T29 – 蔵書分析・評価サービス(AutomatedCollection Analysis Services: ACAS)

カレントアウェアネス
No.234 1999.02.20


用語解説[T29]
蔵書分析・評価サービス(Automated Collection Analysis Services: ACAS)

単一あるいは,複数の図書館の蔵書目録(MARCフォーマットのもの)を,OCLC/WLNコンスペクタスや,BCL3(Books for College Libraries: 大学図書館推薦図書目録第3版。アメリカ図書館協会刊行,約5万点を収録。)などの基準となるデータベースと対応させて自動的に分析し,評価するサービス。

コンスペクタスは,複数の図書館が共同で蔵書構築をするために作られた,蔵書構築方針や,蔵書構成を表現するための手法である。主題分野とそれに対する収集のレベルの組み合わせで表現される。OCLC/WLNコンスペクタスを例に挙げれば,主題は,LC分類表やDCに対応できる大項目24,中項目500,小項目4,000に分けられ,収集のレベルは0(収集しない)から5(包括的に収集する)で表される。

OCLC/WLNのサービスは,図書館の蔵書目録をこのコンスペクタスの主題カテゴリーに照らし合わせ,それぞれの主題についてどの程度の収集レベルかを,資料の出版年をも考慮に入れて分析するものである。また必要に応じて様々な分析・評価・報告のオプションがある。

この自動的な分析・評価が効力を発揮するためには,異なる書誌レコードの適切な同定手法の開発とコンスペクタス等基準となるデータベースの質の維持が重要となる。

Ref: 中野捷三 RLGコンスペクタス 現代の図書館27(4) 235-239,1989
中島薫 「共同蔵書構築」のための蔵書評価 国立国会図書館月報(409) 29-31, 1995