossrefに登録された雑誌論文の参考文献のOA率が50%を超えたと発表

2017年11月24日、引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OCが、Crossrefに登録された雑誌論文の参考文献のOA率が50%を超えたと発表しました。

Crossrefに登録された論文の参考文献9億5,605万193件の分析を行った結果で、その50.84%にあたる4億8,604万1,671件がOAの状態でした。

また、単行本・会議録といった雑誌以外の媒体に掲載された論文の参考文献の数は1億1,908万3,550件で、OAであったのは3,715万9,390件(31.20%)でした。

Milestone for I4OC - open references at Crossref exceed 50%(I4OC,2017/11/24)
https://opencitations.wordpress.com/2017/11/24/milestone-for-i4oc-open-references-at-crossref-exceed-50/

約400回引用されているのに実は存在しない幻の論文”The art of writing a scientific article” 正体はElsevierの執筆ガイドラインのコピー(記事紹介)

2017年11月14日付けのRetraction Watch記事で、英国・ミドルセックス大学のAnne-Wil Harzing教授がブログで取り上げた「幻の論文への引用」が紹介されています。

Harzing教授はオランダ・ライデン大学のPieter Kroonenberg教授から「幻の論文への引用」の話を聞き、実態を調査しました。Kroonenberg教授が発見した「幻の論文」とは、”Journal of Science Communications”という雑誌に掲載された、”The art of writing a scientific article”という論文です。この論文は多くの他の論文から引用されており、被引用数の合計は約400回にものぼりましたが、Kroonenberg教授が調べたところ、そんな論文はどうも実在せず、それどころか”Journal of Science Communications”という雑誌自体、存在しなかったということです。

ページ