電子ジャーナル

PLOS、2016年は赤字転落 APC収入の減少が影響

2017年11月20日付けで米PLOSが2016年の財務状況を公開しています。2015年が約4,290万ドルの総収入であったのに対し、2016年は約3,820万ドルと大幅に減少し、2016年は財務状況も赤字に転落したとのことです。PLOSはAPC収入と資産運用益の減少を収入減の理由にあげています。

学術出版系ブログ“The Scholarly Kitchen”に2017年11月27日付けで投稿されたPhil Davis氏の記事でPLOSの赤字転落について、出版論文数の減少と関連付けて論じられています。この記事ではPLOSはPLOS ONE誌のAPC収入に収益のほとんどを依存しており、そのPLOS ONEの投稿・出版論文数が2014年以降、減少し続けていることを紹介しています。

2016 Financial Overview(PLOS、2017/11/20付け)
https://www.plos.org/financial-overview

英国王立協会、同協会が1665年から1996年に発行した学術雑誌のデジタルコレクションを期間限定で無料公開

2017年11月28日、英国王立協会は、同協会が発行した学術雑誌のバックナンバーのデジタルコレクション“Royal Society Journal Collection: Science in the making”を2018年1月24日まで無料で公開すると発表しています。

1665年創刊の『フィロソフィカル・トランザクションズ』から、同協会が学術雑誌の電子出版を開始する直前の1996年までに発行した雑誌の74万ページ分をフルカラーでデジタル化したものです。

『フィロソフィカル・トランザクションズ』に掲載された影響力のある論文のリスト“a list of some influential papers”も併せて公開されています。

同デジタルコレクションへの恒久的なアクセスやリポジトリへの投入、データマイニングが可能な拡張版の購入も可能となっています。

PLOS、テキスト・データ・マイニングでの利用を目的に、20万点を超すOA論文のテキストとメタデータをAPIで提供

2017年11月28日、オープンアクセス(OA)誌を出版するPLOSが、テキスト・データ・マイニング(TDM)での利用を目的に、同社のAPIを通じ、20万点を超すOA論文のテキストとメタデータを、JATSに準拠したXMLフォーマットで提供すると発表しました。

同プロジェクト(allofPLOS)では、画像や補足データを除く論文のテキストデータ・メタデータの提供に加え、XMLの構文解析ツールも用意されています。

Unrestricted Text and Data Mining with allofPLOS (PLOS,2017/11/28)
http://blogs.plos.org/plos/2017/11/unrestricted-text-and-data-mining-with-allofplos/

科学技術振興機構、J-STAGEの画面リニューアルを発表

2017年11月25日、科学技術振興機構(JST)が、J-STAGEの画面リニューアルを発表しています。

次期システムへの意見を募集するためにモデル誌3誌のみで試験公開していたJ-STAGE評価版を、J-STAGE搭載全誌に適用させたものです。

新画面には、ランキング表示、メタデータダウンロード、SNS・文献管理ツール等との連携、著者関連情報の表示、引用文献のマウスオーバー表示、モバイル対応、インパクトファクターの表示等といった機能があります。

J-STAGE画面をリニューアルしました。(J-STAGE,2017/11/25)
https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/News/TAB1/Current/Page1/-char/ja

【イベント】サイエンスアゴラ2017 日中韓シンポジウム 「The Landscape of Scholarly Publishing in China、Korea & Japan」(11/24・東京)

2017年11月24日、サイエンスアゴラ2017において、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)知識基盤情報部、情報企画部の主催により、日中韓シンポジウム「The Landscape of Scholarly Publishing in China、Korea & Japan」が開催されます。

日中韓の学術出版、特に電子ジャーナルの役割や取組などについて、公的機関が運営するプラットフォームとしての観点から、各国の現状が報告されます。

発表・質疑は英語で行われ、通訳はありません。参加費は無料です。事前申込が必要です。

AIがあなたの論文の草稿を書いてくれるソフトウェアがリリースされる 何がまずいのか?(記事紹介)

2017年11月9日付けのRetraction Watch記事で、フリーの電子研究ノートサービス”sciNote”に導入された、”Manuscript Writer”機能に関して取り上げられています。

”Manuscript Writer”は研究データ・結果等を登録すれば、AIが論文の「はじめに」部分等の草稿を作成してくれるという機能です。ただし、「考察」等のオリジナリティの高い部分は研究者自身が書かねばならず、作成できるのはデータや研究ノートから機械的に生成できる「手法」や「研究材料」等についてと、先行研究等を関連ワードから特定し、そのうちオープンアクセス文献等の内容をまとめることで生成される「はじめに」の部分のみになります。

Retraction Watchの記事ではsciNote社の広報のほか、ニューヨーク大学でジャーナリズムを研究しているCharles Seife教授など、このトピックに詳しいと考えられる研究者へのインタビューを掲載しています。Seife教授は一部で”paper mills”(製紙工場)と呼ばれる、論文をほとんど同じフォーマットで、用語のみ変更して機械的に生産する集団について調査していた経験を持ちます。

スウェーデンの助成機関クヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団が研究助成機関が運用するオープンアクセス誌eLifeに参加

2017年11月9日、オープンアクセス(OA)誌eLifeは新たなにスウェーデンの助成機関、クヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団がeLifeの取り組みに参加することを発表しました。

eLifeは英国のウェルカムトラスト、米国のハワードヒューズ医学研究所、ドイツのマックスプランク協会が創刊した、研究成果公開体制の改革を目指すOA誌です。近年ではオープンソースの出版システム・モジュール開発にも注力しています。

クヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団はスウェーデンの資産家、ヴァレンベリ家が設立した財団の一つで、教育・研究分野に対し年間240億スウェーデン・クローナ(約3,250億円)を助成する、ヨーロッパで最も大きい民間助成団体のうちの一つでもあります。同財団は2018年からeLifeに参加し、4年間で2,900万スウェーデンクローナ(約3億9千万円)を拠出するとしています。

公共図書館にオンラインの学術文献を無償で提供するプロジェクト“Access to Research”に、医学系雑誌出版者であるBMJ Publishingが参加(英国)

2017年11月1日、英国図書館長協会(SCL)は、公共図書館にオンラインの学術文献を無償で提供するプロジェクト“Access to Research”に、英国の医学系雑誌出版者であるBMJ Publishingが参加したと発表しています。

これにより、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの80%の地方公共団体で、同サービスでの利用が多い分野である健康・生命・医学分野に関するBMJ Publishingの学術文献の利用が可能となります。

BMJ joins leading academic publishers as part of national library resource ‘Access to Research’(SCL,2017/11/1)
http://goscl.com/bmj2017/

アイルランド保健省傘下の研究助成機関Health Research Board、同機関の助成を受けた研究成果を対象とする出版プラットフォームHRB Open Researchの開始をアナウンス

2017年10月25日、アイルランド保健省傘下の研究助成機関Health Research Board(HRB)が、同機関の助成を受けた研究成果のオープンアクセス出版プラットフォームHRB Open Researchを、2018年2月から開始すると発表しました。

HRB Open ResearchはF1000によって構築・運用されるもので、HRBの助成を受けた成果であって、公開・共有にふさわしいと著者らが考えるものであればなんでも公開することが可能です。費用はHRBが負担します。F1000が政府系助成機関の助成研究成果プラットフォームを手掛けるのは初めてとのことです。

PeerJ、対象分野をさらに拡大 環境学に関する15領域が対象に

2017年10月24日、オープンアクセス(OA)雑誌PeerJが、環境学領域において、投稿受付の対象分野を拡大することを発表しました。

PeerJは2017年7月に、気候変動・環境学に関する5領域を投稿受付の対象とすると発表していました。この対象拡大に対し多くの反響が寄せられ、その中には対象領域のさらなる拡大を求める声も多かったことから、対象領域をさらに拡大し、水産・海洋化学など、新たに10領域を追加することにしたとのことです。先の5領域とあわせ、15の領域が受付対象となります。

また、これら新たに投稿受付対象となった15領域に関しては、2018年1月末までの投稿文について、論文処理加工料(APC)等を無料とするとのことです。

ページ