カレントアウェアネス

CA1896 - 動向レビュー:共同運用による図書館システム導入の新たな可能性 / 上野友稔,香川朋子,片岡 真

日本の学術機関で運用する図書館システムは、冊子資料の書誌ユーティリティであるNACSIS-CATを中心とした構成により30年以上の歴史を持つ。図書館システムは安定、成熟した状態にある一方、急速に進展した電子リソースの管理やサービスの利活用など、学術情報流通の変化に十分に対応できていない。

CA1895 - 動向レビュー:デジタルレファレンスサービスの変化 / 渡辺由利子

An Answer for Everything: 10 Years of “Ask a Librarian”(あらゆる質問への答え:Ask a Librarianの10年)。2012年6月28日、このようなタイトルのお知らせが、米国議会図書館(LC)のウェブサイトに掲載された。インターネット上でレファレンスを受付けるAsk a Librarianのサービスが始まって10年が経ち、この間に58万件近くの問い合わせに答えてきたという内容であった。

CA1894 - ドイツ国立図書館(DNB)におけるオンライン資料を対象にした自動分類 / 鴇田拓哉

ドイツ国立図書館(DNB)では、オンライン資料、具体的にはインターネット上で入手可能な電子書籍や学位論文などの刊行物を対象に、機械的な分類記号の付与(自動分類)が行われている。本稿で取り上げるDNBの自動分類に比較的近いと思われる、出版物を対象に自動分類を行う事例に、米国議会図書館(LC)で行われているAutoDeweyがあげられる。

CA1893 - ウェブアーカイブの利活用に向けた動き―世界の潮流とWARPの取組― / 前田直俊

1990年代半ばにウェブアーカイブが行われ始めてから20年が経過し、その間、技術開発、法整備、運用構築、普及活動など様々な分野で取組が行われてきた。この数年はとりわけ利活用に向けた議論が活発になっている。本稿は、そうした動きと背景について概観するとともに、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)における利活用の取組を紹介する。

CA1892 - 学校図書館をひらく―東京・学校図書館スタンプラリーの試み― / 杉山和芳

2014年6月に学校図書館法が一部改正され「学校司書」の配置が努力義務とされた。次期学習指導要領でも学校図書館が果たすべき役割は大きくなると予想されている。また、文部科学省が「学校図書館ガイドライン」を作成するなど、学校図書館の機能強化を目指す動きが現れている。このように学校図書館をめぐる状況は大きく変化しつつある。

CA1891 - 水損資料を救うために / 正保五月

2015年9月、関東・東北豪雨により鬼怒川の堤防が決壊し、多くの家屋が浸水、流出の被害に遭ったことは記憶に新しい。近年、このような集中豪雨は増加傾向にある。日本全域で1時間降水量が50mmを超えるような短時間強雨の発生が増加しており、大雨の頻度は引き続き増加する可能性が高いと予測されている。このような現況から、図書館や文書館のような大量の資料を抱える施設にとって、「水害」への備えは急務であると言える。そこで本稿では、近年図書館で発生した資料の水損事例や、水濡れ資料への応急処置及び防災対策について紹介することで、その参考に資したい。

CA1890 - 動向レビュー:英米のオーラルヒストリー・アーカイブから何を学ぶか / 梅崎 修

オーラルヒストリーという研究手法は、ここ20年、多くの学問分野の中に取り入れられてきた。オーラルヒストリーとは、人生経験の記憶をインタビューによって収集したオーラル(口述)の記録、もしくは、そのような記録を使った研究を意味する。

CA1889 - 動向レビュー:Web2.0の現在 / 川瀬直人

いまさらWeb2.0と訝しがる向きは多いかもしれない。オライリー(Tim O'Reilly)が“What is Web2.0”でWeb2.0の考え方を示したのは2005年であり、日本で梅田の『Web進化論』が話題となったのは2006年と、いずれも10年以上前のことである。Googleトレンドを見てもWeb2.0の登場のピークは2006年8月であり、最近言及する人は少ないのが見て取れる。First Monday誌では2016年にWeb2.0の10年と題する特集を組み、Web2.0全般に関する現時点での論考を集めている。本稿では図書館や学術情報流通といった観点から、昨今ではあまり言及されなくなったWeb2.0が、現在ではどのように様変わりをしたのかを概観する。

CA1888 - 動向レビュー:図書館で「ゲーム」を行なう / 井上奈智

あなたは、さすらいの宗教者となり、千年の眠りから目覚めようとする魔族の復活を阻止するべく、魔族の再生を目論むマッドサイエンティストや魔族の末裔と戦う。こんなストーリーが、図書館の一角で話されるかもしれない。図書館員が読み上げるストーリーテリングではなく、図書館利用者が参加するテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(以下、TRPGとする。)の世界の中で、である。

CA1887 - 子どもの本で世界とつながる―ミュンヘン国際児童図書館のホワイト・レイブンズ・フェスティバル― / 中野怜奈

 ミュンヘン国際児童図書館(Internationale Jugendbibliothek)は、ユダヤ系ドイツ人のレップマン(Jella Lepman, 1891-1970)が、第二次世界大戦で荒廃したドイツの子どもたちのために国際児童図書展を開催したことが契機となり、1949年に設立された。現在はミュンヘン市内にあるブルーテンブルク城に約130言語60万冊を所蔵し、子ども向けの貸出図書館、研究資料室、児童書作家のミヒャエル・エンデ、ジェイムス・クリュス、エーリヒ・ケストナー、画家のビネッテ・シュレーダーのミュージアムから成る世界最大規模の児童図書館である。

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