「子どもに不適切」として図書館から借りた資料の返却を拒んだ利用者、のその後(米国)

2007年8月、「内容が子どもに不適切である」として、図書館から資料を借り出して返却しないという形で、資料を利用者に提供させないという行動に出た米国メイン州の女性の「その後」について、American Libraries誌が報じています。

女性はその後、2007年11月に、「当該資料はわいせつ物に関する条例による摘発対象に当たる」として警察に訴えたのですが、警察は「わいせつ物には当たらない」と回答し、12月から裁判が始まりました。2008年8月、裁判により、資料を返却し罰金100ドルを支払うことが命じられ、これに従わなければ収監する可能性があると伝えたのですが、女性は期日の8月29日になっても命令に従いませんでした。市は結局、「当該の資料は人々からの寄贈により、今では女性が借りているものを除いて図書館に4部もあること」、また「女性は命令に従い資料を返却するまで図書館を利用する権利を剥奪されていること」をもって、収監はしないということになったとのことです。なお当該の図書館長は「得るものはほとんどなかった」とコメントしています。

City Won’t Seek Jail for It’s Perfectly Normal Protester – American Libraries
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2008/august2008/nojailforkarkos.cfm

Perfectly Normal Protester Pleads Not Guilty – American Libraries
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2007/december2007/protester.cfm

参考:
「2005年に最も批判を受けた図書」をめぐる公共図書館での騒動(米国)
http://current.ndl.go.jp/node/6536