インド

英国図書館、ベンガル語の図書4,000冊、80万ページ分をデジタル化

英国図書館(BL)が、“Two Centuries of Indian Print”プロジェクトにおいて、ベンガル語の図書4,000冊、80万ページ分をデジタル化すると発表しています。

同プロジェクトでは、2016年から2018年にかけて、英国やインドの関係機関と連携し、デジタルな研究手法やツールの、ベンガル語のデジタルコレクションへの適用方法を調査するとともに、南アジア研究の革新的な調査を支援するために、インドの研究機関でデジタルスキルのワークショップや研修を行ないます。

まず、英領インドで1867年から1947年にかけて季刊で刊行された、ベンガル語の図書の解題書誌をデジタル化して公開するとのことです。

同プロジェクトは、1713年から1914年にかけて刊行された同館所蔵の南アジア言語図書のデジタル化計画の第一歩であり、BLでは、同様のプロジェクトを他の言語にも拡大することを計画しています。

Two Centuries of Indian Print (BL,2016/12/2)
https://www.bl.uk/projects/two-centuries-of-indian-print

British Library to digitise 4,000 Bengali books(Trust of India,2016/12/18)

インドの刑務所が受刑者向けに電子図書館サービスを開始(記事紹介)

インドの英字紙The Hinduの2016年11月27日付の記事が、インド・ケーララ州の中央刑務所に、まもなく、インド南部では初となる電子図書館が設置され、受刑者が電子書籍を利用できるようになると報じています。

受刑者の読書習慣を促し、社会や生活に対する物の見方を良い方向に転換させる事を目的にしており、館内のパソコンで閲覧できるほか、Amazonの電子書籍リーダーKindleも提供されます。

受刑者の読書への要望は強いものの、セキュリティ面で、限られた数しか図書館内に本を置けない事に対応するもので、電子書籍の利用方法についての訓練を受けることで、受刑者のデジタルリテラシーの涵養を図ることも目的としているようです。

E-library for inmates at Kerala jail(The Hindu,2016/11/27)
http://www.thehindu.com/news/national/kerala/E-library-for-inmates-at-Kerala-jail/article16710539.ece

参考:
E1592 - 少年院法改正の経緯と条文における「読書」への言及について
カレントアウェアネス-E No.264 2014.08.07
http://current.ndl.go.jp/e1592

インドの研究者はAPCを支払って論文を出版するべきか(文献紹介)

インド理科大学院(IISc)の機関リポジトリePrints@IIScに、インドの研究者のオープンアクセス(OA)雑誌での論文出版状況を調査した論文”Should Indian researchers pay to get their work published?”のプレプリントが登録されています。著者はIIScのMuthu Madhan氏らです。同論文はインドの総合科学雑誌”Current Science”に既に受理され、掲載予定とのことです。

Muthu氏らの論文ではScience Citation Index Expandedのデータを用い、2010年から2014年にかけて出版されたインドの研究者による論文について調査しています。調査の結果、5年間で61カ国、880のOA雑誌で37,000本以上の論文が公開されており、OA雑誌で出版される論文の割合は世界平均を上回るとのことです。うち約15,400本が論文処理加工料(APC)のかかる雑誌で出版されており、APCを徴収する雑誌から出版される論文の数は増加傾向にありました。Muthu氏らはインドの研究者は年間240万米ドル相当をAPCに費やしていると見積もっており、南米や中国のように相互運用性のあるリポジトリを用いたOAに移行することで、倹約につなげられると提案しています。

マラケシュ条約、2016年9月30日に発効:批准国が20か国に到達

世界知的所有権機構(WIPO)は、2016年6月30日、カナダがマラケシュ条約(盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)を批准したことにより、発効に必要な批准国数20か国に到達したと発表しています。

マラケシュ条約は、2016年9月30日に発効することになります。

批准20か国は、インド、エルサルバドル、アラブ首長国連邦、マリ、ウルグアイ、パラグアイ、シンガポール、アルゼンチン、メキシコ、モンゴル、韓国、オーストラリア、ブラジル、ペルー、北朝鮮、イスラエル、チリ、エクアドル、グアテマラ、カナダです。

関係団体もコメントを発表しています。

Canada’s Accession to Marrakesh Treaty Brings Treaty into Force(WIPO,2016/6/30)
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2016/article_0007.html

WIPO-Administered Treaties
Contracting Parties > Marrakesh VIP Treaty (Treaty not yet in force)

E1810 - インドのオープンアクセス(OA)リポジトリ<文献紹介>

Prerna Singh. Open access repositories in India: Characteristics andfuture potential. IFLA Journal. 2016, 42(1), p. 16-24.

 インドにおけるオープンアクセス(OA)リポジトリについて調査した本文献は,まず,インドにおけるOAの歴史を解説する。その上で,OAリポジトリに関する各種データをもとにインドのOAリポジトリについて分析し,その特徴を明らかにしている。

『アジ研ワールド・トレンド』誌が2016年5月号で「アジアの古本屋」を特集

日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の刊行している『アジ研ワールド・トレンド』誌が2016年5月号(No.247)で「アジアの古本屋」と題した特集を組んでいます。特集に関連して、以下の記事が掲載されています。

刊行して2カ月を経過した後、PDFで全文公開されます。

巻頭エッセイ
本に親しむ環境‐図書館と古書店‐ / 石川武敏

特集 :アジアの古本屋
特集にあたって / 二階宏之
韓国古書と向き合った60年‐文古堂店主朴贊益氏‐ / 花房征夫
コラム:神田神保町散策‐韓国を探して‐ / 二階宏之
多様化する中国の古本屋‐国有企業からネット販売まで‐ / 狩野修二
楼上からみる香港‐古書店の変遷‐ / 澤田裕子
書籍流通の一翼を担うモンゴルの古本屋 / マンドハイ・ルハグワスレン
インドネシア-多様な知の集積地- / 土佐美菜実
利便性と郷愁のはざま-タイの古書店事情- / 櫻田智恵
路上の大学に学ぶ-ミャンマーの古本屋- / 石川和雅
ベトナムの古本市場 / 上田新也
インド-古本でも本は本- / 坂井華奈子
古書店が私の図書館だった-トルコ- / 粕谷 元
イラン・テヘランの古書店-ある歴史家の視点から- / 小澤一郎

ミニバンで読書推進活動を行う「巡回図書館」(インド):目指すは10,000キロ踏破(記事紹介)

2016年3月19日のBBC Newsで、"Travelling library: The two Indians on a road trip to promote books"と題した記事が掲載されています。Akshaya Ravtaray氏、Satabdi Mishra氏の友人同士の2名が、ミニバンに4,000冊の本を積載してバスや鉄道の駅などを巡る「図書館」の取組をとりあげたもので、2015年12月にインド東部オリッサ州のブバネーシュワルを出立したとのことです。

両氏は、本を貸し出し、人々と会話する中で読書の重要性を広めることを目的としてこの取組を行っており、本来の目的ではないものの、BBCによるインタビュー時点で、すでに2,000冊程度の本を売ったとのことで、本を補充しながら、移動しているようです。

Travelling library: The two Indians on a road trip to promote books(BBC News, 2016/3/19)
http://www.bbc.com/news/world-asia-india-35742282

ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団による、インドの公共図書館の支援活動

2016年2月16日付けのThe New Indian Express紙によると、インドの26の公共図書館が、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の支援により改装されるとのことです。

また、同財団による支援は設備面だけでなく、図書館を運営する図書館員の教育も含んでおり、2月9日から12日までの間、26の公共図書館の代表者が、チェンナイにおいて、同財団のINELI(the International Network of Emerging Library Innovators)のもと、研修を受けたとのことです。

研修プログラムは、MSスワミナサン研究財団によって実施され、一般公衆のアクセス拡大のために必要な技術を学ぶ一方、図書館を維持するためのリーダーシップ技術・ソフト技術の研修を受けたとのことです。

また、ブリティッシュ・カウンシル・インディアの教育コーディネーターやメンターの支援のもと、7つの教育モジュールからなる図書館員のためのオンライン講座も設けられているとのことです。

Bill and Melinda Extend Help to Make Libraries Accessible (The New Indian Express,2016/2/16付け記事)

英国図書館の消滅の危機に瀕した文化遺産をアーカイブするプロジェクトEndangered Archives Programmeが、新しいコレクションをオンラインで公開

2016年2月25日、英国図書館(BL)の消滅の危機に瀕した文化遺産をアーカイブするプロジェクトであるEndangered Archives Programme(EAP)が、以下の3つの新しいコレクションをオンラインで公開しました。

・Digitising the documentary patrimony of Colombia’s Caribbean coast: the ecclesiastical documents of the Department of Cordoba
(コロンビア北部コルドバ県モンテリアの教会にある17世紀から20世紀の記録)

・Preserving Peruvian newspapers for a regional approach: key 19th-20th century press in Arequipa
(ペルー・アレキパで1890年から1962年に発行された新聞“El Deber”)

・Cataloguing, digitisation, and preservation of ancient palm leaf and paper manuscripts archived in Chinmaya International Foundation (CIF)

研究図書館センター、南アジア研究のデジタルリソース創出を目的とした“SAMP Open Archives initiative”を創設

2016年2月29日、北米の研究図書館センター(CRL)の South Asia Materials Project (SAMP)が、“SAMP Open Archives initiative”を創設したと発表しています。

南アジア研究に関連するデジタルリソースが不足している現状への対処と、北米の研究者はもとより世界の研究者に対してアクセス可能なコレクションを創出することを目的としており、対象とする分野は人文学から自然科学に及び、研究の価値、有用性、独自性、環境や政治・社会的なリスク、他のリソースとの補完性を鑑みてデジタル化の優先度を決めるとのことです。

デジタル化されたリソースは非商用のオープンアクセスとして自由に利用できるとのことです。

現在のところ、北英、インド、ネパール、パキスタンの図書館から約20機関が、このイニシアチブへの参加を表明しているとのことです。

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