オランダ

Elsevier社の言語学雑誌‘Lingua’のオープンアクセスを巡り、同誌の編集者6名を含む編集委員全員が辞職し、新しい雑誌を立ち上げへ Elsevier社も声明を発表

2015年11月2日、Inside Higher Edにおいて、Elsevier社が発行する言語学の雑誌‘Lingua’の編集者6名と編集委員31名全員が辞職したことが報じられています。

同誌の編集長である、Johan Rooryck氏をはじめ編集者らは10月ころにElsevier社に対し、‘Lingua’のフルオープンアクセス化や、同誌の権利を編集者らに無償で譲渡することのほか、著者への著作権の帰属、CC BYの採用、APCの費用などに関し、要求を出していましたが、Elsevier社はこれを拒絶したようです。

同社は、編集者らの辞職に関し、11月4日に声明を発表していて、‘Lingua’が斯界の権威の雑誌となるまでには相当の時間と費用などがかかったもので、無償で編集者らに権利を譲渡することは出来ないこと、‘Lingua’はハイブリッドオープンアクセス誌なので、著者が望めばオープンアクセスに出来ること、要求通りの論文処理費用(APC)では、同誌が立ち行かなくなること、などを反論しています。

なお、Johan Rooryck氏らは、新しいオープンアクセスの雑誌‘Glossa’をたちあげる予定であるようです。

ライデン大学図書館とBrill社が同館所蔵の中世の手稿類8万ページをデジタル化して公開

2015年10月30日、オランダの学術出版社Brill社が、世界的に有名なライデン大学図書館の中世の手稿類を、同館と共同で電子化し、“BrillOnline Primary Sources”を通じて研究者に公開すると発表しています。

コレクションは465タイトル363点8万ページ分の手稿類からなり“BrillOnline Primary Sources”上で、ライデン大学図書館所蔵の中東の手稿類といった他のデジタルコレクションとあわせて公開されるとのことです。

Leiden University Libraries and Brill digitize 80,000 pages of medieval manuscripts(Brill,2015/10/30)
http://www.brill.com/news/leiden-university-libraries-and-brill-digitize-80000-pages-medieval-manuscripts

DANSとMendeley、データアーカイブで協同

2015年9月23日、オランダの学術情報の収集・提供機関であるData Archiving and Networked Services(DANS)は、Mendeleyの新しいデータリポジトリプラットフォームMendeley Dataとの協同を公表しました。DANSは、Mendeley Dataのバックエンドの長期アーカイブを形成しているとのことです。

Collaboration DANS and Mendeley on archiving datasets via the new Data Repository platform Mendeley Data(DANS、2015/09/23)
http://www.dans.knaw.nl/en/current/news/collaboration-dans-and-mendeley-on-archiving-datasets-via-the-new-data-repository-platform-mendeley-data

EASY(Data Archiving and Networked Services)
https://easy.dans.knaw.nl/ui/home

Mendeley Data
https://data.mendeley.com/

参考:

DANSとBrill社が人文社会科学分野のデータジャーナルを創刊

2015年10月20日、オランダの学術情報の収集・提供機関であるData Archiving and Networked Services(DANS)とBrill社は、人文社会科学分野のデータジャーナルを創刊しました。このジャーナルは、Online onlyのオープンアクセス査読誌で、特に歴史学・考古学・言語学・文学をカバーし、年2回刊行するとのことです。

このジャーナルにはデータ論文が含まれ、データセット、研究の背景、研究課題、方法論について記述されています。データ論文にはデータセットやリストについての幅広い説明が掲載され、また、各論文は永続的な識別子を取得するとのことです。

DANS and Brill Publishers launch online journal on research data(DANS、2015/10/20)
http://www.dans.knaw.nl/en/current/news/dans-and-brill-publishers-launch-online-journal-on-research-data

Research Data Journal for the Humanities and Social Sciences(Brill)

オランダ・社会史国際研究所(IISH)、マルクスとエンゲルスの論文をデジタル化して公開

2015年8月11日、オランダの社会史国際研究所(IISH)が、マルクスとエンゲルスの論文をデジタル化して公開したと発表しています。

デジタル化資料は、同研究所のカタログやEuropeana等から閲覧でき、pdfファイルとしてダウンロードして利用できるとのことです。

アムステルダムにある同研究所は1938年以来マルクスとエンゲルスの論文を保存してきた機関とのことです。

Marx & Engels papers completely available online(IISH,2015/8/11)
https://socialhistory.org/en/news/marx-engels-papers-completely-available-online

オランダ王立図書館、2014年版年報を公表

オランダ王立図書館(KB)が2014年版年報を公表しています。
KBにとって2014年は、研究図書館や国立図書館としての現在の機能と並行して、新しい戦略期間の助走を形成しただけでなく、公共図書館の分野で重要な役割を果たす新しい段階への助走でもあったとのことです。

Annual report 2014
https://www.kb.nl/en/news/2015/annual-report-2014

Read the annual report
https://www.kb.nl/sites/default/files/docs/kb_jv_2014eng_def.pdf

オランダ大学協会、所属研究者に対しElsevier社の雑誌の編集責任者を退くよう呼びかけ

複数の媒体で、オランダ大学協会(VSNU)が所属する研究者に対し、Elsevier社の雑誌の編集責任者等を退くよう呼びかけていることが報じられています。

オランダでは大学図書館とElsevier社との間で、購読料とオープンアクセスに関する交渉が決裂していました。VSNUはElsevier社との交渉を有利にするために、ボイコットにより圧力をかけることを企図したとのことです。

この方法でもElsevier社との交渉がうまくいかなかった場合、今後は同社の査読もボイコットすることを呼びかけ、それでも難航した場合には論文投稿のボイコットも呼びかけていくとされています。

Dutch universities start their Elsevier boycott plan(Univers、2015/7/2付け)
https://universonline.nl/2015/07/02/dutch-universities-start-their-elsevier-boycott-plan

Elsevier journal editors 'may be asked to resign' in open access row(Times Higher Education、2015/7/3付け)

国際図書館連盟(IFLA)とBrill社、2015年のオープンアクセス賞にDirectory of Open Access Books(DOAB)を選定

2015年6月17日、国際図書館連盟(IFLA)とBrill社は、オープンアクセスの書籍のディスカバリーサービスを行うオランダのDirectory of Open Access Books(DOAB)を、同分野において極めてすぐれ革新的な独創力があるとして2015年のオープンアクセス賞(IFLA/Brill Open Access award)に選定したと発表しています。

同賞は、IFLAとBrill社により2013年に創設された、学術書のオープンアクセス分野でのイニシアチブのために創設された賞です。

IFLA/Brill Open Access Award 2015 goes to DOAB(IFLA,2015/6/17)
http://www.ifla.org/node/9630

IFLA/Brill Open Access Award 2015 Goes to DOAB(Brill,2015/6/17)
http://www.brill.com/news/iflabrill-open-access-award-2015-goes-doab

Directory of Open Access Books(DOAB)
http://www.doabooks.org/

参考:

オランダ王立図書館(KB)とPorticoが連携

2015年5月28日、オランダ王立図書館(KB)と電子リソースのアーカイブサービスを提供しているPorticoが連携したと発表しています。

Porticono広範な保存基盤と専門的知識を利用して、KBの国際的なe-Depotプログラムを通しての電子ジャーナルの保存を支援するとのことです。

e-Depotでは既に1,500万以上の電子ジャーナルの記事を保存しており、Porticoは、KBに、このプログラムへの新規の科学出版社から保存フォーマットの電子ジャーナルコンテンツを提供するとのことです。

新しい提携者のグループには、BioOne、Walter DeGruyter, Wolters Kluwer, Karger, Brill, Thiemeが含まれるようです。

National Library of the Netherlands - Portico Partnership(KB,2015/5/28)
http://www.kb.nl/en/news/2015/national-library-of-the-netherlands-portico-partnership

所蔵作品デジタル化の魁・アムステルダム国立美術館“Rijksmuseum”(記事紹介)

2015年5月13日のニューヨークタイムズの「デジタル化における最前線のミュージアム」(“A Museum at the Forefront of Digitization”)と題した記事の中で、オランダのアムステルダム国立美術館“Rijksmuseum”が取り上げられています。同館は2020年までに、絵画や陶器、衣服等にいたる様々な所蔵作品(約100万点)全てをデジタル化することを企図しているとのことです。

記事では、(1)現在、所蔵作品のうち25%(絵画のほぼ全てを含む)が高解像度の画像で、同館のウェブサイトからダウンロード可能であること、(2)デジタル化された成果物はCC0(パブリックドメイン)で公開され、かつ同館は創作コンクールを開催したり、tiffファイルを無償で提供するなどいった試みを推奨していることなどが紹介されています。

他にも、デジタル化に当たっての撮影手法についても言及されており、収蔵作品が比較的小さく、手動で撮影するという“Rijksstudio”に対し、米国のスミソニアン協会では既に220万点の所蔵作品をデジタル化していることや、絵画等であれば1日に150~200点を撮影できるというベルトコンベア式に自動でデジタル化を行う方法を用いている、といったことについても言及されています。

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