オーストラリア

図書館の将来像は、コミュニティを支援する拠点:オーストラリア・ニュージーランドの図書館長等への調査

2016年10月27日、IT企業のCivica社が、シドニー工科大学のInstitute for Public Policy and Governanceと共同で行った調査の結果報告書“The intrinsic value of libraries as public space”を公開しました。

図書館がコミュニティーの中心であり続けるための課題を知るために行なわれたもので、オーストラリアとニュージーランドの図書館の館長や管理職、地方政府の管理職の、図書館に関する見解を詳しく調査しています。

結果からは、本が並び、静かに読書し、勉強できる機能に焦点をあてた図書館というのは過去のものであるという意見で一致していること、そして、その将来像は、雇用から、医療情報、学習やビジネスまでに及ぶ、コミュニティー支援のためのワン・ストップ・ショップであることが紹介されています。

また、Wi-Fiの提供によるインターネットへのアクセスの地域間格差の解消や、社会的孤立を防ぐための空間の提供等の機能に関する指摘が多かったことが言及されています。

報告書のダウンロードには名前や電子メールアドレス等の登録が必要です。

オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの図書館協会、3か国の図書館振興のための覚書を締結

2016年10月12日、オーストラリア(ALIA)、ニュージーランド(LIANZA)、シンガポール(LAS)の図書館協会は、3か国の図書館・情報分野の振興のために協力することで合意したと発表しています。

合意点として以下の3点があげられています。

・2018年にオーストラリアのゴールドコーストで合同会議を開催すること
・国際図書館連盟(IFLA)などにおいて当該地域の図書館・情報分野の代弁者となること
・GLAM部門のコレクションへのデジタルアクセスを推進すること

オーストラリア・クィーンズランド州立図書館、ドラッグ・アンド・ドロップで5コマ漫画を作成できる“Comic Maker”のコードを公開

2016年9月23日、オーストラリアのクィーンズランド州立図書館は、全てのコミュニティの中心に文化を位置付けようというキャンペーン“Fun Palaces”の漫画作成をテーマにしたウェブサイト“ Fun Palaces Comic Maker”を支援するために作成した“Comic Maker”のコードを公開しました。

“Comic Maker”は、用意されている画像をドラッグ・アンド・ドロップすることで、5コマ漫画を作成できるもので、同館は、公開したコードの活用や画像の追加を行なうことを通じて、新しいものが作成され、無料で共有できる形で公開されることを望んでいると述べています。

Make your own online comic with the Fun Palaces Comic Maker(State Library of Queensland,2016/9/23)
http://blogs.slq.qld.gov.au/slq-today/2016/09/23/comic_maker/

SLQSignatureProgram/Fun-Palaces-Comic-Maker
https://github.com/SLQSignatureProgram/Fun-Palaces-Comic-Maker

米国デジタル公共図書館が主催するGIFアニメの国際的なコンペティション“GIF IT UP”、今年も開催

今年も、2016年10月1日から10月31日まで、米国デジタル公共図書館(DPLA)が主催する、GIFアニメの国際コンペティション“GIF IT UP”が開催されます。

DPLA、Europeana、ニュージーランド国立図書館の“DigitalNZ”、オーストラリア国立図書館の“Trove”から利用できるパブリックドメインやオープンライセンスの動画・画像・テキスト等を使用して作成したGIFアニメのコンペティションで、応募作品の中から、優勝、次点(3作品)、people's choice賞、Europeana賞、Trove賞(3作品)、Trove Student賞(3作品)が選ばれます。

GIF IT UP Returns on October 1(DPLA,2016/9/13)
https://dp.la/info/2016/09/13/gif-it-up-returns-on-october-1/

文化庁、米、英、豪、仏、独、韓、中7か国を対象に調査した「海外における著作権制度及び関連政策動向等に関する調査研究報告書」を公開

文化庁は、平成27年度文化庁調査研究事業として、シティユーワ法律事務所による「海外における著作権制度及び関連政策動向等に関する調査研究報告書」を文化庁のウェブサイトで公開しています。

海外における著作権制度及び関連する政策動向等に関する情報を収集することを目的として、近年の著作権法改正の概要、現在の著作権法改正に向けた検討状況、著作権等の集中管理制度の概要、著作権等の集中管理制度の近年の変革・現在の検討状況、著作権法分野における近年の主要裁判例について米国、英国、オーストラリア、フランス、ドイツ、韓国、中国を対象に調査を行ったものです。

調査は、各国の法律事務所に調査項目を提示して行われ、報告書は各国の法律事務所から調査結果の報告を受け、それらを翻訳してまとめられています。

海外における著作権制度及び関連政策動向等に関する調査研究報告書(平成28年3月付)
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/chosakuken/pdf/h28_kaigai_hokokusho.pdf

著作権各種報告(懇談会・検討会議・調査研究)(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/chosakuken/

関連:

オーストラリア図書館協会、同協会の作成した資料の情報ポータル“READ”を公開

2016年8月30日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、同協会の作成した資料の情報ポータル“READ”を公開しました。

READは“Resources, Electronic and Archived Documents”の略で、ALIAの年報、会議資料、トレンドレポート、基準やガイドライン、政策文書、アドヴォカシーガイド、計画支援、政府へ提出した意見書など300件のアイテムのほか、同協会のHealth Libraries Australia Groupの1970年代までに遡るニュースレターや報告書などを検索・閲覧することができます。

システムは、ダブリンコアによるメタデータ記述、米国議会図書館(LC)の件名標目、コンテンツマネジメントシステムのDrupalを用いて構築されています。

ALIAでは情報資源のカタログ化や、より多くの情報のポータルへの搭載のための支援を求めています。

READ ALIA - New ALIA open access information hub(ALIA,2016/8/30)
https://www.alia.org.au/media-releases/read-alia-new-alia-open-access-information-hub

READ(ALIA)

オーストラリア図書館協会、出版物の販売促進サービスNetGalleyと連携

2016年8月29日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、書籍の販売促進を目的に、図書館員・書店員・書評家・ブロガー・教師などに書籍の校正刷りを提供するサービスNetGalleyと連携したことを発表しています。

この連携により、ALIAの会員は、NetGalley上の出版予定の書籍のレビューを行なうことにより、出版社に意見をフィードバックすることができるとともに、同サービスを用いて、オーストラリアの図書館員による月刊の推薦図書リスト“LibrariansChoice”に書籍を推薦することができるようになります。

NetGalleyは、世界の2万9千人の図書館員が無料で利用しており、350の出版社や何百人もの個々の著者から寄せられた出版予定の書籍を閲覧できるようになっています。

Australian Library and Information Association, LibrariansChoice and NetGalley Announce New Ways to Access and Review New Books(ALIA,2016/8/29)

オーストラリアのデジタルインクルージョンの現状を調査した報告書

2016年8月24日、オーストラリアの通信会社テルストラとスウィンバン工科大学の研究所による取組み“Australian Digital Inclusion Index”が、調査会社ロイ・モルガン・リサーチ社の支援を受け、オーストラリアのデジタルインクルージョンの現状を調査した報告書“Measuring Australia's Digital Divide”を公開しました。

同報告書では、オーストラリア人はより多くの時間と費用をインターネットに費やしている一方でデジタルに関する能力が比較的低いこと、年齢・収入・居住地がインターネットへのアクセス環境や情報リテラシー能力に影響を与えていること、身体障害者や低所得者等がデジタル環境から疎外されるリスクがあること、教育状況や雇用状況が平均より低い地域はインターネットの利用が少ないこと、都市より地方のほうが包摂度を示すポイントが低いことなどが指摘されています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)では、この調査を受けて、公共図書館は、無料のインターネット接続の提供、デジタルリテラシー教育の提供、オンラインの政府サービスの利用、就職活動、オンラインリソースの利用、宿題の支援等を通じて、デジタルインクルージョンを支援するという重要な役割があると述べています。

【イベント】国際公文書館会議ソウル大会記念シンポジウム「アーカイブズの未来を考える」(9/11・東京)

2016年9月11日、国際公文書館会議(ICA)ソウル大会の開催(2016/9/5~9/10)を受けて、東京都の一橋講堂で、ICAソウル大会記念シンポジウム「アーカイブズの未来を考える」が開催されます。

第1部では以下の記念講演が行われます。

・ICA事務総長デービッド・リーチ氏「情報化時代におけるICAの役割」
・ICA会長デービッド・フリッカー氏「デジタル情報の継続性-情報社会に対応するためのオーストラリア国立公文書館の改革」

第2部では「日本のアーカイブズへの期待」と題したパネルディスカッションが行われ、国立公文書館長の加藤丈夫氏がモデレータを務め、記念講演を行った両氏と、一橋大学教授の井上由里子氏と青山学院大学特任教授の御厨貴氏がパネリストとして登壇します。

定員は500名で、参加費は無料ですが、メール・往復はがき・FAXでの事前の申し込みが必要です。

ICAソウル大会記念シンポジウム「アーカイブズの未来を考える」(国立公文書館)
http://www.archives.go.jp/about/activity/ica2016.html

オーストラリア図書館協会、全国学力テストの結果を受け声明を発表:司書教諭の積極的な配置を要望

2016年8月3日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、2016年の全国学力テスト(NAPLAN)の結果において、リテラシーや基礎学力において有意な変化が見られなかったことを受け声明を発表しています。

ALIAは、学校図書室の設置や司書教諭の配置がそれら能力の向上に貢献することが明らかにも関わらず、オーストラリア教育研究所(ACER)が実施した調査では、司書教諭が他の学校の専門職員と比べて配置が少ないこと、キャリアの少ない教員が学校図書室の運営を担っていること、学校図書室の運営を担当している初等教育の教員の3分の1、中等教育の教員の4分の1が図書館情報学を修めていないこと、社会経済的に下位の学校のほうが司書教諭の配置が少ないこと、等をあげ、能力のある司書教諭を初等学校・中等学校に積極的に配置するよう求めています。

ALIA calls for more teacher librarians following flat NAPLAN test results(ALIA,2016/8/3)
https://www.alia.org.au/news/14553/alia-calls-more-teacher-librarians-following-flat-naplan-test-results

参考:

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