オーストラリア

E1793 - オンライン資料の納本制度の現在(3)オーストラリア

E1793 - オンライン資料の納本制度の現在(3)オーストラリア

◯はじめに

2015年8月17日にオーストラリア連邦議会を通過した「民法・司法関係法改正法2014」(Civil Law and Justice Legislation Amendment Bill 2014)によって,オーストラリア国立図書館(NLA)への納本対象資料をオンライン資料にも拡大するように改正された著作権法が,2016年2月17日施行された。これまで,NLAでは,無償のオンライン資料を出版者との契約により収集してきたが,改正著作権法の施行に伴い,有償・無償を問わずオンライン資料は全て納本制度に基づき収集できることとなった。2012年に司法省からオンライン資料のオンデマンド収集を主旨とする納本制度の拡大について提言が出されたが,これはその提言の延長にあるものであろう。

フランスとオーストラリアの国立公文書館が連携協定を締結:両国間の「歴史を共有する」プロジェクトの一環として

2016年4月27日、フランスの文化省において、オーストラリア総督(Governor-General of Australia)が“Imagination, exploration, memory: French-Australian shared histories”プロジェクトの開始を発表しています。

このオーストラリアとフランスの間で共有する歴史的な経験を祝うプロジェクトの一環として、フランス国立公文書館とオーストラリア国立公文書館(NAA)が、両機関の連携強化の協定を締結しています。

「歴史を共有する」というアイデアは、2014年にフランスのオランド(Francois Hollande)大統領が、キャンベラのフランス系オーストラリア人の高校を訪問し、オーストラリア国立公文書館が所蔵する記録を用いて同校の生徒が第1次世界大戦中のオーストラリア帝国軍に参加したフランス人140名を同定する共同プロジェクトを見学した際に思いついたもので、このアイデアが両国の国立公文書館での6年間の協働プログラムに発展したとのことです。

この他、フランスの歴史家のオーストラリア訪問、国際セミナー、展示なども企画されているほか、プロジェクト開始にあたり、オーストラリア国立公文書館長のフリッカー(Fricker)氏はフランスの芸術文化勲章(シュヴァリエ)を授けられています。

オーストラリア・ニュージーランドの学校図書館に関する調査報告書が公開

2016年4月12日、オーストラリアの図書館システムベンダのSoftlink社が、オーストラリア及びニュージーランドの学校図書館に関する調査報告書“2015 Softlink Australian and New Zealand School Library Survey”を公開しました。

同社が、学校図書館が直面する問題や傾向を把握するために行なっているもので、6回目になる今回の調査では、ニュージーランドを初めて対象に含めたとのことです。

予算、資源配分、情報やコンテンツの配信方法 好ましい実践例を調査しており、

・学校図書館予算が近年は安定化していること
・引き続き、学校図書館の蔵書量と、NAPLAN(オーストラリアの学力テスト)の調査結果から見られるリテラシー能力の改善に相関関係があること
・電子書籍の購入が増加していること
・64%の児童、生徒が個人のモバイル端末を所有していること(2014年調査では43%)

などが指摘されています。

2015 Softlink School Library Survey report released(Softlink,2016/4/12)

オーストラリア図書館協会、季刊誌“Journal of the Australian Library and Information Association” (JALIA)を創刊へ

オーストラリア図書館協会(ALIA)は、2017年1月から、“Journal of the Australian Library and Information Association”誌 (JALIA)を創刊すると発表しています。

現在発行している“Australian Library Journal”(ALJ) 誌を名称変更するもので、“Australian Academic and Research Libraries”(AARL) 誌もあわせて廃刊とするとのことです。

JALIA誌創刊の目的は、ALJ誌およびAARL誌の強みを統合することであり、図書館情報学の研究者と実務家からのコンテンツをバランスよく提供する予定とのことです。

冊子体とオンライン版があり、誌面は、論文、書評で構成され、オンラインコンテンツとして映像要約やブログが計画されています。

ダブルブラインドの査読誌であり、季刊で発行され、ALIAの機関会員や定期購読により閲覧可能なほか、3年間のエンバーゴ期間の後無料でも公開されるとのことです。

2018年にオープンする予定のシドニー市図書館が入居する市民センターのイメージ図などが公開(オーストラリア)

2016年3月14日、シドニー市は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニーのダーリングハーバーに2018年にオープンする予定の、図書館が入居する市民センターのイメージ画像等を公開しています。

同施設に入居する図書館には、メイカースペースも設けられるとのことです。

設計は、富山市立図書館が入居する「TOYAMAキラリ」なども手がけた隈研吾(くまけんご)氏で、木材を活かしたデザインとなっています。

Community library marks new chapter for Darling Harbour(City of Sydney, 2016/3/14)
http://www.sydneymedia.com.au/community-library-marks-new-chapter-for-darling-harbour/?utm_source=Twitter&utm_medium=social&utm_content=library-dh&utm_campaign=cosTwitter14March2016

kengo kuma plans the darling exchange for sydney(designboom, 2016/3/15)

オーストラリア国立図書館の情報探索システム“Trove”がバージョン7にアップデート

2016年2月21日、オーストラリア国立図書館(NLA)は、同館の情報探索システム“Trove”をアップデートし、バージョン7になったと発表しています。

“Trove”の歴史上最大のアップデートの1つとのことで、

・新「ブラウズ」機能を利用し、州・タイトル・日付・カテゴリーといった広範なトピックから選択することで、利用したい記事を容易に選択可能
・より容易なナビゲーションを行なう画面左のアイコン
・正確なテキストを容易に利用できるように、改行を追加し空白行を削除
・コントラスト、フォント、文字のサイズ、好ましいズームレベルといった画面のカスタマイズが可能

といった機能が追加されたとのことです。

また、「ニューサウスウェールズ官報」の一部をデジタル化して公開したほか、Troveのエンジンも、より速く、より応答的なものとなり、モバイル媒体に対応する技術が改善しているとのことです。

Introducing Trove 7(NLA,2016/2/21)
https://www.nla.gov.au/news/2016/02/10/introducing-trove-7

Trove 7 Update(Trove,2016/2/26)

CDNLAOニュースレター、最新号の特集はアジア・オセアニア地域のIFLA/PACセンターにおける図書館資料の保存活動

国立国会図書館が編集するCDNLAO(アジア・オセアニア国立図書館長会議)の英文ニュースレター“CDNLAO Newsletter”の第85号が公開されています。特集として、アジア・オセアニア地域のIFLA/PACセンターにおける図書館資料の保存活動に関する記事を掲載しており、オーストラリア、日本、韓国、スリランカ、中国、トルコのそれぞれについて、以下の記事が掲載されています。

オーストラリア:Broadening Parameters at the National Library of Australia
日本:National Diet Library’s Preservation and Conservation Activities and the IFLA/PAC Regional Centre for Asia
韓国:Preservation Activities of IFLA PAC Korea Center
スリランカ:Activities of IFLA Preservation and Conservation (PAC) Centre Sri Lanka, National Library and Documentation Services Board

オーストラリア国立図書館への納本対象資料をデジタル資料へ拡大した改正著作権法が施行 

2015年8月17日に議会を通過した「民法・司法関係法改正法2014(Civil Law and Justice Legislation Amendment Bill 2014)」によって、オーストラリア国立図書館(NLA)への納本対象資料をデジタル資料にも拡大するように改正された著作権法が2016年2月17日施行されました。

これにより、NLAは、デジタル形態の書籍、雑誌、ニュースレター、地図、楽譜、ウェブサイトも収集することとなり、収集されたデジタル資料は、2016年後半に閲覧室で利用できるようになるとのことです。

最初に納本された電子書籍は、作家・キニーリー(Tom Keneally)氏の最新の小説“Napoleon's Last Island”とのことです。

New legal deposit service (NLA,2016/2/11)
https://www.nla.gov.au/news/2016/02/11/new-legal-deposit-service

NLA makes digital history today(NLA,2016/2/17)
https://www.nla.gov.au/media-releases/2016/02/17/nla-make-digital-history-today

オーストラリアORCIDコンソーシアムが創設

2016年2月15日、オーストラリアORCIDコンソーシアムがオーストラリア国立大学 (ANU) 内に創設されました。

コンソーシアムは、Universities Australia、オーストラリア研究会議(ARC)、オーストラリア国立保健医療研究委員会(NHMRC)、オーストラリア研究管理学会(ARMS)、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、オーストラリア大学情報技術担当者協議会(CAUDIT)、オーストラリア国立データサービス(ANDS)、オーストラリアアクセス連盟(AAF)により創設され、現在、40機関が参加しているとのことです。

ORCID Blog(2016/2/16付け)
http://orcid.org/blog/2016/02/17/australian-orcid-consortium-officially-launched

Bringing more trailblazing Australian research to global attention(Universities Australia,2016/2/16)

2月14日は、10周年となる“Library Lovers Day”(オーストラリア)

2016年2月14日は、オーストラリアでは、オーストラリア図書館協会(ALIA)などによる“Library Lovers' Day”です。2006年にシドニーにあるニューサウスウェールズ州立図書館で、2月14日に“Library Lovers' Day”が開催されてから、10周年となります。

“Library Lovers' Day”では、2007年以降、ALIAなどが中心となって、図書館で様々な取組が行なわれてきました。

ALIAのウェブサイトでは、ポスターやSNSアカウント用の画像が用意されているほか、SNSやインターネットに関するアイディア(例えばロマンチックな図書館に関する話を投稿することや、結婚式を開催する図書館へのリンクを貼るなど)や、図書館での取組のアイディアとして、同僚に当日はお洒落をすることを勧める(赤が入っているとロマンティック)、折り紙でハート形のしおりを作る、などが挙げられており、事例や参考になる資料・動画などへのリンクも貼られています。

Library Lovers' Day(ALIA)
https://www.alia.org.au/libraryloversday

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