電子書籍

OverDrive社が2017年後半からCost-per-Circulationモデルを導入すると発表

2017年5月30日、米OverDrive社は同社の図書館向け電子書籍プラットフォーム内において、買い切り型のモデルに加え、新たに利用のあった電子書籍について料金を求めるCost-per-Circulation (CPC)モデルを導入すると発表しました。

CPCモデルはいわゆる利用者主導型購入方式(Patron-Driven Acqusitions、PDA)に相当するものです。OverDriveの全書籍に導入されるわけではなく、当初はSimon & Schuster Audio、Baker Publishing、Lerner Publishingのオーディオブックと電子書籍が対象となるとのことです。これらの出版社の図書についても、CPCモデル以外に従来の買い切り型での提供も継続して行われます。

CPCモデルの開始は2017年後半を予定しており、料金体系についてはまだ確定していないとのことです。

ハリー・ポッター出版20周年にあわせ、電子書籍版の図書館向けライセンス料が2週間限定で無料に

‘Harry Potter and the Philosopher’s Stone’ (邦題:ハリー・ポッターと賢者の石)の出版20周年にあわせ、英国の図書館において同書の電子書籍版の図書館向けライセンス料を2週間限定で無料にするキャンペーンが行われるようです。英The Bookseller誌が報じています。

同誌によると、OverDriveをはじめとする図書館向けの電子書籍アプリにおいて、2017年6月26日から7月9日にかけて、同書が無料かつ同時利用者数の制限なく利用できるようになるとのことです。また、ハリー・ポッターシリーズの著者であるJ.K.ローリング氏の電子書籍サイト、Pottermoreは、図書館向けにポスターやフライヤー等、キャンペーンの広報ツールも提供するとのことです。

JSTOR Labs、デジタル版の学術書の新しい閲覧方法を検討した報告書を公開

2017年6月12日、JSTORのツール作成部門JSTOR Labsが、“Reimagining the Monograph project”の最終報告書“Reimagining the Digital Monograph: Design Thinking to Build New Tools for Researchers”を公開しました。

デジタル形式で入手できる学術書が増える一方、閲覧のための形式としてはしばしばpdfファイルしかないという状況を鑑み、シンプル、かつ、既にpdfで公開されている学術書に実装するにあたって安価な閲覧形式という目標を立てて、オンラインの学術書の新しい閲覧方法のコンセプトの考案やデザインの検討作業を行なった成果です。

あわせて、6人の学者が、冊子体とデジタル版の学術書をどのように用いて研究を行なっているかについてのエスノグラフィ調査の結果も掲載されています。

また、この調査過程で作成された“Topicgraph”と呼ばれるプロトタイプも公開されています。

ニューヨークの地下鉄で、ニューヨーク・ブルックリン・クイーンズの公共図書館等によるプロジェクト“SubwayLibrary”が開始

2017年6月8日、ニューヨーク公共図書館(NYPL)・ブルックリン公共図書館(BPL)・クイーンズ公共図書館(QPL)及びニューヨーク地下鉄(MTA)、Transit Wireless社によるプロジェクト“SubwayLibrary”の開始が発表されました。

地下鉄で電子書籍を無料で提供するサービスで、列車内で無料のWi-Fiに接続し、無料の電子書籍アプリ“SimplyE”の技術を用いて開発された 専用サイトSubwayLibrary.comから利用することができます。

利用できるのは、一駅・二駅で読める分量である本の最初の章のみで(古典作品や短編小説については全文)、その本をもっと読みたい場合には、図書館の電子書籍アプリ“SimplyE”をダウンロードして、残りを読むことになります。

サービス開始にあわせ、NYPLの“Rose Main Reading Room”(大閲覧室)の内装に似せてデザインされた特別車両が走行しており、Transit Wireless社では、特別列車や駅構内の“SubwayLibrary”のポスターを写真をとってハッシュタグ等を付けてTwitterやInstagramで公開すると、Amazon Kindle Voyager等の賞があたるイベントを行っています。

BookNet Canada、電子書籍出版に関するレポート“The State of Digital Publishing in Canada 2016”を公開

2017年6月7日、カナダの出版団体Booknet Canadaが、カナダにおける電子書籍出版に関するレポート“The State of Digital Publishing in Canada”の 2016年版を公開しました。

売上のある電子書籍の数が減少しているが、これには、デジタル化された既刊書の数が増加や、電子書籍への消費が減少したことが原因である可能性がある事、一方で、報告があった企業の61%は収益を増やし、そのうち25%が前年よりデジタル部門での収益を25%以上増加させたこと等が紹介されています。

Infographic: The State of Digital Publishing in Canada 2016(BookNet Canada,2017/6/7)
http://www.booknetcanada.ca/blog/2017/6/5/infographic-state-of-digital-2016

ODILO社、洪水被害を受けたペルーの子どもを対象に教育関連のデジタルコンテンツを無償提供

2017年6月1日、スペインと米国に拠点を置き、欧州・ラテンアメリカを中心に電子書籍事業や図書館向けの電子図書館事業を行なっているODILO社が、3月末に発生した洪水の被害を受け、学校に通えない状況が続くペルーの子どもを対象に、教育関連のデジタルコンテンツ(電子書籍、視聴覚資料等)を無償で提供すると発表しています。

復旧工事下での継続的な学習の支援が目的で、通信業社テレフォニカ・ペルーとペルー教育省は、このプロジェクトを通じて、読解力やデジタルリテラシーが向上することも期待しているとのことです。

Flood victims receive free eBooks (ODILO,2017/6/1)
http://mailchi.mp/odilo/floodvicitms

米国デジタル公共図書館、電子書籍へのアクセス拡大を目的としたパイロット事業の第2弾を開始へ

2017年5月15日、米国デジタル公共図書館(DPLA)が、電子書籍へのアクセス拡大を目的としたパイロット事業の第2弾を今秋から開始すると発表しました。

DPLAでは、図書館を、地域性と技術の観点から、利用者の電子書籍へのアクセスを最大化する潜在的能力を持つと評価しており、第2弾では、DPLAでは、3から5館の大規模公共図書館やコンソーシアムに対して、様々なデバイスで電子書籍を読むことを可能にするオープンな電子書籍システムOPDSに基づいたキュレーションポータルを提供することを通じ、オープンなものから市販されているものまでを含めた様々な電子書籍に対するアクセスを拡大させることを目指しています。

DPLA Launching Ebook Pilot(DPLA,2017/5/15)
https://dp.la/info/2017/05/15/dpla-launching-ebook-pilot/

仏・高等教育書誌センター、Springer社とナショナルライセンスを締結

フランスの高等教育書誌センター(Agence bibliographique de l'enseignement superieur:ABES)が、Springer社と、4つの電子書籍コレクションにアクセスできるナショナルライセンスを締結したと発表しています。

フランスのナショナルサイトライセンスプロジェクトISTEXからの財政支援によるもので、これにより、フランスの研究者は、SpringerLink上で上記電子書籍コレクションに含まれる、2013年までに刊行された、数学・物理学・天文学・化学・物質科学分野の電子書籍3万3千冊を利用できるようになります。

ISTEX : une nouvelle licence nationale signée avec Springer(ABES,2017/5/3)
https://fil.abes.fr/2017/05/03/istex-une-nouvelle-licence-nationale-signee-avec-springer/

【イベント】ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟勉強会「政策づくりへの図書館&議会図書室活用法」(6/2・東京)

2017年6月2日、図書館流通センター本社ホールにおいて、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟主催の勉強会「政策づくりへの図書館&議会図書室活用法」が開催されます。

内容は以下の通りで、参加には事前の申し込みが必要です。
参加費は有料で、3,000 円(ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟会員)、5,000円(地方議員ビジター)、2,000円(市民、議会事務局、自治体職員など)です。

<第一部 図書館を活用した政策づくり>
【基礎講座】議員による図書館活用法 
 図書館総合研究所 佐藤達生氏

【提言】図書館の視覚障害者サービスの実態と電子図書の活用法
 図書館総合研究所特別顧問/立命館大学人間科学研究所 客員研究員 植村要氏

<第二部 議会図書室を活用した政策づくり>
【事例報告】「強い議会」を支える「使える」議会図書室
      ~呉市議会議会図書室改革と議員への効果空
 呉市議会 議会図書室司書 重森貴菜氏

<第三部 論点整理とディスカッション>
【講演】議会改革と議会図書室改革のポイント
 山梨学院大学教授 江藤俊昭氏

【イベント】2017年度日本出版学会 総会・春季研究発表会(5/13・東京)

2017年5月13日に、日本大学法学部三崎町キャンパスにて、2017年度日本出版学会総会・春季研究発表会が開催されます。

午前中の研究発表では第2分科会において、「大規模図書選定事業の比較」(発表:伊藤民雄氏)、「学校図書館における電子書籍利用に関する一考察」(発表:植村八潮氏、野口武悟氏)、「図書館というアーカイブ機関とアーカイブ化の対象の行方」(発表:宮下義樹氏)など、図書館に関する発表が集中して行われます。

参加は有料で、事前申込みが必要とのことです。

■2017年度 日本出版学会 総会・春季研究発表会のご案内(日本出版学会、2017/4/18付け)
http://www.shuppan.jp/yotei/894-2017-2017513.html

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