著作権

米国著作権局、米国著作権法108条に関する討議資料(Discussion Document)を公開

2017年9月15日、米国著作権局が、米国著作権法108条(図書館等の権利制限・例外規定)に関する討議資料(Discussion Document)を掲載しました。

同資料は、同条項が21世紀の著作物の取り巻く状況に対処できておらず、図書館等の責務を果たすためには同法の改正の必要があるとの立場から、関係者や議員による議論を進めるための具体的な枠組みを提供するために作成されたものです。

枠組みでは、対象機関への博物館の追加、保存・研究のための複製の範囲を現在の3部までから「合理的に必要な範囲」に変更、図書館・公文書館・博物館が、ライセンスや購入契約を行なった著作物の保存やセキュリティのための複製をより柔軟に行なうことを許可する優越条項の明確化、一定の条件下で、利用者の要求に基づいて複製を許可する条項からの音楽・絵画・図画・彫刻作品・映画・視聴覚資料の除外の撤廃といった案が含まれています。

北米研究図書館協会、著作権に関する問題についてのイシューブリーフを公開:インターネット上の政府情報の保存とメタデータの著作権

2017年9月14日、北米研究図書館協会(ARL)が、図書館や文書館が直面する著作権に関する問題についてのイシューブリーフ2点を公開しました。

“Using Fair Use to Preserve and Share Disappearing Government Information”では、インターネットから政府情報を保存・共有する際の複雑な法的問題を考察し、フェアユースの原則が政府情報を保存・共有することを支持していることを説明しています。

“Metadata and Copyright: Should Institutions License Their Data about Scholarship?”では、メタデータが著作権で保護されるべきかどうかを様々な状況下で検討し、またメタデータのライセンスについてのポリシーやコミュニティーの基準について考察するとともに、その広範な利用や共有を推奨しつつ、メタデータにライセンスを認めるかどうかについての推奨事項を提案しています。

【イベント】没年調査ソン in 京都 Vol.2(9/23・京都)

2017年9月23日、京都府立図書館において、「没年調査ソン in 京都 Vol.2」が開催されます。

京都府立図書館の自主学習グループ「ししょまろはん」が主催するこのイベントでは、京都にゆかりのありそうな人物の没年調査をひたすら行います。国立国会図書館関西館職員による没年の調べ方の講義、前回の成功・失敗事例の紹介、府立図書館の使い方等の説明ののち、短時間で集中して没年調査を行います。

没年調査ソンVol.2を開催いたします!(ししょまろはんラボ, 2017/9/13)
http://libmaro.kyoto.jp/?p=556

参考:
E1847 - 没年調査ソン in 京都 Vol.1<報告>
カレントアウェアネス-E No.312 2016.10.06
http://current.ndl.go.jp/e1847

米国著作権局、ITシステムの現代化計画の暫定版を改訂

2017年9月6日、米国著作権局が、下院歳出委員会に指示に基づき、“Modified Provisional IT Modernization Plan”を策定し、公開しました。

同委員会が、著作権局局長に対して、2016年に公開した同局のITシステムの現代化計画の暫定版“Provisional Information Technology Modernization Plan and Cost Analysis”に、効率性やコストの削減、米国議会図書館(LC)の最高情報責任者(CIO)オフィスによる著作権局の支援といった内容や、料金体系の変更に対するパブリックコメントを受けた新たな資金調達計画を含めるよう指示した事に対応したものです。

@CopyrightOffice(twitter,2017/9/6)
https://twitter.com/CopyrightOffice/status/905166058629279747

国際図書館連盟、図書館でのデジタルコンテンツのライセンス利用に関する文献レビューを公開

2017年8月21日、国際図書館連盟(IFLA)の“Advisory Committee on Copyright and other Legal Matters”が依頼し、Svetlana Yakovleva氏により作成された文献レビュー“Literature review on the use of licensing in library context, and the limitations this creates to access to knowledge”が公開されました。

図書館におけるライセンス利用、及び、そのことが知識情報にアクセスする際にもたらす制限に関する文献のレビューで、理論分析から図書館でのライセンス業務に関する実態調査までの文献に目が通されています。そして、図書館での著作権ライセンスと関係する主な制限事項を特定し、それがデジタルコンテンツの利活用にどのように影響を与えるかを提示しています。

また、文献レビューには、図書館においてデジタルコンテンツの利活用が制限される実例を挙げたインフォグラフィックが添付されています。

米国図書館協会、米国著作権局の米国議会図書館からの移管に関する議論の歴史をまとめた報告書を公開

2017年8月9日、米国図書館協会(ALA)が、米国著作権局(CO)の米国議会図書館(LC)からの移管に関する議論の歴史や近年の動きをまとめた報告書“Lessons From History: The Copyright Office Belongs in the Library of Congress”を公開しました。

ALAで、Google社によるフェローシッププログラムであるGoogle Policy Fellowとして働くAlisa Holahan氏が執筆したもので、COの移管に関する議論について、歴史記録で確認する事を目的に行った調査の成果です。

報告書は“Consolidation of Copyright at the Library of Congress”(著作権業務のLCへの統合)、“Past Rejected Proposals to Move the Copyright Office”(過去に否決されたCOを移管する法案)、“Renewed Efforts to Move the Copyright Office”(CO移管に関する最近の試み)という構成になっており、これまでの法律や法案等から、1870年から現在までの著作権に関する業務の所管に関する歴史や動向をまとめています。

オーファンワークス実証事業実行委員会、2017年度のオーファンワークス実証事業の実施を発表

2017年8月10日、オーファンワークス実証事業実行委員会が、2017年8月下旬から2017年12月下旬にかけて、2017年度のオーファンワークス実証事業の実施を予定していることを発表しました。

期間中に全5回の裁定申請を予定しているとのことです。

2017年度 オーファンワークス実証事業について(予定)(オーファンワークス実証事業実行委員会)
https://jrrc.or.jp/orphanworks/2017/007/

参考:
オーファンワークス実証事業実行委員会、著作権者不明等の場合の裁定制度の利用円滑化に向けた実証事業の実施を発表
Posted 2016年11月10日
http://current.ndl.go.jp/node/32906

米国作曲家作詞家出版者協会とBroadcast Music, Inc.、 両者が管理している音楽作品のデータベースを共同で構築

2017年7月26日、米国の著作権管理団体である米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)とBroadcast Music, Inc. (BMI)は、両者が管理している音楽作品のデータベースを共同で構築していることを発表しました。

権利保持者や産業界からの求めに応じて、両者は所有権に関する情報を明確にするために、1年以上前から共同でこの問題に取り組んでおり、データベースは2018年の第4四半期から第1段階を公開予定で、今後もAPIや他のデータベースの組み入れの可能性について引き続き検討するとされています。

ASCAP & BMI Announce Creation Of A New Comprehensive Musical Works Database To Increase Ownership Transparency In Performing Rights Licensing(ASCAP,2017/7/26)
https://www.ascap.com/press/2017/07-26-ascap-bmi-database

E1931 - 韓国の国立図書館におけるデジタル化資料の送信サービス

韓国では,図書館が,自館でデジタル化した資料の他館への送信を可能とする規定が著作権法に設けられ,この規定に基づき,韓国の国立中央図書館(NLK)と国会図書館(NAL)が他の図書館等に対して送信サービスを行っている。韓国の場合,すべての図書館等に対して送信することを認めていたり,海外の機関が送信先に含まれていたり,資料のデジタル化や他の図書館等への送信にあたり補償金の支払いが必要であったりといった,日本における国立国会図書館(NDL)によるデジタル化資料送信サービスとは異なる特徴がみられる。

米連邦地裁、海賊版論文公開サイトSci-HubによるElsevier社の著作権侵害を認定 1,500万ドルの損害賠償を命じる

2017年6月21日、米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所が、海賊版論文の公開サイトSci-HubによるElsevier社の著作権侵害を認定し、Sci-Hubに対し1,500万ドルの損害賠償を命じる判決を下したことが報じられています。

Sci-HubはElsevier社をはじめ、主要な出版者の電子ジャーナル掲載論文を違法にアップロードしたウェブサイトです。カザフスタンの大学院生であったAlexandra Elbakyan氏が、研究者の論文へのアクセスをより容易にすることを目的に開始したもので、現在はロシアから運営されています。

今回の判決はElsevier社の訴えを受けて下されたもので、米国出版社協会(AAP)は支持を表明しています。一方、Nature誌はSci-Hubが違法であることは明らかであるものの、多くの研究者から非常に高い人気を得ているのは、それだけ現在の学術出版に対する不満が高まっていることのあらわれだ、とする研究者のコメントも紹介しています。また、Elbakyan氏からはなんらのコメントも発表されていないものの、損害賠償が支払われるかは疑問であるし、Sci-Hubが閉鎖することもないだろうとする関係者の声も掲載しています。

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