学術出版社のオンライン出版に関するポリシーと実践に関する調査

英国の学会・専門協会出版協会(ALPSP)が、同協会加盟出版社およびその他の主要な協会に加盟する出版社、合計400社を対象に行った、オンライン学術出版に関するポリシーと実践に関する調査の結果を発表しています。全文の閲覧は有償ですが、主要な結果はプレスリリースの中で公開されています。

この調査は2003年、2005年に続く3回目のもので、調査対象には、商業出版社と非営利出版社の両方が含まれており、また英国外の地域の出版社も多く含まれています。回答率は65%を超えています。

・電子ジャーナルのオンライン入手可能性の成長曲線は、2003年以来堅調に上昇しているが、自然科学・工学・医学(STM)分野では96.1%のタイトルがオンライン入手可能であるのに対し、芸術・人文・社会科学分野では86.5%にとどまっているなど、学問分野による差が大きい。
・料金モデルは複雑化している。
・オープンアクセス運動が出版社の考え方に明らかに影響を及ぼしている。著者に対する、論文をオープンアクセス化するオプションを用意している出版社は、2005年の9%から30%へと増加した。
・ヴァーチャル学習環境での利用や、学習教材作成のための再利用を認めるなど、ライセンス条件をかつてより緩やかにしている出版社が増えている。
・「著者の権利」に関する対応は変化しており、著者に対し著作権を譲渡するよう求める出版社は少なくなっている。
・機関リポジトリ・主題リポジトリの拡大が、セルフアーカイビングに関する著者の権利についての再考を促進している。大手出版社はリポジトリへのプレプリントの投稿を禁止する条項を緩めている一方で、最終受領版に対してエンバーゴを課すようになっている。
・Web 2.0への対応は、出版社によってまちまちである。

といった結果が紹介されています。

Latest ALPSP Scholarly Publishing Practice Survey now available
http://www.alpsp.org/ngen_public/article.asp?id=1&did=47&aid=27749&st=&oaid=-1

October 13th, 2008付けDigitalKoansの記事
http://digital-scholarship.org/digitalkoans/2008/10/13/scholarly-publishing-practice-third-survey-2008-academic-journal-publishers-policies-and-practices-in-online-publishing/