知的自由

【イベント】国立情報学研究所(NII)主催講演会“What does EU General Data Protection Regulation (GDPR) protect?”(8/30・東京)

2019年8月30日、東京都千代田区の国立情報学研究所(NII)で、EU一般データ保護規則(GDPR)をテーマとしたNII主催の講演会“What does EU General Data Protection Regulation (GDPR) protect?”が開催されます。

講演者は独・フライブルク大学のGünter Müller教授です。適用から1年が経過し賛否両論のあるGDPRについて、その内容や問題点の解説とともに、Googleのアカウント情報とトランザクション分析に関するフライブルク大学の研究に基づいて、透明性を備えた管理インフラストラクチャ―の紹介が行われます。

参加者の制限は特になく、参加費無料、事前登録不要です。

Talk by Prof. Günter Müller from University of Freiburg:"What does EU General Data Protection Regulation (GDPR) protect?"(NII)
https://www.nii.ac.jp/en/event/2019/0830.html

IFLA・情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)、EdTechと図書館に関するブリーフィングペーパーを公開

2019年7月30日、国際図書館連盟(IFLA)の情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)が、ブリーフィングペーパー“Educational Technologies and Student Data”を公開しました。

教育分野において、膨大な量の児童・生徒・学生の行動データを追跡・分析し、その行動・幸福度を評価する新しい種類の技術が生まれてきており、図書館においても、直接的にも間接的にもこのような傾向に遭遇する可能性もあることから、図書館が考慮すべき重要な倫理面・セキュリティー面での問題点を概観し、責任を持って倫理的にEdtech(教育技術)を活用するにあたっての図書館のためのいくつかの提案を行っています。

Now available: Educational Technologies and Student Data - Briefing for Libraries(IFLA,2019/7/30)
https://www.ifla.org/node/92337

フェイクニュースに対する各国の取り組みを扱った米国議会図書館(LC)の2件の調査レポート(記事紹介)

2019年7月29日、米国議会図書館(LC)は、フェイクニュースに対する各国の取り組みを扱った同館の調査レポートを紹介したブログ記事“Law Library Reports Address Foreign Initiatives to Counter “Fake News””を公開しました。

サイバー空間上のフェイクニュース拡散への対抗手段は、表現の自由等の民主主義の基本原則や政府の行動の透明性・監視に関わる規則への困難を突きつける可能性があるという背景の下、LCはマスメディア・ソーシャルメディアを利用したフェイクニュース拡散への対処のために各国が採用した法的アプローチの調査レポートを2019年に2本公開しています。

米国図書館協会(ALA)、オンライン学習サービス“LinkedIn Learning”の利用者のプライバシーを侵害する規約変更に対して再考を要請

2019年7月22日、米国図書館協会(ALA)は、図書館が利用者へオンライン学習の機会を提供するプラットフォームとして活用している“LinkedIn Learning”に対して、利用者のプライバシーを侵害する規約変更の再考を促す声明をウェブサイト上で公開しました。

“LinkedIn Learning”の新しい利用規約では、“LinkedIn Learning”にアクセスするために図書館利用カード番号とPINの提供に加えて、フルネームとメールアドレスをLinkedInのプロフィール画面で公開することが必要になります。

ALAは、この変更が「図書館の権利宣言」(Library Bill of Rights)等で維持されている、全ての図書館利用者は個人の特定可能な情報を開示することなく図書館資料へアクセスする権利を有するという方針に相容れず、いくつかの州では図書館の守秘義務に関する法律に違反する可能性があるとしています。また、個人による図書館資料の利用の秘密を保つという図書館員の倫理的義務に反することも挙げ、規約変更について再考するように求めています。

北海道新聞、道内人口上位15市に対し捜査機関による任意捜査への対応について取材した結果を公表 8市は場合により、利用者情報を「提供する」と回答

2019年6月3日、北海道新聞は北海道内の人口上位15市に対し行った、捜査機関による任意の情報提供依頼への対応に関する取材結果を公表しました。約半数の8市が場合によっては「提供する」と回答し、7市は令状がない場合は「提供しない」と回答したとのことです。

この取材は北海道新聞が読者のリクエストに応えて取材する企画として実施されたものです。北海道内では苫小牧市(人口上位15市に含まれる)が2017年に利用者の情報を捜査機関に任意提供し、後に市民から批判を受けています。

今回の取材では、苫小牧市のほか、札幌市、函館市など合計8市が「提供する」と回答しています。このうち札幌市は口頭や電話照会には応じず、「(捜査員が)『捜査関係事項照会書』を示し、特定の個人に絞り、緊急性があると判断した場合に」利用者情報を提供する、としています。ほかには館内で起きた事件への対応の場合に、令状がなくても相当の理由があると判断した、という図書館の回答も紹介されています。

一方、「提供しない」とした7館は「図書館の自由に関する宣言」などを根拠に挙げ、令状がない場合は情報を提供しない、としているとのことです。

米IEEE、華為(Huawei)所属研究者が査読等に携わることを一時、制限

米国が中国の華為技術(Huawei Technologies)とその関連会社68社を輸出規制の対象に加えたことを受け、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)は一時、同社に属する研究者が公開前の論文の査読や編集に携わることを制限しました。現在はすでに制限は解除されています。

IEEEの措置は2019年5月16日に、米商務省がHuawei社らを政府の許可なしに製品を輸出できないリストに加えたことを受け、行われたものです。2019年5月29日のIEEEの発表によれば、一般に公開されていない活動に同社関係者が関与することは規制の対象になりうるとの懸念の下で、法令を遵守し、会員・ボランティアを保護する目的で、Huaweiに属する研究者が査読や編集に携わることを制限する、とのことでした。

しかし6月2日に新たにIEEEが行った発表によれば、米商務省に対しIEEEの出版活動が規制対象となるのかを確認したところ、対象には含まれず、査読や編集活動に携わって問題ないとの回答が得られたとのことです。これを受け、Huawei関係者への制限は解除されました。

「眠れる森の美女」の比喩の妥当性をめぐって科学計量学者と情報科学技術協会(ASIS&T)が論戦

長期間引用されていなかったにもかかわらず、ある時期から急に被引用数が増加する論文は、計量書誌学分野においてしばしば”sleeping beauty”(「眠れる森の美女」)論文と呼ばれてきましたが、この比喩の妥当性についてオランダ・ライデン大学の科学計量学者Ton van Raan氏と、米国の情報科学技術協会(ASIS&T)の雑誌編集部との間で論戦が起こっていることが、英The Guardian紙等で報じられています。

議論の契機はvan Raan氏がASIS&Tの雑誌JASISTに投稿した、医学分野における「眠れる森の美女」論文に関する研究論文が、「眠れる森の美女」という比喩が受け入れられない、という理由で却下されたことにある、とのことです。同誌の編集者はvan Raan氏に対し、この比喩の使用は特に説明を助けるものではなく、また「眠れる森の美女」という比喩が国や文化によって通じない可能性も問題であると述べました。さらに、「眠れる森の美女」という比喩の存在が、論文の引用に女性の純潔性を結びつけるニュアンスをもたらしたことが、他の研究者にも影響し、例えば出版後即座に引用されるもののその後、急激に被引用数が落ちる論文に”smart girl”というラベルを付けた例などが出てきていることも問題である、とされています。

米国図書館協会(ALA)、「2018年に最も批判を受けた図書」を公表

2019年4月7日、米国図書館協会(ALA)が、「2018年に最も批判を受けた図書」を公表しました。例年10点公表しますが、プライド・パレードにおいて宗教活動家によって焼かれた本が2冊(10点目と11点目)あるため、以下の11点を公表しています。

『ジョージと秘密のメリッサ(George)』、『にじいろのしあわせ : マーロン・ブンドのあるいちにち(A Day in the Life of Marlon Bundo)』、『スーパーヒーロー・パンツマン(Captain Underpants)』シリーズ、 『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ(The Hate U Give)』、“Drama”、『13の理由(Thirteen Reasons Why)』、“This One Summer”、“Skippyjon Jones”シリーズ、『はみだしインディアンのホントにホントの物語(The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian)』、“This Day in June”、“Two Boys Kissing”

学校図書館問題研究会、白泉社コミックスにおける利用者のプライバシーにかかわる描写に関して白泉社宛てに文書を送付

2019年3月21日、学校図書館問題研究会(学図研)は、白泉社が刊行した『花よりも花の如く』18巻と『魔法にかかった新学期』2巻において利用者のプライバシーにかかわる描写があったことから、プライバシーに対する配慮をお願いするとともに、学校図書館の現状と学図研の考えを伝えるために、全国委員会の検討を経た文書を白泉社宛てに送付したと発表しています。

2019年3月 白泉社コミックス 利用者のプライバシーにかかわる描写(学図研,2019/3/21)
http://gakutoken.net/jo5vpkcjc-49/#_49

2019年3月 白泉社コミックス 利用者のプライバシーにかかわる描写(学図研)
http://gakutoken.net/opinion/appeal/

米国図書館協会(ALA)、「図書館の権利宣言」(Library Bill of Rights)を改定:利用者のプライバシーと機密性保持に関する条項を追加

2019年2月7日、米国図書館協会(ALA)は、「図書館の権利宣言」(Library Bill of Rights)の改定を発表しました。

図書館利用者のプライバシーと機密性保持を保証するという考えに焦点を当てた第7項、

“All people, regardless of origin, age, background, or views, possess a right to privacy and confidentiality in their library use. Libraries should advocate for, educate about, and protect people’s privacy, safeguarding all library use data, including personally identifiable information.”
(全ての人々は、出身・年齢・経歴・見解を問わず、自身の図書館利用におけるプライバシーと機密性保持の権利を有する。図書館は、人々のプライバシーについて擁護・教育・保護し、個人を特定できる情報を含む全ての図書館利用データを保護しなくてはならない)

を追加したもので、ALAの冬季大会において評議会で採択されました。

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