「資料を共有するリポジトリ間の整合性の改善に向けたアプローチの実現可能性調査」報告書(英国)

英国情報システム合同委員会(JISC)が委託で実施した「資料を共有するリポジトリ間の整合性の改善に向けたアプローチの実現可能性調査」の報告書が公開されています。

この報告書では、英国におけるリポジトリの背景、リポジトリの分類、リポジトリ間の整合性に関する論点を整理し、コンテンツとメタデータ、ポリシーのそれぞれについて、実現可能性、コスト・利益を分析しています。そして、リポジトリを運営している組織に対してJISCが推奨すべきこととして、

・リポジトリのポリシーを、もっとはっきりと宣言すること
・人間が高度に手をかけ続けなければならない戦略を立てるのではなく、初期段階での目標(ゴール)、目的を明確化するとともに、予想されるランニングコストを現実的に評価すること
・複数のリポジトリ間でより整合性を有するような、ポリシー開発の基礎を形成する可能性のある原則を特定すること
・共有されることが望ましいすべてのリポジトリコンテンツは、購読契約が必要なもの、アクセスできるメンバーが限られているものも含め、検索エンジンにクロールされるようにすること
・現在と将来における、メタデータのコスト・利益を分析すること
・コンテンツの格納・配信に係るツール、プラグインや、典拠ファイル、統制語彙の整備などに係る研究開発活動を奨励すること

を勧告しています。またJISCが今後助成すべき方向として、

・人間が読んで分かるガイドラインを作ること
・学問分野ごとの特性を調査すること
・各種のウェブ標準を採用すること
・協同・連携活動

を勧告しています。

Feasibility study into approaches to improve the consistency with which repositories share material
http://ie-repository.jisc.ac.uk/256/1/jisc-clax-final-report-repocon.pdf

November 12th, 2008付けDigitalKoansの記事
http://digital-scholarship.org/digitalkoans/2008/11/12/feasibility-study-into-approaches-to-improve-the-consistency-with-which-repositories-share-material/