カレントアウェアネス・ポータルは、図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトです。

動向レビュー

CA1784 - 動向レビュー:図書館におけるナレッジベース活用の拡がりとKBARTの役割 / 渡邉英理子, 香川朋子

 電子ジャーナル、電子書籍、データベースといった電子リソースの導入が進むなか、その管理と適切なアクセス提供のために、電子リソースのA-Zリスト、リンクリゾルバ、統合検索システム、ディスカバリインターフェース(CA1727CA1772参照)、MARC提供サービス、電子情報資源管理システム(ERMS)(1)などが多くの学術機関で利用されている。現在国内外で主流となっているのは、EBSCO、Ex Libris、Serials Solutionsなど、海外ベンダーのサービスである。これらのサービスは、ナレッジベース(Knowledge Base)と呼ばれるデータベースを中核に持つ点に特徴がある。...

CA1786 - 動向レビュー:中国の納本制度の現状と新たな動き / 岡村志嘉子

 国内出版物を納本によって国立図書館が網羅的に収集する仕組みは、中国においても制度化されている。中国唯一の国立図書館として「国の総書庫」(1)の機能を担う中国国家図書館は、長年にわたり納本制度の下で蔵書構築を行ってきた。しかし、納本率の低さなど懸案も少なくない。最近では、オンライン出版物の納本をめぐって、法整備を含めた議論も活発になっている。...

CA1777 - 動向レビュー:利用者要求にもとづくコレクション構築:大学図書館における電子書籍を対象としたPDAを中心に / 小山憲司

PDA(Patron-Driven Acquisitions)とは、利用者からの要求をきっかけとして資料を収集し、コレクションを構築するしくみのことで、DDA(Demand-Driven Acquisitions)やPOD(Purchase On Demand)などともよばれる。College & Research Libraries Newsの2012年6月号に掲載された、「2012年、大学図書館の動向トップ10」の一つに電子書籍のPDAが取り上げられたり(E1306参照)(1)、米国教育諮問会議(Education Advisory Board)の報告書『大学図書館の再定義』(2011年)において、デジタル・コレクションを活用する方策の一つとして、電子書籍のPDAが扱われたりするなど(E1255参照)(2)、米国の大学図書館界、そして高等教育界において、広く注目されるトピックとなっている(E1310参照)。...

CA1773 - 動向レビュー:日本の公共図書館の電子書籍サービス-日米比較を通した検証- / 森山光良

 電子書籍に関する情報があふれている。ただし、日本ではそのほとんどが、個人向け有料サービスに焦点を当てた技術や業界動向の情報である。一方、日本の公共図書館の電子書籍サービスに関する研究や動向の紹介はごく少ない(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)。その背景に、サービス実施館が限られているという不振状況がある。海外の公共図書館の電子書籍サービスに関する研究や動向の紹介もごく少ない(10) (11) (12) (13)。...

CA1772 - 動向レビュー:ウェブスケールディスカバリの衝撃 / 飯野勝則

 近年、図書館における新しいツールとして、「ウェブスケールディスカバリ」(Web Scale Discovery、以下WSDと呼称)の存在感が大きくなりつつある。WSDは、時に「ウェブスケールディスカバリサービス」、あるいは単に「ディスカバリサービス」などと称される。本稿ではWSDが図書館とステークホルダに与えた「衝撃」を中心に、その動向を紹介する。...

CA1771 - 動向レビュー:EUにおける孤児著作物への対応 / 今村哲也

 「孤児著作物(orphan works)」という用語は厳密な法律用語ではない。欧州委員会の定義によると、著作権者の身元または所在の確認が困難または不可能な状態にある著作権で保護されている作品、とされている(1)。著作権保護のある過去の作品を利用する場合、原則として著作権者の許諾が必要であるから、著作権者が不明の状態にある著作物を適法に利用することは困難となる。そして、このことは著作物のデジタルアーカイブ化や書籍等の復刻版の発行など、過去の著作物を利用する場合に大きな障壁となる。...

CA1770 - 動向レビュー:図書館はデジタルカメラによる複写希望にどう対応すべきか / 鑓水三千男

 図書館資料の複写については、多くの場合、自動複製機器(以下「コピー機」という)が図書館内に設置され、当該コピー機を使用して図書館職員の監視と監督のもとで行われている。しかし、近年、図書館利用者による携帯電話のカメラ機能を利用した図書館資料の無断撮影が行われ、あるいは利用者からデジタルカメラによる撮影を認めてほしい旨の希望が出されているという。...

CA1767 - 動向レビュー:『RDA』:図書館をセマンティック・ウェブに適したものに / バーバラ B. ティレット

CA1767 - 動向レビュー:『RDA』:図書館をセマンティック・ウェブに適したものに / バーバラ B. ティレット

もし図書館を存続させるのであるならば、我々は図書館を利用者のニーズに合致したものにしなければならない。ますます多くのサービスがウェブ上に存在するようになり、情報資源に関して必要なものは全てウェブ上にあると多くの人が期待している。...

CA1765 - 動向レビュー:欧州の図書館におけるディスレクシアの人々を対象にしたサービス / 野村美佐子

 日本では認知度が低いが、知的にも視覚や聴覚にも問題がないのに、文章を読んで理解することが困難な「ディスレクシア」と呼ばれる人々がいる。日本語では、「識字障害」や「読字障害」、「難読症」、「失読症」などとも訳され、教育の世界では学習障害の一つとされる。ディスレクシアの発現率は、世界の人口の8%から10%と推定されている(1)。彼らは、読みの情報処理の障害を持っているのではないかと言われているが、そのような困難をもたらす要因は極めて多様であり、何が原因であるかを特定するのは難しい。従って多くの場合、治療方法はなく、支援や機器の活用を含めた困難の改善のためのスキルを獲得しなければならない。怠けていると思われるなど周囲からの理解が得られず、学校や仕事場で困難を感じていると思われるが、適切な診断が行われ、個々のニーズに合った適切な指導と支援があれば、自尊心を失うこともなく、学校やその後の就労においてその人の能力を最大限引き出すことができる(2)と考えられる。...

CA1754 - 動向レビュー:英国における公貸権制度の最新動向―「デジタル経済法2010」との関連で / カオリ・リチャーズ

近年、英国の図書館界では、公共図書館における電子書籍の提供について、盛んに議論が行われている。これは主に、大手のオンライン書店アマゾン社によるキンドル(Kindle)を始めとして様々な読書端末が市場に出回るようになった結果、電子書籍が急激に人々の間に浸透しつつあるためである(1)。最近の同国の調査では、約650万人(成人人口の約13%)が読書端末を所持していると推定されている(2)。...

CA1753 - 動向レビュー:大学キャンパスの中のオープンアクセス / 森 いづみ

大学キャンパスの中で、オープンアクセス(Open Access:OA)はどれくらい浸透しているのだろうか。どのような実践があり、いかなる成果が上がっているのだろうか。本稿では、研究者や大学の戦略、学術情報流通の新しいビジネスモデル構築に大学図書館がどう貢献していくかという観点から、大学キャンパスの中で取り組まれている代表的なOA活動を紹介し、今後の展望を考える。...

CA1752 - 動向レビュー:学校・学校図書館を取り巻く新しい読書活動-集団的・戦略的読書の視点から- / 桑田てるみ

近年の学校教育における読書活動を考えるためには、新学習指導要領(1)を押さえておく必要がある。新学習指導要領には、「思考力・判断力・表現力等」を育むことを目的とした言語活動の充実が盛り込まれ、それを支える条件として、読書活動の推進、学校図書館の活用や学校における言語環境の整備の必要性が示された(2)。言語活動の充実が設定された理由の一つには、経済協力開発機構(OECD)による学習到達度調査(PISA)によって、日本の子どもたちには「思考力・判断力・表現力等」を問う読解力問題に課題があると判明したことが挙げられる。いわゆるPISA型読解力(3)CA1671CA1703CA1722参照)に課題があったことの影響は大きい。そのため、学校現場ではPISA型読解力の育成への関心が高い。...

CA1751 - 動向レビュー:「エンベディッド・ライブラリアン」:図書館サービスモデルの米国における動向 / 鎌田 均

あるものをなにかに埋め込む、という意味を持つ“embed”という語を用いた、エンベディッド・ライブラリアン(embedded librarians)と呼ばれる図書館司書、またはエンベディッド・ライブラリーサービスというサービス提供の形態が、近年米国の図書館界で一つの潮流となっている。このテーマについては論文に加え、米国カトリック大学(Catholic University of America)図書館情報学准教授のシュメイカー(David Shumaker)氏といった人物がブログでも積極的に発信している(1)。この呼称は、2003年のイラク戦争で広く知られるようになった、エンベディッド・ジャーナリスト(embedded journalists)に由来している(2)。これらのジャーナリストは、戦闘部隊と行動をともにし、進行中の事件の内部から取材活動を行い、自らをこのように呼ぶようになったとされている(3)。彼らは自らを部隊に「埋め込んだ」ことによって、事件のストーリーに直接アクセスできることができた(4)。このことから、エンベディッド・ライブラリアンとは、日常の業務において、図書館を離れ、利用者が活動している場から、利用者と活動をともにしつつ情報サービスを提供している図書館司書を指す。...

CA1748 - 動向レビュー:デジタル教科書をめぐって / 澤田大祐

 2009年度の補正予算以後、小中学校において「電子黒板」(1)は、すっかり有名なものとなった。この次の世代の教材として注目されるのが、「デジタル教科書」(2)である。現在、「デジタル教科書」として市販されているものは、教員が「電子黒板」上に投影して、児童・生徒に提示することを目的とするものである。これに対して、導入に向けての検討が進められているのは、児童・生徒が1人につき1台の端末を使い、教科書やノートと同様に使うことのできる、「学習者用デジタル教科書」である。1人1台のノートパソコンの使用は、2000年代初めから導入事例はあった(3)が、本格的な議論になったのは最近1-2年のことだ。...

CA1747 - 動向レビュー:ONIX:書籍流通における出版社のメタデータ標準化 / 吉野知義

 書籍をはじめとする図書館資料は、著者による執筆を起点に、利用者がそれを閲覧するまでの一連で流通され、次々に提供される。その中には、出版社、書籍取次、書店、図書館のそれぞれの役割が存在している。各場面において、書籍を流通させ、管理し、探すためには、その書籍を表す何らかのデータ(メタデータ)が必要であることは言うまでもない。...

CA1746 - 動向レビュー:Linked Dataの動向 / 武田英明

 Linked Dataはデータの共有の新しい方法として近年認知されつつある。特にデータのオープン化(オープンデータ)の標準的方法として使われるようになっている。図書館の世界においても所蔵データや件名標目表をLinked Dataとして公開する図書館が相次いでいる。...

CA1742 - 動向レビュー:ライブラリー・グッズの可能性-ミュージアム、米・英の国立図書館の事例を通して / 渡辺由利子

 このところ、大学図書館を中心にライブラリー・グッズへの関心が高まっている(1)。図書館における広報活動へ関心が寄せられると同時に、広報の一手段としてのグッズも徐々に注目を集めるようになってきたということが一因として考えられる。しかしながら、米国及び英国を中心として、図書館内の店舗でのグッズ販売やオンライン・ショップへの展開など活発な動きが見られるのに対し、日本の図書館でのグッズ制作・販売は、比較にならないほど小規模にとどまっている。...

CA1741 - 動向レビュー:人文学研究と電子アーカイブ / 神崎正英

 14世紀英国の物語詩『農夫ピアズの夢』(“Piers Plowman”)には3つの稿と十指にあまる写本がある。各バージョンを合わせると60以上の基礎資料が存在し、手稿のページ数は1万にのぼる(1)。...

CA1740 - 動向レビュー:著者の名寄せと研究者識別子ORCID / 蔵川 圭

 学術研究成果の多くは論文として出版され公表される。論文は、すでに存在する論文を引用しながら、それが表す知識の体系を位置づける。そのような知識の体系を構成することに、誰が貢献したか、どのような組織が貢献したかがわかるように、内容とともに著者の名前や所属組織名が明記される。助成機関に対して謝辞を加えることも多い。ある研究者がどのくらい知識の体系化に貢献したかを測ってみたいとき、その研究者の論文を並べてみればよい。それがいわゆる業績リストである。著者本人の申告だけでなく、より客観性を帯びた形でリスト化されればより正確な評価が可能となるであろう。今では、論文や業績リストがWeb上に公開されるようになり、瞬時にそのような情報を得ることが可能となった。出版者の論文検索システム、機関リポジトリ、出版者や機関の研究者ディレクトリなどから直接、または大手の検索サービスを介して取得可能である。...

CA1733 - 動向レビュー:ウェブアーカイブの課題と海外の取組み / 中島美奈

 今日、ウェブはごく身近な情報源として一般的に利用されている。印刷された本や雑誌の形での発行が停止され、ウェブ上でのみ公開されるようになった刊行物も多い。今後、インターネットを利用しないと得られない情報は増加していくだろう。しかし、その速報性と更新のしやすさから、ウェブ上の情報は増加していくと同時に消失している。情報が載っていたページ自体が消失してしまうこともあるし、新しい情報が上書きされて古い情報が消失していることもある。ウェブ上のページにアクセスしようとして、「404 Not Found」というエラー画面を目にしたことも少なくないはずである。...

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